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フォー・カントリー・クロスレース編
賞金稼ぎ部の活動内容
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私設警察隊による学校占領事件から三ヶ月の月日が突入し、その間は何事もなく、毎日賞金首を追うという事を除けば、平穏に日々が過ぎていった。
あの事件以降、私のクラスメイトは私を古来よりの英雄を見るかのよう目で見てくるのだが、それは正直に言うと勘弁してほしい。
夏休みを目前に控えたある夏の日に、部活動の一環として賞金首を追っている途中、私は自ら指名したコンビのケネスに愚痴を吐いたのだが、ケネスは苦笑して、
「そりゃあ、お前、皆が憧れるのも当然と言えば当然だぜ、何つったってお前はたった一人で学校を占領したテロリストを片付けた英雄なんだし、ついでに言えば本来ならば、おれ達のような〈杖無し〉だったら、絶対に入れない賞金稼ぎ部に入り、そこで大活躍してるんだからな。憧れるのも当然と言えば、当然だと思うぞ」
ケネスは私に向かって微笑みかけたものの、直ぐに表情を曇らせて、
「いや、最近ではおれの方が、クラスの男子からぶつくさと言われる事が多くてな。どうして、お前だけ賞金稼ぎ部でスペンサーの奴と一緒なんだとか、どうして、お前だけいつもスペンサーといちゃついているんだとか……」
「え?そんな事を皆が言ってたの?」
私はクラスメイトの本音を知ってしまい、思わず目を丸くしてしまう。
「あぁ、ま、まぁ、そんな事はもうどうでも良いだろ!それよりも、早く今日の賞金首を捕らえに行くぞ」
ケネスはそう言うと、懐から一枚の紙を取り出し、凶悪そうな髭面の男を私に見せる。
私は馬ごと、彼の元に近寄って、彼の持っていたポスターを覗き込む。
「ケネス、こいつは?」
「悪逆非道のチャールストン一味のボス!リチャード・チャールストンさ!お前のお父さんと……」
「同名だって言いたいんでしょ?たまに賞金首にリチャードって名前が上がるたびに、私憂鬱になるんだから……」
私は一瞬、顔を曇らせたのだが、直ぐに気を引き締め直し、馬の手綱を握り締めて、相葉を前へ前へと走らせていく。
それに続いて、ケネスも私と共にシティーから外れた森の中を駆けていく。
私は馬を駆け、まるで風と一体化したかのような思いに馳せられながら、ここ三ヶ月間の出来事の事を思い出していく。まず、あの様な凄い魔法を扱えるケネスとマーティが落第生、いわゆる〈杖無し〉と判断された理由なのだが、どうも、二人の扱える魔法は基礎魔法からは到底離れた異端の魔法であり、しかもそれ以外の魔法を使えなかったために、その点を入学時の試験官が大幅に減点し、Gクラスに落とされたというのだ。
この事から、私は改めて賞金稼ぎ部の二人に対して親近感が湧いていく。
次に、あの大宴会の後なのだが、保安委員の男達が現れて、私設警察隊の件を詫び、頭を下げて帰っていっていた。
異変が起きたのはその二日後の事だった。
あの日、私は学校に行く前の朝食の傍に、ピーターの淹れる紅茶を堪能していると、ピーターは大慌てで新聞を持ってきて、昨日の事件の事とレッドウッズの不正の件がバレて、彼を贔屓にしていた保安委員の上層部が大幅に処分された事を知った。
私はその記事だけをピーターに押し付けると、もう一度紅茶を味わう。
理由は分からなかったのだが、その日の紅茶は私を温かくした。
これで、あの男に無理矢理犯人に仕立てられた人達も安心してあの世へと旅立てるかもしれない。
そんな事を思い返していると、目の前に野営をしている三人のガンマンの姿が見えた。
全員が焚き火の前に座っており、その火をの前で取ったばかりのウサギの肉をナイフに刺して食べている髭面の男が馬で現れた私とケネスの二人を一瞥してから、その横に広がる小さな瞳で私達を睨む。
それにつられたのか、彼の側でヘラヘラと笑っていたテンガンロンハットにカウボーイ姿の男二人が立ち上がり、私達に絡んで来る。
「おいおい、テメェらカップルか?」
「そのバッジから見るに、学生のようだが、テメェら勉強をサボってデートか、若いって羨ましいな。おいッ!」
二人の馬鹿面の男は私とケネスの二人を指差して笑う。
ケネスは苛立った表情を浮かべて、馬から降りようとしたが、私は右腕を横に広げて彼が馬から降りるのを辞めさせる。
この二人がこうして馬鹿な話をして笑えるのも最後なのだ。
好きに話させてやろうではないか。だが、二人は私の慈悲に気がつく事なく、馬鹿な事を言い続け、ついには猥談へと飛躍していく。
もういいだろう。奴らは長く生き過ぎた。
私はゆっくりと馬から降り、馬鹿話をする二人を腰に下げていたホルスターから取り出した回転式の拳銃で撃ち抜いていく。
二人は悲鳴を上げる暇もなく、地面へと倒れて永遠に動けなくなってしまう。
手下の二人が倒れるのを見て、髭面の男もいや、賞金首、リチャードもようやく危機に気が付いたらしい。
彼は右手で小さな嵐を作り出し、それを放出させたのだが、私は左手を構えて、嵐を吸収し、逆に彼が私に向かって放つ筈だった嵐を奴に向けてやる。
小さいながらでも嵐としての実力は最もだったらしい。彼は全身をズタズタにされて地面の上へと放り投げられてしまう。
私は馬上のケネスに目配せをして、馬の鞍に付けている麻縄を持ってきて、彼の手足を縛り付けていく。
ケネスは手足を縛り付けたリチャードの体を持ち上げると、馬の背中に括り付けていく。私の馬もケネスの馬も随分と三ヶ月の間に共に賞金首を狩りながらも、銃声で逃げない訓練を積んだためか、いつもと変わらない暇そうな目で目の前の光景を眺めていた。
私はケネスと自分の愛馬を褒美の意味で優しくさすってから、三ヶ月にもなる私の相棒を労う。
「相変わらずの腕前ね。流石だわ、ケネス」
「なぁに、お姫様のためならば、これくらい騎士としては当然の事でございます。あなた様のお役に立てて光栄でございますよ」
言葉自体はシティーやその他の街でも流行っているロマンス小説や冒険小説に登場する主人公の騎士のようなのだが、ふざけた様子で言っていたので、どうも重みは湧かない。
二人でもう一度顔を見合わせて笑うと、勇敢な賞金稼ぎに相応しい堂々とした馬に乗り、シティーの方へと戻っていく。
リチャード・チャールストンは悪質な強盗を繰り返していたために、賞金がかなりつり上がっていたのを覚えている。
私は今日の帰りにケネスやジャックを誘って、三人で酒が飲めるかと思うと今から、楽しみだった。
あの事件以降、私のクラスメイトは私を古来よりの英雄を見るかのよう目で見てくるのだが、それは正直に言うと勘弁してほしい。
夏休みを目前に控えたある夏の日に、部活動の一環として賞金首を追っている途中、私は自ら指名したコンビのケネスに愚痴を吐いたのだが、ケネスは苦笑して、
「そりゃあ、お前、皆が憧れるのも当然と言えば当然だぜ、何つったってお前はたった一人で学校を占領したテロリストを片付けた英雄なんだし、ついでに言えば本来ならば、おれ達のような〈杖無し〉だったら、絶対に入れない賞金稼ぎ部に入り、そこで大活躍してるんだからな。憧れるのも当然と言えば、当然だと思うぞ」
ケネスは私に向かって微笑みかけたものの、直ぐに表情を曇らせて、
「いや、最近ではおれの方が、クラスの男子からぶつくさと言われる事が多くてな。どうして、お前だけ賞金稼ぎ部でスペンサーの奴と一緒なんだとか、どうして、お前だけいつもスペンサーといちゃついているんだとか……」
「え?そんな事を皆が言ってたの?」
私はクラスメイトの本音を知ってしまい、思わず目を丸くしてしまう。
「あぁ、ま、まぁ、そんな事はもうどうでも良いだろ!それよりも、早く今日の賞金首を捕らえに行くぞ」
ケネスはそう言うと、懐から一枚の紙を取り出し、凶悪そうな髭面の男を私に見せる。
私は馬ごと、彼の元に近寄って、彼の持っていたポスターを覗き込む。
「ケネス、こいつは?」
「悪逆非道のチャールストン一味のボス!リチャード・チャールストンさ!お前のお父さんと……」
「同名だって言いたいんでしょ?たまに賞金首にリチャードって名前が上がるたびに、私憂鬱になるんだから……」
私は一瞬、顔を曇らせたのだが、直ぐに気を引き締め直し、馬の手綱を握り締めて、相葉を前へ前へと走らせていく。
それに続いて、ケネスも私と共にシティーから外れた森の中を駆けていく。
私は馬を駆け、まるで風と一体化したかのような思いに馳せられながら、ここ三ヶ月間の出来事の事を思い出していく。まず、あの様な凄い魔法を扱えるケネスとマーティが落第生、いわゆる〈杖無し〉と判断された理由なのだが、どうも、二人の扱える魔法は基礎魔法からは到底離れた異端の魔法であり、しかもそれ以外の魔法を使えなかったために、その点を入学時の試験官が大幅に減点し、Gクラスに落とされたというのだ。
この事から、私は改めて賞金稼ぎ部の二人に対して親近感が湧いていく。
次に、あの大宴会の後なのだが、保安委員の男達が現れて、私設警察隊の件を詫び、頭を下げて帰っていっていた。
異変が起きたのはその二日後の事だった。
あの日、私は学校に行く前の朝食の傍に、ピーターの淹れる紅茶を堪能していると、ピーターは大慌てで新聞を持ってきて、昨日の事件の事とレッドウッズの不正の件がバレて、彼を贔屓にしていた保安委員の上層部が大幅に処分された事を知った。
私はその記事だけをピーターに押し付けると、もう一度紅茶を味わう。
理由は分からなかったのだが、その日の紅茶は私を温かくした。
これで、あの男に無理矢理犯人に仕立てられた人達も安心してあの世へと旅立てるかもしれない。
そんな事を思い返していると、目の前に野営をしている三人のガンマンの姿が見えた。
全員が焚き火の前に座っており、その火をの前で取ったばかりのウサギの肉をナイフに刺して食べている髭面の男が馬で現れた私とケネスの二人を一瞥してから、その横に広がる小さな瞳で私達を睨む。
それにつられたのか、彼の側でヘラヘラと笑っていたテンガンロンハットにカウボーイ姿の男二人が立ち上がり、私達に絡んで来る。
「おいおい、テメェらカップルか?」
「そのバッジから見るに、学生のようだが、テメェら勉強をサボってデートか、若いって羨ましいな。おいッ!」
二人の馬鹿面の男は私とケネスの二人を指差して笑う。
ケネスは苛立った表情を浮かべて、馬から降りようとしたが、私は右腕を横に広げて彼が馬から降りるのを辞めさせる。
この二人がこうして馬鹿な話をして笑えるのも最後なのだ。
好きに話させてやろうではないか。だが、二人は私の慈悲に気がつく事なく、馬鹿な事を言い続け、ついには猥談へと飛躍していく。
もういいだろう。奴らは長く生き過ぎた。
私はゆっくりと馬から降り、馬鹿話をする二人を腰に下げていたホルスターから取り出した回転式の拳銃で撃ち抜いていく。
二人は悲鳴を上げる暇もなく、地面へと倒れて永遠に動けなくなってしまう。
手下の二人が倒れるのを見て、髭面の男もいや、賞金首、リチャードもようやく危機に気が付いたらしい。
彼は右手で小さな嵐を作り出し、それを放出させたのだが、私は左手を構えて、嵐を吸収し、逆に彼が私に向かって放つ筈だった嵐を奴に向けてやる。
小さいながらでも嵐としての実力は最もだったらしい。彼は全身をズタズタにされて地面の上へと放り投げられてしまう。
私は馬上のケネスに目配せをして、馬の鞍に付けている麻縄を持ってきて、彼の手足を縛り付けていく。
ケネスは手足を縛り付けたリチャードの体を持ち上げると、馬の背中に括り付けていく。私の馬もケネスの馬も随分と三ヶ月の間に共に賞金首を狩りながらも、銃声で逃げない訓練を積んだためか、いつもと変わらない暇そうな目で目の前の光景を眺めていた。
私はケネスと自分の愛馬を褒美の意味で優しくさすってから、三ヶ月にもなる私の相棒を労う。
「相変わらずの腕前ね。流石だわ、ケネス」
「なぁに、お姫様のためならば、これくらい騎士としては当然の事でございます。あなた様のお役に立てて光栄でございますよ」
言葉自体はシティーやその他の街でも流行っているロマンス小説や冒険小説に登場する主人公の騎士のようなのだが、ふざけた様子で言っていたので、どうも重みは湧かない。
二人でもう一度顔を見合わせて笑うと、勇敢な賞金稼ぎに相応しい堂々とした馬に乗り、シティーの方へと戻っていく。
リチャード・チャールストンは悪質な強盗を繰り返していたために、賞金がかなりつり上がっていたのを覚えている。
私は今日の帰りにケネスやジャックを誘って、三人で酒が飲めるかと思うと今から、楽しみだった。
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