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25・愚かな俺は、それを疑わなかった
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しおりを挟む理央は確かに俺の主人で、確かに、――俺のオメガだった。
※
世間ではクリスマスといわれる神が生まれたという日が近付いている。
理央が午前中に出掛けることも無くなり、俺は内心喜んでいた。
俺に関心を向けてくれなくても、理央と多くの時間を共有出来ることは俺にとって喜ばしいことだった。
「何か飲まれますか、理央」
朝からタブレットで企業情報や人物情報に目を通している理央に声をかける。
「あぁ…紅茶がいい」
「はい」
ダージリンと甘いお菓子も用意し、理央の部屋に戻った。
理央が腰掛けているソファ前のローテーブルにソーサーを置き、ティーカップを置く。
マカロンがいくつか乗った皿を置いたら、理央はそちらの方に手を伸ばした。
気付かれないように笑ったつもりだったが、理央が不思議そうに俺を見る。
「?」
「用意しておいてよかったと思いまして」
「お前も飲め」
「いえ、」
「俺の部屋に詰めてなくてもいいんだが。暇なのか」
「理央のお世話に忙しいです」
「よく言う」
ここのところ無かった穏やかな空気に浮ついた気持ちになった。
タブレットから顔を上げた理央が俺を見て手招きする。
理央の足もとに片膝をついた。
タブレットを置き、白い手が伸びてきて俺の眼帯を解く。
目蓋に口付けられて目を閉じた。
「この部屋にいる間は眼帯を取れと言っただろう」
「理央に取っていただきたいのです」
「…お前は綺麗だな」
「理央のものです」
「…お前は、お前のものだ」
俺の下唇を理央の親指が水平に撫でる。
目を開けて理央の手を取り、手首に口付けた。
「好きです、理央」
髪を撫でられ、理央の手に頬を押し付ける。
「…キスして、いいか」
そう言った理央に驚くと同時に答えていた。
「お好きになさって下さい」
遠慮がちに押し付けられた柔い唇の感触に興奮する。
「なぁ、大和…」
「はい」
「…いや、…何でもない…」
理央の唇を目で追った。
俺に触れてくれるのは久々で、名残り惜しさに耐えられず。
自分から口付けた。
「っ、理央、」
「ん、」
頼りなく揺れる理央の夜色の瞳が俺から理性を奪う。
ソファに乗り上げ、理央を組敷いた。
タブレットがソファから滑り落ちる。
ラグが衝撃を吸収し、鈍い音が響いた。
「…キス、するんでしょう」
「あぁ、」
唇から微かに覗く赤い舌が劣情を煽る。
誘うように微かに開いた唇に口付けた。
「…っ、」
「ッン、ん、」
「理央、」
逃げる舌を追って絡め取る。
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