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9.あれは、俺のオメガだ
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俺はむしろ、理央の細く頼りない身体を暴きたかった。
「剱」
「何、二条」
触れようとした二条の唇をギリギリで手のひらで塞ぐ。
「…いいじゃん、前もしたし」
「あれは二条が抑制剤を飲んでくれなかったから」
「…番、居ないんでしょ、剱。だったらいいじゃん。しようよ」
「駄目だ」
「剱、こっち見て」
「…」
ため息を吐きながら二条に目をやった。
押し付けられる身体はオメガらしく、庇護欲を煽る容姿をしている。
「ね、見せて。その眼帯の下」
不意に眼帯にのびてきた手を、思わず掴んだ。
「…触るな」
俺の身体で唯一、理央が綺麗だと愛して下さるもの。
「…っ、」
怯える目をした二条に我に返る。
「ごめん…あまり人には見られたくないんだ」
「ごめん、剱。ごめんね」
「…いや、俺も悪かった。…痛かったね」
あまり加減出来なかった。
赤くなっている二条の手首に口付ける。
「…っ平気、」
震えた手のひらにも口付けた瞬間、車が停止した。
「到着致しました」と告げた運転手が車を降り、後部座席のドアを開ける。
二条に続いて車を降りると、後方に神木が乗った車が着いていた。
「じゃあね、二条。今度お詫びに何かさせて」
「…っ、うん、」
手を振る二条に背を向け、神木がドアを開けて待つ車に乗り込む。
「随分気に入られてるんだね」
「バース性もあって余計に、といったところです」
乗り込む瞬間の会話にくすりと笑い、神木はドアを閉めた。
運転席に乗り込んだ神木がサイドミラーを見ながら「さて、どうする」と一人言のように呟いて車を発進させる。
「吉良邸に向かって下さい」
こちらも一人言のように呟いて個人端末から吉良のIDに発信した。
『大和か』
「遮断剤の補充を御願いしたいのですが」
『…高いぞ。先日試験は終了したが一般には出回らない。本来一部の上層のアルファにしか出せない物だ』
「かまいません。俺個人の口座から落として下さい」
『可愛げのねーやつだな…』
「俺が可愛くても嫌でしょう」
『いつ必要だ』
「出来ればすぐに」
『消費がはえーな…』
「理央様のヒート時にも使用しましたので。初回のせいもあって抑制剤の効果も不安定でした。今後も突発的なヒートや他のオメガの対応を考慮すると手持ちでは不安です」
『…いいだろう』
「現在そちらに向かっております」
『今直ぐかよ』
「…理央様はどうされてますか」
『目的はそっちか。…今は寝てる』
「…」
『何だ、あの咬み痕は』
「…見たんですか」
『あんなマーキングをするのは卑怯だろう』
「…」
吉良の言葉に何も言えず、沈黙する。
『…まぁいい。今日はうちに泊める』
「…っ」
『ヒートを起こしてな。一時的なものだったようだが消耗してるし抑制剤のせいか怠そうにしてる』
「…そう、ですか」
『お前、理央じゃイけねーのか』
一瞬、吉良が何を言っているのか、理解出来なかった。
「何を、」
『理央の見た目じゃ突っ込む気にならねーのかって訊いてんだよ』
「…理央様はそんな風に見ていい対象ではありません。到着後また連絡致します」
一方的に告げて通話を切る。
ため息を吐くと同時にシートに背を預け、天井を仰いだ。
「吉良の後継ぎか。今のところ、理央の番候補の筆頭は彼だな」
「理聖様は外部のアルファと番わせる気は無いとききました」
「剱」
「何、二条」
触れようとした二条の唇をギリギリで手のひらで塞ぐ。
「…いいじゃん、前もしたし」
「あれは二条が抑制剤を飲んでくれなかったから」
「…番、居ないんでしょ、剱。だったらいいじゃん。しようよ」
「駄目だ」
「剱、こっち見て」
「…」
ため息を吐きながら二条に目をやった。
押し付けられる身体はオメガらしく、庇護欲を煽る容姿をしている。
「ね、見せて。その眼帯の下」
不意に眼帯にのびてきた手を、思わず掴んだ。
「…触るな」
俺の身体で唯一、理央が綺麗だと愛して下さるもの。
「…っ、」
怯える目をした二条に我に返る。
「ごめん…あまり人には見られたくないんだ」
「ごめん、剱。ごめんね」
「…いや、俺も悪かった。…痛かったね」
あまり加減出来なかった。
赤くなっている二条の手首に口付ける。
「…っ平気、」
震えた手のひらにも口付けた瞬間、車が停止した。
「到着致しました」と告げた運転手が車を降り、後部座席のドアを開ける。
二条に続いて車を降りると、後方に神木が乗った車が着いていた。
「じゃあね、二条。今度お詫びに何かさせて」
「…っ、うん、」
手を振る二条に背を向け、神木がドアを開けて待つ車に乗り込む。
「随分気に入られてるんだね」
「バース性もあって余計に、といったところです」
乗り込む瞬間の会話にくすりと笑い、神木はドアを閉めた。
運転席に乗り込んだ神木がサイドミラーを見ながら「さて、どうする」と一人言のように呟いて車を発進させる。
「吉良邸に向かって下さい」
こちらも一人言のように呟いて個人端末から吉良のIDに発信した。
『大和か』
「遮断剤の補充を御願いしたいのですが」
『…高いぞ。先日試験は終了したが一般には出回らない。本来一部の上層のアルファにしか出せない物だ』
「かまいません。俺個人の口座から落として下さい」
『可愛げのねーやつだな…』
「俺が可愛くても嫌でしょう」
『いつ必要だ』
「出来ればすぐに」
『消費がはえーな…』
「理央様のヒート時にも使用しましたので。初回のせいもあって抑制剤の効果も不安定でした。今後も突発的なヒートや他のオメガの対応を考慮すると手持ちでは不安です」
『…いいだろう』
「現在そちらに向かっております」
『今直ぐかよ』
「…理央様はどうされてますか」
『目的はそっちか。…今は寝てる』
「…」
『何だ、あの咬み痕は』
「…見たんですか」
『あんなマーキングをするのは卑怯だろう』
「…」
吉良の言葉に何も言えず、沈黙する。
『…まぁいい。今日はうちに泊める』
「…っ」
『ヒートを起こしてな。一時的なものだったようだが消耗してるし抑制剤のせいか怠そうにしてる』
「…そう、ですか」
『お前、理央じゃイけねーのか』
一瞬、吉良が何を言っているのか、理解出来なかった。
「何を、」
『理央の見た目じゃ突っ込む気にならねーのかって訊いてんだよ』
「…理央様はそんな風に見ていい対象ではありません。到着後また連絡致します」
一方的に告げて通話を切る。
ため息を吐くと同時にシートに背を預け、天井を仰いだ。
「吉良の後継ぎか。今のところ、理央の番候補の筆頭は彼だな」
「理聖様は外部のアルファと番わせる気は無いとききました」
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