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1.日常生活
三つ子、長男組のクラス。【威一郎・速敬・正臆】
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正「はいはーい、長男様の仰せのままに」
まるで執事のように自らの手を体の前に持って行くと、一礼をする。
威「んじゃ、母さん。オレらも行ってくるわ」
気だるげに欠伸をしながら玄関へと向かう威一郎の背を追い、正臆も家を後にした。
鳥のさえずりが聞こえ、のどかな変わらぬ風景を眺めながら通学路を威一郎と正臆は歩いていた。
正「威一郎、下手するとこれ間に合わないんじゃ、ギリギリ」
自分の右腕につけてある腕時計を見ながらそう呟く。
相手の腕へとチラリと視線を送ると呆れ顔を浮かべ、相手の腕を指差し口を開く。
威「あんなぁ、お前、腕時計ってのは右じゃなくて基本左だっての」
毎回指摘される言葉に、ふっと鼻で笑うと「やめるつもりはなーい」と小馬鹿にしたように笑う。
すると正臆の背中に振り子のようにされた鞄が鈍い音を立てながら命中する。
正「うわっ、たた…何するんだよ、そういうことすると呪われるぞ…私に。」
真顔でありもしないだろうことを述べる相手に更に呆れ顔になる。
威「ま、面倒くせいからいいけどな…あとどんくらいよ。」
だらだらと道を歩いているため、到底間に合う気配はなく。
「後3分。」と現実が突き立てられる。
互いにカバンの取っ手を両手で掴むと、前後に振り子のように揺らし始める。
威・正「だりゃぁああああっ!!受け取れコンチクショー!!」
前後に振られた鞄が、バシンッと音を立てながら両者のカバンを弾く。
威「勘づくとは…なかなかやる…なっ!!」
もう一度相手にぶつけに行くの、カバンではじかれる。お互いにその行動を続けながら通学路を前進していく。
正「そろそろ諦めたらどうだぁぁ、絶対嫌だからなぁ、フハハハハ」
と、余裕を見せた瞬間、威一郎から手離されたカバンが正臆がカバンを持っていた手に直撃した。
正「あ"っ!?」
衝撃により自らのカバンもろとも来た道へと投げ出される、ましてや印が付いていないため、どっちがどっちのカバンだかわからなかった。
威「なぁはっはっ、ぶぅわぁかめ、口は達者でも頭を使え、アタマを!じゃ、ちゃんと持ってこいよー、お先ぃー」
片手を上げ、んじゃ。と言うと駆け足で先に学校へと駆けていく。
正「あ、おい、コラ!!この!!」
慌てて道に放り出された二つのカバンを両脇に抱えると、先行に駆けて行った相手を慌てて追う。
残り時間およそ数十秒といったところだった。
先に駆けて行った兄は無事に学校の門へと入ることが出来た、が、しかし服の襟を後ろから掴みあげられる。
威「威一郎選手華麗に勝利…ん?」
「生徒鞄はどうしたんだ?威一郎。」
聞き慣れた声に、しまった奴に捕まってしまったと引きつった笑みを浮かべる。
威「その声は…速敬くんカナー…」
速敬「そうだな、紛れもなく、風紀委員の斎条 速敬だが。生徒鞄はどうした、斎条 威一郎くん。」
どこか威厳のある次男を相手にやりずらそうな表情を浮かべるものの、ゴホンと一つ咳払いをすると、人差し指を立て相手の方へと振り返る。
威「ツレが持ってるんだけどさ?お兄ちゃんの特権として…見逃してくんない?」
てへっとお茶目に舌をちらりと見せる。
すると門の正面に、はぁはぁと息を荒げながら走ってくる少年が。
正「この…はぁ…って、今日当番なの速敬なの…うげ…。あ、速敬、その長男酷いから制裁を…!」
走ってくる相手と、お茶目に舌を出している兄を交互に見やるとピクリとこめかみが動く。
速敬「特権もなんも、お前が一番指導の対象だ!!」
どこから出したかわからない卓球のラケットが、鋭く威一郎の頭に直撃する。
正「…流石、今日も冴えてるね、人間スマッシュ。」
門の中へと入ると、持ってきた二つのカバンを地面に置きへたり込む。
威「~~~~~~~っ」
あまりの痛みに声にならない声が上がったものの、荒っぽく振り落とすかのように襟から手を離された。
速敬「テスト初日にこの有様はなんだ。正臆、お前も」
げっそりとした表情を浮かべながら、絶え絶えに「兄貴にこき使われてました。」と述べた。
その言葉に威一郎が「そこまで使ってねーだろ!!」と口を挟む。
やれやれと左右に首を振りながら呆れた様子で2人を見やったあとに、校舎の時計を見る。
速敬「昼飯は、なしだな。」そう呟くと「早く教室へ行くぞ、威一郎、正臆」
2人を率いるようにして、自分たちの教室へと向かっていった。
教室へ着くとすぐに先生からの叱りの言葉が浴びせられる。
「斎条!まったくお前ら2人はどうしてこうも頻繁に。」
威一郎は片耳を小指で掻きながら、正臆は先生の後ろにある黒板を見つめそんな説教は一切聞いていなかった。
説教が終わると各自自分の席へ着く。
前から威一郎・速敬・正臆という席順だ、速敬ただ1人がこの席順にやや不満を感じていた。
威「カーッ、学生派手やらかしてなんぼだろ~、いっちいち言うなって、わーってるし、って思わね?」
速敬を挟み、正臆へと体を傾けながら会話を始める。そんな光景は毎度のことだが、変わらず速敬は口をへの字にし不機嫌そうだった。
正「まぁ、わかるけど仕方ないというか、仕方ないね??」
速敬「(お前ら2人の頭がどうしようもなく仕方ない。…ラケットで叩きすぎたのが原因か?)」
口には出さないものの、頭の中で2人の会話に外から入り考える。
できる限りややこしいことを起こしたくはないがために、2人が自分を挟んで会話をしている時は心の中で呟くだけにしていた。
そんな中、それをしていると時折静かに見つめる長男の視線がそこにあったが、きっと気のせいだろうと思っていた。
もし心の中で述べている内容を勘づいて、だとしたら勘が良いだけの話ではなくなるから、にわかに信じ難かった。
ゴーン、ゴーン。
いつの間にか1時限目の始まりの本鈴が校舎に響き渡る、教室内はまだ少し騒がしくテストについての「お前勉強した?」「マジ今回は無理だわ」などといった会話が耳に入る。
威「んで、選ばれしものの正臆はどうせ勉強なんてしてきてないんだろ」
ケラケラと面白おかしく笑う兄に、椅子を少し引き、机に両足を乗せドヤ顔で答える。
正「もちろん、だが自信は十分と言える」
ぐっと右手で拳を作ると力強く答える。
速敬「おい、もう本鈴だからキチンと前を向いて席につけ。」
威一郎と正臆を交互に見ながら指摘をすると、自分は試験用にシャーペンと消しゴムをひとつずつ筆箱から出した。
威「じゃ、そろそろ静かにしますかぁ」
ふはっと噴き出すように笑うと前へと向き直り、配られた答案用紙と問題を後ろに回していく。
やっと静かになった、そう感じながら答案用紙にサラサラと字を書き込んでいく。
速敬は眼鏡を掛けていて、更には風紀委員なんて委員会に入っているおかげで頭がいいと思われがちだが、実はこの3人、大して学力に差はなかったのだった。
というより、大して差がないというより、得意科目以外は間違える場所は違えど点数はピッタリ3人とも同じだった。
沈黙の中、カランッと鉛筆が落ちるような軽い音が響く。
正「あ、すいません、神の采配を組んでいたら審判を行う鉛筆が…」
要するにコイツに至っては鉛筆でサイを振り回答に当たっているがため、テストの最中には変なことを言いながらに鉛筆をよく落とす。
稀に消しゴムを落としたりもする。
6分間に一回のペースで鉛筆を落とす正臆に鬱陶しいと感じながらも、テストという時間によって文句は言えないのでその言葉は飲み込んだ。
ゴーン、ゴーン。
本日二回目の本鈴が鳴り響く、テストが終わりクラスメイト達は手を組み、前に伸びたり立ち上がったりと固まった身体をほぐしていた。
威「にしても今日もよく鉛筆落としてたな、なにあれも儀式のうち?」
またしてもやはり挟まれて会話が始まる。
正「まぁ、軽い儀式、だね。ほら、ノルマとして何回までは落とす…みたいな」
よくわかったね、と後付けされたようなことをいいながら頷く。
速敬「それより、あいつらは今回のテスト、どうだろうな」
ま、いつもみたいなものだろ、と長男の口からそう言った言葉が発せられたのだった。
まるで執事のように自らの手を体の前に持って行くと、一礼をする。
威「んじゃ、母さん。オレらも行ってくるわ」
気だるげに欠伸をしながら玄関へと向かう威一郎の背を追い、正臆も家を後にした。
鳥のさえずりが聞こえ、のどかな変わらぬ風景を眺めながら通学路を威一郎と正臆は歩いていた。
正「威一郎、下手するとこれ間に合わないんじゃ、ギリギリ」
自分の右腕につけてある腕時計を見ながらそう呟く。
相手の腕へとチラリと視線を送ると呆れ顔を浮かべ、相手の腕を指差し口を開く。
威「あんなぁ、お前、腕時計ってのは右じゃなくて基本左だっての」
毎回指摘される言葉に、ふっと鼻で笑うと「やめるつもりはなーい」と小馬鹿にしたように笑う。
すると正臆の背中に振り子のようにされた鞄が鈍い音を立てながら命中する。
正「うわっ、たた…何するんだよ、そういうことすると呪われるぞ…私に。」
真顔でありもしないだろうことを述べる相手に更に呆れ顔になる。
威「ま、面倒くせいからいいけどな…あとどんくらいよ。」
だらだらと道を歩いているため、到底間に合う気配はなく。
「後3分。」と現実が突き立てられる。
互いにカバンの取っ手を両手で掴むと、前後に振り子のように揺らし始める。
威・正「だりゃぁああああっ!!受け取れコンチクショー!!」
前後に振られた鞄が、バシンッと音を立てながら両者のカバンを弾く。
威「勘づくとは…なかなかやる…なっ!!」
もう一度相手にぶつけに行くの、カバンではじかれる。お互いにその行動を続けながら通学路を前進していく。
正「そろそろ諦めたらどうだぁぁ、絶対嫌だからなぁ、フハハハハ」
と、余裕を見せた瞬間、威一郎から手離されたカバンが正臆がカバンを持っていた手に直撃した。
正「あ"っ!?」
衝撃により自らのカバンもろとも来た道へと投げ出される、ましてや印が付いていないため、どっちがどっちのカバンだかわからなかった。
威「なぁはっはっ、ぶぅわぁかめ、口は達者でも頭を使え、アタマを!じゃ、ちゃんと持ってこいよー、お先ぃー」
片手を上げ、んじゃ。と言うと駆け足で先に学校へと駆けていく。
正「あ、おい、コラ!!この!!」
慌てて道に放り出された二つのカバンを両脇に抱えると、先行に駆けて行った相手を慌てて追う。
残り時間およそ数十秒といったところだった。
先に駆けて行った兄は無事に学校の門へと入ることが出来た、が、しかし服の襟を後ろから掴みあげられる。
威「威一郎選手華麗に勝利…ん?」
「生徒鞄はどうしたんだ?威一郎。」
聞き慣れた声に、しまった奴に捕まってしまったと引きつった笑みを浮かべる。
威「その声は…速敬くんカナー…」
速敬「そうだな、紛れもなく、風紀委員の斎条 速敬だが。生徒鞄はどうした、斎条 威一郎くん。」
どこか威厳のある次男を相手にやりずらそうな表情を浮かべるものの、ゴホンと一つ咳払いをすると、人差し指を立て相手の方へと振り返る。
威「ツレが持ってるんだけどさ?お兄ちゃんの特権として…見逃してくんない?」
てへっとお茶目に舌をちらりと見せる。
すると門の正面に、はぁはぁと息を荒げながら走ってくる少年が。
正「この…はぁ…って、今日当番なの速敬なの…うげ…。あ、速敬、その長男酷いから制裁を…!」
走ってくる相手と、お茶目に舌を出している兄を交互に見やるとピクリとこめかみが動く。
速敬「特権もなんも、お前が一番指導の対象だ!!」
どこから出したかわからない卓球のラケットが、鋭く威一郎の頭に直撃する。
正「…流石、今日も冴えてるね、人間スマッシュ。」
門の中へと入ると、持ってきた二つのカバンを地面に置きへたり込む。
威「~~~~~~~っ」
あまりの痛みに声にならない声が上がったものの、荒っぽく振り落とすかのように襟から手を離された。
速敬「テスト初日にこの有様はなんだ。正臆、お前も」
げっそりとした表情を浮かべながら、絶え絶えに「兄貴にこき使われてました。」と述べた。
その言葉に威一郎が「そこまで使ってねーだろ!!」と口を挟む。
やれやれと左右に首を振りながら呆れた様子で2人を見やったあとに、校舎の時計を見る。
速敬「昼飯は、なしだな。」そう呟くと「早く教室へ行くぞ、威一郎、正臆」
2人を率いるようにして、自分たちの教室へと向かっていった。
教室へ着くとすぐに先生からの叱りの言葉が浴びせられる。
「斎条!まったくお前ら2人はどうしてこうも頻繁に。」
威一郎は片耳を小指で掻きながら、正臆は先生の後ろにある黒板を見つめそんな説教は一切聞いていなかった。
説教が終わると各自自分の席へ着く。
前から威一郎・速敬・正臆という席順だ、速敬ただ1人がこの席順にやや不満を感じていた。
威「カーッ、学生派手やらかしてなんぼだろ~、いっちいち言うなって、わーってるし、って思わね?」
速敬を挟み、正臆へと体を傾けながら会話を始める。そんな光景は毎度のことだが、変わらず速敬は口をへの字にし不機嫌そうだった。
正「まぁ、わかるけど仕方ないというか、仕方ないね??」
速敬「(お前ら2人の頭がどうしようもなく仕方ない。…ラケットで叩きすぎたのが原因か?)」
口には出さないものの、頭の中で2人の会話に外から入り考える。
できる限りややこしいことを起こしたくはないがために、2人が自分を挟んで会話をしている時は心の中で呟くだけにしていた。
そんな中、それをしていると時折静かに見つめる長男の視線がそこにあったが、きっと気のせいだろうと思っていた。
もし心の中で述べている内容を勘づいて、だとしたら勘が良いだけの話ではなくなるから、にわかに信じ難かった。
ゴーン、ゴーン。
いつの間にか1時限目の始まりの本鈴が校舎に響き渡る、教室内はまだ少し騒がしくテストについての「お前勉強した?」「マジ今回は無理だわ」などといった会話が耳に入る。
威「んで、選ばれしものの正臆はどうせ勉強なんてしてきてないんだろ」
ケラケラと面白おかしく笑う兄に、椅子を少し引き、机に両足を乗せドヤ顔で答える。
正「もちろん、だが自信は十分と言える」
ぐっと右手で拳を作ると力強く答える。
速敬「おい、もう本鈴だからキチンと前を向いて席につけ。」
威一郎と正臆を交互に見ながら指摘をすると、自分は試験用にシャーペンと消しゴムをひとつずつ筆箱から出した。
威「じゃ、そろそろ静かにしますかぁ」
ふはっと噴き出すように笑うと前へと向き直り、配られた答案用紙と問題を後ろに回していく。
やっと静かになった、そう感じながら答案用紙にサラサラと字を書き込んでいく。
速敬は眼鏡を掛けていて、更には風紀委員なんて委員会に入っているおかげで頭がいいと思われがちだが、実はこの3人、大して学力に差はなかったのだった。
というより、大して差がないというより、得意科目以外は間違える場所は違えど点数はピッタリ3人とも同じだった。
沈黙の中、カランッと鉛筆が落ちるような軽い音が響く。
正「あ、すいません、神の采配を組んでいたら審判を行う鉛筆が…」
要するにコイツに至っては鉛筆でサイを振り回答に当たっているがため、テストの最中には変なことを言いながらに鉛筆をよく落とす。
稀に消しゴムを落としたりもする。
6分間に一回のペースで鉛筆を落とす正臆に鬱陶しいと感じながらも、テストという時間によって文句は言えないのでその言葉は飲み込んだ。
ゴーン、ゴーン。
本日二回目の本鈴が鳴り響く、テストが終わりクラスメイト達は手を組み、前に伸びたり立ち上がったりと固まった身体をほぐしていた。
威「にしても今日もよく鉛筆落としてたな、なにあれも儀式のうち?」
またしてもやはり挟まれて会話が始まる。
正「まぁ、軽い儀式、だね。ほら、ノルマとして何回までは落とす…みたいな」
よくわかったね、と後付けされたようなことをいいながら頷く。
速敬「それより、あいつらは今回のテスト、どうだろうな」
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