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賞金稼ぎ部(ハンティング・クラブ)編
ウィリアム・ウィルソンの抵抗
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「ですからッ!伯爵家はウィリアム・ウィルソンなる凶悪極まる連続殺人鬼との関係は無価値ですッ!お引き戸を願えますかッ!」
生徒会長を中心に集まった私達の前に現れたのは屋敷の奉公人と思われる老齢の男性。
執事らしくビッチリとした礼服を着た彼は堂々とした態度で強制捜査に乗り出そうとした私達を追い返そうとしたのだが、私達は怯まない。
エマ部長は彼に負けないくらいに堂々と胸を張り、強制捜査の許可状を照らし、生徒会長に至っては国王から保障された権利を盾に、伯爵家への捜査を行う事を主張していく。
無論、その無駄と思われる時間の間にも生徒会や賞金稼ぎ部の面々には油断が無いらしい。
他の賞金稼ぎ部の面々や自ら学院に残り留守を預かったレッドウッズを除く生徒会の執行役員達は全員が背中や腰のホルスターに下げた武器を念入りに手入れし、出入りのタイミングを伺う。
中にはワザと執事に聞こえるように銃のコックを捻る人間も居たくらいだ。
私は屋敷の門の前の自然林の前で戦闘準備を行う先輩達を他所に、こっそりと屋敷の端の方へと移動する。
私と共に賞金稼ぎ部に入部したあの二人が不安だからだ。
貴族の屋敷の端に必ず付いていると言っても過言ではない大きな出っ張った塔の見える場所で緊張の表情を浮かべて佇んでいるのはケネスとマーティの二人。
二人は武器を触るでもなく、互いに青く染まった顔を見合わせて、
「大丈夫かな?オレ達がこれから向かうのは伯爵家の屋敷だぜ」
「し、し、し、心配はいらないさ。ち、ちゃんと証拠はある筈だし、何より、こちらには王家の人間が付いているんだぜ」
ケネスはそう言って笑ってみせたが、マーティに向けた笑みはどう見ても弱々しい。
私はその様子を見ながら、溜息を吐いたのだが、次の瞬間に何やら鋭いものが空気中を裂き、私の目の前を追加していく。
私が堪らずに目の前を見上げると、そこにはスコープと呼ばれる小さな望遠鏡の付いた長銃を構えた男が私を狙っていたらしい。
だが、たまたま位置が逸れたのだろうか彼の弾は私ではなく、私の近くの土を抉るだけに留まったらしい。
それを見た二人は慌てて私の前にやって来て、私の前に立ち塞がる。
「ちくしょう!よくも、ウェンディを!」
「命を持って償やがれ!外道ども!」
ケネスはそう言うと、逆手にした右手の掌を広げて、その中から掌サイズの雲を生み出す。
ケネスの手から生み出された雲からはバチバチという嵐の時に雷を放とうとする暗雲から聞こえる声が私の耳にまで届く。
マーティもケネスと同じ様に雲を生み出す。こちらの雲からは嵐の際に聞こえる大雨の滴る音が響いてくる。
ケネスとマーティは互いに背中を合わせて、二つの雲を屋敷へと向かわせていく。
ここからではよく見えなかったのだが、屋敷の一室、とりわけ外に近く射撃の場所には最適だと思われる塔の一室から大きな雷が落ちる音が聞こえ、その音が聞こえるのと同時に、ケネスが親指を立てていたので、彼の雲が成功を収めたものだと理解した。
二人はそれから雲が自分達の元へと帰って来たのを見届けると、もう一度掌を開いて、雲を回収した後に、ホルスターから拳銃を抜いて、屋敷の門へと向かう。
私と私の背後にピタリとくっ付く二人が屋敷の門に向かっていた時には既に銃撃戦が展開されており、会長は狂気じみた笑顔を浮かべながら、部長は淡々とした表情で撃ち合いを続ける中に三人が割り込んでいく。
私は素早く屋敷近くに生えていた自然の木の陰に隠れて、屋敷の門の中に隠れ、こちらを狙う際に身を乗り出してくる伯爵家の私兵達を撃ち抜いていく。
私兵達は全員が銃を持っていたのだが、どうやら、銃使いの私には敵わなかったらしい。
手に銃やら長銃やらを構えたこちらの男子の制服に似た服を着た面々は次々と私の銃の前に倒れていく。
無論、弾は六発しかないが、私は六発を全て撃ち終えると、即座に木の陰に身を引っ込め、それこそ、息を吐く暇もない程に素早く制服に付いてあるポケットから弾を取り出し、補充していたので問題は無い。
加えて、ケネスやマーティの必死の援護、生徒会執行役員の面々や賞金稼ぎ部の先輩達の活躍のために、私がその間にダメージを負う事は無かった。
やがて、門の前に集まった伯爵家の私兵達を片付け、私達が門の中に突入すると、伯爵家の扉と思われる荘厳な黒色の扉から恐らく、ギャングの人間と思われる柄の悪い男達が銃を構えて現れた。
彼らはニヤニヤとした顔で笑って、拳銃を構えたが、彼らの前に長いオレンジの髪をたなびかせた会長が現れると、彼らの状況は一変した。
「祈りなさい。あなた達が精々天国に行けるようにね」
会長がそう言って、指を鳴らすと、玄関に集結していたギャングの面々は全員が頭を撃ち抜かれて地面に倒れていた。
この場に集まった上級生達は皆、会長の早業に感嘆の声を挙げていたが、面を喰らったのは私達だ。
彼女の魔法の強さに思わず絶句してしまう。
生徒会長はそれを見て、クスクスと笑って、
「どうしたの?早く行かないと、手柄全部、あたしが貰っちゃうよー」
その一言で集まった生徒全員が屋敷の中へと突入していく。
だが、屋敷には既に僅かな使用人を除けば、用心棒の類は全て死んでしまったらしく、私達に危害を加える事はなく、その使用人さえも私達の姿を見て、ただオロオロとするばかりであった。
暫くの間は一階を捜査していたのだが、玄関の前の二階へと向かう柔らかそうな赤い絨毯の敷かれた階段から一人の老紳士の死体が滑り落ちた瞬間から、全ては変わったらしい。
たまたま近くの部屋で捜査を行っていた私とケネス、マーティの三人で階段に向かうと、そこには伯爵と思われる死体とそれを笑顔で見つめる顔入りの悪い青年の顔があった。
恐らく、自分の実の父を殺したと思われるのに、ニヤニヤとした顔を浮かべていた彼の姿を見て、確信した。
彼こそが、ウィリアム・ウィルソンなのでは、と。
私は階段上の青年に向かって銃を突きつけて叫ぶ。
「降りてきなさい!あなたは既に王国から嫌疑を掛けられているわ!」
「ふん、嫌なこった!どうせ、オレは死刑なんだろう?そんな勧告に従って、降りられるかっつーの」
そう言うと、男は懐から小型の二連式拳銃を取り出し、その銃口を私を含む三人に向ける。
「おっと動くなよ。こいつは小さいながらも強力な拳銃でね。人を痛ぶるのに最適な銃だって言われてるね。こいつを撃たれると、体の中に食い込んで三日は苦しむらしいぜ!」
得意そうな顔で銃の性能を自慢する男。
こいつは恐らく、こんな表情を浮かべながら罪の無い人を殺してきたに違いない。
私は唇を噛み締めて、彼を睨む。
だが、睨まれても尚、青年はニヤニヤと陰湿な笑みを浮かべて笑っていた。
生徒会長を中心に集まった私達の前に現れたのは屋敷の奉公人と思われる老齢の男性。
執事らしくビッチリとした礼服を着た彼は堂々とした態度で強制捜査に乗り出そうとした私達を追い返そうとしたのだが、私達は怯まない。
エマ部長は彼に負けないくらいに堂々と胸を張り、強制捜査の許可状を照らし、生徒会長に至っては国王から保障された権利を盾に、伯爵家への捜査を行う事を主張していく。
無論、その無駄と思われる時間の間にも生徒会や賞金稼ぎ部の面々には油断が無いらしい。
他の賞金稼ぎ部の面々や自ら学院に残り留守を預かったレッドウッズを除く生徒会の執行役員達は全員が背中や腰のホルスターに下げた武器を念入りに手入れし、出入りのタイミングを伺う。
中にはワザと執事に聞こえるように銃のコックを捻る人間も居たくらいだ。
私は屋敷の門の前の自然林の前で戦闘準備を行う先輩達を他所に、こっそりと屋敷の端の方へと移動する。
私と共に賞金稼ぎ部に入部したあの二人が不安だからだ。
貴族の屋敷の端に必ず付いていると言っても過言ではない大きな出っ張った塔の見える場所で緊張の表情を浮かべて佇んでいるのはケネスとマーティの二人。
二人は武器を触るでもなく、互いに青く染まった顔を見合わせて、
「大丈夫かな?オレ達がこれから向かうのは伯爵家の屋敷だぜ」
「し、し、し、心配はいらないさ。ち、ちゃんと証拠はある筈だし、何より、こちらには王家の人間が付いているんだぜ」
ケネスはそう言って笑ってみせたが、マーティに向けた笑みはどう見ても弱々しい。
私はその様子を見ながら、溜息を吐いたのだが、次の瞬間に何やら鋭いものが空気中を裂き、私の目の前を追加していく。
私が堪らずに目の前を見上げると、そこにはスコープと呼ばれる小さな望遠鏡の付いた長銃を構えた男が私を狙っていたらしい。
だが、たまたま位置が逸れたのだろうか彼の弾は私ではなく、私の近くの土を抉るだけに留まったらしい。
それを見た二人は慌てて私の前にやって来て、私の前に立ち塞がる。
「ちくしょう!よくも、ウェンディを!」
「命を持って償やがれ!外道ども!」
ケネスはそう言うと、逆手にした右手の掌を広げて、その中から掌サイズの雲を生み出す。
ケネスの手から生み出された雲からはバチバチという嵐の時に雷を放とうとする暗雲から聞こえる声が私の耳にまで届く。
マーティもケネスと同じ様に雲を生み出す。こちらの雲からは嵐の際に聞こえる大雨の滴る音が響いてくる。
ケネスとマーティは互いに背中を合わせて、二つの雲を屋敷へと向かわせていく。
ここからではよく見えなかったのだが、屋敷の一室、とりわけ外に近く射撃の場所には最適だと思われる塔の一室から大きな雷が落ちる音が聞こえ、その音が聞こえるのと同時に、ケネスが親指を立てていたので、彼の雲が成功を収めたものだと理解した。
二人はそれから雲が自分達の元へと帰って来たのを見届けると、もう一度掌を開いて、雲を回収した後に、ホルスターから拳銃を抜いて、屋敷の門へと向かう。
私と私の背後にピタリとくっ付く二人が屋敷の門に向かっていた時には既に銃撃戦が展開されており、会長は狂気じみた笑顔を浮かべながら、部長は淡々とした表情で撃ち合いを続ける中に三人が割り込んでいく。
私は素早く屋敷近くに生えていた自然の木の陰に隠れて、屋敷の門の中に隠れ、こちらを狙う際に身を乗り出してくる伯爵家の私兵達を撃ち抜いていく。
私兵達は全員が銃を持っていたのだが、どうやら、銃使いの私には敵わなかったらしい。
手に銃やら長銃やらを構えたこちらの男子の制服に似た服を着た面々は次々と私の銃の前に倒れていく。
無論、弾は六発しかないが、私は六発を全て撃ち終えると、即座に木の陰に身を引っ込め、それこそ、息を吐く暇もない程に素早く制服に付いてあるポケットから弾を取り出し、補充していたので問題は無い。
加えて、ケネスやマーティの必死の援護、生徒会執行役員の面々や賞金稼ぎ部の先輩達の活躍のために、私がその間にダメージを負う事は無かった。
やがて、門の前に集まった伯爵家の私兵達を片付け、私達が門の中に突入すると、伯爵家の扉と思われる荘厳な黒色の扉から恐らく、ギャングの人間と思われる柄の悪い男達が銃を構えて現れた。
彼らはニヤニヤとした顔で笑って、拳銃を構えたが、彼らの前に長いオレンジの髪をたなびかせた会長が現れると、彼らの状況は一変した。
「祈りなさい。あなた達が精々天国に行けるようにね」
会長がそう言って、指を鳴らすと、玄関に集結していたギャングの面々は全員が頭を撃ち抜かれて地面に倒れていた。
この場に集まった上級生達は皆、会長の早業に感嘆の声を挙げていたが、面を喰らったのは私達だ。
彼女の魔法の強さに思わず絶句してしまう。
生徒会長はそれを見て、クスクスと笑って、
「どうしたの?早く行かないと、手柄全部、あたしが貰っちゃうよー」
その一言で集まった生徒全員が屋敷の中へと突入していく。
だが、屋敷には既に僅かな使用人を除けば、用心棒の類は全て死んでしまったらしく、私達に危害を加える事はなく、その使用人さえも私達の姿を見て、ただオロオロとするばかりであった。
暫くの間は一階を捜査していたのだが、玄関の前の二階へと向かう柔らかそうな赤い絨毯の敷かれた階段から一人の老紳士の死体が滑り落ちた瞬間から、全ては変わったらしい。
たまたま近くの部屋で捜査を行っていた私とケネス、マーティの三人で階段に向かうと、そこには伯爵と思われる死体とそれを笑顔で見つめる顔入りの悪い青年の顔があった。
恐らく、自分の実の父を殺したと思われるのに、ニヤニヤとした顔を浮かべていた彼の姿を見て、確信した。
彼こそが、ウィリアム・ウィルソンなのでは、と。
私は階段上の青年に向かって銃を突きつけて叫ぶ。
「降りてきなさい!あなたは既に王国から嫌疑を掛けられているわ!」
「ふん、嫌なこった!どうせ、オレは死刑なんだろう?そんな勧告に従って、降りられるかっつーの」
そう言うと、男は懐から小型の二連式拳銃を取り出し、その銃口を私を含む三人に向ける。
「おっと動くなよ。こいつは小さいながらも強力な拳銃でね。人を痛ぶるのに最適な銃だって言われてるね。こいつを撃たれると、体の中に食い込んで三日は苦しむらしいぜ!」
得意そうな顔で銃の性能を自慢する男。
こいつは恐らく、こんな表情を浮かべながら罪の無い人を殺してきたに違いない。
私は唇を噛み締めて、彼を睨む。
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