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序章
第1話 運命の出会い
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「警告!!魔物襲来!!」
人類を魔物の脅威から守る魔物殲滅部隊【ムーンエレック】の本部で、魔物が人類が暮らしている【ニューアルファ】に襲来した警報が鳴りひびいた。本部内に在中している殲滅部隊員は急いで魔物が出現した場所へ移動を開始した。
「ここにいる者たちは、急ぎ所定の場所へ移動し住民の警護に当たれ」
【ムーンエレック】の中で、銀級部隊である者たちは人間が住んでいる地域の警護や避難誘導などが主な仕事となる。そのため、直截的に魔物を討伐することはほとんどない。
「(今日が銀級部隊になってから初めての任務。気合を入れないと)」
銀級部隊になって初めて任務が与えられた少女、アンナ。彼女は【ムーンエレック】に入隊してからおおよそ4年。長い訓練生時代を超えて、まだ討伐部隊ではないがそれでも任務にあたる役職になった。アンナはかなり気合が入っていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アンナは先輩銀級部隊員と2人で、所定の位置に移動を開始していた。先輩部隊員はすでに警護任務を何度か経験しているため、初任務のアンナと合同で任務に当たるよう上から指示があった。
「とりあえず、俺たちが割り当てられた場所は今回の出現ポイントからかなり離れている。他と比べたら危険性は低いが警戒は怠るなよ」
「わかりました」
基本的には、魔物が最初に出現したポイントからしか出ないことが多い。稀に複数のポイントから出現することもあるが、同時に出ることが多いためアンナの位置に魔物が出る可能性はかなり低い。
そして所定の位置につくと、近くの住民たちの避難誘導と、警戒に当たっていた。幸いにも現地に着いた時には魔物に襲われてはいなかったため、迅速に対応することができた。
周辺の住民全員の避難が終了し、周囲の警戒をしていた。出現ポイントにいる魔物たちすべての討伐が終わるまでは待機となっている。
「今は言った連絡だと、魔物も大部分が討伐しているらしい。おそらくあと少し終わるそうだ」
「了解です、では合図があるまで私たちはここで待機ですね」
連絡用の魔道具で、討伐部隊から連絡を先輩部隊員が受けるともうすぐ終わりそうであることをアンナに伝えた。アンナにとって初任務であるため、その連絡に少し安心した。
任務完了の連絡が来るまで、警戒していた2人であったが突然周囲の雰囲気が変わる。そして2人の前に魔物が3体現れた。
「ここに来る予測はなかったはずだ。ちっ、アンナは今すぐ本部に連絡をいれ...」
先輩はすぐにアンナに、本部へ応援の連絡を頼もうとするがすぐに魔物に吹っ飛ばされてしまった。息はあるが、それでも衝撃はかなり大きかったようでその場で気を失ってしまった。
「先輩、先輩!!」
アンナは必死で先輩のもとに駆け寄り声をかけるが、それでも先輩の反応はない。先輩はアンナに応援を呼びかけるように指示を出したが、アンナは冷静さを欠いておりそれどころではなかった。
そして、魔物3体がアンナのもとに近づいた。アンナは魔物が近づいているのに気づく。先輩がすぐにやられてしまい、どうにもできない状況である。
「...ここでただやられるぐらいだったら、少しでも抵抗する」
アンナは腰に携えている短剣を握る。彼女は、銀級隊員で魔物と対峙しても問題ない隊員であるが、先輩が一撃で倒されている以上、彼女には手に負えない相手である。
アンナは1体の魔物に切りかかるが、魔物は軽く腕を振るうとそのまま吹っ飛ばされてしまった。先輩が受けたほどのダメージではないものの、立ち上がることができないぐらい強烈なものであった。
「(私の初任務が、こんなところで終わってしまうの...)」
アンナは魔物3体に囲まれてしまい、周りには味方もおらず死を覚悟した。
「【聖なる十字架】」
アンナを囲んでいた魔物たちを、大きな十字架が突き刺さった。魔物たちは痛々しく叫びながら、爆発し消えてしまった。
「一体何が起きたの...」
アンナは見上げると、いたはずの魔物が消えておりそこには1人の少年が立っていた。
「ん?無事みたいだな」
少年はアンナに手を差し伸べる。アンナは少年の手をつかむとそのまま引っ張られ、立ち上がらされた。
「あなたは何者なの?」
アンナはそう疑問に思った。少年は討伐部隊の制服を身に着けてはおらず、そのほかの部隊の制服でもない。背丈も大人には見えない。そんな少年が魔物3体を倒したことはわかる。
「俺か、アルスだ。お前の名前は?」
「私はアンナ。【ムーンエレック】に所属している銀級部隊の1人。助けてくれてありがとう」
アルスと名乗った少年は、アンナが【ムーンエレック】に所属していることを聞くと、少し驚いた表情をした。
「そうか、たぶんもうすぐ人が来ると思う。俺はここで失礼する」
アルスはすぐにその場を去った。アンナはアルスを追いかけようとしたが、あまりにも早く移動してしまったため、その場で取り残される形になった。
「...う、、ん。アンナ!?魔物たちはどうなった!?」
倒れていた先輩が起き上がり状況をアンナに確認した。アンナは一部始終を話し、そのまま応援部隊が来るのを待った。
「一体、あのアルスは何者だったのかしら」
人類を魔物の脅威から守る魔物殲滅部隊【ムーンエレック】の本部で、魔物が人類が暮らしている【ニューアルファ】に襲来した警報が鳴りひびいた。本部内に在中している殲滅部隊員は急いで魔物が出現した場所へ移動を開始した。
「ここにいる者たちは、急ぎ所定の場所へ移動し住民の警護に当たれ」
【ムーンエレック】の中で、銀級部隊である者たちは人間が住んでいる地域の警護や避難誘導などが主な仕事となる。そのため、直截的に魔物を討伐することはほとんどない。
「(今日が銀級部隊になってから初めての任務。気合を入れないと)」
銀級部隊になって初めて任務が与えられた少女、アンナ。彼女は【ムーンエレック】に入隊してからおおよそ4年。長い訓練生時代を超えて、まだ討伐部隊ではないがそれでも任務にあたる役職になった。アンナはかなり気合が入っていた。
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アンナは先輩銀級部隊員と2人で、所定の位置に移動を開始していた。先輩部隊員はすでに警護任務を何度か経験しているため、初任務のアンナと合同で任務に当たるよう上から指示があった。
「とりあえず、俺たちが割り当てられた場所は今回の出現ポイントからかなり離れている。他と比べたら危険性は低いが警戒は怠るなよ」
「わかりました」
基本的には、魔物が最初に出現したポイントからしか出ないことが多い。稀に複数のポイントから出現することもあるが、同時に出ることが多いためアンナの位置に魔物が出る可能性はかなり低い。
そして所定の位置につくと、近くの住民たちの避難誘導と、警戒に当たっていた。幸いにも現地に着いた時には魔物に襲われてはいなかったため、迅速に対応することができた。
周辺の住民全員の避難が終了し、周囲の警戒をしていた。出現ポイントにいる魔物たちすべての討伐が終わるまでは待機となっている。
「今は言った連絡だと、魔物も大部分が討伐しているらしい。おそらくあと少し終わるそうだ」
「了解です、では合図があるまで私たちはここで待機ですね」
連絡用の魔道具で、討伐部隊から連絡を先輩部隊員が受けるともうすぐ終わりそうであることをアンナに伝えた。アンナにとって初任務であるため、その連絡に少し安心した。
任務完了の連絡が来るまで、警戒していた2人であったが突然周囲の雰囲気が変わる。そして2人の前に魔物が3体現れた。
「ここに来る予測はなかったはずだ。ちっ、アンナは今すぐ本部に連絡をいれ...」
先輩はすぐにアンナに、本部へ応援の連絡を頼もうとするがすぐに魔物に吹っ飛ばされてしまった。息はあるが、それでも衝撃はかなり大きかったようでその場で気を失ってしまった。
「先輩、先輩!!」
アンナは必死で先輩のもとに駆け寄り声をかけるが、それでも先輩の反応はない。先輩はアンナに応援を呼びかけるように指示を出したが、アンナは冷静さを欠いておりそれどころではなかった。
そして、魔物3体がアンナのもとに近づいた。アンナは魔物が近づいているのに気づく。先輩がすぐにやられてしまい、どうにもできない状況である。
「...ここでただやられるぐらいだったら、少しでも抵抗する」
アンナは腰に携えている短剣を握る。彼女は、銀級隊員で魔物と対峙しても問題ない隊員であるが、先輩が一撃で倒されている以上、彼女には手に負えない相手である。
アンナは1体の魔物に切りかかるが、魔物は軽く腕を振るうとそのまま吹っ飛ばされてしまった。先輩が受けたほどのダメージではないものの、立ち上がることができないぐらい強烈なものであった。
「(私の初任務が、こんなところで終わってしまうの...)」
アンナは魔物3体に囲まれてしまい、周りには味方もおらず死を覚悟した。
「【聖なる十字架】」
アンナを囲んでいた魔物たちを、大きな十字架が突き刺さった。魔物たちは痛々しく叫びながら、爆発し消えてしまった。
「一体何が起きたの...」
アンナは見上げると、いたはずの魔物が消えておりそこには1人の少年が立っていた。
「ん?無事みたいだな」
少年はアンナに手を差し伸べる。アンナは少年の手をつかむとそのまま引っ張られ、立ち上がらされた。
「あなたは何者なの?」
アンナはそう疑問に思った。少年は討伐部隊の制服を身に着けてはおらず、そのほかの部隊の制服でもない。背丈も大人には見えない。そんな少年が魔物3体を倒したことはわかる。
「俺か、アルスだ。お前の名前は?」
「私はアンナ。【ムーンエレック】に所属している銀級部隊の1人。助けてくれてありがとう」
アルスと名乗った少年は、アンナが【ムーンエレック】に所属していることを聞くと、少し驚いた表情をした。
「そうか、たぶんもうすぐ人が来ると思う。俺はここで失礼する」
アルスはすぐにその場を去った。アンナはアルスを追いかけようとしたが、あまりにも早く移動してしまったため、その場で取り残される形になった。
「...う、、ん。アンナ!?魔物たちはどうなった!?」
倒れていた先輩が起き上がり状況をアンナに確認した。アンナは一部始終を話し、そのまま応援部隊が来るのを待った。
「一体、あのアルスは何者だったのかしら」
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