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サラマンダー・パシュート編
ケネスの下宿にて
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翌日、私はアナベルの後を付けて、彼女が教室を出て食堂へと行こうとする姿を見つけた。
私は早速、彼女に狙いを定めると、乱暴に彼女の肩に自分の肩をぶつける。
そして、わざと大きな声で、
「ちょっと、先輩!今、私の肩にあなたの肩をぶつけましたよね!?謝ってください!」
私の叫ぶ声に廊下を歩いていた他の生徒の視線が釘付けになり、先輩は落ち着かない様子で辺りを見回していたのだが、私は構う事なく激しい声と剣幕で話を続けていく。
「早く謝ってください!私に謝ってくださいよッ!そうじゃあないと、私、絶対にあなたの事を許しませんからッ!」
その剣幕に先輩のみならず、周りの生徒たちも怯えていく。
動揺する彼女に対し、私は彼女を脅し続けていく。
「先輩、さっきはすごく痛かったんですよ。私……先輩も私と同じ目に遭わせてやろうじゃあですかッ!」
私がアナベル・オハラの肩に向かって拳を喰らわせようとした時だ。他の多くの生徒に取り押さえられてしまう。
「離せッ!この身の程知らずに分らせてやるんだッ!」
「何バカな真似をしているんだッ!やめろ!」
一人の男子生徒に取り押さえられて、その場から強制的に連れ去られていく私をアナベルは呪詛の目で睨んでいた。
“殺してやる”と言わんばかりに。
周りの生徒の手により、生徒会に連れ去られた私は乱暴に椅子に座らされると、私の前に長銃で武装した生徒会のメンバーが現れる。
長銃を突き付けられる私の前に現れたのはニヤニヤとした顔の会長だった。
「はーい、ご機嫌いかが?ミス・スペンサー」
「……会長、どうしてここに?」
「どうしてって……ここが生徒会の部屋で、私が生徒会の会長だからに決まってるでしょぉ~そ、れ、で、どうしてあなたはこんな所にいるのかな?かな?」
会長の質問に私はこれまでの経緯を述べていく。
顎の下に人差し指を当てた会長は唇を舐め回すと、
「成る程ね。面白い事を考えるじゃあない。けれど、それは部長の考えている事なの?それとも、キミの独断?」
「キミ」か「あなた」なのか二人称くらいは統一して欲しいのだが、会長はそんな私の考えなど無視して難しい顔を浮かべて、話を進めていく。
「まぁ、でもあの女はすっごく怪しいし、あなたの目の付け所も作戦は良いと思うわよ。けど、あなたの御自宅にあの女を誘き寄せるとなると、あなたの執事が被害を被るんじゃあないの?」
だが、私は首を横に振る。
「心配はご無用です。会長……彼女は別の場所に誘き寄せる予定ですから……」
「別の場所?例えば?」
「私の相棒、ケネスの下宿先よ」
生徒会長は私の言葉を聞くと、ククッと笑って、
「それは……彼も気の毒ね。まさか、彼も下宿に犯人を迎え入れるなんて思ってもみなかったでしょうね」
私はそれを聞いて、少し顔を引きつらせてしまったのだが、直ぐにいつもの表情を取り戻して、
「分かってますよ。確かにケネスには気の毒ですけれども、先程の会長の可能性を吟味するとーー」
「彼の家の方が安全だって言いたいんでしょ?恐らく、やって来るとしたら、今夜だから、上手く家に泊まるって言っておきなさいよ」
私は素直に首を縦に振る。生徒会長はその後は私をいともすんなりと解放し、無事に昼食を摂らせてくれた。
昼食を食べ終え、午後の実技の時間に、私は射撃の教師に今晩は帰れないと私の執事に言伝を頼む。
射撃教師は微笑を浮かべて私の考えを受け入れてくれたのだが、一応は理由を聞かれたので、私は会長と同じ理由を語っていく。
すると、射撃教師は眉を顰めて、
「流石にちょっと、それには賛同しそびれるな。幾らなんでも危険すぎる……」
「でも、先生!私はーー」
「分かっている。でも、教師として生徒をそんな危険な目には遭わせられないんだ……」
視線を落とす射撃教師。もし、ここで彼が上の方に私の計画を話したとすれば、今日の計画は全ておじゃんになると言っても良いだろう。
少なくとも、自分としてはこのまま先生が首を縦に振って欲しい。
そんな事を考えていると、彼は首を縦にも横にも振る事なく、代わりに私の両肩に手を置いて、
「もし、良ければ、今夜の計画にぼくも参加させてもらえないか?」
その言葉を聞いて、私は自分の耳が信じられずにもう一度聞き返してしまう。
だが、教師はもう一度同じ事を言うばかりであった。
「つまり、ベッドの中に潜ってミス・オハラを引き付ける役はボクが担当させてもらおうって訳さ」
先生の言葉を聞いて、私は彼の手を握って、彼に感謝の言葉を述べていく。
「ありがとうございます!先生!」
顔に微笑を浮かべながら聞いていた。
その晩、私はケネスの二階建ての下宿の前に帰り、今晩は一階の端にあるケネスの部屋に泊まるように見せかけた後に、部屋の中に入り、その間にケネスが招き入れていた先生にベッドを任せて、こっそりと一階の窓から抜け出し、酒場で夕食を済ませると、ケネスの泊まっている部屋の近くに隠れながら、あの女が現れるのを待つ。
すると、扉をコンコンと叩く音が聞こえてきた。
私はホルスターから銃を構えて、その女が部屋へと入っていくのを見届けた。
女は部屋に入ると、寝ている筈の私を襲うために、ベッドのシーツを引き剥がしたのだが、彼女の目の前に現れたのは私ではなく、一年の射撃教師であったのだから、大層驚いたに違いない。
悲鳴が聞こえて、物陰に隠れていたケネスと私は部屋の中に突入し、彼女の殺人未遂の現場を抑える。
「残念だったわね。そこに居たのは私じゃあないわよ」
「は、図ったわね」
「少々乱暴な手段を取ってしまったけれども、構わないわよね?あなたは連続殺人犯なのだから」
彼女は言葉を返せないらしい。当然だろう。私怨の目的で今まで人を殺してきたのだから、今更、言い訳の仕様も無いに違いない。
彼女は歯をギリギリと鳴らしながら、私を睨み付ける。
そして、言葉よりも早く銃を私に向かって構えたが、私はその時点で彼女の右腕を撃ち抜いて、戦闘不能へと追い込む。
「これでは勝てないでしょう?大人しく降伏するか、この場で撃ち殺されるか選びなさい」
その言葉を忌々しそうな表情で聞いていたアナベルだったが、ベッドの上で銃を構えていた射撃教師からも、
「彼女の言う通りだよ。実際に今ので早撃ちの実力は彼女の方が良いと分かったろう?大人しく降伏する方がボクは賢明だと思うけどな」
その言葉を聞いて、彼女は大人しく拳銃を地面に落とす。
どうやら、既に決着は付いたらしい。
私は早速、彼女に狙いを定めると、乱暴に彼女の肩に自分の肩をぶつける。
そして、わざと大きな声で、
「ちょっと、先輩!今、私の肩にあなたの肩をぶつけましたよね!?謝ってください!」
私の叫ぶ声に廊下を歩いていた他の生徒の視線が釘付けになり、先輩は落ち着かない様子で辺りを見回していたのだが、私は構う事なく激しい声と剣幕で話を続けていく。
「早く謝ってください!私に謝ってくださいよッ!そうじゃあないと、私、絶対にあなたの事を許しませんからッ!」
その剣幕に先輩のみならず、周りの生徒たちも怯えていく。
動揺する彼女に対し、私は彼女を脅し続けていく。
「先輩、さっきはすごく痛かったんですよ。私……先輩も私と同じ目に遭わせてやろうじゃあですかッ!」
私がアナベル・オハラの肩に向かって拳を喰らわせようとした時だ。他の多くの生徒に取り押さえられてしまう。
「離せッ!この身の程知らずに分らせてやるんだッ!」
「何バカな真似をしているんだッ!やめろ!」
一人の男子生徒に取り押さえられて、その場から強制的に連れ去られていく私をアナベルは呪詛の目で睨んでいた。
“殺してやる”と言わんばかりに。
周りの生徒の手により、生徒会に連れ去られた私は乱暴に椅子に座らされると、私の前に長銃で武装した生徒会のメンバーが現れる。
長銃を突き付けられる私の前に現れたのはニヤニヤとした顔の会長だった。
「はーい、ご機嫌いかが?ミス・スペンサー」
「……会長、どうしてここに?」
「どうしてって……ここが生徒会の部屋で、私が生徒会の会長だからに決まってるでしょぉ~そ、れ、で、どうしてあなたはこんな所にいるのかな?かな?」
会長の質問に私はこれまでの経緯を述べていく。
顎の下に人差し指を当てた会長は唇を舐め回すと、
「成る程ね。面白い事を考えるじゃあない。けれど、それは部長の考えている事なの?それとも、キミの独断?」
「キミ」か「あなた」なのか二人称くらいは統一して欲しいのだが、会長はそんな私の考えなど無視して難しい顔を浮かべて、話を進めていく。
「まぁ、でもあの女はすっごく怪しいし、あなたの目の付け所も作戦は良いと思うわよ。けど、あなたの御自宅にあの女を誘き寄せるとなると、あなたの執事が被害を被るんじゃあないの?」
だが、私は首を横に振る。
「心配はご無用です。会長……彼女は別の場所に誘き寄せる予定ですから……」
「別の場所?例えば?」
「私の相棒、ケネスの下宿先よ」
生徒会長は私の言葉を聞くと、ククッと笑って、
「それは……彼も気の毒ね。まさか、彼も下宿に犯人を迎え入れるなんて思ってもみなかったでしょうね」
私はそれを聞いて、少し顔を引きつらせてしまったのだが、直ぐにいつもの表情を取り戻して、
「分かってますよ。確かにケネスには気の毒ですけれども、先程の会長の可能性を吟味するとーー」
「彼の家の方が安全だって言いたいんでしょ?恐らく、やって来るとしたら、今夜だから、上手く家に泊まるって言っておきなさいよ」
私は素直に首を縦に振る。生徒会長はその後は私をいともすんなりと解放し、無事に昼食を摂らせてくれた。
昼食を食べ終え、午後の実技の時間に、私は射撃の教師に今晩は帰れないと私の執事に言伝を頼む。
射撃教師は微笑を浮かべて私の考えを受け入れてくれたのだが、一応は理由を聞かれたので、私は会長と同じ理由を語っていく。
すると、射撃教師は眉を顰めて、
「流石にちょっと、それには賛同しそびれるな。幾らなんでも危険すぎる……」
「でも、先生!私はーー」
「分かっている。でも、教師として生徒をそんな危険な目には遭わせられないんだ……」
視線を落とす射撃教師。もし、ここで彼が上の方に私の計画を話したとすれば、今日の計画は全ておじゃんになると言っても良いだろう。
少なくとも、自分としてはこのまま先生が首を縦に振って欲しい。
そんな事を考えていると、彼は首を縦にも横にも振る事なく、代わりに私の両肩に手を置いて、
「もし、良ければ、今夜の計画にぼくも参加させてもらえないか?」
その言葉を聞いて、私は自分の耳が信じられずにもう一度聞き返してしまう。
だが、教師はもう一度同じ事を言うばかりであった。
「つまり、ベッドの中に潜ってミス・オハラを引き付ける役はボクが担当させてもらおうって訳さ」
先生の言葉を聞いて、私は彼の手を握って、彼に感謝の言葉を述べていく。
「ありがとうございます!先生!」
顔に微笑を浮かべながら聞いていた。
その晩、私はケネスの二階建ての下宿の前に帰り、今晩は一階の端にあるケネスの部屋に泊まるように見せかけた後に、部屋の中に入り、その間にケネスが招き入れていた先生にベッドを任せて、こっそりと一階の窓から抜け出し、酒場で夕食を済ませると、ケネスの泊まっている部屋の近くに隠れながら、あの女が現れるのを待つ。
すると、扉をコンコンと叩く音が聞こえてきた。
私はホルスターから銃を構えて、その女が部屋へと入っていくのを見届けた。
女は部屋に入ると、寝ている筈の私を襲うために、ベッドのシーツを引き剥がしたのだが、彼女の目の前に現れたのは私ではなく、一年の射撃教師であったのだから、大層驚いたに違いない。
悲鳴が聞こえて、物陰に隠れていたケネスと私は部屋の中に突入し、彼女の殺人未遂の現場を抑える。
「残念だったわね。そこに居たのは私じゃあないわよ」
「は、図ったわね」
「少々乱暴な手段を取ってしまったけれども、構わないわよね?あなたは連続殺人犯なのだから」
彼女は言葉を返せないらしい。当然だろう。私怨の目的で今まで人を殺してきたのだから、今更、言い訳の仕様も無いに違いない。
彼女は歯をギリギリと鳴らしながら、私を睨み付ける。
そして、言葉よりも早く銃を私に向かって構えたが、私はその時点で彼女の右腕を撃ち抜いて、戦闘不能へと追い込む。
「これでは勝てないでしょう?大人しく降伏するか、この場で撃ち殺されるか選びなさい」
その言葉を忌々しそうな表情で聞いていたアナベルだったが、ベッドの上で銃を構えていた射撃教師からも、
「彼女の言う通りだよ。実際に今ので早撃ちの実力は彼女の方が良いと分かったろう?大人しく降伏する方がボクは賢明だと思うけどな」
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