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第九章 難民の群れ ③
しおりを挟むいい天気に晴れて、絶好の旅立ち日和だ。
東の城門方面から日が差してくる。
俺たちゃ商隊じゃないから鹿嶋だちなんて関係ないもんな、ゆっくり行くさ。
ロバの馬車を進めると、東門前広場に着く。
広場には、商隊が去った後の侘しさが残っているようだ。
東門の外周りには、難民の粗末なテントなんかが立っている。
一日で様変わりしたな。
門を出ると、朝もやがあたりに広がっていて、日の出前の冷たい空気が漂っている。
初夏である、そのうちもやは朝日にかき消されてしまうのだろう。
避難民も、みんなまだ寝ているようだ。
そのあいだをカポカポと音を立てながら、ロバの引く馬車はのろのろ進む。
やっぱり馬ほど早くはないが、まあこれはこれでいいもんだ。
やがて、音を聞きつけてヘルム爺さんが顔を出した。
「若旦那、昨日は牛をありがとうございます。」
ヘルム爺さんがやってきて挨拶をしてきた。
俺も軽く頭を下げて、馬車を止めた。(止めたのはラルだが。)
「ああ、みんなに行きわたったかい?」
「こんなにたくさん、喰いきれませんよ。」
隣に座るラルにも声をかける。
「ラルもどうしたんじゃ、こんな朝早く。」
ラルは軽く手を挙げた。
「ヘルム爺さん、俺はたちはこれからレジオの町を見に行ってくるよ。」
「あそこはもう、魔物の住処になってますよ。」
「本当にそうなのか、心配なんだよ。それから、なんであんなに魔物が現れたかだ。おかしいじゃないか、降ってわいたみたいに魔物が襲ってくるなんて。」
ヘルムじいさんも気にはなっているようだ。
「そりゃあ…」
「だから、おれは確認しに行くんだ。ラルは連れて行く、みんなに説明できるだろう。」
俺はにかっと笑って見せた。
「ラル、大丈夫か?」
ヘルム爺さんは、ラルに顔を向けた、これ以上知った顔が減るのがいやなんだろう。
「じいちゃん、おれが兄ちゃんの役に立ってくるよ。」
「なんだ、お前ら知り合いか?」
「ああ、近所だったんだよ。」
俺たちを見て、ヘルム爺さんが嘆息する。
「ありがたいが…大丈夫なのか?」
「わからんが、危なそうならすぐ逃げるさ。命を懸けるほどでもあるまい。」
俺は、勤めて軽そうに言う。
実際、そこまで命をかける気はない。
「まあ、偵察だからな、情報を持ち帰るのが重要だ。死ぬなよ。」
ヘルム爺さんも、生きて帰ることを優先するように言った。
命は持ち帰るさ。
「ああ、そいじゃな。」
「じいちゃん、行ってくるよ。」
「ラル、気をつけろよ。」
「兄ちゃんが馬車の運転ができないんだから、俺が着いていくしかないのさ。それに、道も俺が知ってるし。」
「それじゃしょうがないな。」
ヘルム爺さんは、冗談を言う余裕が出てきたようだ。
昨日喰った飯が効いてるかな?
「ああ、おじゃるの殿様が、麦粥出してくれるってさ、期待していいぜ。」
ヘルム爺さんは手を振って答えた。
かぽかぽとのんびりした音を立てながら、ロバの馬車は難民の群れを抜けて、街道を朝日に向かって進む。
街道筋は、草原の中に二車線の街道が流れている。
真ん中に草の生えたわだちがずっと続いている。
脇には、数十メートルおきに木が立っていて、なんとなく涼しい影を落としている。
季節は初夏を迎え、草原の草も萌えあがっている。
草いきれで、息苦しいほどだが、そこかしこに難民の死体も転がっているのだ。
魔物やケモノに喰われて、無残な状態だ。
「ちくしょう…」
「あんま見るなよ、どうしょうもない。」
「まあ、そりゃあそうなんだけどさ。」
「しゃあねえな。」
俺は馬車から降りると、遺体のそばにたった。
食い荒らされて、無残なもんだ。
こんなスプラッタにも、慣れるというのが、人間の鈍感なところで、俺の嫌いなところだ。
俺は、ぼろをはがして、少しはなれる。
「なにするんだ?」
「こうする。」
ぼん!
ファイヤーボールを骨にかける。
骨は、焼かないと、病気を呼ぶ。
「なにすんだ!」
「生の骨は腐る。こうして火葬にすれば、虫もわかん。」
「にいちゃん…」
俺は、土を固めて壷を作り、焼いた骨を納めた。
それをぼろでくるんで、皮袋にしまう。
「なんまんだぶ…」
両手を合わせると、自然と浮かぶ念仏…
念仏?
なんだそれ。
オシリス女神の祝福でもないのか…
俺はいったい誰なんだ…
それから、ラルと遺体を見つけるたび、火葬にして壷が増えていく。
荼毘に付すと言うが、手間のかかる作業だ。
いずれ、供養塔でも立ててやるか。
あんまり景色も変わらない街道は、やがて川の横を進むようになる。
空はよく晴れて、地平線の向こうまで雲もない。
はるか山脈には、季節のハシリか、入道雲がわいているが、黒くないので心配なかろう。
ふたたびかぽかぽと進み、
ものの一時間もしない間に、朝もやはきれいさっぱり消えてしまった。
「このロバ、なんて言うんだ?」
「あ?」
「名前だよ、なまえ。」
「ああ…パリカール。」
「はあ?変な名前。」
「そうか?俺の故郷じゃ由緒正しいロバの名前だったぞ。」
「兄ちゃんの故郷ってどこだよ?」
「わからん、覚えてない。」
「覚えてないのかよ!」
「しゃあんめえ、忘れ病だ。」
「そらしゃあねえ。」
「しかし、このなめし皮、こんなにいるのかい?」
「一〇枚ぐらいあっても邪魔にならんだろう。乾いたら袋に入れるよ。」
なめし皮は、幌の上で干している。
街道は、ずっと先までほぼまっすぐで、街道脇には二〇〇メートルおきぐらいに、二~三本の木が立っている。
こいつが日陰になって、街道を行くとき快適になる。
道幅は、大型の馬車がすれちがっても気にならない程度に広い。
わだちがへこんで、真ん中に草が茂っている。
見はるかす草原、開拓すればいくらでも畑になりそうだが、人間が少ないから面積が伸びないんだろうな。
もったいないことさ、自動化すればいくらでも作物が取れて、飢えることなどないだろうに。
貴族が偉そうに搾取することだって、無意味になるのに。
三キロも進むと、小川の横に沿って街道が進むようになった。
「一休みするか、水もあるし。」
「ああ、いいね。ロバものどが渇いたろう。」
ラルは、ロバを外して小川に引いて行った。
俺は、木陰に座って、誰かが残していった石のかまどに薬缶をかけた。
「この暑いのに、熱いお茶かよ。」
「生水は腹によくない、特に夏場は気をつけろ。」
「そうなん?」
「ああ、水の悪魔は暑いときほど活動するもんだぜ、だから、こうしてよく煮てからお茶にするんだ。」
「ふうん、そんなもんかねえ?」
ラルは、ごろりと横になった。
「ほら、お茶だ。」
銅でできた(チグリス製)マグカップにアツアツのお茶をいれて渡す。
「あちち!」
「熱いぞ、気をつけろ。」
「先に言ってよ~!」
…お約束だ。
昼までは、まだ時間があるので、ロバをつないでまた進む。
あんま魔物も出てこない、つかあれだけやっつけて、まだいたら怖いわ!
なんちゅうか、眠くなるようなのどかなドライブだ。
「そう言えば、ラルは読み書きできるのか?」
「読み書き?あんま得意じゃないな~。」
「算術は?足し算引き算。」
「なにそれ、おいしいの?」
「ちぇ、これから呪文を教えるから覚えろ。」
「じゅもん?」
「計算が早くなる呪文だ。」
「へえ!そんなものがあるのか!便利だな!」
「いいか、ににんがし、にさんがろく…」
街道を進みながら、ラルに九九を唱えさせる。
けっこう根気のいる作業だが、ラルは必死になって覚えようとしている。
こういうのは、アタマの柔らかい子供の時に、有無を言わせず覚えさせるのが重要だ。」
「こんなんで、本当に計算がはやくなるのか?」
「なるさ、お前の手の指は何本ある?」
「え?五本と五本だ。」
「全部で?」
「え~っとひのふの一〇本だ。」
「そうだな、だが、いちいち数えなくても、ごにじゅうで、一〇本だとわかる。」
「ああ!本当だ!すげえ、呪文すげえ!」
「二から九まで全部覚えたら、すげえ早いだろう。」
「すげえなー、こんな呪文知らなかったよ。」
「足し算引き算も簡単だ。」
その日、昼飯の後は足し算引き算を講義する。なかなか理解に時間がかかった。
しかし、そのおかげで、ラルは一日で足し算引き算掛け算まで覚えるに至った。
「すげえな、お前のアタマはかなりいい!」
「そ、そうかい?」
「ああ、算数ってやつは、なかなか理解できにくいもんだが、お前はあっさり自分のものにした、たいしたもんだぞ。」
「へえ~、そんなもんかね?」
「ああ、そろそろ野営の準備をするか、ロバも休ませよう。」
「らじゃー。」
俺たちは、木の陰に馬車を停めて、野営の準備をした。
と言っても、寝るのは幌の中だから、夕飯を作るだけだ。
それにしたって、チコの作ってくれた串焼きなんかを袋からとり出して、もういっかいあぶるくらいだが。
俺は、ライトの魔法を使って、明るい光を木の枝にとまらせた。
こうしておけば、光を嫌う夜行性の動物や魔物は近寄ってこない。
無理やり近寄れば、俺たちのごはんになってもらおう。
もっとも、アランたちが通った後だ、それほど獲物も残っちゃいない。
「俺が見張りをしてるから、お前は先に寝ろ。今日は疲れたろう。」
「いいのかい?」
「あとでおこす。そしたら交代だ。」
「わかった。」
今日一日で、集めた壷の数は、五〇〇を超えた。
おかげで、ぜんぜん進まない。
まあそれはいいさ、供養のほうが重要だろうし、ラルにとっても安心する。
ラルが寝ると、そこらじゅうがしんと静まり返る。
草原の真っただ中だ、軽くサーチを飛ばすが、ひっかかる魔物も獣もいない。
あ、蛇が歩いてる。
街道筋には、レジオの町から逃げてきた難民の残骸が、そこかしこに見られた。
ぼろぼろになった着物のくっついた、骨とかだけなんだけどな。
最初は悔しそうにしていたラルも、そのうち意識の外に押し出してしまったようで、供養しながら淡々と街道を進んだ。
「ちくしょうめ、どう考えても魔物がこんなに出るなんて、おかしいじゃん。」
おかしいのだ、一気に二〇〇頭ものゴブリンやホブゴブリンが、集団で人を襲うと言うことが、まずない。
オーク鬼はわがままな性格だから、二〇匹もかたまって行動しない。
一匹いたオーク鬼のカシラみたいなやつは、キングじゃなかった。
まあ、小隊長クラス?って、ギルドでは言ってた。
だけど、そういう指導者がいると、たとえオーク鬼でも集団行動するようになるんだ。
そして、雑兵にゴブリンを従える。
こうなると、ゴブリンには命令を拒否することなんてできない。
上意下達ってやつだ。
まさか、ウルフまで言うことを聞かせるとは思いもしなかったが。
さすが冒険者ギルド、いろいろ教えてくれて助かった。
なにも波乱もなく、最初の夜は更けていった。
二日目、また供養しながら進むので、まだ分岐点は見えてこない。
アランたちは、順調に進んでいったようで、進む道のどこにも魔物の姿はない。
考えてみれば、あの信じられないような量の魔物が駆け抜けて行ったのだ、そうそう残っている訳もないか。
それに同調するように、ウルフの群れが追従していた。
まあ、ウサギがいなかったのは、弱いからなんだけど、そのウサギも騒ぎに巻き込まれるのを嫌って、巣穴から出てこない。
おかげで、いたって平和な旅路だが、喰いもんに困りそうで弱った。
手持ちの食い物で持つのは三日くらいかな?
その辺で賄うつもりだったしなあ…
遺体の供養で、時間がかかりすぎる。
「なんにも出ないね~。」
ラルが、前方を見渡してぽつりと言う。
「そうだな、アランたちがやっつけているし、暴走に巻き込まれて、みんな走ってきたみたいだな。」
「そうだねー、喰いもんがないじゃん。」
「分かれ道を越えたら、また出てくるんじゃないか?」
「そうだね。兄ちゃん寝てろよ、なんかきたら起こすから。」
「頼む。」
俺は、荷台に回ってなめし皮の上に寝転んだ。
かぽかぽという音と揺れに、うつうつと眠りの国に入って行った。
馬車は、昼過ぎに分岐点に到着し、ここからしばらく川から離れる。
分岐点で昼飯にした。
「は~、ほんとうになんっっもでなかったなー。」
牛の残りを出して、いい感じにステーキにする。
味付けは塩と香辛料だが、いい肉はそれだけでうまい。
ぜいたくな感じがして、気分もいい。
王都方面から、商隊がやってくるのが見えた。
冒険者も二組一〇人くらいついている。
馬車は五台だ。
「よ~う、呑気にしてるな。」
先頭の冒険者が声をかけてきた。
「ああ、魔物のマの字もねえよ。」
「そりゃ残念。マゼランまでどんだけだ?」
「まあ、いちんち半ってとこか、おととい大量に魔物が出たんで、いまはぜんぜんいないよ。」
「大量?アランの言ってたやつか?」
「ああ、それ。二〇〇匹以上来たから、全部ぶっ殺した。」
「へえ~、そいつぁ豪儀だ。」
「半分はアランたちの手柄さ。」
「ふうん、あんたらはどこへ行くんだ?」
「レジオ。」
「へえ?あそこは魔物に襲われて、廃墟になったって聞いたぞ?」
「だから、それを確認に行くんだ。マゼランの東門は、難民でいっぱいだぜ。」
「そうか、気を付けるよ。」
一服する一行に別れを告げて、俺たちはレジオの町に向けて出発した。
ここからは、油断できない。
どこに魔物がいるかわかったもんじゃない、俺は索敵範囲をめいっぱい広げてみた。
「いないな…」
「いないの?」
「魔物の陰がない、おかしいな。」
「もう少し進んでみようか?」
「まあ、どうせ行かなきゃならんのだしな。警戒しながら進むとしよう。」
ロバも平気な顔をして歩いている。
こいつは、小心者で気配に敏感な生き物だ。
「パリカール、疲れてないか?」
「ぶひひ~ん。」
「そうか、塩でもやろうか。」
俺は、御者台から飛び降りて、ロバと一緒に歩く。
掌に、少しの塩を盛って、ロバの前に出した。
ロバは、うまそうにそれを舐める。
はるか向こうから、黒い影が走ってくるのが見える、魔物じゃない、ウサギだ。
「やっと喰いもんが来た。ウサギだ。」
「へえ、よくわかるね、おれには見えないけど。」
「まあな、気配だよ。」
俺は、六尺棒を持って、ロバの前に出る。
ラルは、馬車を停めた。
「とう!」
出会いがしらに、ウサギの脳天をカチ割る。
樫の六尺棒は、きれいにしなって振り下ろせるのだ。
「あいかわらず、容赦ねえなあ。」
「こいつは喰いもんだろう?それも、人間と見ると襲ってきやがる。」
「まあ、剣呑な生きもんにはちげえねえ。」
「良心が痛むわけじゃねえよ。」
皮袋にウサギを仕舞い込んで、馬車に乗る。
念のため索敵してみたけど、ウサギの陰も見えない。
獰猛な魔物がいなくなって、ウサギがそろそろと顔を出してきたようだ。
あいかわらず、なだらかな丘陵地が続き、はるか向こうに山脈が見える。
あれで、平均一五〇〇メートルはあるらしいが、遠くてよくわからんよ。
丘は、高いところでも二〇〇メートル程度の山とも言えないようなもんで、木が生えているから山かなあ?ってなもんだ。
街道筋は、数十メートルおきに生えた木のほかは、平原の中を進んでいる。
ところどころはげたり、草深かったりするけど、総じて草原なんだよな。
これ、全部畑になったらすげえ儲かるのにな。
そんなことを考えながら、レジオ街道を行く。
魔物が跋扈する平原には、人間が住むには剣呑にすぎるのか?
それも、ちょっと高い塀でも作れば、そうそう入り込めるもんでもあるまいにな。
俺は、ここに村を作るなら…なんて妄想を立ち上げていた。
「一人じゃ限度があるわな。」
「え?なんだ?」
「いや、なんでもない。マゼランでも、野菜は痩せてるなあって思うがな。」
「そうか?普通だろ?」
あれが普通なのか。
トウモロコシなんか、ぼそぼそで味もしないし、キャベツなんかいびつで玉も小さい。
第一、麦の粒が小さい!
あいつら、肥料の概念がないんじゃないか?
せめて、草くらいれればいいのに。
なんで俺が知りもしない百姓のことを考えているのか…おれって、農業やってたのか?
街道筋には、もと洋服だったようなぼろきれが、そこかしこに落ちている。
もとは人間だった白骨も散らばっていたりするが、真面目に見ていると情けないのでさっさと火葬にして壷に詰める。
「兄ちゃん、あっちに影が見える。」
「どれ?」
なるほど、索敵にひっかかった。
「ウルフか、三匹いるな。」
「どうするの?」
「めんどくせえ、魔法でやる。」
無詠唱のマジックアローを三本出して、照準補正をかけながら上から落とすように、弾道起動で飛ばす。
こうすると、頭の上から下に抜けるので、毛皮が高く売れるんだ。
へろへろとした動きにしか見えないが、マジックアローは弾道起動を描いて、高空から一気に舞い落ちた。
シャドウ=ウルフは、悲鳴も上げる暇もなく、その場で昏倒した。
「よし、儲け儲け。」
さっさと皮袋にしまいこんで、馬車に戻る。
「やっぱり、魔物の暴走で隠れていた奴もいるんだな。」
「そりゃそうだよ、ウルフだって弱い奴はいる。」
「なるほど。」
そもそも、この世界に弾道軌道なんて概念はない。
だから、ほかの人間に説明しても、理解してもらえないんだ。
夕暮れが迫り、そろそろ野営って時になって、気になったのでまわりに土壁を立ち上げる。
土魔法で、二メートルくらいの高さの、三坪くらいの囲いだ。
馬車が隠れればいいからな。
空が飛べる魔物以外なら、入ってこられない。
土を引っ張るので、土壁の前には深さが一メートルくらいの溝ができている。
「兄ちゃん、器用だな~。」
「まあ、物は試しでやってみたけど、うまくいくもんだな。」
「普通の魔法使いは、こんなことできないんだよ。」
「そうか?ルイラは簡単そうにやるけどな。」
「その人って、Cクラスの魔導師じゃないか。魔力の総量がふつうとはちがうんだよ。」
「いや、俺は普通だよ。」
「あ~、聞いた俺がバカだった。もういいよ。」
俺の魔法の基本はルイラ(人妻)だからな。
囲いのおかげで、夜の警戒が楽になった。
その夜の襲撃はなかったし。
翌朝、壁の一方を崩して、馬車を出す。
「うわ~、改めて見るとけっこう深いな、この溝。」
「そうだな、町の周りにもこういうの掘ればいいのにな。」
「ああ、そうだな。なんで気が付かないかな~?」
「わからん、が、そういうアタマなんだろうさ。」
それがよくわからんのだ、合理的でないというか、封印されているような気がする。
さて、レジオ街道を進んで二日。
街道は、森を横目に丘の上に出る。
俺たちは、レジオの町の外壁が見えるところまで来た。
「兄ちゃん!レジオの町だよ!」
「し~、あんまでけえ声出すな、魔物が町中にいるかもしんねえ。」
ラルは、あわてて自分の口を押えた。
俺は、慎重に丘の上から風の索敵の魔法を使って、城壁の内部を探る。
「げえ、いるなんてもんじゃないな、ラル、町の中は魔物の巣だ。」
「ええ!じゃあ町は…みんなが戻っても、住めないじゃないか。」
「取り戻すには、かなり骨が折れそうだな。」
「そんな簡単に言うなよ~。」
「魔物が、一〇〇〇〇匹。特にオーク鬼が一〇〇〇匹はきびしいな、オークキングが一匹。あとは、ゴブリン程度だな。」
「それ、どうしたらいいんだ?」
「軍隊にまかせるしかないが、町のえらいさんは?」
「男爵様は、王都に向かって逃げたらしいよ。」
「ち!領民ほかしてか、しょうがねえ殿様だな。まあいい、ゲリラ戦法で少しは減らしてみるか。」
「どうするんだ?」
「ラル、お前はここで待ってろ。壁で覆うから小物くらいは、自分で始末できるな。」
「ええ~?」
俺は有無を言わさず、馬車ごと直径一〇メートルくらいのドーム型の壁を作って隠した。
厚みは五〇センチ位だ。
入り口もないようなもので、空気抜きの窓をつけてある。
それにも頑丈な格子をつけて、魔物の侵入はできないようにした。
「これでいいだろう、ラル、パリカールをたのんだぞ。」
「あ、うん。」
ラルは、チグリスからもらったナイフを手に持って、冷や汗を流している。
「なあに、ここまで魔物が来ることはないさ。その辺の野良ウルフは、窓を破れないしな。気楽にしてろ。」
俺は、姿勢を低くして、城壁に向かって進んだ。
こうなると、城門のまわりの麦畑はありがたい。
姿を隠してくれる。
さすがに、オークキングがいるとはいえ、門番が立っているわけではない。
そのへんは、所詮魔物だ。
頭が働くわけではない。
ただ、町のいたるところで、ゴブリンが喧嘩したり、魔物同士で喰いあったりと言う、地獄のような情景が広がっている。
「あ~あ、こりゃあやっかいだなあ。」
幸いにして、城門の上に上がる階段は、魔物に占領されていない。
「身を隠すには十分だな。」
一〇〇〇〇匹といえども、まあ一〇〇〇里の道も一歩から。
一匹ずつ根気と倒していけば、最後にはいなくなるって寸法さ。
俺は、素早く城門に入り、詰め所を通って階段を目指した。
詰め所の奥に、ゴブリンが二匹、声を出す前にメイスで頭を割る。
よかった、悲鳴は出なかった。
こいつも回収だ。
痕跡は残さない。
幸い、この二匹以外は城門にいなかったので、暗い階段を上がる。
階段の出口は、ホールになっていて、そこから左右に移動できるようになっている。
上から見渡してみると、魔物たちは特に家を使うとか、商品を持ち出すとかの考えはないようで、ただ道にたむろしたりうろうろ歩いたりしている。
全面的に攻撃をするとなると、パラメーターが見えるわけではないので、魔力切れが起こるときがわからない。
できるだけ死体は見つからない方がいい。
そう言うことから、ザコをできるだけ倒して、隠してしまう方法を考えた。
ゲリラ戦法とはいえ、時間はそんなにないと考えたほうがいい。
おじゃるの殿様に追い出された、レジオの難民が戻ってこないとも限らない。
あって五日、長くて十日。
「しゃあねえ、最初は無難に一匹ずつだな。」
城門の通路を下りて、詰め所からゆっくりと一軒の家の横に隠れる。
なんでゴブリンってのは、こう脈絡ない動き方をするのか、いちいち気を付けてもへんな隙間から顔を出す。
魔力は極力使いたくないので、メイスで倒す。
とにかく、動く・倒す・動く・倒す…町中を移動しながら、片っ端から倒して袋に収納していくと、夕方までにすでに五百を超える収穫があった。
アタマが二つある豚(オーク鬼)
同が二つにアタマがひとつのオーク鬼
背中に足の生えたネコみたいなやつ
もはや原型がわからない豚(オーク鬼)
単眼のオーク鬼とゴブリン
口が二つで目が三つのうしみたいなやつ
(中華な国では、実際に全部いるんだけどな。)
とんでもねえな、魔物ってのは、俺の想像の外を行ってやがる。
人間が、まともに見えるのは、人間のおごりだろうか?
しかし、半日でこれだけというのは、普段からすれば多いんだろうけど、一万に対しては微々たるものだ。
ルイラだったら、どんな魔法を使うんだろう?
俺は、広場に集まっている百匹ほどのゴブリンを見つけたので、土魔法でおもきし広い穴を掘って全員を埋めた。
「なるほど、これなら簡単かも。」
顔を出しているやつは、端から刈り取る。
足が動かないので、逃げようもない。
今日一日で、千を超える獲物があった。
「ホーミングレーザー!」
夕暮れに紛れて、一条の光が町を貫く。
「これじゃあ効率が悪いな。」
俺の指から、十本の光が走り出て、街角に立つゴブリンを貫いていく。
もちろん、ばたばたと倒れていくので、それを片っ端から袋に仕舞い込む。
跡を残してはダメだ。
レーザーが消えるまでに、二百匹以上のゴブリン、ホブゴブリンが倒れて行った。
減衰する仕組みなので、レーザー技は長く仕えない。
魔力もガリガリ削られるしな。
石畳の敷かれたいい道を進むと、男爵の館に近寄る
この辺は、高級住宅街か、いい家や、大きい家が軒を並べている。
だから、裾野からゆっくりと隆起していて、丘のように盛り上がっている。
家の塀の中には、オーク鬼がうろうろしている。
中には、剣を持っているやつもいて、男爵の家の備品かね?
「やっぱりここがオークキングのいるところか。」
無詠唱のマジックアローを打ち込んで、オーク鬼を倒す。
「収納。」
ここのオークは二百匹ぐらいの感触がある。
ゴブリンと違って、オーク鬼は夜目が効かない。
徐々に落ちる暗闇に、オークは少しずつ眠りに落ちていく。
「なるほど、睡眠の魔法が使えるといいんだな、いまは使えないがそのうちルイラに教えてもらおう。」
眠っているやつは、楽なもんだ。
俺は夜目が効く方なので、月明かりでも十分敵が見える。
石壁のそこかしこで眠り込んでいるオーク鬼は、見つけるたびに袋の中に消えていく。
一気にのどを切り裂くのが、手っ取り早いし声が出ないので助かる。
オーク鬼は、ほぼ二百匹が夜の闇に消えた。
目が覚めたら、オークキングもたまげるだろう。
昼から朝にかけての二十時間の間に、俺の収納袋の中には二千匹以上の魔物が入っていた。
「なんで、魔物ってバカばっかりなんだ?油断しすぎだろう。」
俺は、こっそりとラルのいる丘に戻った。
「どうだった、兄ちゃん。」
「ああ、昨夜一晩で二千匹ぐらいやった。」
「にせん!?」
「ああ、オーク鬼は夜目が効かないからな。」
「それにしてもひどい数がいるな。」
「応援が来るまで待つかい?」
「どうすべー?レジオの難民が戻ってくるまでに、五日くらいかかるだろう?」
「そんなに早いわけないよ、馬車で五日かかってるんだ、歩いてたら十日はかかるよ。」
「そうか、大掛かりなワナが必要だな。」
「それはそうと、くいもんあるかい?朝飯食ってないから腹減ったよ。」
「おお、わりい、いま出してやるからな。」
「助かるよ、ロバのやつくせえウンチしやがって。」
「あはは、災難だったな。」
ラルと朝飯を食ったあと、レジオの町を眺める。
向かって左側を、大きな川が流れている。
差し渡し三百メートルはありそうな大河だ。
「あの川の水、使えそうだな。」
「水?」
「まあ見てろ、二日ぐらいでいやなワナを作ってやる。」
「へえ、面白そうだな。」
「魔物たちは、組織だって動いていないからな、見張りが立ってるわけでもない。」
「わりと好き勝手にしてるみたいだな。」
「そうだ、夜明けまでに二千匹の魔物が減っても、あんま気にした様子もないからな。」
「ふうん。」
「オークキングってのも、日が浅いと統率力がイマイチなのかもな。」
「なるほど。」
「よし、こんどは壁だけにするか。」
俺は、前に作った壁よりも、少し大きな壁を立てて、馬車の周りを囲んだ。
「じゃあ行ってくる、腹が減ったらこれでも喰え。」
おれは、串焼き肉を取り出して、ラルに持たせた。
「わかった。」
ラルとパリカールを置いて、また丘を下る。
今度は、中に入るわけではないから、少し離れた場所に潜む。
草むらに伏せて、城門を睨む。
土魔法は得意なんだよ。
ルイラにも褒められたしな。
城門のすぐ近くからこちらに向けて、目だたないように深く穴を掘る。
深さは三メートル、幅は十メートル。
そんなきっちりしたもんじゃなくてもいい、とにかく深く城門の幅より少し広く。
城門から川まではほんの百五十メートルくらいしか離れていない。
ただひたすら土を移動させて穴を掘る。
掘った土は、穴の両脇に垂直に立てる。
これで逃げられまい。
けっこう派手に掘ってる割に、魔物たちは気が付いていないようだ。
どこまでも太平楽な連中だ。
ま、攻城兵器を持ってきてるわけでもないので、ひたすら穴掘りと積み上げを繰り返しているだけだしな。
予定よりも早く、川の手前まで穴が掘れた。
みなさんお察しのとおり、水攻めだ。
城門に戻って、階段を上がる。
またゴブリンが三匹たむろしていたので、そいつはいただきだ。
「魔力の残りがどんなもんだかよくわからんが、できちまった以上、ほっとくとバレる。」
俺は、できるだけ大きなファイヤーボールを作って、男爵の館にブチ込んでやった。
これで死ぬようなら、オークキングも大したことがない。
がぼ~ん!という轟音と共に、男爵亭の尖塔が折れて、家屋に向かって倒れる。
「あ~あ、こりゃあもう住めないな。」
領民を見捨てて逃げた男爵などに、同情の余地はない。
大きな商人の家らしいのに、尖塔が当たって一緒になって崩れている。
「あ~、お宝あったかもしれんな~。あとで見てこよう。」
どちらにせよ、崩れ方がハンパねえので、中がどうなっているかはわからんが。
俺は、続けて派手なファイヤーボールを打ち続けた。
騒ぎを聞きつけて、外に集まってきた魔物たちに、城門の上からさらにファイヤーボールを打ち込んで、落とし穴に逃げる。
怒った魔物たちは、俺を一人と見て後を追ってきたが、穴に気付いてたたらを踏む。
先頭の魔物は、止まろうとするが、後続の魔物はそんなもの見えない。
そこに、さらに打ち込まれるファイヤーボール。
怒った魔物たちに、どんどん後ろから押されて、穴の中にまっさかさまに落とされる。
もちろん、その魔物たちも後ろから押されて、穴に落ちる。
三メートル落ちたぐらいでは、運の悪い奴以外は死んだりしない。
もちろん、頑丈なゴブリンたちは俺の後を追いかけてくる。
俺は、必死で走って百五十メートルを全力で駆け抜けた。
わらわらと追いかけてきた魔物たちが、行き止まりで・あれ?と思ったとき、川側の壁を取るとどうなるか?
もちろん、濁流となって落とし穴に流れ込むのだ。
五千余りの魔物たちは、穴の中で濁流にのまれ、翻弄されてしまう。
そこに、俺の水魔法で凍らされたらどうなるか…
運の悪い奴は逆さになって、そうでなくても顔から下が、固い氷に閉ざされてしまう。
水の下の方までは凍らなかったようだが、この際そんなことどうでもいい。
魔物たちは、氷の下でもがいている。
落とし穴から出られなければいいのだ。
俺は、若干苦手な風魔法で、エアカッターを飛ばす。
氷から生えた、出来の悪い植物みたいな、ゴブリンの首は、ころころと枯れ木のように転がった。
見ていて、あんま気持ちのいいもんじゃないが、贅沢は言っていられない。
なんせ、まだ生きている奴らが、二千匹ぐらい残っているのだ。
水の下のやつが、確実に殲滅されたいなければならない。
俺は、第一波攻撃が完遂するのを見まわして、こっそりその場を逃げ出した。
城門からは、高い塀が邪魔をしてどこにも行けないからな。
卑怯?
なにそれ、おいしいの?
一万に対して、俺は一人だぜ、きれいごとなんかで勝てる相手じゃねえよ!
わかってんのかよ?
ここは、平和な日本じゃないんだぜ。
丘の上まで戻って、魔物に占領されたレジオの町を見下ろす。
もはや残りは、二千匹そこそこだ。
「どうだ、ラル、かなり魔物が減ったぞ。」
「すげえなあ兄ちゃん。あんな土魔法初めて見た。」
「そうだろう?あんなにうまくいくなんて、おれもびっくりだ。」
「あの柵の中はどうなってるんだ?」
「ああ、川の水引き込んで、水攻めだ。その上表面を氷にして、上に出ている奴らはエアカッターでぶった切った。」
「うわ~、でも素材は取れないなあ。」
「まあ、様子を見て、氷を溶かせば使えるさ。氷だから腐らないだろう。」
「なるほど。」
「まだオークキングが残っているし、同じ手に引っかかってはくれないだろう。」
「そうかあ?あいつらバカだもん、水をひかせればまた使えるぜ。」
「そうかな?」
「兄ちゃん、水魔法得意じゃん。氷で入り口ふさいで、中の水を移動させればいい。」
「なるほど、やってみよう。」
とにかく疲れた。
これから少し休んで、次の攻撃に備えよう。
ラルと一緒に食事にした。
レジオの町の城門からは、川まで塀に閉ざされて、出てくることはできないから、気楽なもんだ。
俺は、盛大に火を焚いて、ビフテキを焼いて食った。
ざまあみろ。
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