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第三章 指切
第五十話
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結婚式から二か月も絶たないうちに一大の夫婦仲は悪くなった。無論のこと遥希との関係を知られたわけでも浮気を疑われているわけでもない、夫である一大の態度にあった。
献身な看護を務めてくれた妻に感謝をすればこそ当然なのに、あろうことか一大は自分の想いが成就しない苛立ちを妻にぶつけてしまった。
一度ギクシャクとし始めると歯車が狂いだし、ふたたびふたりの関係は結婚まえの睦まじい関係に戻ることはなく、顔を合わすといがみあうようになった。
男は家庭に安らぎを求めるものだ、少しでも不満があれば帰る足が遠退いてしまう。自業自得な原因をつくったのは一大だが、けれども彼は妻に問題がると責任を転化。
自分に冷たく嫌味を言うような女とは夫婦生活もしたくないと、家に帰っても書斎で寝起きするという家庭内別居状態に。
妻は両親に状況を訴えるがまともに取り合おうとせず、「夫とよく話し合って夫婦間で問題を解決しろ」というスタンスらしい。
ふたりの結婚式には妻の父親の更に上役や得意先の社長まで列席しているのだ、結婚後二か月足らずで別居や離婚の危機など外聞が悪く強いては親の責任だと見られ立場がない。
自分は悪くない、毎日笑顔で夫に尽くしてきたという娘の訴えも、「怪我の痛みで気が立っているだけ。日にち薬だ妻の愛情で支えてあげろ」と暖簾に後押しだった。
親が頼りにならないのならと、妻も友人に逃げ家庭を放棄するように。一大と妻は職場恋愛で、結婚と同時に妻は退社をした。専業主婦となり時間を持て余す。
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