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24 覚醒(アウェイクニング)
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「ルナどの、【覚醒(アウェイクニング)】とは何だ?」
「現在支援魔術の中で最強と言われている魔術です。これを使ったのは、大魔術師サハリが初代帝王にかけただけです」
「初代帝王?」
「しかし、この魔術は禁じ手になったはずでは!?」
「そう、強力な魔術なので禁じ手となった。だが、我が輩は密かに【覚醒(アウェイクニング)】を調べた。そしてついに優秀な我が輩はこの最強の支援魔術も習得できた。これで我が輩は君を倒し、そして我が輩をバカにしたあの魔術師を倒す!」
某の顔面に向けて突こうとしたミハエルの刃は弾こうとした。
だがその刃は円を描き、某の足を襲った。
躱した次の瞬間、下からその刃が襲ってきた。
後退した時、某の刃とやつの刃がぶつかり火花が散った。
足から血が流れ出た。
軽く斬られた。
某には今、ルナどのが掛けてくれた【疾風迅雷(ラピッドサンダーストーム)】がかかっている。
だが瞬間移動したかのようなミハエルの速さはそれ以上の速さで太刀を奪った。
「これではあまりにも理不尽だ。太刀を返してやろう」
ミハエルが太刀を某の足下に放り投げた。
某は太刀を持った。
奴の構えはまるで棒のように背筋を伸ばして剣を真っ直ぐ某に向けている。
そのおかげか常に動き続け片手で刃を自在に振り回している。
ダン!
ミハエルの上からの攻撃を躱した。
合撃で払い落とそうとした。
だがぐらつき全身に痛みを感じた。
奴からあふれ出る黄金の覇気が刀を振ると同時に某を吹き飛ばすような衝撃と痛みを感じた。
合撃どころの衝撃ではない。
初代帝王もこれと同じ強さだったのか。
「すぅ・・・・はっ!」
全身に気迫を込め太刀を鞘に収め柄に手を添えて構えた。
「それは降参するから攻撃しないで欲しいという意味かね?残念だがそれは聞き入れられない!」
ミハエルの黄金の覇気が某を襲ってくる。
その覇気の中からミハエルが突いてきた。
某は躱して鞘から太刀を抜いた。
某の刃はミハエルの黄金の覇気を切り裂きミハエルの剣を持っている右腕へと向かった。
ガン!
「なんと、そのような剣技があるとは!」
抜いた太刀はミハエルの切り返した刃に弾かれた。
ミハエルがお返しとばかりに振り上げた刃の起動を変えて振り下ろした。
腕のしびれと共に喉に痛みが走り、何かが流れ落ちた。
どうやら喉を切られたようだ。
だが軽傷で問題は無い。
ミハエルが絶えず某の周りを回っている。
「ダメだ。ダメだよ。そんなんじゃあ」
ミハエルの眼が異様にギラついている。
それが段々と強くなっているように感じた。
「虎吉さん、敵から離れて下さい!」
ルナどのが【雷矢(ライトニングアロウ)】を放とうとしていた。
「ひ弱な武士よ。君のパートナーが我が輩との戦いを望んでいる。もしそうであれば我が輩はあの貴女を殺さねばららんがよいか?」
「・・・・・・」
ルナどのがためらった。
その様子にミハエルは瞳孔を大きく広げて口を開けた。
「ルナどの手を出すな・・・」
「そう、あなたはそこでおとなしく仲間が死ぬところを見ているのだ」
その言葉にルナどのは自分の杖を強く握ることしかできなった。
悔しさが顔に出ていた。
「くっくっく、ひゃはははは!」
ミハエルが段々おかしくなっていく。
某は太刀を右下段から切り上げた。
「だめだだめだ。とどかんとどかん!」
ミハエルは異様に笑いながら太刀を躱した。
某は左上段に切り上げた太刀を振り下ろした。
ザン!
「なんとぉ~そんな攻撃をするとは!うひゃひゃひゃ」
太刀を左上段から振り下ろすとき右手を離して左手で切り下ろした。
そうすれば間合いが伸びるからだ。
ミハエルは顔を震わせながら、狂気の瞳で某の技をぎりぎり躱して笑った。
某はミハエルの動きを観察した。
いける。
某はもう一度太刀を鞘に収めた。
「ひゃはははは、また刀を納めた~!」
ミハエルが突進した。
ガツン!
太刀を抜いたが奴の刃に弾かれた。
まるで巨大な牛にでも体当たりされたような衝撃だった。
「この魔術のぉ~更なる力をぉ~見せてやろおー」
ミハエルの身体から出る黄金の覇気がさらに大きくなり、その覇気が某の周りを取り囲んだ。
「ぐう!」
黄金の覇気が某の身体を締め付けた。
覇気に身体が潰されそうだった。
「喝!」
師匠から鍛えてもらった渾身の気合いで覇気を吹き飛ばした。
某はまた距離を取って太刀を納めた。
その光景にミハエルは身体を震わせながら大笑いした。
「ぶしぃ~は~。それしか出来ないのかぁ~、うは、ぐははは!」
奴の構えが崩れてきた。
軽やかな足の運びが乱れている。
ミハエルが突進した。
ザン!
お返しに奴の左肩を切った。
ミハエルから笑いが消えた。
確信した。
「お主、その魔術、禁じ手とか申してなかったか?」
ミハエルは自滅した。
「そ、それが、ど、どうし・・・がはっ!」
ついにミハエルは絶えきれず膝をついた。
「こっこの・・・」
ミハエルがよろけながら立ち上がった。
眼球が揺れ動いてる。
某に焦点が定まっていない。
身体を震わしながら、構えている。
「うぉおおお!」
杖を高々と上げてミハエルが突進した。
それはもはや攻撃とは言えない動きだった。
某はミハエルの脇腹を切った。
「がはああ」
ミハエルは光に包まれ、真っ黒な素石になった。
「虎吉さま!」
ミハエルを倒すとルナどのが走り寄ってきた。
「怪我したんですね!」
「うん、大したことはない」
某はそう言ったが、身体中を斬られ、全身が痛かった。
「【治療(ヒール)】をかけます」
ルナどのが某の身体に触れた。
ルナどのの手が光り出し、たちどころに身体中の出血が治まり、傷口も消えた。
「ごめんなさい。何もできないで」
「いや、奴を倒せたのはルナどのが疾風迅雷(ラピッドサンダーストーム)をかけてくれたからだ。あれがなかったら一瞬で殺されていた」
「無事、倒せたようですね」
ポイが現れた。
「よかった、よかった。虎吉さんすごいです」
「何が良かっただ。何が凄いだ。お主まさかずっと見ていたのか?」
「いやー、僕は怖くて何もできませんでした。ごめんなさい」
ポイは無邪気な笑顔で俺に謝った。
可愛く腹の立つポイだった。
「ところで目印は見つけましたか?」
ポイが目印を聞いてきた。
某は1本の若木を思い出した。
「1本の若木、だけ葉っぱが違っていなかったか?」
周りにあるのはこの森の巨木、パイリウムだった。
そしてあの若木はその子供だと思うが、葉っぱがまん丸な大人のパイリウムと違って楕円形になっていた。
「お見事、それが正解です!」
ポイは万歳をしながら正解したことを祝福した。
「あそこに大魔術師サハリさまの小屋へと続く道が隠されています。ではご案内しましょう!」
ポイと一緒に若木がある道までいった。
巨木が奥へと入るのを拒むかのように立ち並んでいる前に立っている1本の若木の前にポイは停止した。
「見てて下さいよ」
ポイは特異そうな顔でそう言った。
ポイは若木の数枚の葉っぱに触れた。
「・・・・・・あれ?」
何も起きない。
ポイがこっちを振り向いた。
少し焦った顔だ。
「ちょっと待って下さい!」
ポイが慌てながら紙を取り出した。そしてそれを見ながら、再び数枚の若木の葉っぱに触れた。
次の瞬間、若木が消え、奥の巨大な根っこが動き出した。
そして大きな穴のようになり、奥へと道が続いた。
我らは穴へと入っていった。
どこまでも続く木の穴をポイはどんどん先へと行った。それについていくとたくさんの妖精達が集まり周りを飛び回った。
中には好奇心か某やルナどのの肩にとまる者もいた。
「わあ!」
ルナどのが驚きの声をあげた。
穴から出ると、そこは丘の上に出た。
広大な森に立つ巨木達が一望できる。
光に照らされて、パイリウムの葉が青く輝いて見えた。
「サハリ様が住む小屋だよ!」
前方に一軒の屋敷があった。
「現在支援魔術の中で最強と言われている魔術です。これを使ったのは、大魔術師サハリが初代帝王にかけただけです」
「初代帝王?」
「しかし、この魔術は禁じ手になったはずでは!?」
「そう、強力な魔術なので禁じ手となった。だが、我が輩は密かに【覚醒(アウェイクニング)】を調べた。そしてついに優秀な我が輩はこの最強の支援魔術も習得できた。これで我が輩は君を倒し、そして我が輩をバカにしたあの魔術師を倒す!」
某の顔面に向けて突こうとしたミハエルの刃は弾こうとした。
だがその刃は円を描き、某の足を襲った。
躱した次の瞬間、下からその刃が襲ってきた。
後退した時、某の刃とやつの刃がぶつかり火花が散った。
足から血が流れ出た。
軽く斬られた。
某には今、ルナどのが掛けてくれた【疾風迅雷(ラピッドサンダーストーム)】がかかっている。
だが瞬間移動したかのようなミハエルの速さはそれ以上の速さで太刀を奪った。
「これではあまりにも理不尽だ。太刀を返してやろう」
ミハエルが太刀を某の足下に放り投げた。
某は太刀を持った。
奴の構えはまるで棒のように背筋を伸ばして剣を真っ直ぐ某に向けている。
そのおかげか常に動き続け片手で刃を自在に振り回している。
ダン!
ミハエルの上からの攻撃を躱した。
合撃で払い落とそうとした。
だがぐらつき全身に痛みを感じた。
奴からあふれ出る黄金の覇気が刀を振ると同時に某を吹き飛ばすような衝撃と痛みを感じた。
合撃どころの衝撃ではない。
初代帝王もこれと同じ強さだったのか。
「すぅ・・・・はっ!」
全身に気迫を込め太刀を鞘に収め柄に手を添えて構えた。
「それは降参するから攻撃しないで欲しいという意味かね?残念だがそれは聞き入れられない!」
ミハエルの黄金の覇気が某を襲ってくる。
その覇気の中からミハエルが突いてきた。
某は躱して鞘から太刀を抜いた。
某の刃はミハエルの黄金の覇気を切り裂きミハエルの剣を持っている右腕へと向かった。
ガン!
「なんと、そのような剣技があるとは!」
抜いた太刀はミハエルの切り返した刃に弾かれた。
ミハエルがお返しとばかりに振り上げた刃の起動を変えて振り下ろした。
腕のしびれと共に喉に痛みが走り、何かが流れ落ちた。
どうやら喉を切られたようだ。
だが軽傷で問題は無い。
ミハエルが絶えず某の周りを回っている。
「ダメだ。ダメだよ。そんなんじゃあ」
ミハエルの眼が異様にギラついている。
それが段々と強くなっているように感じた。
「虎吉さん、敵から離れて下さい!」
ルナどのが【雷矢(ライトニングアロウ)】を放とうとしていた。
「ひ弱な武士よ。君のパートナーが我が輩との戦いを望んでいる。もしそうであれば我が輩はあの貴女を殺さねばららんがよいか?」
「・・・・・・」
ルナどのがためらった。
その様子にミハエルは瞳孔を大きく広げて口を開けた。
「ルナどの手を出すな・・・」
「そう、あなたはそこでおとなしく仲間が死ぬところを見ているのだ」
その言葉にルナどのは自分の杖を強く握ることしかできなった。
悔しさが顔に出ていた。
「くっくっく、ひゃはははは!」
ミハエルが段々おかしくなっていく。
某は太刀を右下段から切り上げた。
「だめだだめだ。とどかんとどかん!」
ミハエルは異様に笑いながら太刀を躱した。
某は左上段に切り上げた太刀を振り下ろした。
ザン!
「なんとぉ~そんな攻撃をするとは!うひゃひゃひゃ」
太刀を左上段から振り下ろすとき右手を離して左手で切り下ろした。
そうすれば間合いが伸びるからだ。
ミハエルは顔を震わせながら、狂気の瞳で某の技をぎりぎり躱して笑った。
某はミハエルの動きを観察した。
いける。
某はもう一度太刀を鞘に収めた。
「ひゃはははは、また刀を納めた~!」
ミハエルが突進した。
ガツン!
太刀を抜いたが奴の刃に弾かれた。
まるで巨大な牛にでも体当たりされたような衝撃だった。
「この魔術のぉ~更なる力をぉ~見せてやろおー」
ミハエルの身体から出る黄金の覇気がさらに大きくなり、その覇気が某の周りを取り囲んだ。
「ぐう!」
黄金の覇気が某の身体を締め付けた。
覇気に身体が潰されそうだった。
「喝!」
師匠から鍛えてもらった渾身の気合いで覇気を吹き飛ばした。
某はまた距離を取って太刀を納めた。
その光景にミハエルは身体を震わせながら大笑いした。
「ぶしぃ~は~。それしか出来ないのかぁ~、うは、ぐははは!」
奴の構えが崩れてきた。
軽やかな足の運びが乱れている。
ミハエルが突進した。
ザン!
お返しに奴の左肩を切った。
ミハエルから笑いが消えた。
確信した。
「お主、その魔術、禁じ手とか申してなかったか?」
ミハエルは自滅した。
「そ、それが、ど、どうし・・・がはっ!」
ついにミハエルは絶えきれず膝をついた。
「こっこの・・・」
ミハエルがよろけながら立ち上がった。
眼球が揺れ動いてる。
某に焦点が定まっていない。
身体を震わしながら、構えている。
「うぉおおお!」
杖を高々と上げてミハエルが突進した。
それはもはや攻撃とは言えない動きだった。
某はミハエルの脇腹を切った。
「がはああ」
ミハエルは光に包まれ、真っ黒な素石になった。
「虎吉さま!」
ミハエルを倒すとルナどのが走り寄ってきた。
「怪我したんですね!」
「うん、大したことはない」
某はそう言ったが、身体中を斬られ、全身が痛かった。
「【治療(ヒール)】をかけます」
ルナどのが某の身体に触れた。
ルナどのの手が光り出し、たちどころに身体中の出血が治まり、傷口も消えた。
「ごめんなさい。何もできないで」
「いや、奴を倒せたのはルナどのが疾風迅雷(ラピッドサンダーストーム)をかけてくれたからだ。あれがなかったら一瞬で殺されていた」
「無事、倒せたようですね」
ポイが現れた。
「よかった、よかった。虎吉さんすごいです」
「何が良かっただ。何が凄いだ。お主まさかずっと見ていたのか?」
「いやー、僕は怖くて何もできませんでした。ごめんなさい」
ポイは無邪気な笑顔で俺に謝った。
可愛く腹の立つポイだった。
「ところで目印は見つけましたか?」
ポイが目印を聞いてきた。
某は1本の若木を思い出した。
「1本の若木、だけ葉っぱが違っていなかったか?」
周りにあるのはこの森の巨木、パイリウムだった。
そしてあの若木はその子供だと思うが、葉っぱがまん丸な大人のパイリウムと違って楕円形になっていた。
「お見事、それが正解です!」
ポイは万歳をしながら正解したことを祝福した。
「あそこに大魔術師サハリさまの小屋へと続く道が隠されています。ではご案内しましょう!」
ポイと一緒に若木がある道までいった。
巨木が奥へと入るのを拒むかのように立ち並んでいる前に立っている1本の若木の前にポイは停止した。
「見てて下さいよ」
ポイは特異そうな顔でそう言った。
ポイは若木の数枚の葉っぱに触れた。
「・・・・・・あれ?」
何も起きない。
ポイがこっちを振り向いた。
少し焦った顔だ。
「ちょっと待って下さい!」
ポイが慌てながら紙を取り出した。そしてそれを見ながら、再び数枚の若木の葉っぱに触れた。
次の瞬間、若木が消え、奥の巨大な根っこが動き出した。
そして大きな穴のようになり、奥へと道が続いた。
我らは穴へと入っていった。
どこまでも続く木の穴をポイはどんどん先へと行った。それについていくとたくさんの妖精達が集まり周りを飛び回った。
中には好奇心か某やルナどのの肩にとまる者もいた。
「わあ!」
ルナどのが驚きの声をあげた。
穴から出ると、そこは丘の上に出た。
広大な森に立つ巨木達が一望できる。
光に照らされて、パイリウムの葉が青く輝いて見えた。
「サハリ様が住む小屋だよ!」
前方に一軒の屋敷があった。
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