7 / 9
第三夜 見たものは※
しおりを挟む外は静かだった。
大きな満月がぽっかりと空に浮かんでて、街灯が少ない道でも歩ける。
田舎なので隣の家との距離は遠い。
でも夕兄の家までは道路じゃなくて、林をつっきれば歩けば十分もかからない。
誰にも会いたくない、早く会わないと勇気がしぼんでしまう勢いで、表の道じゃなくて、そっちを選ぶ。
勢いで外に出て来たのはいいけれど、外に出てから気が付いた。
――祭りのルール。
家から外に出れば、それは参加しているという。
もし、夕兄以外の人間に見つかったら?
軽はずみに、外に出たことに後悔する。だけど引き返すには微妙な距離になってしまって、こうなったら進むしかないと、夕兄の家への道を取った。
誰かがそこらの茂みに、潜んでいるような気がして、疑心暗鬼におちいっているのか自然の音が妙に大きく聞こえる。いつもならすぐのその道が、とても時間がかかっているように感じた。
だからと言って走り抜けるのは、こちらの存在を大声で知らせてるみたいで、出来なかった。
気を遣いながら、じっくりと進む。
そんな緊張感の中、聞こえる小さな音。
かすかに聞こえるのは――人の声?
いつもなら聞き逃してしまいそうな、些細な音が妙に聞こえるのは緊張してたからだろう。
苦しそうな、声が聞こえて。
だれか、怪我して倒れてるのかも……どうしたんだろうと、反射的にそちらの方を向く、そして茂みをかき分けて木の陰からこわごわと覗き込む。
苦しそうに聞こえた声の主は、知ってる人だった。
近所に住む、清楚美人なお姉さん。
頭の先から指の先まで、上品で綺麗な人で、おっとりとしていて。
最近結婚した旦那さんは、地味だけど優しそうなほのぼのとしたお兄さん。
朝、よく家の前を箒で掃いて掃除している、ほほえましい絵にかいたような新婚さん。
こんな結婚したいなぁって、あこがれてしまうほどの二人。
昔は遊んでもらってて、綺麗で優しくて憧れのお姉さんが……。
それが……今はその姿は見る影もなく。
「やぁっ……!」
遠目でも分る。
木立の隙間から見え隠れする、見事な裸体。
月の光に所々照らされて、肌の白さが青白い光で眩しい、絵のように幻想的な姿。
でもそれは――立ちバックで犯されている、姿だった。
木に必死で手をついて、こらえているお姉さんの躰。
陶器のように美しい身体の細腰についてるとは思えない大きい胸が、お尻が……揺れていて。その行動は、昨日の私のように、いやらしい男を望む女そのものだ。
客観的にみると、自分もあんなだったのだろうかと、ショックをうける。
――けど。
「だ、めぇ! あっああっ! こわれるうぅ……あぁぁ」
――でも、それ以上に衝撃的なのは。
「もう、これ以上はっ……死んじゃうっ……あっ、あんっ、いいっ、ああ! 熱いぃ」
乱れに乱れて……正気を失っている。
お姉さんの上に覆いかぶさって、夢中になって腰を振っている体は。
旦那さんじゃない。
これが旦那さんである訳がない。
大きな姿。
毛むくじゃらで。
四足でお姉さんを包み込む姿は。
――――人ではなく、獣だった。
犬?
形はどう見ても大型犬にしか見えない。
銀色の美しい獣が、お姉さんを犯している。
お腹を破ってしまうんじゃないかとほどの、激しい突き上げに体が動きすぎて、大きな男根を抜き差ししているのが、隙間からちらちらと見える。犬はお姉さんの横顔を夢中になって舐めていた。その動きは止まる事がない。
「あーあー……、おっきぃ、あーーーーっ。あっ! ッツ あったかいのぉ ナカァ」
必死になって木にしがみついていたお姉さんが、崩れ落ちる。でもお尻は上に向けてつながった肉を離さないかのごとく、四つん這いのポーズはかろうじて保っている姿。
その常識を外れた異常な姿に、やっと正気に返った私は悲鳴をあげそうになって口を開く。
その瞬間。
後ろから口を押さえ込まれ、私は草むらの中に引きずり込まれた。
0
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる