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閑話 許凜風という女・2 (皇帝・梓宸視点)
そわそわ。
そわそわ。
そわそわそわそわ。
再会の場として用意された張のじいさんの隠居屋敷で俺は右を向いたり左を向いたり身体を揺すったりしてしまう。だって凜風だ。やっと凜風と会えるのだ。これで落ち着けという方が無理という話だ。
「陛下、落ち着きくだされ」
かつての宮廷服に身を包んだ張のじいさんが呆れ顔でため息をついた。このじいさんは俺が皇帝になってからも数年間宰相を務めていたが、その頃は凜風を迎えることに反対していた。
だというのにこうして場を整えてくれたのだから……あのときの「まずは有力貴族の娘と後継ぎをこさえなされ。そのあとは好きにしてよろしいですから」という諫言に偽りはなかったのだろう。
このジジイのことだから何だかんだで反故にすると思ったんだがな。
そんなことより凜風だ。
使用人が凜風の到着を告げ、張のじいさんは出迎えるために応接間を出て行った。
さて、どうしたものか。
今まで待たせていた分、一発殴られるのは確定だとして。問題としては追加分だ。
文の一つも送らなかったことで一発。
何の相談もなく別の妃を迎えたことで一発。
結婚の約束をしておきながら他の女と子供を作っていたことで一発。程度は覚悟しておくべきか。いや子供の数だけ殴られるとして追加で四発……。凜風から本気で七発……。
あれ? 俺、やっぱり死ぬんじゃないか?
期待と恐怖は……正直、恐怖の方が大きいかもしれない。
いやしかし俺は皇帝だ。絶望的な戦場を幾度となく駆け抜けたのだ。いまさら女一人に恐怖する必要など……。
…………。
うん、勝てる気がしない。
幼い頃から刻まれた上下関係はそう簡単に覆らないようだった。
恐怖に打ち勝つために深呼吸をしていると――来た。来てしまった。じゃなくて来てくださった。
凜風だ。
凜風だろう。
きっと凜風だ。
いまいち自信が持てないのは彼女が頭纱(ベール)と面纱(フェイスベール)を身につけていたから。いかにも呪術師とか占い師っぽい服装。顔はもちろん見えないし長い頭纱のせいで目元も隠されている。
頭纱の隙間から覗く髪色は――銀。
あの美しい烏の濡れ羽色をした黒髪では、ない。
彼女は本当に凜風だろうか?
張のじいさんのことだから嘘はつかないと思う。だが、張のじいさんのことだから騙してきても不思議ではない。
声を聞けば分かるか。
俺は座っていた腰掛けから立ち上がり、自分史上最も優しく最も甘い声を掛けた。
「久しぶりだな、凜風」
俺の声を受けて凜風の動きがわずかに止まった。
そして、そのまま、室内に入ってくることなく膝を突き、膝を『こつん』と床に叩きつけた。
叩きつけたとはいえ、痛くはないだろう。彼女だってそのくらいの手加減はしたはずだ。
だが、凜風が叩頭の礼をしたことに、『皇帝』に対する礼を取ったことに、俺の心が軋みを上げた。
「……凜風。そこまで畏まる必要はない。顔を上げてくれ。俺とお前の仲ではないか」
12年。
12年という歳月は俺と凜風の間に決定的な溝を刻んだのだろうか。埋められない亀裂を残したのだろうか?
俺が頼んでも凜風は頭を上げることなく。
「いえいえ偉大なる皇帝陛下を前にして、庶民である自分が畏まらないわけにはいきませんわ。顔を上げるなどもってのほか。陛下のご威光によって目が潰れてしまいますもの」
…………。
……あ、こいつ楽しんでるな? 俺をからかって楽しんでいるな?
そして声は間違いなく凜風だった。12年前とまったく変わらない。声色より先に返事の仕方で凜風と分かってしまったのがアレだが。
相変わらずの凜風で安心した。
しかし、気になることが一つある。
ふざけている最中にも名前を呼んでもらえなかった。
彼女にとって俺はすでに『幼なじみ』ではなく『皇帝陛下』でしかないのだろうか?
「……もう梓宸とは呼んでくれないのか?」
「………………………」
あー、呆れられてる。
ものすっごく呆れられてる。
長い付き合いだから分かる。
面纱で顔を隠していても分かる。
白けた雰囲気が俺と凜風の間に充満する。
これはまずい。
12年ぶりの再会がこれというのは非常にまずい。
なんとか。
何とかこの雰囲気を打開しなければ!
「約束通り迎えに来たよ、凜風」
こんなことを言ったら怒られるだろうけど! そんな反応をされるくらいなら殴ってくれた方がマシだから!
俺が少々引きつった笑みを浮かべながら右手を差し出すと、彼女は顔を上げてくれて――見えた。頭纱と面纱の間から。凜風の、煌めくような金色の瞳が。
あの頃と同じ美しさ。
あの頃と同じ気高さ。
あの頃と同じ……獲物を狙うような獰猛な瞳。
凜風は目を細めながら俺の手を取り、
絶対に逃がさないとばかりにきつく握りしめ、
これはヤバいと身を引こうとするが、握りしめられた手はびくともせず。
踏み込みの音。
を、脳が認識したときにはもう俺の腹部を凜風の拳が貫いた。……いやさすがに貫通はしなかったが、貫かれたと錯覚するほどの衝撃が俺の腹を襲った。
凜風に会う緊張のせいでご飯を食べられなかったことが幸いした。普段通りの食事をしていたら吐き出していただろう色々と。
「然もありなん」
張のクソジジイが訳知り顔でつぶやいていた。凜風をすぐ迎えに行けなかった原因の一つはお前だろうに……。
凜風はやはり凜風だった。
地元で『老若男女殺し』と恐れられた腕前(無自覚)は健在だった。いやしかしまさか孫武の野郎まで落とすとは予想外だったが。お前嫁さん一筋じゃなかったんかい。
「伴侶がいようがいまいが、いい女がいるならば口説くのが北狄流だ」
悪びれない孫武の様子に呆れてしまう。凜風も呆れていた。なにやら共感が得られたところで俺は改めて凜風に向き直った。
「凜風。俺の妃となり、宮廷へ来てくれないか?」
「え? 嫌よ今さら。私にも仕事があるもの」
「お、俺と仕事どっちが大切なんだ!?」
「うざっ」
「うざっ!?」
容赦のない言葉に愕然としていると張の爺さんが訳知り顔で顎髭を撫でた。
「ふむ、皇帝としての使命を優先させ、12年も凜風殿を迎えにいかなかった男の言葉とは思えませんな」
うっさい元凶の一人。
ええいもはや小細工無用! 真っ正面から頼むのみ!
「凜風! 結婚しよう!」
「え~?」
「結婚してくれ!」
「ん~?」
「けっこん!」
「そうねぇ……」
俺の情熱に感動したのか凜風は深く深くため息をついた。
なぜか一度は立ち上がった床にふたたび座る凜風。そのあまりにも凜とした正座に、思わず俺も正座してしまう。
膝がぶつかるほどの距離で向かい合う俺と凜風。
「少し真面目な話をしましょうか」
「お、おう?」
「私が仙人になったという噂くらい調べてあるわよね?」
「……よく分からんが、そうらしいな」
「…………」
凜風が無言のまま頭纱(ベール)を取った。まだ見慣れない銀色の髪が露わになる。
そして。
顔を覆っていた面纱(フェイスベール)も剥ぎ取られた。
その下にあったのは、もちろん凜風の顔。
見慣れた。とても見慣れた凜風の顔。
そう、見慣れた。
あまりにも、見慣れすぎている。
12年経っているのに。
相応に年を取っているべきなのに。
同じだった。
12年前。
俺たちが15歳だった頃。
あの日。
結婚の約束をしたあの日、あのときと。
凜風の顔は、同じだった。
12年の歳月を経た変化は見受けられず。まるで時が止まったかのように……。
そういえば。
12年ぶりに聞いた凜風の声色もまた、12年前とまったく同じだった。男のように声変わりはしないにしても、年を取れば少しくらい変わっているべきなのに。
……巷間にいわく、仙人は不老不死であるという。
不老不死。
それは、絶対に、人間が至れぬ境地。至ってはならない極地。
凜風は微笑む。
妖艶に。
怖気がするほどの美しさで。
「私が人間じゃないとして。梓宸は、同じように求婚してくれるかしら?」
「…………」
凜風が、人間じゃない?
……そうかもしれない。
そもそもが人知を越えた美少女だったし、人の心を読んだような受け答えをするし、普通の人間は一度読んだだけで本の内容を丸暗記することなんてできない。神霊妖魔の類いと説明された方がまだ納得できるというものだ。人知を越えた美少女だったし。
まぁ、つまり、どういうことかというと……。
「凜風は、凜風だろう?」
「…………」
凜風が無言で見つめてくる。おそらくはすべてを見抜く金色の瞳で。
いやしかし、相も変わらずの美少女だな。見つめられていると改めてその美しさがよく分かる。
不老不死ってことは老いないのか? ずっと美少女のままなのか? なんだそれ最高か。いや凜風ならすっごく可愛らしいお婆ちゃんになると思うしそれはそれで楽しみなのだが、若さを保ってくれるならそれはそれで――ぐふっ!?
殴られた。
昔のようにまるで本気じゃない拳で。
「少しくらいは成長しなさいよ、ばか」
やれやれと凜風は肩をすくめた。
「ちょっとでも怖がったら婚約破棄してやろうと思ったのに、色々と台無しじゃない色々と。あなたに真面目な反応を期待した私が馬鹿だったわ」
言いながら右手を伸ばしてくる凜風。また殴られるかなと反射的に身構えると――
「――梓宸」
名前を呼ばれた。
12年ぶりに。
皇帝劉宸ではなく、梓宸と。
「よく頑張ったわね」
頭が撫でられる。あのときと同じ顔で、ほんの少し大人びた風に笑う凜風。
「私はあなたが皇帝になるって知っていたけれど、それでも、ここでこうしていられるのはあなたが決断して、頑張ったからこそだもの。たまには手放しで褒めてあげるわ」
「凜風……」
頭を撫でるのを止めた凜風が立ち上がり、右手を差し出してきた。
手を引かれて起き上がる。
なんだかいい雰囲気だ。
これはもう一押しすればいけるのでは? 「しょうがないわね。今まで頑張ったご褒美よ?」と受け入れてくれるのでは?
よし行くぞ。
気合いを入れ直した直後、凜風は真面目な顔で俺を見つめてきた。
「皇帝のお約束としてそういう系の仙丹とか霊薬を求められても困るからね。一応断っておくけど、私は不老不死じゃないわよ? 年を取っていないように見えるのは単に童顔なだけで」
この国は先代皇帝が不老不死の妙薬を求めて色々とやらかしたからな。凜風が心配してしまうのも分かる。
しかし、童顔ねぇ……?
凜風の顔から胸元へと視線を落とす俺。童顔だと胸部の成長も止まるようだ。少しも。微塵も。まったく。12年前から成長していな――ぐふっ!?
殴られた。
けっこう本気で殴られた。
歯が折れると思った。
「折らない私って優しい人間だと思うのよね」
本当に優しい人間は『折る』ような行動をしない――いえなんでもありません。
『……まったく以てけしからん』
と、凜風の義理の息子である浄が凜風の両肩を掴み、俺と距離を取らせるかのように後ろへ引き寄せた。
それはまぁいいとしても、どさくさ紛れに抱きしめるのはどうかと思うぞ?
『真面目に求婚するのかと思って見守っていれば阿呆なことばかり口にして。貴様なんぞに凜風は任せられん。さっさと帰れ』
「…………」
この浄という凜風の義息は、明らかに凜風に惚れている(俺も惚れているからよく分かる)のだが、それでも俺の求婚を見守ってくれたらしい。なんだこの子いい子だな? 凜風の義理の息子なら俺の息子も同じだし、ここは親交を深めておくべきか?
俺が握手――かつて凜風から習った西洋風の挨拶をするために右手を差し出すと、浄はその手を打ち払った。ぱしーんと。貴様となれ合うつもりはないと宣言するかのように。
『貴様となれ合うつもりはない』
宣言されてしまった。真っ正面から。
なるほど、あくまで凜風を狙う男として対立すると? ならば俺も容赦はしない。男らしく拳と拳で決着を付けようじゃないか。
同じ女に惚れた者同士。浄も俺の心積もりを理解したようだ。言葉もないまま拳を鳴らしたり、肩を回したりして準備運動する俺と浄。
そしていよいよ凜風を賭けた一大決戦が始まるというところで――
「――喧嘩したら、怒るわよ?」
「…………」
『…………』
凜風の警告によって俺たちは近くにあった机の元へ移動。正々堂々と、喧嘩にならない範囲の腕押し(腕相撲)で雌雄を決することにした。
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