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フォー・カントリー・クロスレース編
ブラック姉弟を捕縛せよ!
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今の私の状況を簡単に説明させてもらうと、非常に不味い状況である事は間違い無いだろう。現在、私は突如、薔薇を投げられた箇所が柔らかくなり、足場が不安定になり、目の前の男との戦いが些か不利な状況になってしまった事は否めない。
泥沼から生じたぬかるみのように足場を絡め取られてしまう場所ではやはり、足を動かしにくく、避け辛い。
私は短い小屋の中で何度も攻撃を交わし、反対に男を仕留めてやろうかと目論んだのだったが、どうもこの足場では分が悪い。
こんな風に撃ち合いを続けていると、扉の下敷きになった筈のブラック姉弟の姉の方が私の手首を強く掴む。
「これで、あんたは動けないね。ハッハッ、どうだい?弟のソニーの魔法は凄いだろう?こんなに柔らかかったら、あんたの体も簡単に弾くに違いないねッ!アッハッハ!!」
どうやら、姉は私を掴んで弟に私を殺させようというらしい。
不味い。この状況は確実に不味い。片方の足がこのように掴められていると、避けられるものも避けられないし、何より、男の銃の餌食になって命を落とす事は確実だろう。
男もそれを見越したのか、分厚い唇を舐め回して、出荷前の家畜を眺める牧場経営者のような顔で私を見つめている。
サディスティクな表情、明らかに弱者を甚振る事を主軸に動いている足。
そして、胸に向かって突き付けられた拳銃。
私は死を覚悟して、両眼を瞑る。すると、私の頭の中にこれまでの光景が思い浮かんでいく。
これが走馬灯という奴なのだろうか。産まれた直後、魔法が判明するまでは仲良く、王女として育てられた日々。
そして、12歳の時に護身術として拳銃を学び、そこで才覚を現していった日。
全てが懐かしい日々だ。私がこれまでの人生の事を回顧していると、突如、私の脳裏にある言葉が思い浮かぶ。
「じゃあ、例えば、対立している相手の仲間に足を掴まれた時にはどうすれば良いの?」
それは幼い日の私だった。今となってはどうして「じゃあ」と呟いて、そんな話の流れになったのかは覚えていないのだが、私に拳銃を教えていたちょび髭の教師は難しい顔一つ浮かべる事なく、人差し指を掲げて、
「それは難しい質問だし、まず、大抵の人だったのならば、そんな状況になったのならば、諦めちゃうだろうね。でも、私だったらこう考えるかな?『抵抗しないよりは抵抗した方が良い。最後の最後まで生きようと足掻き続ける』のが大切だとね」
その言葉を思い出すと、私は両目を見開き、手足を掴んでいた右手を蹴り上げて、姉の手を私の手首から離させる事に成功する。
そして、次に目の前に飛び込む事により、銃弾を防ぐ。
ソニーの持っていた黒塗りの回転式拳銃の銃口から放たれた弾丸は山小屋の壁にめり込む。
結局、彼の持っていた弾丸は山小屋に穴を開けただけに留まったらしい。
私は頭に向かって狙いを定めて、銃を放つ。
ソニーは私の銃弾を避ける事にこそ成功したらしいが、大きくバランスを崩し、食卓のテーブルの中へと大きく飛び込む。
ソニーは慌ててテーブルから起き上がると、柔らかくなった地面の上でも平然と歩く私に恐怖したのか、もう一度薔薇を作り出し、私に放り投げたのだったが、私は白く輝かせた左手を使って、ソニーの放った薔薇を吸収していく。
そして、反対にソニーの足元に向かって薔薇を放つ。
すると、ソニーは慌てて拳銃を落として、顔を覆うという行動に出た。
なぜ、ソニーが拳銃を落としたのかは知らないが、これは絶好の好機の到来である。
丁度、彼の前に立っていた私は躊躇なくソニーに向かって引き金を引く。
ソニーは一瞬、驚愕した表情を浮かべたものの、銃弾に額を撃ち抜かれて地面に倒れてしまう。
彼がダイブした机の側に縛られていたエリオット王子はブラック姉弟か、もしくは……。
私はここで、この小屋の主と思われる男の側に転がっている死体を眺める。
男の落とした散弾銃で粉々にされて顔の分別もつかないが、私はこの男こそが王子を連れ去った誘拐犯にして、過激派であると断定した。
そうでなければ、ここに王子がいる意味も、王子が椅子に縛り付けられている理由も不明だからだ。
この山小屋の番人の二人の怯えようから、私は二人が犯人だという考えは除外させてもらった。
そんな事を考えていると、背後から拳銃を持つ音が聞こえた。
その音に気が付き、私は背後を振り向くと、そこには扉の下敷きになっていた筈の姉が立ち上がり、まるでスパイスシーの向こうにある大陸の古い神話に登場する化け物のような禍々しい左腕と落ちていたと思われる自身の拳銃を拾い上げて、ここから脱出したのだろう。
「よくも、あたしの弟を……あたしの大切なたった一人の家族をよくも殺しやがったなァァァァァ~!!!」
ポピーはそう言って襲い掛かったのかと思われたが、彼女は倒れていた山小屋の男の頭を大きく伸びた異形の腕で連れ去り、腕を人間のサイズに戻してからも、男を人質にして、
「良い?この男を殺したくなければ、あたしのいう事をよーく聞きなさいなッ!今、この場でこいつを撃ち殺されたくなければ、ポピー・ブラック様を追うんじゃあないよ!いい、これは警告だからね。あんたがあたしのいう事を聞かずに、動いた場合は問答無用でこいつを撃ち殺すからッ!」
頭に銃を突きつけられていてはどうしようもできない。人質に当たる危険性も考慮ししてしまうと、どうしても及び腰になってしまう。
いや、やはり、万が一の可能性も考えて、相手と戦うべきかと私が考えた時だ。
ポピーは私の足元に目掛けて銃を放ち、飛び上がった際に慌てて飛び上がった私の手から銃を落とす事に成功していた。
それを見ると、嬉しそうな表情で男を人質に入り口まで向かい、それから、銃も使えずに、動く事も出来ない私を馬鹿にしながら、拳銃の届かない小屋の正面にまで向かうと、容赦無く山小屋の主の頭を撃ち抜く。
それを見た婦人は悲鳴を上げて気絶し、王子は言葉にもならない呻き声を上げて、恐怖のために足を忙しなく動かしていた。
私は婦人を優しく介抱してから、消えたポピーが立っていた小屋の前ので大木を睨む。
「覚えていなさい……必ず、あの女を絞首台に送り込んでやるから……」
私は必ず、ポピー・ブラックなる外道を取り押さえ、絞首台に送り込む事を心に決めた。
そのためには……。私は縛られたまま恐ろしさのために意識が何処か遠くへと向かっている王子の頬に向かって往復ビンタを喰らわせて、
「良いッ!この周辺の探索魔法の使える保安委員の人間を総動員してッ!一刻も早くあの腐れ外道を捕まえるのよッ!分かった!?」
涙目の王子は必死に首肯し、私に約束してくれた。
泥沼から生じたぬかるみのように足場を絡め取られてしまう場所ではやはり、足を動かしにくく、避け辛い。
私は短い小屋の中で何度も攻撃を交わし、反対に男を仕留めてやろうかと目論んだのだったが、どうもこの足場では分が悪い。
こんな風に撃ち合いを続けていると、扉の下敷きになった筈のブラック姉弟の姉の方が私の手首を強く掴む。
「これで、あんたは動けないね。ハッハッ、どうだい?弟のソニーの魔法は凄いだろう?こんなに柔らかかったら、あんたの体も簡単に弾くに違いないねッ!アッハッハ!!」
どうやら、姉は私を掴んで弟に私を殺させようというらしい。
不味い。この状況は確実に不味い。片方の足がこのように掴められていると、避けられるものも避けられないし、何より、男の銃の餌食になって命を落とす事は確実だろう。
男もそれを見越したのか、分厚い唇を舐め回して、出荷前の家畜を眺める牧場経営者のような顔で私を見つめている。
サディスティクな表情、明らかに弱者を甚振る事を主軸に動いている足。
そして、胸に向かって突き付けられた拳銃。
私は死を覚悟して、両眼を瞑る。すると、私の頭の中にこれまでの光景が思い浮かんでいく。
これが走馬灯という奴なのだろうか。産まれた直後、魔法が判明するまでは仲良く、王女として育てられた日々。
そして、12歳の時に護身術として拳銃を学び、そこで才覚を現していった日。
全てが懐かしい日々だ。私がこれまでの人生の事を回顧していると、突如、私の脳裏にある言葉が思い浮かぶ。
「じゃあ、例えば、対立している相手の仲間に足を掴まれた時にはどうすれば良いの?」
それは幼い日の私だった。今となってはどうして「じゃあ」と呟いて、そんな話の流れになったのかは覚えていないのだが、私に拳銃を教えていたちょび髭の教師は難しい顔一つ浮かべる事なく、人差し指を掲げて、
「それは難しい質問だし、まず、大抵の人だったのならば、そんな状況になったのならば、諦めちゃうだろうね。でも、私だったらこう考えるかな?『抵抗しないよりは抵抗した方が良い。最後の最後まで生きようと足掻き続ける』のが大切だとね」
その言葉を思い出すと、私は両目を見開き、手足を掴んでいた右手を蹴り上げて、姉の手を私の手首から離させる事に成功する。
そして、次に目の前に飛び込む事により、銃弾を防ぐ。
ソニーの持っていた黒塗りの回転式拳銃の銃口から放たれた弾丸は山小屋の壁にめり込む。
結局、彼の持っていた弾丸は山小屋に穴を開けただけに留まったらしい。
私は頭に向かって狙いを定めて、銃を放つ。
ソニーは私の銃弾を避ける事にこそ成功したらしいが、大きくバランスを崩し、食卓のテーブルの中へと大きく飛び込む。
ソニーは慌ててテーブルから起き上がると、柔らかくなった地面の上でも平然と歩く私に恐怖したのか、もう一度薔薇を作り出し、私に放り投げたのだったが、私は白く輝かせた左手を使って、ソニーの放った薔薇を吸収していく。
そして、反対にソニーの足元に向かって薔薇を放つ。
すると、ソニーは慌てて拳銃を落として、顔を覆うという行動に出た。
なぜ、ソニーが拳銃を落としたのかは知らないが、これは絶好の好機の到来である。
丁度、彼の前に立っていた私は躊躇なくソニーに向かって引き金を引く。
ソニーは一瞬、驚愕した表情を浮かべたものの、銃弾に額を撃ち抜かれて地面に倒れてしまう。
彼がダイブした机の側に縛られていたエリオット王子はブラック姉弟か、もしくは……。
私はここで、この小屋の主と思われる男の側に転がっている死体を眺める。
男の落とした散弾銃で粉々にされて顔の分別もつかないが、私はこの男こそが王子を連れ去った誘拐犯にして、過激派であると断定した。
そうでなければ、ここに王子がいる意味も、王子が椅子に縛り付けられている理由も不明だからだ。
この山小屋の番人の二人の怯えようから、私は二人が犯人だという考えは除外させてもらった。
そんな事を考えていると、背後から拳銃を持つ音が聞こえた。
その音に気が付き、私は背後を振り向くと、そこには扉の下敷きになっていた筈の姉が立ち上がり、まるでスパイスシーの向こうにある大陸の古い神話に登場する化け物のような禍々しい左腕と落ちていたと思われる自身の拳銃を拾い上げて、ここから脱出したのだろう。
「よくも、あたしの弟を……あたしの大切なたった一人の家族をよくも殺しやがったなァァァァァ~!!!」
ポピーはそう言って襲い掛かったのかと思われたが、彼女は倒れていた山小屋の男の頭を大きく伸びた異形の腕で連れ去り、腕を人間のサイズに戻してからも、男を人質にして、
「良い?この男を殺したくなければ、あたしのいう事をよーく聞きなさいなッ!今、この場でこいつを撃ち殺されたくなければ、ポピー・ブラック様を追うんじゃあないよ!いい、これは警告だからね。あんたがあたしのいう事を聞かずに、動いた場合は問答無用でこいつを撃ち殺すからッ!」
頭に銃を突きつけられていてはどうしようもできない。人質に当たる危険性も考慮ししてしまうと、どうしても及び腰になってしまう。
いや、やはり、万が一の可能性も考えて、相手と戦うべきかと私が考えた時だ。
ポピーは私の足元に目掛けて銃を放ち、飛び上がった際に慌てて飛び上がった私の手から銃を落とす事に成功していた。
それを見ると、嬉しそうな表情で男を人質に入り口まで向かい、それから、銃も使えずに、動く事も出来ない私を馬鹿にしながら、拳銃の届かない小屋の正面にまで向かうと、容赦無く山小屋の主の頭を撃ち抜く。
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私は必ず、ポピー・ブラックなる外道を取り押さえ、絞首台に送り込む事を心に決めた。
そのためには……。私は縛られたまま恐ろしさのために意識が何処か遠くへと向かっている王子の頬に向かって往復ビンタを喰らわせて、
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