夜を這うモノ達

狭雲月

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第一夜 祭--夕夜視点

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 毎年行われる、この村独特の祭り。
 やりたい盛りの男として、興味が無かったといえば嘘になる。 

 なのにどうしても参加する気力がわかなくて、参加資格が得られた年になっても、数ある「予約(誘い)」をよけてまで、参加しなかった。 
 大学からの帰省の度に、うんざりする気分に陥っていたけど、でも今年は特別だ。
 理由は簡単。
 ひーちゃんが、帰ってきたのだ。 

 彼女は小さい頃引っ越して行った、年下の幼馴染だ。 
 泣き虫で、「夕兄、夕兄!」と事あるごとにオレについて回り、頼ってくるその姿が可愛くて印象的で、大事な大事な思い出だった。 
 大きくなってもひーちゃんは相変わらず可愛くて……泣いたら、もっと可愛いんだと思う。

 ひーちゃんは小さい頃この村を離れたので、この村の祭りのことを何も知らない。 
 村の男がオレの目を盗んで、夜になると蛍が見れるという話をしていたのを見かけて、嫌な予感が働く。祭の夜。ひーちゃんの家の近くに行ってみたら案の定。男がひーちゃんを襲おうと、彼女の腕を引っ張って、茂みに連れ込もうとしていた。 
 見た瞬間、俺は頭に血が上りきるよりも早く、反射的に男に蹴りを入れる。あっさりと一撃で、男は崩れ落ちた。
 先にひーちゃんを逃がすと、倒れている男にオレは無表情でこう言った。 

「お前、重大なルール違反なんてするなよ」 

 時折「祭」のルールを破る男は出てくる。
 このなんでもアリのように見える祭りにも、それなりのルールがあった。

 いたってシンプル。
 この祭で「強姦」は許されない。
 いつもなら呆れて見てるだけ。
 けれどひーちゃんが、その相手というのなら別だ。

 死ぬほど蹴り上げたというのに、男はまだ動けるようだった。
「うっ、待ってくれ……」 
「死ねよ」 
 言い訳を聞く気も、許す気もなかったが、構っている時間も惜しい。このルール違反は後から、地区長には釘を刺しておくことにして、とりあえず目の前の問題は排除しておくことにした。
 鳩尾に容赦なく、畳み掛けるように蹴りを入れたあと、ひーちゃんを追いかける。
 死にはしないだろうが、当分は立ちあがれないレベルだろう。いい気味だ。
 意外と足の速いひーちゃんを、追っかけるのは少し骨が折れた。
 この森は、小さい頃から遊んでいたから、彼女にとっては昼間と変わらないだろう。
 やっと追いついた時には、あの男のようなルール破りに目をつけられていなかったことにほっとしつつ。オレを見た瞬間、ほっと安堵するひーちゃんにニヤリとする。

 ……本当に、安心していいのかな、ひーちゃん?

 男に追っかけられている。という恐怖に囚われているひーちゃんを、助けて逃げ隠れしているように見せかけて、一緒に小屋に入った。 

 ひーちゃんは蒼白な顔をしている。
 けれど泣いてはいない。
 すがるようにオレを見つめてくる。

 ぞくり、と身体に何とも言い難い、衝撃が走る。

 オレはその衝撃のまま嗜虐心をそそられて、この村の「祭」の事をひーちゃんに殆ど話した。 
 案の定、彼女の目は不安に塗りつぶされる。 

 ――その目でオレを……オレだけを頼って欲しい。 

 その一心でオレは彼女を追い詰めた。 

 この村の「祭」には男女ともに「拒否権」があることが知らない彼女に。 
 羞恥でどうしようもなく追い詰められ、おかしくなってしまいそうな彼女に。 
 頼られたい。 

 一応、彼女に選択肢はあるのだから……これは和姦だ。 
 そりゃあ多少、本当の事を隠したり、強引だけれど。
 全てはひーちゃんを好きな愚かな男の足掻き。 
 オレに抱かれるよりも、不特定多数と関係を持つほうがマシだと思うのなら、オレは諦められる。 
 笑って、冗談だといって……この「祭」の全てを話すだろう。 

 その天秤に掛けるものが、不条理だということには目をつぶって。 

 おそるおそる、足を開く彼女に喜びを抑えきれず、オレは下着も取るように「お願い」した。 
 彼女は許してと、瞳ですがってくる。 
 でも、もっともっと縋られたいオレはそれを許さない。 
 彼女の白い肌は羞恥の為に真っ赤に染まり、胸の先端ははち切れんばかりに勃起していた。 
 下着の大事なところが隠されている場所を射るように見つめると、その視線を受けて段々と染みがにじんでくる。 

「こっちの口は、食べたくて涎まみれみたいだけどね?」 
「ちがっ……!!」 
「じゃあ、ひーちゃんはいい年してお漏らししちゃうのかな」 
「……も、許して……ぇぁ!?」 

 開脚している足を閉じようとしたので、俺は無理矢理体をはさんで足を閉じれなくする。 
 彼女が恥ずかしさのあまり顔を手で隠そうとするので、両手を片手で纏め上げると、なおも彼女は顔を隠そうと横を向く。そのそらす顔、首筋にオレはぞくぞくする。こらえきれなくて首筋を舐めるとびくっと身体を震わせた。
 けれど上を脱がして見つめるだけで、ここまで濡れているなら。

 ――彼女は処女じゃないのか? 

 彼女の前の男に嫉妬する。
 彼女にこんな風に見つめられて、縋られた男がオレ以外に居るなんて。 

 オレは言葉で、視線で、追い詰めるだけで、ひーちゃんの感じそうな箇所にはけして触らなかった。 
 意図せずオレの着ているシャツが、ひーちゃんの胸に微かに当たるたびに、彼女は色っぽい声をもらす。どうやら胸が弱いらしい。 
 そしてオレの上半身が少しでも動くと、彼女の太ももの内側を撫でることになり、益々下着に染みが広がっていく。 

「ここ、触って欲しいだろう?」 
「……欲しくない……よ」 
「何人に触らせたの?」 

 一番聞きたい事は「彼氏は居るの?」って事なのに、オレは自然と彼女を追い詰める聞き方になる。 

「さ、触らせてない、よ……わ、私。初めて、だもんっ!」 
「じゃあ何で、こんなに濡れてるんだ? ひーちゃんエッチな子? もしかして自分で触ってた?」 

 初めて、と恥らっていうひーちゃんに、オレはニヤけるほどの嬉しさを隠して。更に追い詰める。聞きたい、もっと、ひーちゃんの恥ずかしい事を聞きたい。 

「そんなところは、触って、ないっ……!!」 
「は、って事は、違うところは触ってたんだ?」 
「!!」 

 図星を指されたように、涙目を見開く彼女。
 でも言い逃れは出来ないとわかってか、いいにくそうにオレに教える。 

「……胸、は触って、た」 
 彼女の顔が言わなきゃ良かったと、恥ずかしさと後悔で歪む。
 でも、もうオレは彼女の恥ずかしい秘密を知ってしまった。 
 男と違って、女の子のそんな秘密は……誰にも知られたくない、恥ずかしさだろう。彼女の今の心境に言いようもなくそそられる。 

「やっぱりエッチだね。誰のこと、考えてオナニーしてた?」 

 直接的な言葉で言うのは、彼女をもっと辱めるため。
 ひーちゃんの恥ずかしい秘密を、全部知りたい。
 知られて恥ずかしがって、身の置き所がない彼女をもっと見たい。 

「好きな男とか?」 
「し、知らないっ……あっ……んっ……はっ!」 

 オレは胸の頂と秘所。強い快感を与えそうな場所を敢えて触らずに、周辺を執拗なまでに弄んだ。 
 絶頂を迎えさせないように触っているので、ひーちゃんはもどかしくて堪らないと言ったような顔をする。 
 オレも堪らない。
 たまらないけれども、それよりもひーちゃんが言いたくない台詞を「言わせる」ことに執着した。 
 嬌声と表情を頼りに、彼女の感じる場所を……羞恥を感じる言葉を、探り当てていく。 

「もう、ダメ。お願いだからぁっ……夕兄っ……」 
「何?」 

 感じすぎて、でも絶頂を迎えられない震える目で、これ以上もないぐらいに縋られてオレの心は満たされる。 
 それにオレもそろそろ我慢の限界だった。
 でも、もう一押し。 

「ちゃんと、言ってくれないと分からないよ」 
「……意地悪しない、で」 
「だから、何が意地悪?」 
 
 言いたい事は分かっているけれど、執拗に聞き返す。 
 何度かの余裕のない押し問答のうちに、先に根をあげたのは期待を裏切らずひーちゃんだった。 
 普通の状態なら言えないだろう卑猥な言葉で、オレを求めさせる。 
 震える睫も……怖がって躊躇いがちに抱きつく手も、何もかも想像以上の痴態に昂りが収まらずに有頂天になる。 
 オレはその求めに応じるフリをして、まんまと彼女を犯した。 

 何度も何度もイカされて、気絶したひーちゃん。
 床にぐったりとオレに乱された後のまま寝ている、すごくエロイ姿を見ながら。
 「祭」が終わっても関係を続けるようにするにはどうしたらいいのかと考え。
 


 オレはポケットに入れていた携帯電話を取り出すと、ほくそ笑んだ。 

 
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