24 / 41
闇夜の太陽
しおりを挟む
「どこだここは?」
猫又に教えられた異界から異界への抜け道を歩いていた。そこは最初は小さな岩穴だった。
腰をかがめながら歩いていた。
やがて、腰をかがめなくても良いくらいに天井が高くなり、その天井はどんどん高くなり、狭かった幅も広くなり、いつの間にか我らはとてつもなく大きな岩が転がっている川原を歩いていた。
「あと、今何時だ?」
「多分、丑の刻あたりだと思うが・・・それにしては川がやけに綺麗だ・・・」
ホロが川を見て不思議がっている。
確かに辺りは闇に包まれているのに側を流れている川は青々しく透き通っていた。
そして太陽に照らされているかのように光っていた。
「あれが照らしてやがる!」
「あの妙な月か?」
空には大きな月が昇っていた。
「・・・見ていて怖くなるな」
その月は赤く照っていた。
「いや・・・あれは太陽だ・・・」
「太陽!?」
ホロがおかしな事を言った。
「今は丑の刻であろう?」
「あぁ、だがあれは間違いなく太陽だ・・・周りを照らしては
いないが、この川だけは照らしてやがる・・・」
某は見直してみた。
「・・・太陽だ・・・」
光が四方八方に伸びている。
あの輝き方は月ではなく太陽だ。
「ホロ、異界にはあんな太陽が昇るのか?」
「いや、俺もあんな太陽は初めてだ。確かに異界ってのはとてつもなく広いから、あんな太陽があるかもしれん」
不気味な場所だ。
もう一度辺りを見回す。
「この景色はどこかで見たことがある・・・」
どこかで見覚えのあるような景色だった。この川の形もどこかで見覚えがあった。
「・・・まさか、ここは木曽か!?」
「何、木曽?」
昔、判官様に会いに奥州に行った時に見た木曽の光景だった。岩や川が本物より大きいが、この光景は間違いなく木曽だ。
「何言ってんだ?ここは異界だぞ?」
「だが、この光景は木曽川によく似ている。何故だ?」
「・・・光さま」
サクヤ様が怖がりだした。
震える身体を抑えている。
「サクヤ様どうなされました?」
「・・・誰かが、誰かを呼んでいます・・・」
「それは真ですか!?」
「はい・・・」
サクヤ様は耳を研ぎ澄まして聞いた。この地の何か不吉なものをサクヤ様が感じ取った。
「ククリ殿は何か感じ取れますか?」
ククリ殿にも尋ねてみた。
「わらわが感じておるのは、あの太陽とこの川じゃ・・・」
「太陽と川?」
「あの太陽、この川から離れたくないのかもしれん・・・それで丑の刻じゃというのに沈むことなく、空に浮かび続けておる・・・」
「どうやら、出たみてぇだな・・・」
ホロも何かを嗅ぎ取った。
「奴が来たのか!?」
「いや、人間くせぇ・・・怨霊だな!」
虫の声一つしない周りをこちらも音を立てず警戒した。だが、怨霊は現れない。
「・・・どこかで罠を仕掛けているのやもしれん・・・その怨霊が鬼神の配下であれば、確実にこれは罠だ!」
悔しさと恐怖が襲ってくる。我らは奴を欺くように異界への道を歩いたつもりだった。
「筒抜けなのか?・・・我らの行動は?」
「ケェーン」
キジの鳴き声がした。
「キジだと!?」
その鳴き声に某の心がざわついた。
「取り憑かれています!」
サクヤ様が叫んだ。
「怨霊はわたしたちに取り憑き、叫んでいます!」
「何と?」
「巴(ともえ)と呼んでいます!」
「巴だと!?」
巴の名を聞いて某はこの光景に納得がいった。
太陽と川。
あの御仁だ。
そしてこの光景は、あの御仁が強い怨念で、幻術を見せているのに違いない。
「その怨霊、知り合いか?」
ホロが尋ねた。
某はホロにその怨霊を教えた。
「旭将軍だ・・・」
「旭?あぁ、木曽義仲か!?あいつは粟津(あわづ)の松原で馬の脚が深田に取られたところを討ち取られたんだろ?額を打ち抜かれて」
「其れがしが討ち取った・・・」
「何、お前か!?戦で負けた恨みか?」
「違う恨みはそこではない。巴御前だ!」
旭将軍には共に野山を駆け巡っていた幼なじみの女がいた。
巴御前という女武者だ。
正妻にはならなかったが、おそらく旭将軍が一番好きなのは巴御前だろう。
巴御前はまだ、生きている。
「だから、自分も死にきれないのか!」
「ホロ、この足跡を見てみい」
ククリ殿が川原に付いた足跡を見た。
その足跡はまるで2本の角が寄り添うように付いた足跡だった。
「こりゃ牛の足跡じゃねぇか?」
「・・・この牛・・・立って歩いておらぬか?」
ガァン!
突然、暗闇から一頭の眼に大穴が開いた黒い牛が岩を砕いて突進してきた。
「みな避けろー!」
某が叫ぶと皆、牛が突進する進路から逃げた。
間一髪、全員牛の串刺しにならず、避けることが出来た。
「このやろう!」
ホロが刀を抜いた。
牛は振り返り、再びこちらに突進した。
ホロも突進した。
ガッ!・・・・ザザザザッ!
牛がホロを突き飛ばそう角を振り上げたが、ホロは牛の角を掴んで牛の喉仏に刀を刺した。
牛は、炎に包まれて消滅した。
シュ!
ホロが牛を倒したと同時に矢が飛んできた。矢はホロをかすめ、サクヤ様のところまで飛んできた。
パシッ!
間一髪、某が矢を掴んだ。
カッ、カッ、カッ・・・・。
森の奥で馬の蹄の音が聞こえた。
「ケェーン!」
キジの鳴く声がした。
粟津で旭将軍を討ち取った時に聞こえたキジの鳴き声だ。
「ちきしょう~、鬼神は我らがここへ来るのを知って、旭将軍をここで待ち伏せさせていたのか?」
「ちなみに光、旭将軍はそんなに巴御前が好きなのか?」
「旭将軍は正妻とは子供を作っていない。だが、巴御前とは2人の子供を作っている」
「なるほど、鬼神のやろう恋の怨みを利用しやがったな・・・倒しちまおう!」
「旭将軍は姿を隠している。旭将軍を探さねばなるまい・・・だが下手に森の中でどこにいるか分からぬ旭将軍を探すのは大変だ」
森を見回した。
旭将軍は襲ってこないようだ。
「ホロ、森を見て何か感じるか?」
「・・・手練れの妖怪が潜んでいる気がするな・・・下手に森の中に入ると罠にはまってあぶねえ・・・この川原なら周りも見えて安心だが・・・」
「だが、ここで動けずに我らの体力が尽きても奴の思惑通りだ・・・」
「この際、森の中に入って義仲をおびき出したらどうだ?どうせ森の中に入ったら義仲が出てくるんだろ?」
「そうはいってもサクヤ様も守らねばならぬ!」
牛を相手にしながらサクヤさまの身を守り、旭将軍を探し出す。
どうすれば?
「サクヤどのはわらわが守る。安心せい」
ククリ殿が弓を構えて応えた。
「先ほどは避けてしまったが、次に姿を見せることが出来たらわらわの弓で射貫こう」
サクヤ様を見た。
サクヤ様は頷いた。
「ククリ殿、お頼みします」
「そなたも死ぬでない」
「よし光!俺達でおびき寄せて義仲を引きずり出すぞ!」
作戦は決まった。
猫又に教えられた異界から異界への抜け道を歩いていた。そこは最初は小さな岩穴だった。
腰をかがめながら歩いていた。
やがて、腰をかがめなくても良いくらいに天井が高くなり、その天井はどんどん高くなり、狭かった幅も広くなり、いつの間にか我らはとてつもなく大きな岩が転がっている川原を歩いていた。
「あと、今何時だ?」
「多分、丑の刻あたりだと思うが・・・それにしては川がやけに綺麗だ・・・」
ホロが川を見て不思議がっている。
確かに辺りは闇に包まれているのに側を流れている川は青々しく透き通っていた。
そして太陽に照らされているかのように光っていた。
「あれが照らしてやがる!」
「あの妙な月か?」
空には大きな月が昇っていた。
「・・・見ていて怖くなるな」
その月は赤く照っていた。
「いや・・・あれは太陽だ・・・」
「太陽!?」
ホロがおかしな事を言った。
「今は丑の刻であろう?」
「あぁ、だがあれは間違いなく太陽だ・・・周りを照らしては
いないが、この川だけは照らしてやがる・・・」
某は見直してみた。
「・・・太陽だ・・・」
光が四方八方に伸びている。
あの輝き方は月ではなく太陽だ。
「ホロ、異界にはあんな太陽が昇るのか?」
「いや、俺もあんな太陽は初めてだ。確かに異界ってのはとてつもなく広いから、あんな太陽があるかもしれん」
不気味な場所だ。
もう一度辺りを見回す。
「この景色はどこかで見たことがある・・・」
どこかで見覚えのあるような景色だった。この川の形もどこかで見覚えがあった。
「・・・まさか、ここは木曽か!?」
「何、木曽?」
昔、判官様に会いに奥州に行った時に見た木曽の光景だった。岩や川が本物より大きいが、この光景は間違いなく木曽だ。
「何言ってんだ?ここは異界だぞ?」
「だが、この光景は木曽川によく似ている。何故だ?」
「・・・光さま」
サクヤ様が怖がりだした。
震える身体を抑えている。
「サクヤ様どうなされました?」
「・・・誰かが、誰かを呼んでいます・・・」
「それは真ですか!?」
「はい・・・」
サクヤ様は耳を研ぎ澄まして聞いた。この地の何か不吉なものをサクヤ様が感じ取った。
「ククリ殿は何か感じ取れますか?」
ククリ殿にも尋ねてみた。
「わらわが感じておるのは、あの太陽とこの川じゃ・・・」
「太陽と川?」
「あの太陽、この川から離れたくないのかもしれん・・・それで丑の刻じゃというのに沈むことなく、空に浮かび続けておる・・・」
「どうやら、出たみてぇだな・・・」
ホロも何かを嗅ぎ取った。
「奴が来たのか!?」
「いや、人間くせぇ・・・怨霊だな!」
虫の声一つしない周りをこちらも音を立てず警戒した。だが、怨霊は現れない。
「・・・どこかで罠を仕掛けているのやもしれん・・・その怨霊が鬼神の配下であれば、確実にこれは罠だ!」
悔しさと恐怖が襲ってくる。我らは奴を欺くように異界への道を歩いたつもりだった。
「筒抜けなのか?・・・我らの行動は?」
「ケェーン」
キジの鳴き声がした。
「キジだと!?」
その鳴き声に某の心がざわついた。
「取り憑かれています!」
サクヤ様が叫んだ。
「怨霊はわたしたちに取り憑き、叫んでいます!」
「何と?」
「巴(ともえ)と呼んでいます!」
「巴だと!?」
巴の名を聞いて某はこの光景に納得がいった。
太陽と川。
あの御仁だ。
そしてこの光景は、あの御仁が強い怨念で、幻術を見せているのに違いない。
「その怨霊、知り合いか?」
ホロが尋ねた。
某はホロにその怨霊を教えた。
「旭将軍だ・・・」
「旭?あぁ、木曽義仲か!?あいつは粟津(あわづ)の松原で馬の脚が深田に取られたところを討ち取られたんだろ?額を打ち抜かれて」
「其れがしが討ち取った・・・」
「何、お前か!?戦で負けた恨みか?」
「違う恨みはそこではない。巴御前だ!」
旭将軍には共に野山を駆け巡っていた幼なじみの女がいた。
巴御前という女武者だ。
正妻にはならなかったが、おそらく旭将軍が一番好きなのは巴御前だろう。
巴御前はまだ、生きている。
「だから、自分も死にきれないのか!」
「ホロ、この足跡を見てみい」
ククリ殿が川原に付いた足跡を見た。
その足跡はまるで2本の角が寄り添うように付いた足跡だった。
「こりゃ牛の足跡じゃねぇか?」
「・・・この牛・・・立って歩いておらぬか?」
ガァン!
突然、暗闇から一頭の眼に大穴が開いた黒い牛が岩を砕いて突進してきた。
「みな避けろー!」
某が叫ぶと皆、牛が突進する進路から逃げた。
間一髪、全員牛の串刺しにならず、避けることが出来た。
「このやろう!」
ホロが刀を抜いた。
牛は振り返り、再びこちらに突進した。
ホロも突進した。
ガッ!・・・・ザザザザッ!
牛がホロを突き飛ばそう角を振り上げたが、ホロは牛の角を掴んで牛の喉仏に刀を刺した。
牛は、炎に包まれて消滅した。
シュ!
ホロが牛を倒したと同時に矢が飛んできた。矢はホロをかすめ、サクヤ様のところまで飛んできた。
パシッ!
間一髪、某が矢を掴んだ。
カッ、カッ、カッ・・・・。
森の奥で馬の蹄の音が聞こえた。
「ケェーン!」
キジの鳴く声がした。
粟津で旭将軍を討ち取った時に聞こえたキジの鳴き声だ。
「ちきしょう~、鬼神は我らがここへ来るのを知って、旭将軍をここで待ち伏せさせていたのか?」
「ちなみに光、旭将軍はそんなに巴御前が好きなのか?」
「旭将軍は正妻とは子供を作っていない。だが、巴御前とは2人の子供を作っている」
「なるほど、鬼神のやろう恋の怨みを利用しやがったな・・・倒しちまおう!」
「旭将軍は姿を隠している。旭将軍を探さねばなるまい・・・だが下手に森の中でどこにいるか分からぬ旭将軍を探すのは大変だ」
森を見回した。
旭将軍は襲ってこないようだ。
「ホロ、森を見て何か感じるか?」
「・・・手練れの妖怪が潜んでいる気がするな・・・下手に森の中に入ると罠にはまってあぶねえ・・・この川原なら周りも見えて安心だが・・・」
「だが、ここで動けずに我らの体力が尽きても奴の思惑通りだ・・・」
「この際、森の中に入って義仲をおびき出したらどうだ?どうせ森の中に入ったら義仲が出てくるんだろ?」
「そうはいってもサクヤ様も守らねばならぬ!」
牛を相手にしながらサクヤさまの身を守り、旭将軍を探し出す。
どうすれば?
「サクヤどのはわらわが守る。安心せい」
ククリ殿が弓を構えて応えた。
「先ほどは避けてしまったが、次に姿を見せることが出来たらわらわの弓で射貫こう」
サクヤ様を見た。
サクヤ様は頷いた。
「ククリ殿、お頼みします」
「そなたも死ぬでない」
「よし光!俺達でおびき寄せて義仲を引きずり出すぞ!」
作戦は決まった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【アイテム分解】しかできないと追放された僕、実は物質の概念を書き換える最強スキルホルダーだった
黒崎隼人
ファンタジー
貴族の次男アッシュは、ゴミを素材に戻すだけのハズレスキル【アイテム分解】を授かり、家と国から追放される。しかし、そのスキルの本質は、物質や魔法、果ては世界の理すら書き換える神の力【概念再構築】だった!
辺境で出会った、心優しき元女騎士エルフや、好奇心旺盛な天才獣人少女。過去に傷を持つ彼女たちと共に、アッシュは忘れられた土地を理想の楽園へと創り変えていく。
一方、アッシュを追放した王国は謎の厄災に蝕まれ、滅亡の危機に瀕していた。彼を見捨てた幼馴染の聖女が助けを求めてきた時、アッシュが下す決断とは――。
追放から始まる、爽快な逆転建国ファンタジー、ここに開幕!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~
とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。
先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。
龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。
魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。
バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる