さきのない恋だとしても

真憂

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別れと不穏な言葉

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その夜、裸の胸を布団に押し当てながら考えていたことがあった。…やっぱりセックスしちゃうとな。子供が欲しい、啓との。長く一緒に居れば女としては自然な欲求だ。

でもそれは絶対叶わないだろう。結婚さえできないのだから。それに…

「ねえ、啓。」

「ん~?」今日もゲームのピコピコ音が返事とセットだ。(啓は意外と古いゲームをやる)

「啓は私の事が好きだから一緒に居たいって言ったよね?」

「言ったなり~」危機感ゼロだ。それともこれが彼なりの甘え方なのだろうか?

「でもね、一緒に居続けるってそんなに簡単じゃなくて、変化しなきゃいけないと思うの。例えば結婚とか…」

「けっこんけっこんうるせーよ」啓がガバッと起き上がった。

「そんなにカエデちゃんの言葉が気になるならカエデちゃんと結婚すれば?俺は自由でいたいから」

いきなりカエデの名前を出されて、言われた事をハッと思い出す。「若いうちはいいかもしれないけどそれを一生続けるのは無理があるって」

「啓」

「あ?」

「出てって、別れよう」


「…ふ~ん?」

啓はゲームを一旦やめて伸びをした。

「結婚できないってなったら、美智留も俺を捨てるんだね。俺は道具かよ」

「違う!そういうことじゃなくて…」

「こんなに関係続けて、俺の生き方、スタンスを分かってくれない女と一緒にいたくない。俺は出てく。お前を"一般的に"幸せにしてくれる男が現れるといいね。」彼は皮肉めいた笑みを浮かべた。



次の日の朝、私が起きると啓はさっさと荷物をまとめてゲームをしていた。

「起きた~?じゃ、出てくわ。さよなら美智留。」

荷物を手に、立ち上がる。そのまま出てくのかと思いきや、不意に振り返った。

「一つ忠告しとく」

「…なに?」

「美智留は例え俺じゃなくても同じ事を繰り返すよ。そういう性分なんだ。それは変えられない。俺みたいな奴じゃないと駄目なんだよ、美智留は。」

私が返事をしないでいると、啓はフッと笑って玄関を出ていった。


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