さきのない恋だとしても

真憂

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海の様な目

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 仕事終わり、間宮優一と海鮮居酒屋で飲んでいた。啓の事をかいつまんで話すと、間宮優一は憤った。

「酷い彼氏ですね!女性の人生を何だと思ってるんですかね!時間だけ奪って一緒に居たいってのは虫が良すぎますよ!」

「う~ん、いいところもいっぱいあったんですけどね…」

「崎山さんはそういうところがいいよね。」間宮優一がにこっと笑った。

「普通女性の人って別れた彼氏の事けちょんけちょんに言うのに。良い意味で未練がちゃんとあるって言うのかな。男性的なのかもしれないね。」

「間宮さんはどうなんですか?」探りを入れてみる。

「恋愛経験豊富そうだけど。」

「あ~、俺?俺は理屈より感情優先で、共感さえしてもらえればいい女の子に飽きちゃった。ワンナイトならいいけど」

 冗談だよ、という風に肩をすくめる。しかし前半は本当なのだろう。やっぱり珍味が食べたくなったらしい。

「その点崎山さんは完璧でさ、サバサバしてるって言われない?あんま女女してないって言うかさ、性格が男性的な気がするんだよね。」

 間宮優一はそう言ってビールを煽った。そしてつけ加える。

「見た目はとっても女性的で可愛いけどね。」

 さすがモテ男。これで普通の女はコロッといくんだろうか。私は別にいい女な訳じゃないが、こういう時に素直にドキッとする事ができない。どこか冷めた目線で見てしまう。あと私はサバサバはしてない。執着するところが人と違うだけだ。しかし理由がサバサバしてて性格が男性的だから、か…そういう理由なら…

「あと、目」

間宮優一が急に言ったので驚いた。

「はい?」

「澄んでるのに濁ってる。海みたいな目だよね。」間宮優一が言う。

「どんな生き物がその中に住んでるのか、知りたいんだ。」

「…本気で言ってます?」口説き文句か確かめるために聞いた。

間宮優一は恥ずかしそうに笑った。どうやら本音で言っていたようだ。そして言う。

「連絡、してもいいかな。崎山さんさえよければ結婚を前提に付き合いたい。この歳で結婚を前提じゃないと誠意がないしね。前の彼氏みたいになりたくないから。」

結婚。私が啓としたかったこと。結婚がしたかったんじゃない。啓としたかったんだ。そう思ったら涙がでてきそうになって、慌てて引っ込める。次に進まなければ。

「…連絡、してもいいですよ。」

「本当?やったー!絶対連絡するから。あ、交換するんだから当たり前か…毎日してもいい?いちいち確認するもんじゃないか。ごめんね、テンパっちゃって。」本当に嬉しそうだ。

多分、
多分彼氏になるんだろうなと思った。
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