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第二章『共存と滅亡の狭間で』
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修也はそのまま弱りきっている男の背中に向かって勢いを付けた蹴りを喰らわせていった。
背後からの飛び蹴りを喰らったことによって男は大きく転倒し、地面の上へと勢いよく倒れ込んだ。大の字になって道路の上を倒れるさまは見事というしかなかった。
男を倒すのは今しかあるまい。修也はビームソードを男の背中に突き立てようとしていた。
だが、男は慌てて体を起こすと、自らのビームソードを使って迫り来るビームソードによる攻撃を防いだ。
しばらくの間二人は道路の上で激しい打ち合いを続けていった。熱線が含まれた刃と刃がぶつかり合い火花が生じるほどの凄まじい斬り合いとなっていた。
二人の戦いによってやむを得ずにくるまでの横断を妨害された人々は二人の戦いに注目を集めていた。中には車の機能を使ったり、自ら窓から身を乗り出して写真撮影を行なう者たちさえいた。
だが、飛行装置を壊されたことによって少し不利になっていたのだろう。
男の方が押されている様子が見えた。そしてとうとう男が握っていたビームソードが地面の上に弾き飛ばされていった。
男の握っていたビームソードが地面の上に転がっていくのが見えた。
修也はそのまま無言でビームソードを突き付けていく。追い詰められたことによって逃げ場がないことを悟ったのか、男は低い声で問い掛けた。
「……このままおれを殺すつもりか?」
「それがどうかしたのか?」
修也は男に負けないほどの低い声で問い掛けた。今更何を言っているんだという怒りの感情も中には含まれていたかもしれない。
だが、その態度はおくびにも出すことなく男の話を待っていた。
「殺すのはおれじゃなくて、あんたの娘の方だろ?」
男は修也の背後を指差しながら言った。修也の背後では娘の麗俐が小さく怯える姿が見えた。言葉は聞こえていなくても男から伝わる尋常ではない空気を悟ったのだろう。情けなく怯える姿を見せていた。
その姿を見た修也は弱々しい声で答えた。
「……娘にはよく言い聞かせた」
「よく言い聞かせた? それで済ませるつもりか? えっ? アンドロイドの少女は随分と酷い目に遭ったと聞くぜ」
そう言われてしまえば弱かった。修也にとって麗俐の一件は修也にとってのアキレス腱になっていた。
修也の言葉が詰まったことを理由に男は勝ち誇ったような笑みを浮かべながら言った。
「おれはあのニュースを読んだ! だから貴様と貴様の娘を殺してやろうと思ってたんだッ!」
「そのために『賞金稼ぎ』の仲間を集めたっていうのか?」
男は小さく首を縦に動かした。それから口元に勝ち誇ったような笑みを浮かべながら言った。
「ちなみにおれの名はリキ。この名を覚えてるか?」
「……そういえば聞き覚えがある」
先ほどまでいたファミリーレストランの中でフレッドセンに見せられた写真や名前の中にリキという名やその顔が揃っていたことを修也は今思い出した。
「だろ? だが、おれは貴様に負けてしまった。メトロポリス社の一社員に過ぎない貴様にな」
その言葉が最後となった。男が更に言葉を続けようとする前にビームソードをリキの心臓へと突き付けていった。
男の胸部から黒い煙が生じていき、ばちばちと電流が漏れていく音が聞こえてきた。同時にその場で大きな爆発が生じていった。幸いなことに異変を察した人々はその場から逃げ出していった。
修也は背中を向けてその場を立ち去っていった。そしてその隣にいた麗俐を誘ってその場から逃げ出していった。
二人は近くの路地裏で共にパワードスーツを解除していた。
パワードスーツを解除した二人は文字通り仮面を付けた戦士から一般の人間へと早変わりしていったのである。
「お父さんどうしたの? どうしてあたしたちは逃げなきゃならないの?」
「厄介なことになるからだよ。家に戻ろうか」
「うん」
麗俐は素直に首を縦に動かした。その時だ。背後から音がした。振り返ると、そこには灰色のトレンチコートを被り、同じ色のハッシュ帽を被った二人組の男の姿が見えた。
「そうもいきませんよ。申し訳ありませんけど、事情を少しお伺いしたいので警察署まで来てもらえませんか?」
そのまま二人はディスプレイを表示し、そこに警察官の証拠である身分証明書を表示していった。
ここまでお膳立てをされては逃げることは不可能だった。二人は観念して警察署へと向かうことになった。
警察署で二人は素直に詳細を話したことやメトロポリス社が執りなしてくれたこともあって、二人はなんとか夜に帰ることができた。
かなりの長い時間をかけての尋問となったので、腹の虫が鳴く時間となった。
懐かしの我が家である。慌ただしいことがあって一日が過ぎたせいか、二人は随分と長い間留守にしていたような感覚に陥った。
久し振りに訪れたような感覚で足を踏み入れると、台所からは香ばしい匂いが漂ってきた。恐らく焼きそばに用いるソースの香りだろう。
焼きそばやお好み焼きといった焼き物を作っているに違いない。太るのが嫌いな麗俐はともかく修也はこうした焼き物が大好物だった。
玄関で慌てて靴を脱ぎ、台所へた向かうと、そこで母親が鉄板を使って麺類とキャベツや玉ねぎ、そして肉といった具材をソースと共に炒めている姿が見られた。
思わず修也の口から涎が垂れそうになった。
「お帰りなさい。あなた、そして麗俐」
母親は焼きそばを炒めながら言った。
「ただいま」
「ただいまお母さん」
順番に二人が母親に向かって帰宅の挨拶を口にしていった。
「二人とも早く着替えてきなさいな。今日の夕飯は焼きそばだよ」
「そりゃあ、楽しみだな」
修也はそのまま書斎兼自室へと戻っていった。
だが、麗俐は明るい顔を浮かべて階段を登っていく修也とは対照的にどこか暗い顔を浮かべていた。
「麗俐、あんたも着替えてきな。素敵なドレスの上に焼きそばのソースを溢しちゃ台無しになっちまうよ」
「う、うん」
そのまま小さく首を縦に動かし、服を着替えに向かおうとした時だ。
「ただいまー」
と、玄関から弟の声が聞こえてきた。汗と泥にまみれた悠介が頭を掻きながら入ってきた。恐らく部活帰りだろう。
「母さん、飯は?」
「もうすぐできるよ」
「そっか、あっ、帰ってたんだ」
悠介は関心がなさそうな顔で麗俐の方を向いた。悠介の顔にはわざと飛ばされたような黒い泥が付着していた。
まるで、何者かに飛ばされたかのような不自然な泥だ。
気にはなったが、あのような態度を取られては気に留める余裕もなかった。
「何?帰っちゃ悪いの?」
「いやぁ、悪いなんて一言もないけどさ」
悠介の言葉にはどこか含みがあった。直接的に口に出してはいないものの、隠れて麗俐の所業を批判しているかのようだ。
仮にもバスケットボールというスポーツに携るスポーツマンだというのにスポーツマンシップの欠片も見受けられないように感じられた。もう少し寛大な器を持ってほしいものだ。
麗俐がそんなことを考えながら部屋へ移動しようとした時だ。
「なぁ、お姉ちゃん」
と、悠介が呼び止める声が聞こえてきた。
「なに?」
麗俐は含みのある言い方で気を悪くしていたのか、尖った声で聞き返した。
「……なんであんな酷いことできたんだ? オレ電子ニュースで読んだぞ」
「……うるさいッ!」
麗俐はつい声を荒げた。そしてそのまま慌ただしく階段の上を登っていった。
「悠介、どういうつもり?」
母親は鋭い目で姉の傷口を抉るような真似を行なった息子を睨み付けながら問い掛けた。
「いや、だってさ。今日の路地裏での事件がもう電子ニュースに載ったんだよ。そこでリキ? だっけ? そいつの言葉が載ってて、あのことを思い出したんだよ」
「もう忘れてあげなよ。そりゃああの子は傍目から見れば酷い子だろうさ。けど、今はその罪と向かい合ってる。もうそれでいいんじゃあないのかい?」
「そんなもんかねぇ。だが、オレにはそうは思えないぜ」
そう発した瞬間に母親は機嫌が悪そうに机を叩いた。悠介はそれを見てきまりが悪そうな顔を浮かべた。
母親はそれを見てもう一度焼きそばを炒める作業に戻っていった。
悠介は台所にある椅子の上にもたれかかりながら目の前で焼かれる焼きそばを見つめていた。
鉄板の上で乱雑に混ぜられていく豚肉やら野菜やらを見つめていると、夕方、部員たちによって体操マットの中に包まれる自分のことを思い出して仕方がなかった。
咄嗟に悠介は目を背けて焼きそばの方を見ないようにしていた。
だが、視線を背けてもこれまでの記憶からは逃げられなかった。
姉の起こした事件が報道されて以来、修也の部活での立ち位置は悪くなってきた。
メトロポリス社においては英雄である修也や事件発覚直後、すぐに行方をくらますことになった麗俐の代わりにインターネットによる私的制裁の弊害を一身に帯びることになってしまったのだ。
バスケットボール部のエースだった悠介は今では部一番の嫌われ者だ。
とばっちりを喰らったといえばそれまでだが、それでも本来ならば姉が受けるべき処罰を受けなければならないのが本当に理不尽のように思えた。
「ちくしょう」
悠介は母親に聞こえないよう口汚い言葉で姉を煽った。その悪口は家族の焼きそばを炒める音にかき消されていった。
背後からの飛び蹴りを喰らったことによって男は大きく転倒し、地面の上へと勢いよく倒れ込んだ。大の字になって道路の上を倒れるさまは見事というしかなかった。
男を倒すのは今しかあるまい。修也はビームソードを男の背中に突き立てようとしていた。
だが、男は慌てて体を起こすと、自らのビームソードを使って迫り来るビームソードによる攻撃を防いだ。
しばらくの間二人は道路の上で激しい打ち合いを続けていった。熱線が含まれた刃と刃がぶつかり合い火花が生じるほどの凄まじい斬り合いとなっていた。
二人の戦いによってやむを得ずにくるまでの横断を妨害された人々は二人の戦いに注目を集めていた。中には車の機能を使ったり、自ら窓から身を乗り出して写真撮影を行なう者たちさえいた。
だが、飛行装置を壊されたことによって少し不利になっていたのだろう。
男の方が押されている様子が見えた。そしてとうとう男が握っていたビームソードが地面の上に弾き飛ばされていった。
男の握っていたビームソードが地面の上に転がっていくのが見えた。
修也はそのまま無言でビームソードを突き付けていく。追い詰められたことによって逃げ場がないことを悟ったのか、男は低い声で問い掛けた。
「……このままおれを殺すつもりか?」
「それがどうかしたのか?」
修也は男に負けないほどの低い声で問い掛けた。今更何を言っているんだという怒りの感情も中には含まれていたかもしれない。
だが、その態度はおくびにも出すことなく男の話を待っていた。
「殺すのはおれじゃなくて、あんたの娘の方だろ?」
男は修也の背後を指差しながら言った。修也の背後では娘の麗俐が小さく怯える姿が見えた。言葉は聞こえていなくても男から伝わる尋常ではない空気を悟ったのだろう。情けなく怯える姿を見せていた。
その姿を見た修也は弱々しい声で答えた。
「……娘にはよく言い聞かせた」
「よく言い聞かせた? それで済ませるつもりか? えっ? アンドロイドの少女は随分と酷い目に遭ったと聞くぜ」
そう言われてしまえば弱かった。修也にとって麗俐の一件は修也にとってのアキレス腱になっていた。
修也の言葉が詰まったことを理由に男は勝ち誇ったような笑みを浮かべながら言った。
「おれはあのニュースを読んだ! だから貴様と貴様の娘を殺してやろうと思ってたんだッ!」
「そのために『賞金稼ぎ』の仲間を集めたっていうのか?」
男は小さく首を縦に動かした。それから口元に勝ち誇ったような笑みを浮かべながら言った。
「ちなみにおれの名はリキ。この名を覚えてるか?」
「……そういえば聞き覚えがある」
先ほどまでいたファミリーレストランの中でフレッドセンに見せられた写真や名前の中にリキという名やその顔が揃っていたことを修也は今思い出した。
「だろ? だが、おれは貴様に負けてしまった。メトロポリス社の一社員に過ぎない貴様にな」
その言葉が最後となった。男が更に言葉を続けようとする前にビームソードをリキの心臓へと突き付けていった。
男の胸部から黒い煙が生じていき、ばちばちと電流が漏れていく音が聞こえてきた。同時にその場で大きな爆発が生じていった。幸いなことに異変を察した人々はその場から逃げ出していった。
修也は背中を向けてその場を立ち去っていった。そしてその隣にいた麗俐を誘ってその場から逃げ出していった。
二人は近くの路地裏で共にパワードスーツを解除していた。
パワードスーツを解除した二人は文字通り仮面を付けた戦士から一般の人間へと早変わりしていったのである。
「お父さんどうしたの? どうしてあたしたちは逃げなきゃならないの?」
「厄介なことになるからだよ。家に戻ろうか」
「うん」
麗俐は素直に首を縦に動かした。その時だ。背後から音がした。振り返ると、そこには灰色のトレンチコートを被り、同じ色のハッシュ帽を被った二人組の男の姿が見えた。
「そうもいきませんよ。申し訳ありませんけど、事情を少しお伺いしたいので警察署まで来てもらえませんか?」
そのまま二人はディスプレイを表示し、そこに警察官の証拠である身分証明書を表示していった。
ここまでお膳立てをされては逃げることは不可能だった。二人は観念して警察署へと向かうことになった。
警察署で二人は素直に詳細を話したことやメトロポリス社が執りなしてくれたこともあって、二人はなんとか夜に帰ることができた。
かなりの長い時間をかけての尋問となったので、腹の虫が鳴く時間となった。
懐かしの我が家である。慌ただしいことがあって一日が過ぎたせいか、二人は随分と長い間留守にしていたような感覚に陥った。
久し振りに訪れたような感覚で足を踏み入れると、台所からは香ばしい匂いが漂ってきた。恐らく焼きそばに用いるソースの香りだろう。
焼きそばやお好み焼きといった焼き物を作っているに違いない。太るのが嫌いな麗俐はともかく修也はこうした焼き物が大好物だった。
玄関で慌てて靴を脱ぎ、台所へた向かうと、そこで母親が鉄板を使って麺類とキャベツや玉ねぎ、そして肉といった具材をソースと共に炒めている姿が見られた。
思わず修也の口から涎が垂れそうになった。
「お帰りなさい。あなた、そして麗俐」
母親は焼きそばを炒めながら言った。
「ただいま」
「ただいまお母さん」
順番に二人が母親に向かって帰宅の挨拶を口にしていった。
「二人とも早く着替えてきなさいな。今日の夕飯は焼きそばだよ」
「そりゃあ、楽しみだな」
修也はそのまま書斎兼自室へと戻っていった。
だが、麗俐は明るい顔を浮かべて階段を登っていく修也とは対照的にどこか暗い顔を浮かべていた。
「麗俐、あんたも着替えてきな。素敵なドレスの上に焼きそばのソースを溢しちゃ台無しになっちまうよ」
「う、うん」
そのまま小さく首を縦に動かし、服を着替えに向かおうとした時だ。
「ただいまー」
と、玄関から弟の声が聞こえてきた。汗と泥にまみれた悠介が頭を掻きながら入ってきた。恐らく部活帰りだろう。
「母さん、飯は?」
「もうすぐできるよ」
「そっか、あっ、帰ってたんだ」
悠介は関心がなさそうな顔で麗俐の方を向いた。悠介の顔にはわざと飛ばされたような黒い泥が付着していた。
まるで、何者かに飛ばされたかのような不自然な泥だ。
気にはなったが、あのような態度を取られては気に留める余裕もなかった。
「何?帰っちゃ悪いの?」
「いやぁ、悪いなんて一言もないけどさ」
悠介の言葉にはどこか含みがあった。直接的に口に出してはいないものの、隠れて麗俐の所業を批判しているかのようだ。
仮にもバスケットボールというスポーツに携るスポーツマンだというのにスポーツマンシップの欠片も見受けられないように感じられた。もう少し寛大な器を持ってほしいものだ。
麗俐がそんなことを考えながら部屋へ移動しようとした時だ。
「なぁ、お姉ちゃん」
と、悠介が呼び止める声が聞こえてきた。
「なに?」
麗俐は含みのある言い方で気を悪くしていたのか、尖った声で聞き返した。
「……なんであんな酷いことできたんだ? オレ電子ニュースで読んだぞ」
「……うるさいッ!」
麗俐はつい声を荒げた。そしてそのまま慌ただしく階段の上を登っていった。
「悠介、どういうつもり?」
母親は鋭い目で姉の傷口を抉るような真似を行なった息子を睨み付けながら問い掛けた。
「いや、だってさ。今日の路地裏での事件がもう電子ニュースに載ったんだよ。そこでリキ? だっけ? そいつの言葉が載ってて、あのことを思い出したんだよ」
「もう忘れてあげなよ。そりゃああの子は傍目から見れば酷い子だろうさ。けど、今はその罪と向かい合ってる。もうそれでいいんじゃあないのかい?」
「そんなもんかねぇ。だが、オレにはそうは思えないぜ」
そう発した瞬間に母親は機嫌が悪そうに机を叩いた。悠介はそれを見てきまりが悪そうな顔を浮かべた。
母親はそれを見てもう一度焼きそばを炒める作業に戻っていった。
悠介は台所にある椅子の上にもたれかかりながら目の前で焼かれる焼きそばを見つめていた。
鉄板の上で乱雑に混ぜられていく豚肉やら野菜やらを見つめていると、夕方、部員たちによって体操マットの中に包まれる自分のことを思い出して仕方がなかった。
咄嗟に悠介は目を背けて焼きそばの方を見ないようにしていた。
だが、視線を背けてもこれまでの記憶からは逃げられなかった。
姉の起こした事件が報道されて以来、修也の部活での立ち位置は悪くなってきた。
メトロポリス社においては英雄である修也や事件発覚直後、すぐに行方をくらますことになった麗俐の代わりにインターネットによる私的制裁の弊害を一身に帯びることになってしまったのだ。
バスケットボール部のエースだった悠介は今では部一番の嫌われ者だ。
とばっちりを喰らったといえばそれまでだが、それでも本来ならば姉が受けるべき処罰を受けなければならないのが本当に理不尽のように思えた。
「ちくしょう」
悠介は母親に聞こえないよう口汚い言葉で姉を煽った。その悪口は家族の焼きそばを炒める音にかき消されていった。
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