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第二部
26 元社畜と少年-5
冒険者ギルド専属の冒険者ともなれば、依頼の報酬だけではなく、冒険者ギルドから毎月定額のお金が渡される。そう、給料が出るのだ。加えて、仮に依頼を失敗しても、違約金の半額を冒険者ギルドが負担するようになるので、お金回りは本当に安定するようになる。
もちろん、強さもAクラス以上のものがないと、このクラスになることはできないので、お金だけの問題で特Aクラスを語ることはできないけど、一番変わるのはここなのだ。
つまり、特Aクラスになれば正社員のようなもので……。少年は十五歳で正社員になろうと頑張っているのに、わたしは未だに単発アルバイト……ウッ、悲惨。
――まあ、でも、これは少年の努力が実を結んだということだから。
素直に褒めるべきだろう。
「今回のシジーカラで結構な数を討伐できたから。それで、特Aクラスの昇格依頼を受ける条件をクリアできたってわけ。後は特定の魔物の討伐数だけだったから……」
「そうなんだ……」
なるほど、少年が頑張ってシジーカラを大量に倒していたのには、これが理由だったのか。もちろん、賭け事がされていたから、プライドが刺激された、とかもありそうだけど。賭けられているのに負けるとか、情けないって思ってそうだし、少年は。
それでも、必要以上に討伐数二位との差を欲したのは、昇格のための依頼を受ける条件を達成したいからだったのだろう。
「それで――、その、あの……」
歩いていた少年が、足を止める。わたしのとっている宿がもう見えているけれど、だから止まったわけじゃないだろう。声音からして、言いにくいことを言おうとしていることくらい、流石に分かる。
わたしも同じように、足を止めた。
「おねーさんに、お願いが、あって……」
「うん? ……ああ、受かったら、お祝いとか? 全然いいよ。なんなら、記念にプレゼントまでしちゃう。わたしが買えるものなんか、たかが知れてるかもしれないけど……」
というか、むしろやらせてほしい。少年とは結構仲良しだからね。この年齢差と性差を考えると、友人、というにはちょっと不思議な関係ではあるけれど、仲がいいというのは事実。これで昇格祝いのパーティーにハブかれたらちょっと泣いちゃう。
しかし、わたしが思っていたのとは違うらしく、少年は首を横に振った。
「そうじゃなくて……、あの。僕が昇格依頼を受けて、達成して帰ってくるまで……、おねーさんに、お酒飲むの、やめてほしくて……」
「――ん、……ぅえっ?」
考えてもいなかった言葉に、わたしは非常に間抜けな声を上げてしまった。
もちろん、強さもAクラス以上のものがないと、このクラスになることはできないので、お金だけの問題で特Aクラスを語ることはできないけど、一番変わるのはここなのだ。
つまり、特Aクラスになれば正社員のようなもので……。少年は十五歳で正社員になろうと頑張っているのに、わたしは未だに単発アルバイト……ウッ、悲惨。
――まあ、でも、これは少年の努力が実を結んだということだから。
素直に褒めるべきだろう。
「今回のシジーカラで結構な数を討伐できたから。それで、特Aクラスの昇格依頼を受ける条件をクリアできたってわけ。後は特定の魔物の討伐数だけだったから……」
「そうなんだ……」
なるほど、少年が頑張ってシジーカラを大量に倒していたのには、これが理由だったのか。もちろん、賭け事がされていたから、プライドが刺激された、とかもありそうだけど。賭けられているのに負けるとか、情けないって思ってそうだし、少年は。
それでも、必要以上に討伐数二位との差を欲したのは、昇格のための依頼を受ける条件を達成したいからだったのだろう。
「それで――、その、あの……」
歩いていた少年が、足を止める。わたしのとっている宿がもう見えているけれど、だから止まったわけじゃないだろう。声音からして、言いにくいことを言おうとしていることくらい、流石に分かる。
わたしも同じように、足を止めた。
「おねーさんに、お願いが、あって……」
「うん? ……ああ、受かったら、お祝いとか? 全然いいよ。なんなら、記念にプレゼントまでしちゃう。わたしが買えるものなんか、たかが知れてるかもしれないけど……」
というか、むしろやらせてほしい。少年とは結構仲良しだからね。この年齢差と性差を考えると、友人、というにはちょっと不思議な関係ではあるけれど、仲がいいというのは事実。これで昇格祝いのパーティーにハブかれたらちょっと泣いちゃう。
しかし、わたしが思っていたのとは違うらしく、少年は首を横に振った。
「そうじゃなくて……、あの。僕が昇格依頼を受けて、達成して帰ってくるまで……、おねーさんに、お酒飲むの、やめてほしくて……」
「――ん、……ぅえっ?」
考えてもいなかった言葉に、わたしは非常に間抜けな声を上げてしまった。
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