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フォー・カントリー・クロスレース編
誘拐事件と強盗殺人事件の行方
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顔色を変えた会長は私の方を見つめて、微妙な顔を浮かべていた。
「だから、無理だってば、私でもエリオット王子の居場所は知らないもの」
「ブラック姉弟は必ず捕まえるわ!会長、あなたは知っているわよね!?だから、私に教えてよ!」
会長は庭先で暫く黙って私を見つめていたのだが、今度は鋭く刃物のように尖らせた視線を私に向けて、
「……心当たりがないこともないわ」
「それは何処なんです!?」
だが、会長は私の問い掛けには応じない。それどころか、一度は私に渡したはずの手配書を自分の元へと引き戻し、その手配書をヒラヒラと振って、
「それを教えるのは先にブラック姉弟を捕まえてからよ。ブラック姉弟は危険過ぎる。確かに姉弟愛にだけは強い姉弟だけれど、それ以外の良心を母親のお腹の中に忘れてきたような奴らよ」
会長の言葉に重きがかかる。どうやら、ブラック姉弟とやらは余程、危険な人物である事は間違いないだろう。
すると、門の前で大きな声が聞こえてくる。
「どうするんだよッ!まさか、あんな危険な奴らが国王陛下のいらっしゃるこの都のすぐ側にやって来るなんて……」
「そうだよッ!まさか、山小屋の一家を人質にするなんて、思いもしないだろうッ!」
衛兵の言葉を聞いて、会長は口元を緩めて、満足そうな笑みを浮かべる。
「さぁ、出番よ。市民を守る賞金稼ぎさん。早く市民の敵を殺してきなさいな」
それを聞いた私は慌てて庭を駆けていき、適当な衛兵を捕まえて、城の馬小屋へと案内させ、城の黒毛の馬を借りて、王都と、別の町との狭間、ここよりも先に進んだ場所に存在するという存在する小さな山に私は向かう。
罪の無い市民を救うために、そして、王子の居場所を会長から聞くために。
「お願いです!私はどうなっても良いですから!妻にだけは手を出さないでください!」
目の前でタバコを吸う花柄のドレスを着た若い女性に散弾銃を突き付けられていても、男は泣き叫び妻を守ろうと叫んでいた。
だが、その願いは他ならぬ別の男の手によって阻まれてしまう。
男は銃の尻で力強く叩かれた後に、山小屋の地面の上に叩き付けられてしまう。
衝撃を受けた男が何とか立ち上がろうと体を動かそうとすると、目の前に転がっている若い男の死体を見て、もう一度腰を抜かしてしまう。
すると、部屋の中央でその姿を眺めていた長い青色の髪の女が下品な声で笑って、
「ハッハッハッ、その男みたいになりたくはないだろう!?こいつみたいに出し渋るんだったら、あんたもあんたの妻にも容赦しないよ。あ、それから、こいつにもね」
女はそう言うと、椅子の上に縛られている醜い顔の男の頭に銃口を突き付けながら言った。
「こいつは王子なんだろ?なら、あんたの家で死んだら、その責任はあんたにいくだろうねぇ~」
「そうそう!オレ達本当についているよな!護送馬車を襲って、あのクソッタレの国から逃げたら、こんな良い国に出会えたんだからよぉ~」
この山小屋の占領犯の片割れの男は涙を全身から流す全身を髭に覆われた男の顔を銃尻で痛ぶり続けていく。
それを見た目麗しき若い妻は唇を噛み締めて、ひたすら第二の侵入犯の女に対して、必死に給餌を行なっていた。
山小屋の男は大事な妻をいたぶられる様を見ながら、今日こそが厄日だと告げた。
この日、男はいつも通り、野良仕事を終えて夕食を摂っている最中に、謎の男がこの国の王子を人質に現れて、ここを暫く潜伏拠点にすると言い張ったのだ。
それから、男は王子を食卓の席に縛り付けて、様子を眺めていたが、その直後に扉をノックする音が聞こえ、不用意に扉のノブを回してしまう。
恐らく、それが男の命運を分ける事になったのだと思われ、男は扉を開けるなり、至近距離にショットガンを突き付けられて、有無を言う前に、吹き飛ばされてしまったのだ。
そして、あの二人の男女、ブラック姉弟が現れて、現在に至るという訳なのだ。
男の名前はソニー・ブラックというらしい。女の方はポピー・ブラックというらしかった。
「らしい」と推測を使っているのは二人がそう互いに名前を呼んでいたので、男が判断しただけに過ぎない。
ともかく、二人はニヤニヤと笑いながら、男自身の体と男の妻、それに既に縛られている王子を人質に先程から食べ物を無心しているという有様だった。
だが、男は知らない。既に二人で強盗殺人事件を働き、手配され、既に王都の兵団が動き始めているという事に。
男が死に物の狂いで飛び出そうと扉へと目を向けた時だ。
ノックの音が聞こえた。信じられない。男が天の助けかと扉の方へと向かう前に、ポピーが席から立ち上がり、腰に下げていた拳銃を抜いて、扉の側へと身を潜める。
暫くしてもノックの音がない事に気が付いたのか、扉の前の主はノックをやめて、それから、銃で扉の錠を破壊してしまう。
山小屋にてこの山の番人をしている男は確信していた。
この国の騎士団が動いたに違いない、と。
対照的にブラック姉弟は真っ青な顔を浮かべており、既にポピーに至っては回転式拳銃のハンマーを上げて、出て来る人物の死を待ち望んでいた。
ポピーが死角から飛び出し、扉の前に向かって拳銃を構えるのと男の格好をした長い銀色の髪の少女が扉が蹴飛ばした事により、ポピーが扉の下敷きになったのは殆ど同じであった。
男は散弾銃を構えて突然現れた侵入者を射殺しようと試みたのだが、その前に男の右手に弾丸が直撃し、衝撃と痛みのために男は地面の上に倒れてしまう。
負傷した男は散弾銃を地面に放り投げると、代わりに腰に下げていた拳銃を取り出し、銃口を目の前に現れた侵入者に向かって構える。
「て、テメェは何者だ!?」
「誰でもいいでしょう?とにかく、あんたには警告しておくわ。この場で大人しく自首しなさい。そうすれば、あなたを見逃してあげても良いわよ」
その言葉を聞いて、男の眉間に青筋が立ち並ぶ。
「て、テメェ、よくも、このオレに向かってそんな大それた口を効きやがったな!許さねぇ!この場でぶっ殺してやる!」
男は拳銃ではなく、右手の中にいくつも薔薇を取り出し、それをあちこちに投げていく。
当然、銀色の髪の少女は薔薇を突き刺す攻撃かと思って避けたのだったが、まさか、それが最初の攻撃だとは思いもしないだろう。
彼女の立っていた場所が急に柔らかくなり、足場がまごついてしまったのだ。
ソニー・ブラックの魔法は基礎魔法、幻覚魔法系統『薔薇乙女の誘惑』という魔法であった。
この魔法の効力としては鋭く尖った薔薇を投げるだけではなく、突き刺さった場所から特殊な薔薇の香りを相手に臭わせ、相手の鼻腔を刺激し、そこから脳へと“薔薇の刺さった箇所の地面が柔らかくなった”と錯覚させる魔法であった。
無論、この場でソニーの魔法を知るのはソニー自身とソニーの姉にしてパートナーであるポピーしかいないので、この二人を除く全員が地面が柔らかくなってしまったのだと思い込んでしまったのである。
「だから、無理だってば、私でもエリオット王子の居場所は知らないもの」
「ブラック姉弟は必ず捕まえるわ!会長、あなたは知っているわよね!?だから、私に教えてよ!」
会長は庭先で暫く黙って私を見つめていたのだが、今度は鋭く刃物のように尖らせた視線を私に向けて、
「……心当たりがないこともないわ」
「それは何処なんです!?」
だが、会長は私の問い掛けには応じない。それどころか、一度は私に渡したはずの手配書を自分の元へと引き戻し、その手配書をヒラヒラと振って、
「それを教えるのは先にブラック姉弟を捕まえてからよ。ブラック姉弟は危険過ぎる。確かに姉弟愛にだけは強い姉弟だけれど、それ以外の良心を母親のお腹の中に忘れてきたような奴らよ」
会長の言葉に重きがかかる。どうやら、ブラック姉弟とやらは余程、危険な人物である事は間違いないだろう。
すると、門の前で大きな声が聞こえてくる。
「どうするんだよッ!まさか、あんな危険な奴らが国王陛下のいらっしゃるこの都のすぐ側にやって来るなんて……」
「そうだよッ!まさか、山小屋の一家を人質にするなんて、思いもしないだろうッ!」
衛兵の言葉を聞いて、会長は口元を緩めて、満足そうな笑みを浮かべる。
「さぁ、出番よ。市民を守る賞金稼ぎさん。早く市民の敵を殺してきなさいな」
それを聞いた私は慌てて庭を駆けていき、適当な衛兵を捕まえて、城の馬小屋へと案内させ、城の黒毛の馬を借りて、王都と、別の町との狭間、ここよりも先に進んだ場所に存在するという存在する小さな山に私は向かう。
罪の無い市民を救うために、そして、王子の居場所を会長から聞くために。
「お願いです!私はどうなっても良いですから!妻にだけは手を出さないでください!」
目の前でタバコを吸う花柄のドレスを着た若い女性に散弾銃を突き付けられていても、男は泣き叫び妻を守ろうと叫んでいた。
だが、その願いは他ならぬ別の男の手によって阻まれてしまう。
男は銃の尻で力強く叩かれた後に、山小屋の地面の上に叩き付けられてしまう。
衝撃を受けた男が何とか立ち上がろうと体を動かそうとすると、目の前に転がっている若い男の死体を見て、もう一度腰を抜かしてしまう。
すると、部屋の中央でその姿を眺めていた長い青色の髪の女が下品な声で笑って、
「ハッハッハッ、その男みたいになりたくはないだろう!?こいつみたいに出し渋るんだったら、あんたもあんたの妻にも容赦しないよ。あ、それから、こいつにもね」
女はそう言うと、椅子の上に縛られている醜い顔の男の頭に銃口を突き付けながら言った。
「こいつは王子なんだろ?なら、あんたの家で死んだら、その責任はあんたにいくだろうねぇ~」
「そうそう!オレ達本当についているよな!護送馬車を襲って、あのクソッタレの国から逃げたら、こんな良い国に出会えたんだからよぉ~」
この山小屋の占領犯の片割れの男は涙を全身から流す全身を髭に覆われた男の顔を銃尻で痛ぶり続けていく。
それを見た目麗しき若い妻は唇を噛み締めて、ひたすら第二の侵入犯の女に対して、必死に給餌を行なっていた。
山小屋の男は大事な妻をいたぶられる様を見ながら、今日こそが厄日だと告げた。
この日、男はいつも通り、野良仕事を終えて夕食を摂っている最中に、謎の男がこの国の王子を人質に現れて、ここを暫く潜伏拠点にすると言い張ったのだ。
それから、男は王子を食卓の席に縛り付けて、様子を眺めていたが、その直後に扉をノックする音が聞こえ、不用意に扉のノブを回してしまう。
恐らく、それが男の命運を分ける事になったのだと思われ、男は扉を開けるなり、至近距離にショットガンを突き付けられて、有無を言う前に、吹き飛ばされてしまったのだ。
そして、あの二人の男女、ブラック姉弟が現れて、現在に至るという訳なのだ。
男の名前はソニー・ブラックというらしい。女の方はポピー・ブラックというらしかった。
「らしい」と推測を使っているのは二人がそう互いに名前を呼んでいたので、男が判断しただけに過ぎない。
ともかく、二人はニヤニヤと笑いながら、男自身の体と男の妻、それに既に縛られている王子を人質に先程から食べ物を無心しているという有様だった。
だが、男は知らない。既に二人で強盗殺人事件を働き、手配され、既に王都の兵団が動き始めているという事に。
男が死に物の狂いで飛び出そうと扉へと目を向けた時だ。
ノックの音が聞こえた。信じられない。男が天の助けかと扉の方へと向かう前に、ポピーが席から立ち上がり、腰に下げていた拳銃を抜いて、扉の側へと身を潜める。
暫くしてもノックの音がない事に気が付いたのか、扉の前の主はノックをやめて、それから、銃で扉の錠を破壊してしまう。
山小屋にてこの山の番人をしている男は確信していた。
この国の騎士団が動いたに違いない、と。
対照的にブラック姉弟は真っ青な顔を浮かべており、既にポピーに至っては回転式拳銃のハンマーを上げて、出て来る人物の死を待ち望んでいた。
ポピーが死角から飛び出し、扉の前に向かって拳銃を構えるのと男の格好をした長い銀色の髪の少女が扉が蹴飛ばした事により、ポピーが扉の下敷きになったのは殆ど同じであった。
男は散弾銃を構えて突然現れた侵入者を射殺しようと試みたのだが、その前に男の右手に弾丸が直撃し、衝撃と痛みのために男は地面の上に倒れてしまう。
負傷した男は散弾銃を地面に放り投げると、代わりに腰に下げていた拳銃を取り出し、銃口を目の前に現れた侵入者に向かって構える。
「て、テメェは何者だ!?」
「誰でもいいでしょう?とにかく、あんたには警告しておくわ。この場で大人しく自首しなさい。そうすれば、あなたを見逃してあげても良いわよ」
その言葉を聞いて、男の眉間に青筋が立ち並ぶ。
「て、テメェ、よくも、このオレに向かってそんな大それた口を効きやがったな!許さねぇ!この場でぶっ殺してやる!」
男は拳銃ではなく、右手の中にいくつも薔薇を取り出し、それをあちこちに投げていく。
当然、銀色の髪の少女は薔薇を突き刺す攻撃かと思って避けたのだったが、まさか、それが最初の攻撃だとは思いもしないだろう。
彼女の立っていた場所が急に柔らかくなり、足場がまごついてしまったのだ。
ソニー・ブラックの魔法は基礎魔法、幻覚魔法系統『薔薇乙女の誘惑』という魔法であった。
この魔法の効力としては鋭く尖った薔薇を投げるだけではなく、突き刺さった場所から特殊な薔薇の香りを相手に臭わせ、相手の鼻腔を刺激し、そこから脳へと“薔薇の刺さった箇所の地面が柔らかくなった”と錯覚させる魔法であった。
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