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第二十話 おばちゃんの思い出
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季節の変わり目でそろそろ部屋の掃除と衣替えの話になり、休みの日に全員総がかりで取り掛かることになった。おばちゃんは自分の部屋とオレの居候部屋、レイはもちろん自分の部屋、オレは持ち物がさほどないからおばちゃんのお手伝いをする事に。
「おばちゃん、この服はどこのタンスに入れようか?」
「このタンスは空にしてコハクちゃんの服入れにしたいからこっちに運んでくれる?」
テキパキと指示を出された通りに服の移動を開始する。ある程度運び終わり、タンスのホコリを掃除し、自分用にと開けてくれたタンスはピカピカに仕上がった。
「着るもんってそんなに多くないのになぁ」
なんて顔がほころんでしまうのは、ここの家に自分の居場所がどんどん出来てくる嬉しさがあるからかもしれない。
「俺んとこも入れ替えしゅーりょー!」
着替えの服が多かったのか、机に突っ伏して燃え尽きてるレイの隣に座りほっぺたプニプニしてつつき倒していたら、おばちゃんから手伝っての声がかかったので飛んでいく。
家の中のレイは表での雷神とは別人で、はホント隙だらけでいじりがいがあるなぁとクスリと笑う。おばちゃんの部屋もあらかた片付いていたものの、タンス一個分の服をしまうのに四苦八苦していたようで、空の衣装ケースにどう詰め込もうか迷ってたようだった。
「私ってばパズル苦手だったの忘れていたわー」
って小さく畳んでしまうだけとはいえ、かなりギュウギュウに押し込まれていた。
「レイに余ってる衣装ケース無いか聞いてみるね」
と立ち上がり、レイを叩き起こして確認すると
「小せえけど、雑貨物入れになってるケースがあるぞ」
と、譲ってくれることになった。その雑貨物を別の入れ物に移しているのを横で眺めていたオレは、その中に1枚だけむき身でしまわれてる1枚の写真が入っているのを見つけた。結構古いセピア色の写真に写る男女の中に、一際笑顔が素敵な女性に目を奪われる。
「この女性どっかで見たトキあるよーな?」
「母ちゃんだろーがよ。どこをどー見ても」
面影は確かにあるが、若すぎるせいかすぐにはピンと来なかった。
「おい、この中にレイのの父ちゃんいるんか?」
と聞いてみたが、答えたのはレイじゃなくおばちゃんだった。
「そこには写ってないわよ、私のお友達だけだからー」
写真を覗き込んで懐かしそうな表情を浮かべるおばちゃんは、
「お掃除と衣替え、お疲れさま」
と言って持ってきた冷たいお茶を差し出し、その場に座り込んだ。冷たいお茶を喉に流し込み、写真の友達とかどんな感じだったのかを語り始める・・・というか聞いて欲しいようでどんどん自分の友達の自慢を話し出した。
「みっちゃんって本当に明るくて彼女がいたおかげで楽しかった」
「おがくんの天然タラシっぷりはいつも女子をドキドキさせてたわ」
「つっきーは賢いわりにうっかりさんで母性本能くすぐるし」
おばちゃんの友好関係が赤裸々に語られていくなか、おばちゃんの周りはいつも仲間に囲まれ楽しい学生時代だったんだろうなぁって微笑ましく聞いていた。写真を見つめているおばちゃんは本当に良い顔をしている。
「そうだったわ、この写真を撮った後に・・・」
当時、『非常に高価で珍しいカメラを持っている』と自慢をしていたクラスメイトの子が居たのを聞きつけ、みっちゃんが交渉しに行った。みっちゃんはクラスの人気者で男女問わず仲がいいので交渉を難なく成立させて、スキップで私たちの前まで帰ってくる。
「モデルの交渉オッケーだったよー」
「モデル交渉だったのかよ?」
「相変わらず仲良い友達多いと得よねー」
「何言ってんの、日頃の行いが良いからオッケー貰えるのよ」
何気ない日常にいつものメンバーとの集合写真を撮るなんて機会は無かったので、女子は特にウキウキし始める。
「最近のカメラは性能が良くなってるって聞くし、写真は一生残る物なのだから」
と気合いが入る。男子は写り方にさほど興味がないのか、撮影後に遊びに行く計画に話題が切り替わっていた。
「つっきーの写真って物凄くレアだよね~」
学校行事で撮られる写真の中につっきーはほぼ形を成さずブレて撮られている事が殆どで、まともな写真を持つことは確かにレアだ。
「つっきー無口でじっとしてる時間多いのに写真うつり悪いよね」
「・・・」
本人も心外何だろうが、撮り手が下手というワケじゃないのに彼だけボケるのは何かしらの原因は有りそうだが、現代化学でも証明は難しそうだ。カメラマンの子がみっちゃんに
「次の日の休みに公園に集合ね」
と伝えて来たので当日までに新しい洋服とか見に行く約束をして、準備を万全に整える事にした。
「待ちに待った撮影かーい!」
ハイテンションの女子をよそに男性陣が遅い。公園のブランコ前で女子はおしゃべりしながら待ってると、胸の前にカメラを持ったクラスメイトが手を振ってこっちに来る。これで男子待ちの状態になり、みっちゃんの提案で
「最近アイドルで流行りのプロマイドっていうソロ写真を撮ろうよ」
ってなり、カメラマンもいい絵を撮れるよう頑張るって事で早速言い出しっぺのみっちゃんから好きなポーズで撮ってもらう。堂々とポーズをとれるみっちゃんを他の女子は尊敬の眼差しで見つめていたら、他の子も自分の時には照れつつもお気に入りのポーズで撮影して貰っていた。
「楽しみー!早く写真見たいね」
女子のソロ撮影がある程度終わろうとした時、男子の話し声が聞こえた。集合場所からソロ撮影の為に移動しちゃってて慌ててブランコ前に戻ると、男子はスーパーの袋を椅子に置いてお菓子を食べ始めようとしていた。
「もう、男子遅いよー!」
全員揃ったところで、あらためて全員の写真撮影会がスタートするのだった。
「納得する一枚が撮れるまで、良い顔でお願いしまーす!」
カメラマンの子がそう言い、シャッターをタイミングよくきっていく。『普段とおりで』と言われても顔が強ばるのは男子たちだけで、女子はその様子をからかいつつ緊張をほぐすように笑みを引き出す。気がつけばそれなりの枚数を撮ったので終了の合図がかかる。カメラマンは納得いく1枚があったようで私達も現像を楽しみにし、お疲れ様のおやつ会をする為に公園のベンチに向かう。その時その撮影を見ていたガラのわるそうな大人が後ろからカメラマンの子に近づいて体当たりをした。
「いってーな!ちんたら歩いてんじゃねーよガキども!」
後ろから聞こえる怒声にびっくりして振り返ると、カメラの紐を必死に握りしめて無言で抵抗する姿とチンピラが胸ぐらを掴んで怒鳴る光景に私たちは顔を青ざめさせた。
「やめてください!」
おがくんが間に割り込もうとしたが突き飛ばされてしまう。みっちゃんがおがくんをかばいつつ文句を言うが聞く耳持たないその男はカメラの本体を奪おうとしていた。
(怖い、誰か助けて・・・)
しゃがみ込んで震えていると、サッと黒い影がチンピラの手をひねり揚げていた。
「あいててて!」
見上げると交番のおまわりさんの制服を着た男性がチンピラに
「学生相手に何してるんだ!」
と説教をしはじめていた。お巡りさんのお陰でカメラマンの子は逃げ出せ、私達の後ろまで走ってきた。
「大丈夫?」
と声を掛け合いつつもその大人達の様子を伺っていると、
「ガキの方からぶつかってきたんだ、俺は躾のために怒ってたんだぜ」
「おがくんを突き飛ばしといてよく言うわよ!」
「そっちから体当たりしてきたんだろ、嘘言うな!」
カメラマンの子も負けじと応戦する。おまわりさんにしたら
「学生の、特に女の子が震えて今にも泣きだしそうなのに、加害者には見えない」
との判断でチンピラを署まで連行しようとしたのだが、男が文句を言って逃げ出したので、無線で
「公園でのいざこざは解消した」
と伝えている。私達は酷い目にあったとグチグチ文句は言ったけどみんな怪我がなくてほっとしていた。すぐさまおまわりさんの前でお礼を言った。まだ制服もキレイで新人っぽさはあるけどすごくかっこ良かったその人に、私は・・・。
「渋谷公園前派出所勤務の金城です。困った事があったらいつでも来て下さい」
「金城さん・・・」
その日から私の頭の中を占領したのは言うまでもなく、友達になって貰えるように何かしら理由を作っては交番に通った。そうこうしている内に友達から
「この間の写真、現像できたよー!女子の一枚撮りはみんなそれぞれブロマイドみたいに作ったから、お部屋に飾るもよし、好きな人にプレゼントするもよし!大切にしてくれたら嬉しいなー」
集合写真の他に作ってくれた女子だけのマイブロマイド。改めて見てみると
(よくこんなポーズで写真撮ってもらったもんだ)
と恥ずかしくなるけれど、その中でも一番自分が清楚でかわいく写っているものを交番に持っていく。
「こんにちは、本日もお疲れ様です!チンピラから助けていただいた時に作った私のブロマイドができましたのでご報告に来ました!」
「そうでしたか、これはご丁寧に・・・あの、この素敵なブロマイド。大切にしますので是非譲っていただけないでしょうか?」
「え?別に構いませんが、そんなのでよろしいのですか?」
「はい、これがいいのです。常に持ち歩いて貴女を側に感じたいのです!」
胸がドキドキしてちょっと苦しく、体中の血液が一気に顔に集中したような感じがしたのを覚えている。
「・・・ねぇ、おばちゃんってば!」
「へ?あら?」
「随分自分の世界にこもっていたけど、この写真を撮った後に何があったん?」
コハクは興味津々でおばちゃんにこの写真の後の話を聞き出そうとするが、
「そろそろ夕飯の準備をしないとね~」
とか言ってその場を離れる。台所に立って
(こんなにもあの人の事が鮮明に思い出せるなんて、きっと風神雷神伝説の繋がりがあるからかも知れないわね)
っと、ふふっと微笑む。
「レイは頼もしく真っ直ぐな子に育ってるわよ、あなたにソックリね」
「おばちゃん、この服はどこのタンスに入れようか?」
「このタンスは空にしてコハクちゃんの服入れにしたいからこっちに運んでくれる?」
テキパキと指示を出された通りに服の移動を開始する。ある程度運び終わり、タンスのホコリを掃除し、自分用にと開けてくれたタンスはピカピカに仕上がった。
「着るもんってそんなに多くないのになぁ」
なんて顔がほころんでしまうのは、ここの家に自分の居場所がどんどん出来てくる嬉しさがあるからかもしれない。
「俺んとこも入れ替えしゅーりょー!」
着替えの服が多かったのか、机に突っ伏して燃え尽きてるレイの隣に座りほっぺたプニプニしてつつき倒していたら、おばちゃんから手伝っての声がかかったので飛んでいく。
家の中のレイは表での雷神とは別人で、はホント隙だらけでいじりがいがあるなぁとクスリと笑う。おばちゃんの部屋もあらかた片付いていたものの、タンス一個分の服をしまうのに四苦八苦していたようで、空の衣装ケースにどう詰め込もうか迷ってたようだった。
「私ってばパズル苦手だったの忘れていたわー」
って小さく畳んでしまうだけとはいえ、かなりギュウギュウに押し込まれていた。
「レイに余ってる衣装ケース無いか聞いてみるね」
と立ち上がり、レイを叩き起こして確認すると
「小せえけど、雑貨物入れになってるケースがあるぞ」
と、譲ってくれることになった。その雑貨物を別の入れ物に移しているのを横で眺めていたオレは、その中に1枚だけむき身でしまわれてる1枚の写真が入っているのを見つけた。結構古いセピア色の写真に写る男女の中に、一際笑顔が素敵な女性に目を奪われる。
「この女性どっかで見たトキあるよーな?」
「母ちゃんだろーがよ。どこをどー見ても」
面影は確かにあるが、若すぎるせいかすぐにはピンと来なかった。
「おい、この中にレイのの父ちゃんいるんか?」
と聞いてみたが、答えたのはレイじゃなくおばちゃんだった。
「そこには写ってないわよ、私のお友達だけだからー」
写真を覗き込んで懐かしそうな表情を浮かべるおばちゃんは、
「お掃除と衣替え、お疲れさま」
と言って持ってきた冷たいお茶を差し出し、その場に座り込んだ。冷たいお茶を喉に流し込み、写真の友達とかどんな感じだったのかを語り始める・・・というか聞いて欲しいようでどんどん自分の友達の自慢を話し出した。
「みっちゃんって本当に明るくて彼女がいたおかげで楽しかった」
「おがくんの天然タラシっぷりはいつも女子をドキドキさせてたわ」
「つっきーは賢いわりにうっかりさんで母性本能くすぐるし」
おばちゃんの友好関係が赤裸々に語られていくなか、おばちゃんの周りはいつも仲間に囲まれ楽しい学生時代だったんだろうなぁって微笑ましく聞いていた。写真を見つめているおばちゃんは本当に良い顔をしている。
「そうだったわ、この写真を撮った後に・・・」
当時、『非常に高価で珍しいカメラを持っている』と自慢をしていたクラスメイトの子が居たのを聞きつけ、みっちゃんが交渉しに行った。みっちゃんはクラスの人気者で男女問わず仲がいいので交渉を難なく成立させて、スキップで私たちの前まで帰ってくる。
「モデルの交渉オッケーだったよー」
「モデル交渉だったのかよ?」
「相変わらず仲良い友達多いと得よねー」
「何言ってんの、日頃の行いが良いからオッケー貰えるのよ」
何気ない日常にいつものメンバーとの集合写真を撮るなんて機会は無かったので、女子は特にウキウキし始める。
「最近のカメラは性能が良くなってるって聞くし、写真は一生残る物なのだから」
と気合いが入る。男子は写り方にさほど興味がないのか、撮影後に遊びに行く計画に話題が切り替わっていた。
「つっきーの写真って物凄くレアだよね~」
学校行事で撮られる写真の中につっきーはほぼ形を成さずブレて撮られている事が殆どで、まともな写真を持つことは確かにレアだ。
「つっきー無口でじっとしてる時間多いのに写真うつり悪いよね」
「・・・」
本人も心外何だろうが、撮り手が下手というワケじゃないのに彼だけボケるのは何かしらの原因は有りそうだが、現代化学でも証明は難しそうだ。カメラマンの子がみっちゃんに
「次の日の休みに公園に集合ね」
と伝えて来たので当日までに新しい洋服とか見に行く約束をして、準備を万全に整える事にした。
「待ちに待った撮影かーい!」
ハイテンションの女子をよそに男性陣が遅い。公園のブランコ前で女子はおしゃべりしながら待ってると、胸の前にカメラを持ったクラスメイトが手を振ってこっちに来る。これで男子待ちの状態になり、みっちゃんの提案で
「最近アイドルで流行りのプロマイドっていうソロ写真を撮ろうよ」
ってなり、カメラマンもいい絵を撮れるよう頑張るって事で早速言い出しっぺのみっちゃんから好きなポーズで撮ってもらう。堂々とポーズをとれるみっちゃんを他の女子は尊敬の眼差しで見つめていたら、他の子も自分の時には照れつつもお気に入りのポーズで撮影して貰っていた。
「楽しみー!早く写真見たいね」
女子のソロ撮影がある程度終わろうとした時、男子の話し声が聞こえた。集合場所からソロ撮影の為に移動しちゃってて慌ててブランコ前に戻ると、男子はスーパーの袋を椅子に置いてお菓子を食べ始めようとしていた。
「もう、男子遅いよー!」
全員揃ったところで、あらためて全員の写真撮影会がスタートするのだった。
「納得する一枚が撮れるまで、良い顔でお願いしまーす!」
カメラマンの子がそう言い、シャッターをタイミングよくきっていく。『普段とおりで』と言われても顔が強ばるのは男子たちだけで、女子はその様子をからかいつつ緊張をほぐすように笑みを引き出す。気がつけばそれなりの枚数を撮ったので終了の合図がかかる。カメラマンは納得いく1枚があったようで私達も現像を楽しみにし、お疲れ様のおやつ会をする為に公園のベンチに向かう。その時その撮影を見ていたガラのわるそうな大人が後ろからカメラマンの子に近づいて体当たりをした。
「いってーな!ちんたら歩いてんじゃねーよガキども!」
後ろから聞こえる怒声にびっくりして振り返ると、カメラの紐を必死に握りしめて無言で抵抗する姿とチンピラが胸ぐらを掴んで怒鳴る光景に私たちは顔を青ざめさせた。
「やめてください!」
おがくんが間に割り込もうとしたが突き飛ばされてしまう。みっちゃんがおがくんをかばいつつ文句を言うが聞く耳持たないその男はカメラの本体を奪おうとしていた。
(怖い、誰か助けて・・・)
しゃがみ込んで震えていると、サッと黒い影がチンピラの手をひねり揚げていた。
「あいててて!」
見上げると交番のおまわりさんの制服を着た男性がチンピラに
「学生相手に何してるんだ!」
と説教をしはじめていた。お巡りさんのお陰でカメラマンの子は逃げ出せ、私達の後ろまで走ってきた。
「大丈夫?」
と声を掛け合いつつもその大人達の様子を伺っていると、
「ガキの方からぶつかってきたんだ、俺は躾のために怒ってたんだぜ」
「おがくんを突き飛ばしといてよく言うわよ!」
「そっちから体当たりしてきたんだろ、嘘言うな!」
カメラマンの子も負けじと応戦する。おまわりさんにしたら
「学生の、特に女の子が震えて今にも泣きだしそうなのに、加害者には見えない」
との判断でチンピラを署まで連行しようとしたのだが、男が文句を言って逃げ出したので、無線で
「公園でのいざこざは解消した」
と伝えている。私達は酷い目にあったとグチグチ文句は言ったけどみんな怪我がなくてほっとしていた。すぐさまおまわりさんの前でお礼を言った。まだ制服もキレイで新人っぽさはあるけどすごくかっこ良かったその人に、私は・・・。
「渋谷公園前派出所勤務の金城です。困った事があったらいつでも来て下さい」
「金城さん・・・」
その日から私の頭の中を占領したのは言うまでもなく、友達になって貰えるように何かしら理由を作っては交番に通った。そうこうしている内に友達から
「この間の写真、現像できたよー!女子の一枚撮りはみんなそれぞれブロマイドみたいに作ったから、お部屋に飾るもよし、好きな人にプレゼントするもよし!大切にしてくれたら嬉しいなー」
集合写真の他に作ってくれた女子だけのマイブロマイド。改めて見てみると
(よくこんなポーズで写真撮ってもらったもんだ)
と恥ずかしくなるけれど、その中でも一番自分が清楚でかわいく写っているものを交番に持っていく。
「こんにちは、本日もお疲れ様です!チンピラから助けていただいた時に作った私のブロマイドができましたのでご報告に来ました!」
「そうでしたか、これはご丁寧に・・・あの、この素敵なブロマイド。大切にしますので是非譲っていただけないでしょうか?」
「え?別に構いませんが、そんなのでよろしいのですか?」
「はい、これがいいのです。常に持ち歩いて貴女を側に感じたいのです!」
胸がドキドキしてちょっと苦しく、体中の血液が一気に顔に集中したような感じがしたのを覚えている。
「・・・ねぇ、おばちゃんってば!」
「へ?あら?」
「随分自分の世界にこもっていたけど、この写真を撮った後に何があったん?」
コハクは興味津々でおばちゃんにこの写真の後の話を聞き出そうとするが、
「そろそろ夕飯の準備をしないとね~」
とか言ってその場を離れる。台所に立って
(こんなにもあの人の事が鮮明に思い出せるなんて、きっと風神雷神伝説の繋がりがあるからかも知れないわね)
っと、ふふっと微笑む。
「レイは頼もしく真っ直ぐな子に育ってるわよ、あなたにソックリね」
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