ETERNAL FORCE ~最強魔導士と癖の強い魔物殲滅部隊

NYATORA467

文字の大きさ
1 / 5
序章

第1話 運命の出会い

しおりを挟む
「警告!!魔物襲来!!」

人類を魔物の脅威から守る魔物殲滅部隊【ムーンエレック】の本部で、魔物が人類が暮らしている【ニューアルファ】に襲来した警報が鳴りひびいた。本部内に在中している殲滅部隊員は急いで魔物が出現した場所へ移動を開始した。

「ここにいる者たちは、急ぎ所定の場所へ移動し住民の警護に当たれ」

【ムーンエレック】の中で、銀級部隊である者たちは人間が住んでいる地域の警護や避難誘導などが主な仕事となる。そのため、直截的に魔物を討伐することはほとんどない。

「(今日が銀級部隊になってから初めての任務。気合を入れないと)」

銀級部隊になって初めて任務が与えられた少女、アンナ。彼女は【ムーンエレック】に入隊してからおおよそ4年。長い訓練生時代を超えて、まだ討伐部隊ではないがそれでも任務にあたる役職になった。アンナはかなり気合が入っていた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

アンナは先輩銀級部隊員と2人で、所定の位置に移動を開始していた。先輩部隊員はすでに警護任務を何度か経験しているため、初任務のアンナと合同で任務に当たるよう上から指示があった。

「とりあえず、俺たちが割り当てられた場所は今回の出現ポイントからかなり離れている。他と比べたら危険性は低いが警戒は怠るなよ」

「わかりました」

基本的には、魔物が最初に出現したポイントからしか出ないことが多い。稀に複数のポイントから出現することもあるが、同時に出ることが多いためアンナの位置に魔物が出る可能性はかなり低い。

そして所定の位置につくと、近くの住民たちの避難誘導と、警戒に当たっていた。幸いにも現地に着いた時には魔物に襲われてはいなかったため、迅速に対応することができた。

周辺の住民全員の避難が終了し、周囲の警戒をしていた。出現ポイントにいる魔物たちすべての討伐が終わるまでは待機となっている。

「今は言った連絡だと、魔物も大部分が討伐しているらしい。おそらくあと少し終わるそうだ」

「了解です、では合図があるまで私たちはここで待機ですね」

連絡用の魔道具で、討伐部隊から連絡を先輩部隊員が受けるともうすぐ終わりそうであることをアンナに伝えた。アンナにとって初任務であるため、その連絡に少し安心した。

任務完了の連絡が来るまで、警戒していた2人であったが突然周囲の雰囲気が変わる。そして2人の前に魔物が3体現れた。

「ここに来る予測はなかったはずだ。ちっ、アンナは今すぐ本部に連絡をいれ...」

先輩はすぐにアンナに、本部へ応援の連絡を頼もうとするがすぐに魔物に吹っ飛ばされてしまった。息はあるが、それでも衝撃はかなり大きかったようでその場で気を失ってしまった。

「先輩、先輩!!」

アンナは必死で先輩のもとに駆け寄り声をかけるが、それでも先輩の反応はない。先輩はアンナに応援を呼びかけるように指示を出したが、アンナは冷静さを欠いておりそれどころではなかった。

そして、魔物3体がアンナのもとに近づいた。アンナは魔物が近づいているのに気づく。先輩がすぐにやられてしまい、どうにもできない状況である。

「...ここでただやられるぐらいだったら、少しでも抵抗する」

アンナは腰に携えている短剣を握る。彼女は、銀級隊員で魔物と対峙しても問題ない隊員であるが、先輩が一撃で倒されている以上、彼女には手に負えない相手である。

アンナは1体の魔物に切りかかるが、魔物は軽く腕を振るうとそのまま吹っ飛ばされてしまった。先輩が受けたほどのダメージではないものの、立ち上がることができないぐらい強烈なものであった。

「(私の初任務が、こんなところで終わってしまうの...)」

アンナは魔物3体に囲まれてしまい、周りには味方もおらず死を覚悟した。

「【聖なる十字架グランドクロス】」

アンナを囲んでいた魔物たちを、大きな十字架が突き刺さった。魔物たちは痛々しく叫びながら、爆発し消えてしまった。

「一体何が起きたの...」

アンナは見上げると、いたはずの魔物が消えておりそこには1人の少年が立っていた。

「ん?無事みたいだな」

少年はアンナに手を差し伸べる。アンナは少年の手をつかむとそのまま引っ張られ、立ち上がらされた。

「あなたは何者なの?」

アンナはそう疑問に思った。少年は討伐部隊の制服を身に着けてはおらず、そのほかの部隊の制服でもない。背丈も大人には見えない。そんな少年が魔物3体を倒したことはわかる。

「俺か、アルスだ。お前の名前は?」

「私はアンナ。【ムーンエレック】に所属している銀級部隊の1人。助けてくれてありがとう」

アルスと名乗った少年は、アンナが【ムーンエレック】に所属していることを聞くと、少し驚いた表情をした。

「そうか、たぶんもうすぐ人が来ると思う。俺はここで失礼する」

アルスはすぐにその場を去った。アンナはアルスを追いかけようとしたが、あまりにも早く移動してしまったため、その場で取り残される形になった。

「...う、、ん。アンナ!?魔物たちはどうなった!?」

倒れていた先輩が起き上がり状況をアンナに確認した。アンナは一部始終を話し、そのまま応援部隊が来るのを待った。

「一体、あのアルスは何者だったのかしら」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...