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吉野山
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「静、迎えに参ったぞ!」
4月、桜が咲いた季節。
朝早く北白川の家に大声が響いた。
あの方がやって来た。
壺装束姿で表に出ると馬が目に入った。
そこに義経さまが数名の従者とともに立っていた。
「静、そなたの馬を用意した。さぁ約束通り桜を見に参ろう!」
喜びに満ちた顔でわたしの手を取ると馬までわたしを連れて行った。
「かたじけのうございます・・・義経さま」
わたしはこの方を義経さまと呼んでいた。
義経さまが自分のことを「義経と呼んで欲しい」とお願いしたからだ。
「あ・・・」
馬に乗ろうとしたとき、踏み台になってくれた人の顔を見た。
あの人だった。
名は行信。
どこかで見たことのあるような瞳をしていた。
ある日、この人が家をやって来てわたしを義経さまに会わせてくれた。
顔は義経さまとうり二つだった。
しかし常に快活な義経さまと違って行信さまはただもの静かだった。
皮革を持っていた。わたしが馬に乗ると、その人は皮革を背負って手綱を握った。
手綱はこの人が握って馬を操ってくれるのでわたしはただ馬の背に乗っていれば良かった。
しかし何故、皮革が必要なのであろうか?
「静、野いちごじゃ!」
「あっ」
義経さまがわたしに巾着を渡した。
中には大好きな野いちごがたくさん入っていた。
「よし、吉野山へ参るぞ!」
今日は義経さまがわたしを吉野山へ連れて行ってくれる日だった。
吉野山は女人禁制の山だった。
あそこには鬼がいるという。
男と女の鬼がいて、男は鉞(まさかり)を持って人の身体を真っ二つにたたき割るのだという。
だが、わたしは吉野の千本桜を一度見てみたかった。
そのことを義経さまにもらしてしまった。
「拙者が静を守ろう!」
わたしは義経さまに守られて千本桜を見ることになった。
* * *
「わぁ・・・綺麗」
山は千本桜の名に恥じぬほどあちらこちらで桜が咲いていた。
「あの桜をもっと近くで見てみよう!」
馬から降りるとき義経さまが手を貸してくれた。行信さまがまた踏み台になってくれてわたしは馬から降りた。
義経さま手を握られたまま導かれるように桜へと歩いて行った。
「大きくて・・・綺麗で・・・」
桜に近づき、太い幹に触れた。
桜の命を感じたかった。
「ときに静、そなたの父上は誰だ?」
義経さまがわたくしの父について尋ねてきた。
「そなたの父上にもお会いしたい・・・そなたの父上は今どこで何をしておる?」
「・・・わたしは父を知らないのです」
わたしが父を知らないと言った瞬間、義経様の顔がひどく青ざめた。
「母が申しておりました。わたしが生まれたとき、父はどこか遠くへ行ってしまったと・・・」
「そ、そうか・・・すまぬことを聞いてしまった・・・」
義経さまは謝った。
「そ、そんな・・・謝らないで下さい!義経さまは何も悪くはございません!」
わたしは落ち込んだ義経さまを慰めた。
気を取り直した義経さまは「もっと他の桜を見ようと」2人で一緒に歩き出した。
上千本から奥千本へと入った。
金峯神社でお参りをして、そこでひと休憩した。金峯神社の側にも桜はあった。
「静、いつの日かワシと2人で桜を植えよう!」
「桜でございますか?」
「そうじゃ桜じゃ!2人で桜を植え、それが大きくなったらワシらの子供と一緒にその桜を見よう!」
笑いながら義経さまがおっしゃる。
わたしもそれに合わせるように笑う。
「拙者にお主の人生を預けてみぬか?」
義経さまから笑顔が消え、真剣な表情になった。
「あぁ・・・」
義経さまが人生の決断をせまる選択を迫ってきた。
応えることができない。
義経さまの顔が段々不安になっていった。
「お館様!」
「何じゃ?」
1人の従者が義経さまを呼んだ。
「後白河法皇様からの使者が参っております」
「何だと・・・こんな時にか!?」
「今、大事なところ」と義経さまはいらだちを隠しきれなかった。
だが、後白河法皇さまの使者を放っておくわけにはいかない。
「静、申し訳ないが、しばし待っておいてくれ!」
そう言うと義経さまはわたしから離れた。
そして義経さまは自分と似ている行信さまに耳うちして使者のもとへと向かった。
義経さまに変わり行信さまが近づいてきた。
「しばし某が良いところへお連れしましょうか?」
片膝をついて行信さまがそう申した。
「はい・・・」
わたしは行信さまに連れられて左にあった小道を歩き出した。
桜など全くない道だった。
行信さまはわたしをどこへ連れて行こうとしているのだろう?
「行信さま、あれは?」
奥に塔が見えてきた。
「あれは隠れ塔でございます・・・」
行信さまはそこまでわたしを連れて行くと辺りを見回した。
「前鬼!こちらの方に最高に満開の花を見せてくれ!」
バサァァァァァァ!
周りの葉っぱが渦を巻きだし、わたしたちを包み込んだ。
そして緑色の葉っぱが桜へと変わりだした。
「ここは!?」
「隠れ億本の桜でございます・・・のはずなんだがな?」
桜色ではなく、緑もあれば赤と黄色の紅葉の色、おまけに遠くの方に雪が覆い被さった木まである風景が山全体を覆っていた。
そうか、ここは異界の吉野山なのか。
人間界の吉野山を遙かに超える満開の桜にわたしは包まれていた。
祝福されているのだろうか?
今、わたしは人生で一番良いときなのかも知れない。
ずっと昔、母が言っていた。
わたしが生まれた時、それは桜が満開の時だったと。
そしてその桜にちなんだ名を付けたと。
「!?」
塔の縁側に1匹の童女の子鬼が立っていた。
12歳ほどの歳であろうか、小袖姿で興味深そうにこちらを見ている。
怖い。
子供の鬼といえど、油断はできない。
鬼は妖怪の中で最も好戦的だと言われている。
それ故、人間は強い人間に鬼の言葉を使ってその強さを言い表し、そして妖怪の中で一番退治したがるのが鬼だった。
「静様、その小鬼は大丈夫です」
行信さまが笑顔でそう言った。
その笑顔は信じられる笑顔だった。
石段を登って小鬼の側に腰掛けた。
「よろしかったら野いちごを食べませんか?」
巾着から野いちごを取り出し、小鬼に見せた。
小鬼は小さな指で一つ掴むと、小さな口の中に入れた。
その瞬間、小鬼が可愛い笑顔になった。
「おいしい?」
鬼の童女は笑顔で大きく頷いた。そして周りにある桜の木々に手招きした。
桜の木から四人の小鬼たちが現れた。
みんな走って寄ってくるとそれぞれ野いちごを手に取ると口の中に入れ、皆笑顔になった。
ダァン!
左から大きな音がした。
その音に驚き左を見た。
男と女の2匹の鬼が立っていた。
男の鬼は1間(一八〇センチ)を遙かに超えるような大きな身体に手に鉞(まさかり)を持っていた。
一見、山賊のように見える風貌だった。
女の鬼は小袖姿で水色の髪を生やし、手に水瓶を持っていた。
「前鬼、何だこの風景は?」
「いや、すまん。今我らの山は10年に一度の四季が一度にやってくる年だったので、こんな風景になってるんだよ」
「そうか・・・この異界の億本の桜は人間界の桜よりも遙かに凄い輝きを見せるのだがな・・・」
「だが、この光景も10年に一度しかみれんのだぞ!」
「ところで天狗のお弟子さま。約束の物は?」
女の鬼が行信に近づいてきた。
「あぁ後鬼殿、約束の品です」
行信は女の鬼に皮革を渡した。
「子供達に良い茵(しとね)がつくれます」
女の鬼は微笑んで受け取った。
子鬼達が珍しそうに皮革を見たり触ったりした。
「静様、こちらの鬼の夫婦は前鬼と後鬼と申しまして、奴とは関わりを持つこと無く、2人仲睦まじく暮らしております」
・・・そうか・・・。
鬼といえど、全ての鬼が凶暴というわけでは無いのだ。生まれつきの鬼は恨みを持っていない。
恨みを持って鬼に転生しても、恨みを忘れて普通に鬼の人生を送る者もいると聞いた。
後鬼さまがわたしに一礼しながら近づいてきた。
「悩んでいる?」
「・・・はい」
「うん、鬼の夫婦生活も色々あるけど、でも双方うるさいこと言わないで、大切な事を語り合ったら、それなりに良い人生送れるわ」
後鬼さまはそう言ってくれた。
その後鬼さまの足下に一番小さな小鬼が笑顔でやって来て、後鬼さまの足にしがみついた。
「もしかして、このためにわたしをここに連れてきたのですか?」
行信さまに聞くと行信さまは恥ずかしそうに頷いた。
「・・・・・・・・・・」
後鬼様の周りに子鬼達が集まって、相手をしている後鬼様が少し大変そうだった。
それでも、時々笑みをこぼしていた。
4月、桜が咲いた季節。
朝早く北白川の家に大声が響いた。
あの方がやって来た。
壺装束姿で表に出ると馬が目に入った。
そこに義経さまが数名の従者とともに立っていた。
「静、そなたの馬を用意した。さぁ約束通り桜を見に参ろう!」
喜びに満ちた顔でわたしの手を取ると馬までわたしを連れて行った。
「かたじけのうございます・・・義経さま」
わたしはこの方を義経さまと呼んでいた。
義経さまが自分のことを「義経と呼んで欲しい」とお願いしたからだ。
「あ・・・」
馬に乗ろうとしたとき、踏み台になってくれた人の顔を見た。
あの人だった。
名は行信。
どこかで見たことのあるような瞳をしていた。
ある日、この人が家をやって来てわたしを義経さまに会わせてくれた。
顔は義経さまとうり二つだった。
しかし常に快活な義経さまと違って行信さまはただもの静かだった。
皮革を持っていた。わたしが馬に乗ると、その人は皮革を背負って手綱を握った。
手綱はこの人が握って馬を操ってくれるのでわたしはただ馬の背に乗っていれば良かった。
しかし何故、皮革が必要なのであろうか?
「静、野いちごじゃ!」
「あっ」
義経さまがわたしに巾着を渡した。
中には大好きな野いちごがたくさん入っていた。
「よし、吉野山へ参るぞ!」
今日は義経さまがわたしを吉野山へ連れて行ってくれる日だった。
吉野山は女人禁制の山だった。
あそこには鬼がいるという。
男と女の鬼がいて、男は鉞(まさかり)を持って人の身体を真っ二つにたたき割るのだという。
だが、わたしは吉野の千本桜を一度見てみたかった。
そのことを義経さまにもらしてしまった。
「拙者が静を守ろう!」
わたしは義経さまに守られて千本桜を見ることになった。
* * *
「わぁ・・・綺麗」
山は千本桜の名に恥じぬほどあちらこちらで桜が咲いていた。
「あの桜をもっと近くで見てみよう!」
馬から降りるとき義経さまが手を貸してくれた。行信さまがまた踏み台になってくれてわたしは馬から降りた。
義経さま手を握られたまま導かれるように桜へと歩いて行った。
「大きくて・・・綺麗で・・・」
桜に近づき、太い幹に触れた。
桜の命を感じたかった。
「ときに静、そなたの父上は誰だ?」
義経さまがわたくしの父について尋ねてきた。
「そなたの父上にもお会いしたい・・・そなたの父上は今どこで何をしておる?」
「・・・わたしは父を知らないのです」
わたしが父を知らないと言った瞬間、義経様の顔がひどく青ざめた。
「母が申しておりました。わたしが生まれたとき、父はどこか遠くへ行ってしまったと・・・」
「そ、そうか・・・すまぬことを聞いてしまった・・・」
義経さまは謝った。
「そ、そんな・・・謝らないで下さい!義経さまは何も悪くはございません!」
わたしは落ち込んだ義経さまを慰めた。
気を取り直した義経さまは「もっと他の桜を見ようと」2人で一緒に歩き出した。
上千本から奥千本へと入った。
金峯神社でお参りをして、そこでひと休憩した。金峯神社の側にも桜はあった。
「静、いつの日かワシと2人で桜を植えよう!」
「桜でございますか?」
「そうじゃ桜じゃ!2人で桜を植え、それが大きくなったらワシらの子供と一緒にその桜を見よう!」
笑いながら義経さまがおっしゃる。
わたしもそれに合わせるように笑う。
「拙者にお主の人生を預けてみぬか?」
義経さまから笑顔が消え、真剣な表情になった。
「あぁ・・・」
義経さまが人生の決断をせまる選択を迫ってきた。
応えることができない。
義経さまの顔が段々不安になっていった。
「お館様!」
「何じゃ?」
1人の従者が義経さまを呼んだ。
「後白河法皇様からの使者が参っております」
「何だと・・・こんな時にか!?」
「今、大事なところ」と義経さまはいらだちを隠しきれなかった。
だが、後白河法皇さまの使者を放っておくわけにはいかない。
「静、申し訳ないが、しばし待っておいてくれ!」
そう言うと義経さまはわたしから離れた。
そして義経さまは自分と似ている行信さまに耳うちして使者のもとへと向かった。
義経さまに変わり行信さまが近づいてきた。
「しばし某が良いところへお連れしましょうか?」
片膝をついて行信さまがそう申した。
「はい・・・」
わたしは行信さまに連れられて左にあった小道を歩き出した。
桜など全くない道だった。
行信さまはわたしをどこへ連れて行こうとしているのだろう?
「行信さま、あれは?」
奥に塔が見えてきた。
「あれは隠れ塔でございます・・・」
行信さまはそこまでわたしを連れて行くと辺りを見回した。
「前鬼!こちらの方に最高に満開の花を見せてくれ!」
バサァァァァァァ!
周りの葉っぱが渦を巻きだし、わたしたちを包み込んだ。
そして緑色の葉っぱが桜へと変わりだした。
「ここは!?」
「隠れ億本の桜でございます・・・のはずなんだがな?」
桜色ではなく、緑もあれば赤と黄色の紅葉の色、おまけに遠くの方に雪が覆い被さった木まである風景が山全体を覆っていた。
そうか、ここは異界の吉野山なのか。
人間界の吉野山を遙かに超える満開の桜にわたしは包まれていた。
祝福されているのだろうか?
今、わたしは人生で一番良いときなのかも知れない。
ずっと昔、母が言っていた。
わたしが生まれた時、それは桜が満開の時だったと。
そしてその桜にちなんだ名を付けたと。
「!?」
塔の縁側に1匹の童女の子鬼が立っていた。
12歳ほどの歳であろうか、小袖姿で興味深そうにこちらを見ている。
怖い。
子供の鬼といえど、油断はできない。
鬼は妖怪の中で最も好戦的だと言われている。
それ故、人間は強い人間に鬼の言葉を使ってその強さを言い表し、そして妖怪の中で一番退治したがるのが鬼だった。
「静様、その小鬼は大丈夫です」
行信さまが笑顔でそう言った。
その笑顔は信じられる笑顔だった。
石段を登って小鬼の側に腰掛けた。
「よろしかったら野いちごを食べませんか?」
巾着から野いちごを取り出し、小鬼に見せた。
小鬼は小さな指で一つ掴むと、小さな口の中に入れた。
その瞬間、小鬼が可愛い笑顔になった。
「おいしい?」
鬼の童女は笑顔で大きく頷いた。そして周りにある桜の木々に手招きした。
桜の木から四人の小鬼たちが現れた。
みんな走って寄ってくるとそれぞれ野いちごを手に取ると口の中に入れ、皆笑顔になった。
ダァン!
左から大きな音がした。
その音に驚き左を見た。
男と女の2匹の鬼が立っていた。
男の鬼は1間(一八〇センチ)を遙かに超えるような大きな身体に手に鉞(まさかり)を持っていた。
一見、山賊のように見える風貌だった。
女の鬼は小袖姿で水色の髪を生やし、手に水瓶を持っていた。
「前鬼、何だこの風景は?」
「いや、すまん。今我らの山は10年に一度の四季が一度にやってくる年だったので、こんな風景になってるんだよ」
「そうか・・・この異界の億本の桜は人間界の桜よりも遙かに凄い輝きを見せるのだがな・・・」
「だが、この光景も10年に一度しかみれんのだぞ!」
「ところで天狗のお弟子さま。約束の物は?」
女の鬼が行信に近づいてきた。
「あぁ後鬼殿、約束の品です」
行信は女の鬼に皮革を渡した。
「子供達に良い茵(しとね)がつくれます」
女の鬼は微笑んで受け取った。
子鬼達が珍しそうに皮革を見たり触ったりした。
「静様、こちらの鬼の夫婦は前鬼と後鬼と申しまして、奴とは関わりを持つこと無く、2人仲睦まじく暮らしております」
・・・そうか・・・。
鬼といえど、全ての鬼が凶暴というわけでは無いのだ。生まれつきの鬼は恨みを持っていない。
恨みを持って鬼に転生しても、恨みを忘れて普通に鬼の人生を送る者もいると聞いた。
後鬼さまがわたしに一礼しながら近づいてきた。
「悩んでいる?」
「・・・はい」
「うん、鬼の夫婦生活も色々あるけど、でも双方うるさいこと言わないで、大切な事を語り合ったら、それなりに良い人生送れるわ」
後鬼さまはそう言ってくれた。
その後鬼さまの足下に一番小さな小鬼が笑顔でやって来て、後鬼さまの足にしがみついた。
「もしかして、このためにわたしをここに連れてきたのですか?」
行信さまに聞くと行信さまは恥ずかしそうに頷いた。
「・・・・・・・・・・」
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