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賞金稼ぎ部(ハンティング・クラブ)編
午後の授業
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午後は座学ではなく、実技授業だとされ、午後の時間は学校側が無能と判断したいわゆる〈杖無し〉のバッジに〈杖〉を付けさせるために、この授業を受けさせるらしい。
最初は基礎魔法の復讐から始まり、校舎に裏に存在する砂漠のような校庭に並べられた私たちは何度も掌を広げて、基礎魔法を放つように特訓させられた。
だが、殆どの人間が魔法を出すどころか、全く出なかったり、出てたとしても本来出る量よりも大幅に小さかったりと散々な目に遭っている。
勿論、私とて例外ではない。魔法の実技授業のライオンのような風貌の教師に出来が悪いと、何度も手の甲を叩かれた。
私は鞭で叩かれるたびに、手の甲に響く痛みの事を思い返し、その度に教師に対しての怒りの思いや復讐心を募らせていく。
今に見ていろと思いながら、私は何度も基礎魔法を発動させようとして一時間を終えた。
その後、私達には的の設置をするのを待つ時間も兼ねて、十分の休憩を与えられ、その間に私は腰に下げている回転式拳銃をホルスターの上から触る。
女子は地味な茶色のワンピースにダーシは同じ色の上下のズボンとシャツという運動着の上からでも、〈杖無し〉の生徒達はこの後の授業のために拳銃は持ってくるように指示を出されており、全員が腰に拳銃を下げている状態だ。
ここに教師が口を挟むかと言えばそんな事は無い。
彼らは私達よりも銃を早く抜けるらしいし、仮にもし、生徒が反逆の意思を示したとしたとしても、その際には銃声を聞き付けた生徒会の生徒達が駆け付け、反逆の意思を示した生徒を警告無しで射殺するらしい。
昨日、私と哲学者風の男と一悶着を起こそうとした時だ。あの時に、生徒会の生徒が持っていた長銃で囲まれて撃ち殺されるかと思えば、下手な考えは起こさないだろう。
また、仮に逃げられとしても、後の人生は王立学院に逆らった反逆者として過ごさなければならない。
賞金首として一生追い掛けられ続けるのだ。そんなリスクを負ってまで一時の激情で教師を撃ったりする筈は無い。
だから、学校側も生徒にピストルの携行を許しているのだろう。
と、私がこの学校の規則の事について考えていると、私達の目の前に的が並べられていく。
的は木で作った人形であり、代々の生徒が練習に使っていたためか、所々にペンキが剥げ、傷が付いていたが、それでも心臓の部分上下を針金で固定され、恐らく命中の際にはそれがクルクルと気持ち良く回ると思われる鉄の版があった。
どうやら、そこを的に絞るらしい。
長い水色の髪を背中に垂らした、顎に小さな黒色の髭を生やしたハンサムな顔の射撃の先生が言う。
その先生は先程の魔法基礎の教師とは異なり、私達には随分と寛容に接してくれた。
自分のホルスターから最新式の黒色の妙に発射口の長い自動拳銃を取り出し、それを構えて、心臓に向かって引き金を引き、見事に命中させた。
射撃の先生は私達の方に向き直ると、射撃のコツを私達に伝授していく。
私達は先生の言葉を一通り聞き終わると、両手で銃を構えて深く深呼吸をしてから、的に向かって弾を当てていく。
金属板に銃の弾が命中し、いい音が鳴るたびに、先生は生徒一人一人の名前を呼び、褒めた。
加えて、どうしても上手く撃てない子にはその子の背後に回り、その子を支えて共に射撃練習を行う。
この学校の普通の教師ならばまず、考えられない程の教え方だ。
そんな事もあってか、射撃の授業は好評のうちに終了し、一部の生徒は名残惜しそうに先生の授業が終わるのを聞いていた。先生の授業が終わるのと同時に、今度は基礎体力作りの禿げた頭の教師が現れ、私達を睨み回すと、
「良いか!今日から、私が貴様ら〈杖無し〉共を教える事になったディック・エバンズであるッ!」
鬼教官と言われてもおかしくない程の貫禄を持つエバンズ先生にわたし達はたじろいだが、先生自身としてはたじろがせたまま終えるつもりは無いらしい。
その後、用務員の人達により、的が片付けられた後も私達に待っていたのは地獄と言えたかもしれない。
男女の区別なくランニングから始まり、ウサギ飛びに、懸垂など。
ともかく、色々なトレーニングを受けた。
お陰で終わる頃には全員が床に倒れていたような気がする。
ちなみに体操着は昨日持って帰ったのとは別に二着あるので、片方が洗濯済みでも毎日使えるらしい。
男子も女子も魔法によって作られたシャワーを使ったシャワールームで汗や泥を落とす。
これは〈杖無し〉も普通の生徒も同様に使える数少ない施設と言え、裏口の近くに存在する。
こうして、運動を終えた後はシャワーと帰宅や部活活動と言った時間が待っており、それが午後の鍛錬を耐え抜いた人間へのある種の褒美と言えなくもない。
シャワーを浴び終えたら、教室で主任の先生を待ち、先生の話が終わるのと同時に一日は終了する。
帰り支度をする私に声を掛けたのはケネスだった。
ケネスは口元を少しばかり緩めて、
「どうだい?この後は酒場にでも寄らないか?なぁに、心配するな。オレが奢ってやるよ」
と、自信満々に言ったが、私はそれに対してクスクスと笑って、
「ダメよ。今日はあなたのナンパに付き合ってられないわ。今日はやる事があってね……」
「やる事?何があるんだ?」
その問いに対し、私は立ち上がってから、彼と同様の微笑を浮かべて言う。
「部活見学に行くのよ。あなた、この学校に居るのに部活を見て回らないのは勿体無いと思わない?」
その言葉に、ケネスは同意し、二人で部活を見て回る事になった。
新学期の二日目とも言えば、あちこちの部活の部員が部活の良さを伝えて、勧誘しているが、私は目もくれずにケネスを連れて、校舎の端に併設された部活棟へと向かう。
部活棟はその名の通り、多くの部活の部室があり、そこでは〈杖無し〉や普通の生徒の区別が無くとも平等に楽しく過ごせるらしい。
だが、それはあくまでも表向きの理由であり、中には〈杖無し〉は門前払いされる可能性もある。
理由としては学校中に蔓延する差別的な考えの他にも、
「この部活は他の遊びの部活とは違うんだよッ!そんな事すらわかんねーのか!お前達〈杖無し〉はッ!」
そう、魔法という力をフルに活用し、国の役に立っていると主張する部活である。
それに当て嵌まるのは私の知る限りでは、狩猟部、乗馬部、そして、私とケネスが部室の扉の前で追い払われそうになっている賞金稼ぎ部だ。
当たり前と言えば当たり前だ。この部活は本当ならば、〈杖無し〉など戸を叩くのも許されない場所だろう。
現に、私に付いて来たケネスももう帰ろうと言わんばかりに視線で帰り道を示していた。
だが、私は怯まない。私の前に立ち塞がる巨大の男に向かって言い放つ。
「私や私の仲間達はこの部活の部長、エマ・ダーリング部長から誘われてここに来ました!どうしても、私やケネスをこの部室から追い出すというのなら、せめて、部長にだけでも合わせてくれませんか?」
私の剣幕か或いは言葉に男は怯む様子を見せて、部室の奥へと向かう。
どうやら、部長に確認の念を取りに行ったらしい。
最初は基礎魔法の復讐から始まり、校舎に裏に存在する砂漠のような校庭に並べられた私たちは何度も掌を広げて、基礎魔法を放つように特訓させられた。
だが、殆どの人間が魔法を出すどころか、全く出なかったり、出てたとしても本来出る量よりも大幅に小さかったりと散々な目に遭っている。
勿論、私とて例外ではない。魔法の実技授業のライオンのような風貌の教師に出来が悪いと、何度も手の甲を叩かれた。
私は鞭で叩かれるたびに、手の甲に響く痛みの事を思い返し、その度に教師に対しての怒りの思いや復讐心を募らせていく。
今に見ていろと思いながら、私は何度も基礎魔法を発動させようとして一時間を終えた。
その後、私達には的の設置をするのを待つ時間も兼ねて、十分の休憩を与えられ、その間に私は腰に下げている回転式拳銃をホルスターの上から触る。
女子は地味な茶色のワンピースにダーシは同じ色の上下のズボンとシャツという運動着の上からでも、〈杖無し〉の生徒達はこの後の授業のために拳銃は持ってくるように指示を出されており、全員が腰に拳銃を下げている状態だ。
ここに教師が口を挟むかと言えばそんな事は無い。
彼らは私達よりも銃を早く抜けるらしいし、仮にもし、生徒が反逆の意思を示したとしたとしても、その際には銃声を聞き付けた生徒会の生徒達が駆け付け、反逆の意思を示した生徒を警告無しで射殺するらしい。
昨日、私と哲学者風の男と一悶着を起こそうとした時だ。あの時に、生徒会の生徒が持っていた長銃で囲まれて撃ち殺されるかと思えば、下手な考えは起こさないだろう。
また、仮に逃げられとしても、後の人生は王立学院に逆らった反逆者として過ごさなければならない。
賞金首として一生追い掛けられ続けるのだ。そんなリスクを負ってまで一時の激情で教師を撃ったりする筈は無い。
だから、学校側も生徒にピストルの携行を許しているのだろう。
と、私がこの学校の規則の事について考えていると、私達の目の前に的が並べられていく。
的は木で作った人形であり、代々の生徒が練習に使っていたためか、所々にペンキが剥げ、傷が付いていたが、それでも心臓の部分上下を針金で固定され、恐らく命中の際にはそれがクルクルと気持ち良く回ると思われる鉄の版があった。
どうやら、そこを的に絞るらしい。
長い水色の髪を背中に垂らした、顎に小さな黒色の髭を生やしたハンサムな顔の射撃の先生が言う。
その先生は先程の魔法基礎の教師とは異なり、私達には随分と寛容に接してくれた。
自分のホルスターから最新式の黒色の妙に発射口の長い自動拳銃を取り出し、それを構えて、心臓に向かって引き金を引き、見事に命中させた。
射撃の先生は私達の方に向き直ると、射撃のコツを私達に伝授していく。
私達は先生の言葉を一通り聞き終わると、両手で銃を構えて深く深呼吸をしてから、的に向かって弾を当てていく。
金属板に銃の弾が命中し、いい音が鳴るたびに、先生は生徒一人一人の名前を呼び、褒めた。
加えて、どうしても上手く撃てない子にはその子の背後に回り、その子を支えて共に射撃練習を行う。
この学校の普通の教師ならばまず、考えられない程の教え方だ。
そんな事もあってか、射撃の授業は好評のうちに終了し、一部の生徒は名残惜しそうに先生の授業が終わるのを聞いていた。先生の授業が終わるのと同時に、今度は基礎体力作りの禿げた頭の教師が現れ、私達を睨み回すと、
「良いか!今日から、私が貴様ら〈杖無し〉共を教える事になったディック・エバンズであるッ!」
鬼教官と言われてもおかしくない程の貫禄を持つエバンズ先生にわたし達はたじろいだが、先生自身としてはたじろがせたまま終えるつもりは無いらしい。
その後、用務員の人達により、的が片付けられた後も私達に待っていたのは地獄と言えたかもしれない。
男女の区別なくランニングから始まり、ウサギ飛びに、懸垂など。
ともかく、色々なトレーニングを受けた。
お陰で終わる頃には全員が床に倒れていたような気がする。
ちなみに体操着は昨日持って帰ったのとは別に二着あるので、片方が洗濯済みでも毎日使えるらしい。
男子も女子も魔法によって作られたシャワーを使ったシャワールームで汗や泥を落とす。
これは〈杖無し〉も普通の生徒も同様に使える数少ない施設と言え、裏口の近くに存在する。
こうして、運動を終えた後はシャワーと帰宅や部活活動と言った時間が待っており、それが午後の鍛錬を耐え抜いた人間へのある種の褒美と言えなくもない。
シャワーを浴び終えたら、教室で主任の先生を待ち、先生の話が終わるのと同時に一日は終了する。
帰り支度をする私に声を掛けたのはケネスだった。
ケネスは口元を少しばかり緩めて、
「どうだい?この後は酒場にでも寄らないか?なぁに、心配するな。オレが奢ってやるよ」
と、自信満々に言ったが、私はそれに対してクスクスと笑って、
「ダメよ。今日はあなたのナンパに付き合ってられないわ。今日はやる事があってね……」
「やる事?何があるんだ?」
その問いに対し、私は立ち上がってから、彼と同様の微笑を浮かべて言う。
「部活見学に行くのよ。あなた、この学校に居るのに部活を見て回らないのは勿体無いと思わない?」
その言葉に、ケネスは同意し、二人で部活を見て回る事になった。
新学期の二日目とも言えば、あちこちの部活の部員が部活の良さを伝えて、勧誘しているが、私は目もくれずにケネスを連れて、校舎の端に併設された部活棟へと向かう。
部活棟はその名の通り、多くの部活の部室があり、そこでは〈杖無し〉や普通の生徒の区別が無くとも平等に楽しく過ごせるらしい。
だが、それはあくまでも表向きの理由であり、中には〈杖無し〉は門前払いされる可能性もある。
理由としては学校中に蔓延する差別的な考えの他にも、
「この部活は他の遊びの部活とは違うんだよッ!そんな事すらわかんねーのか!お前達〈杖無し〉はッ!」
そう、魔法という力をフルに活用し、国の役に立っていると主張する部活である。
それに当て嵌まるのは私の知る限りでは、狩猟部、乗馬部、そして、私とケネスが部室の扉の前で追い払われそうになっている賞金稼ぎ部だ。
当たり前と言えば当たり前だ。この部活は本当ならば、〈杖無し〉など戸を叩くのも許されない場所だろう。
現に、私に付いて来たケネスももう帰ろうと言わんばかりに視線で帰り道を示していた。
だが、私は怯まない。私の前に立ち塞がる巨大の男に向かって言い放つ。
「私や私の仲間達はこの部活の部長、エマ・ダーリング部長から誘われてここに来ました!どうしても、私やケネスをこの部室から追い出すというのなら、せめて、部長にだけでも合わせてくれませんか?」
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