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学舎編 一
霜座の力
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挨拶が終わるとそれからは会食の時間となり、師達が和やかに話し始めると神様候補達も気を緩め用意された食事を頂きながら会話を楽しむようになった。何故か神様である雁尾が同席する事となったナジュ達は、一応の敬意を払いつつも文句を訴える。
「ガンビサマの席あっちだろ?師達は皆並んでるぞ」
「僕達のご飯返してよ!神様だからって主様以外にそんな横暴はいけないんだからね!」
「小うるさい手下達だねぇ。ようく考えてみな、あちらの席だと端しか空いてないだろう?そこに座ったとしても隣は君達よりもさらにうるさい麒麟殿。かなり格下しかいないこの席の方がまだ悠々自適に過ごせるってもんだわ。それにここは食事も余っているようだから、他の者より多く美味い食事にありつける。ここのを平らげて後で本来の席に戻れば6人前だ」
「俺達の分を勘定に入れんな!」
「流石にこの人の席から御馳走を運んでくるわけにはいかないし……先にご飯を確保しておこう!ナジュくん!」
桃栗とナジュはまだ手付かずの食事を自分達の方へ移動させようと立ち上がる。他夏の席の食事を平らげようとしていた雁尾は、手下達の浅知恵をのんびりと眺め、「愚かだなあ」と一言つぶやき指先を食事に向けた。
「ほいっ」
「わっ!?何か寒い!」
「!?…見ろ、汁物が!」
桃栗が寒気を感じて己の身体を抱く。ナジュは移動させようと器に触れる所であったが、突然汁の表面が白っぽく変色し始めた事で驚いて手を離した。
「これっご飯が凍りついてるよ!?」
「嘘だろ……つめたっ!」
小さくパキパキと音がしている。移動させようとした器もその上に盛り付けられた料理も、表面に薄く霜が降り、短時間でカチカチに凍ってしまった。ナジュは箸を持って料理を突いてみると、コンコンと鈍い音がした。芯まで凍りつき、器から剥がそうとしても剥がれなかった。桃栗と二人で何故と首を傾げていると、ナジュの料理をつまんでいた雁尾が口を開いた。
「君達面は良いけれど、あんまり頭がよろしくないねぇ。先程茂籠茶老様の紹介で”霜座”と仰っていたのを聞いていなかったのかな?」
「あっ!!ナジュくん、ご飯食べられなくなっちゃったの、この人の仕業だよ!」
「こいつの?」
「霜座…霜…つまり、この人がご飯を凍らせちゃったんだ!」
「そうそう。もぐ…お腹空いてたから君達に食べられないように凍らせたの」
あっけらかんと白状する雁尾にナジュは苛立ち声を荒げた。
「神様のくせに意地汚いぞ!それに座の力をこんなことに使うなよ!もっと特別な時に使うんじゃないのかよ!?」
「はっはっは、結構気軽に普段使いしているよ。暑い時は涼しくしたり、寒い時は寒気を取ってみたり。まあ座してからは寒く感じた事はないけれどね」
「ちょっと!僕だけずっと寒いんだけど!これ何かしてるよね!?」
「ああ、どっちも寒気を与えているんだけど、君の方は大目に寒くしているよ」
「何で!?」
「そっちの手下はちゃんと雁尾様って呼んでるからね」
「…そういえば俺はひやっとする程度だな」
「ああもう!!雁尾様、寒気を取って下さい!!」
「よろしい、心底頭が悪いわけじゃなくてよかったよ」
雁尾が再び指先を振ると、凍えてしまうような寒気は消え、氷漬けだった料理は箸が通る位に戻った。二人がとぼとぼと席に帰ると、二人の料理の大半が雁尾によって平らげられていた。
「ガンビサマの席あっちだろ?師達は皆並んでるぞ」
「僕達のご飯返してよ!神様だからって主様以外にそんな横暴はいけないんだからね!」
「小うるさい手下達だねぇ。ようく考えてみな、あちらの席だと端しか空いてないだろう?そこに座ったとしても隣は君達よりもさらにうるさい麒麟殿。かなり格下しかいないこの席の方がまだ悠々自適に過ごせるってもんだわ。それにここは食事も余っているようだから、他の者より多く美味い食事にありつける。ここのを平らげて後で本来の席に戻れば6人前だ」
「俺達の分を勘定に入れんな!」
「流石にこの人の席から御馳走を運んでくるわけにはいかないし……先にご飯を確保しておこう!ナジュくん!」
桃栗とナジュはまだ手付かずの食事を自分達の方へ移動させようと立ち上がる。他夏の席の食事を平らげようとしていた雁尾は、手下達の浅知恵をのんびりと眺め、「愚かだなあ」と一言つぶやき指先を食事に向けた。
「ほいっ」
「わっ!?何か寒い!」
「!?…見ろ、汁物が!」
桃栗が寒気を感じて己の身体を抱く。ナジュは移動させようと器に触れる所であったが、突然汁の表面が白っぽく変色し始めた事で驚いて手を離した。
「これっご飯が凍りついてるよ!?」
「嘘だろ……つめたっ!」
小さくパキパキと音がしている。移動させようとした器もその上に盛り付けられた料理も、表面に薄く霜が降り、短時間でカチカチに凍ってしまった。ナジュは箸を持って料理を突いてみると、コンコンと鈍い音がした。芯まで凍りつき、器から剥がそうとしても剥がれなかった。桃栗と二人で何故と首を傾げていると、ナジュの料理をつまんでいた雁尾が口を開いた。
「君達面は良いけれど、あんまり頭がよろしくないねぇ。先程茂籠茶老様の紹介で”霜座”と仰っていたのを聞いていなかったのかな?」
「あっ!!ナジュくん、ご飯食べられなくなっちゃったの、この人の仕業だよ!」
「こいつの?」
「霜座…霜…つまり、この人がご飯を凍らせちゃったんだ!」
「そうそう。もぐ…お腹空いてたから君達に食べられないように凍らせたの」
あっけらかんと白状する雁尾にナジュは苛立ち声を荒げた。
「神様のくせに意地汚いぞ!それに座の力をこんなことに使うなよ!もっと特別な時に使うんじゃないのかよ!?」
「はっはっは、結構気軽に普段使いしているよ。暑い時は涼しくしたり、寒い時は寒気を取ってみたり。まあ座してからは寒く感じた事はないけれどね」
「ちょっと!僕だけずっと寒いんだけど!これ何かしてるよね!?」
「ああ、どっちも寒気を与えているんだけど、君の方は大目に寒くしているよ」
「何で!?」
「そっちの手下はちゃんと雁尾様って呼んでるからね」
「…そういえば俺はひやっとする程度だな」
「ああもう!!雁尾様、寒気を取って下さい!!」
「よろしい、心底頭が悪いわけじゃなくてよかったよ」
雁尾が再び指先を振ると、凍えてしまうような寒気は消え、氷漬けだった料理は箸が通る位に戻った。二人がとぼとぼと席に帰ると、二人の料理の大半が雁尾によって平らげられていた。
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