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26・もはや何もかもが遅い
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「全部俺がする。一度だけでいい。…頼む、大和、…」
理央の手が震えていることに気付いて身体を離し、理央の細い顎を持ち上げる。
「…理央、」
透明な雫が伝う頬を親指で拭った。
「生家に帰してやる。世護さんにイニシャライズを頼んでおいた。…今、だけだ。今俺としても、イニシャライズが終わればお前は全部忘れられる。…そうしたらお前も番を探せるだ――」
「っ俺は、一生理央の側に居ると、」
「無理をするな。…抱いてくれんならお前の好きにしていい。何をしてもいい。俺がしたみてーに殴っても、」
「理央…!」
肩を掴んで目を合わせる。
だが理央はただ、諦念を宿した目を俺に向けるだけだった。
「…右手の代わりに俺の身体を使うだけだ、すぐ終わらせるから、」
「そうではありません。俺は理央の側に居ると誓いました。違える気はありません」
「…もういい」
拒絶するようにうつむいて、理央は俺の胸に手をついて身体を離した。
「理央、」
「…俺のことは忘れろ。それが互いの為だ。新しい剱は司に決まる」
「…司…?…どうして、…貴方の剱で居たいだけで、俺は、」
「言っただろ。…俺はお前が好きだった。…暁は、…剱をあいしたら、剱を失う。剱の忠誠を愛情として量ってしまう。俺はもうお前から安寧は得られない。もうお前を俺の剱にはできない。全部俺のせいだ、すまない、…っすまない。…イニシャライズは俺のことも全部忘れる。何も心配しなくていい」
離れようとする理央の手を取って引き寄せ、その小さな頭を胸に抱いた。
身をかたくしていた理央が脱力して俺に身を寄せる。
何か言わなければと思うのに、何も言葉が出てこない。
「…、っ」
堪らなくなって思い切り抱き締めた。
「大和、…」
ベータに生まれていれば。
いや、理央がせめて後継ではなければ。
「…理央、」
「好きだ、大和。…頼む、一度だけでいい。セックスじゃない、処理に俺の身体を使うだけだ、」
「…っ理央、」
なぜ、今こんなことを言う。
「全部俺がする。一度だけでいい。…頼む、大和、…」
俺が忘れるとわかっているからか。
「…どうしても駄目か、…?…お前は何もしなくていい。俺が全部する。身体だけなら、お前も気持ちいいと思う。女の身体とはちげーし、…俺は他のオメガみてーにメスらしくもねーし、オメガの女に比べたら多分つまんねーとは、思うが、…感触だけなら、お前もそこまで悪くは――」
「理央、俺は忘れたくないんです。…初めてあなたにこんなに求めてもらえても、忘れるなら意味がありません」
理央の手が震えていることに気付いて身体を離し、理央の細い顎を持ち上げる。
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「っ俺は、一生理央の側に居ると、」
「無理をするな。…抱いてくれんならお前の好きにしていい。何をしてもいい。俺がしたみてーに殴っても、」
「理央…!」
肩を掴んで目を合わせる。
だが理央はただ、諦念を宿した目を俺に向けるだけだった。
「…右手の代わりに俺の身体を使うだけだ、すぐ終わらせるから、」
「そうではありません。俺は理央の側に居ると誓いました。違える気はありません」
「…もういい」
拒絶するようにうつむいて、理央は俺の胸に手をついて身体を離した。
「理央、」
「…俺のことは忘れろ。それが互いの為だ。新しい剱は司に決まる」
「…司…?…どうして、…貴方の剱で居たいだけで、俺は、」
「言っただろ。…俺はお前が好きだった。…暁は、…剱をあいしたら、剱を失う。剱の忠誠を愛情として量ってしまう。俺はもうお前から安寧は得られない。もうお前を俺の剱にはできない。全部俺のせいだ、すまない、…っすまない。…イニシャライズは俺のことも全部忘れる。何も心配しなくていい」
離れようとする理央の手を取って引き寄せ、その小さな頭を胸に抱いた。
身をかたくしていた理央が脱力して俺に身を寄せる。
何か言わなければと思うのに、何も言葉が出てこない。
「…、っ」
堪らなくなって思い切り抱き締めた。
「大和、…」
ベータに生まれていれば。
いや、理央がせめて後継ではなければ。
「…理央、」
「好きだ、大和。…頼む、一度だけでいい。セックスじゃない、処理に俺の身体を使うだけだ、」
「…っ理央、」
なぜ、今こんなことを言う。
「全部俺がする。一度だけでいい。…頼む、大和、…」
俺が忘れるとわかっているからか。
「…どうしても駄目か、…?…お前は何もしなくていい。俺が全部する。身体だけなら、お前も気持ちいいと思う。女の身体とはちげーし、…俺は他のオメガみてーにメスらしくもねーし、オメガの女に比べたら多分つまんねーとは、思うが、…感触だけなら、お前もそこまで悪くは――」
「理央、俺は忘れたくないんです。…初めてあなたにこんなに求めてもらえても、忘れるなら意味がありません」
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