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三年生の部
ミッドナイト・スペシャル
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あの後に私や白亜の騎士団のみんなは一生懸命に走り回っていったのだが、結局、会長の考案した計画の実像とやらは中々掴む事が出来ずに、空回りに集まってしまう。
妹にも相談し、共和国の動きには気を付ける旨を伝えたのだが、その様子もなくただただ月日が過ぎるばかりであった。
私は第二回目の卒業式に出席し、その年にそれなりの功績を残した前生徒会長や前部活連頭目からの次世代の代表たちへの引き継ぎ式が執り行われ、その後に各部長から次の部長への引き継ぎが行われ、その後に例年通りの流れで卒業式は終わっていく。
学校の卒業式が終わったその次の日の夜は卒業祝いのダンスが執り行われる事となり、そこで三年生たちは自分が選んだ同じ卒業生や生徒と共にダンスや料理を楽しんだりするのだが、シャステル元部長に至ってはシンプルなデザインの青色のドレスを着たまま黙って窓の外を眺めていた。
招待された身ではあるが、やはりダンスはあまり踊ってはいない。
気掛かりなのだろうか。今後の事が……。
私がワインを啜っていると窓を見ていた筈の彼女がこちらにやってきて一丁の拳銃を私に手渡す。
「……先輩、これは?」
「……ミッドナイト・スペシャル。従来の拳銃の三分の一の値段で買えるものの、従来の拳銃とは違ってその拳銃は六発撃てば、暴発してしまう仕組みになっている……」
私は両目で彼女を見上げて、
「それってつまり……」
「……そう、彼らの目的はこの違法な拳銃を売り捌き、国内に混乱をもたらせることが目的……いや、コストの面を考えると資金の獲得も視野に入れているのかと思われる」
彼女はそう言って私に背中を向けてダンスも食事もしないで黙って月を眺めていた。
私はそんな部長の姿を黙って見つめていた。その晩、私は部長からもらったサンプルを見せた上でミッドナイト・スペシャルについてピーターに尋ねると、彼は一瞬、僅かな息を漏らし、次にもう一度私にその話を聞き返す。
「ミッドナイト・スペシャルよ。見たり聞いたりした覚えがないかしら?」
「……あります。あれは今朝、近場の雑貨屋に買い物に行った時の事です。そこで一人の男がお嬢様の学院の制服を着たオレンジ色の髪の女子生徒に拳銃を手渡していましたよ。今、お嬢様が握られているその拳銃を手渡していまして……」
と、そんな時だ。私はピーターを奥の方へと逃がし、外の銃声が聞こえる方向へと向かう。私は扉を開いて壁に隠れながら、外の様子を伺う。
外にはオレンジ色の髪の女子生徒。恐らく、かつての元生徒会長の妹、メアリー・クラウンが私を待ち構えていた。
「〈杖無し〉!あたしと勝負しろ!あたしの手に持っている拳銃が何なのかは分かるだろう!?」
「あなた、分かった上で買ったの!?それは最終的に六発撃てばーー」
「知ってるよッ!あんたをこれで撃ち殺して、あたしもこれで死ぬんだッ!」
一年前に見たかつての自信に満ちた面影は彼女の顔には無い。残されたのは追い詰められ絶望した焦燥感を帯びた必死の顔。
彼女は柵を超えた屋敷の庭の前で拳銃を震わせながら私を待っていた。
ならば、私もその彼女の心意気に答えなければならない。
私は拳銃を構えて庭へと出て行き、彼女と対峙していく。
メアリー・クラウンは私が出てくるなり、涙を溢れさせて叫ぶ。
「あ、あ、あ、あんたと姉はあたしの大切なものを全部奪いやがったッ!お姉ちゃんも憎いけど、一番憎いのはあんただよッ!あんたがあそこまで追い込まなけりゃあ、姉は潰れなかったよッ!」
「……それは気の毒の話だわ。でも、私が追い詰めたってどういう事なの?」
「黙れよッ!あんたが〈杖無し〉の分際で不相応の活躍を見せるから、姉ちゃんは危機感を募らせてたんだ……いつか、あの〈杖無し〉が自分の地位を乗っ取るんじゃあないかとねッ!」
「……それはあの人から直接聞いた事なの?」
「違うッ!あたしがそう考えたんだッ!エリートだったお姉ちゃんがあそこまで堕落するのは全部、あんたへのコンプレックスのせいだとねッ!」
彼女はこれ以上話す気もないらしく、無言で両手で拳銃を構えて私を狙うものの、私は無言で彼女が両手に握っていた拳銃を撃ち落とす。
そして、まだ銃口から白い煙が出ている拳銃を握って彼女の元へとやって来て、彼女の足元の拳銃を蹴り飛ばす。
地面の上で拳銃が転がっていく。信じられないと言わんばかりに両目を開くメアリー。
だが、私はそんな彼女の事情などに考慮する事なく無言で彼女の頭に向かって銃口を突き付ける。
「……これで分かったでしょ?それに、あなたが持っていた拳銃は危険なものだわ。捨てなさい。そんな覚悟で掛かってきても、私を殺せないわよ」
その一言で彼女は私に鋭い視線を私に向けて、
「うるさいッ!何が、何が、何が『私を殺せないわよ』だよッ!あんたがいや、あんたのような〈杖無し〉が昔からあたしは大嫌いだったんだッ!平気でこの学院に入ってきて、落ちこぼれの落第生のくせにのうのうとこの学院で生徒として過ごしてやがるッ!それがあたしは気に入らないんだッ!」
彼女はそう言って私に殴り掛かろうとしたのだが、私はそんな彼女の拳を容易に止めてそのまま彼女を押し返す。
彼女はそのまま下唇を噛み締め、私を睨んでいたのだが、直ぐに背中を向けてそのまま走り去っていく。
私は彼女を追いかける事もせずに、彼女の持っていた『ミッドナイト・スペシャル』を地面から拾い上げる。
彼女がこの拳銃をどうして手に入れたのかは知らないが、問題はこれをこの街で売っている人間がいるという事だ。
私はミッドナイト・スペシャルを握ってそのまま街の方へと歩いていく。
だが、私はやっぱり思い直してそのまま自宅へと戻っていく。
そして二階の武器置き場にミッドナイト・スペシャルという綴りを書いた紙を貼り付けた場所にその拳銃を置いてそのまま部屋を出ていく。
私はそのまま部屋に戻り、ネクジェと下着を持って階下にあるバスタブに浸かろうかと移動していく。
バスタブの中に浸かり、いい湯を浴びてネクジェに着替えて二階へと登っていた時だ。
私の背後からピーターが追い縋ってきて、私に一枚の紙を手渡す。
「これは?」
「……国王陛下からの御命令です。直ぐに王都に出立せよという……」
どうやら、父は妹からドラッグスとその事を聞いたのだろう。
それで、詳しい事情を聞きに私を城へと向かわせたいのだろう。
私は首を縦に振って部屋に戻り、出立の準備を整えていく。
妹にも相談し、共和国の動きには気を付ける旨を伝えたのだが、その様子もなくただただ月日が過ぎるばかりであった。
私は第二回目の卒業式に出席し、その年にそれなりの功績を残した前生徒会長や前部活連頭目からの次世代の代表たちへの引き継ぎ式が執り行われ、その後に各部長から次の部長への引き継ぎが行われ、その後に例年通りの流れで卒業式は終わっていく。
学校の卒業式が終わったその次の日の夜は卒業祝いのダンスが執り行われる事となり、そこで三年生たちは自分が選んだ同じ卒業生や生徒と共にダンスや料理を楽しんだりするのだが、シャステル元部長に至ってはシンプルなデザインの青色のドレスを着たまま黙って窓の外を眺めていた。
招待された身ではあるが、やはりダンスはあまり踊ってはいない。
気掛かりなのだろうか。今後の事が……。
私がワインを啜っていると窓を見ていた筈の彼女がこちらにやってきて一丁の拳銃を私に手渡す。
「……先輩、これは?」
「……ミッドナイト・スペシャル。従来の拳銃の三分の一の値段で買えるものの、従来の拳銃とは違ってその拳銃は六発撃てば、暴発してしまう仕組みになっている……」
私は両目で彼女を見上げて、
「それってつまり……」
「……そう、彼らの目的はこの違法な拳銃を売り捌き、国内に混乱をもたらせることが目的……いや、コストの面を考えると資金の獲得も視野に入れているのかと思われる」
彼女はそう言って私に背中を向けてダンスも食事もしないで黙って月を眺めていた。
私はそんな部長の姿を黙って見つめていた。その晩、私は部長からもらったサンプルを見せた上でミッドナイト・スペシャルについてピーターに尋ねると、彼は一瞬、僅かな息を漏らし、次にもう一度私にその話を聞き返す。
「ミッドナイト・スペシャルよ。見たり聞いたりした覚えがないかしら?」
「……あります。あれは今朝、近場の雑貨屋に買い物に行った時の事です。そこで一人の男がお嬢様の学院の制服を着たオレンジ色の髪の女子生徒に拳銃を手渡していましたよ。今、お嬢様が握られているその拳銃を手渡していまして……」
と、そんな時だ。私はピーターを奥の方へと逃がし、外の銃声が聞こえる方向へと向かう。私は扉を開いて壁に隠れながら、外の様子を伺う。
外にはオレンジ色の髪の女子生徒。恐らく、かつての元生徒会長の妹、メアリー・クラウンが私を待ち構えていた。
「〈杖無し〉!あたしと勝負しろ!あたしの手に持っている拳銃が何なのかは分かるだろう!?」
「あなた、分かった上で買ったの!?それは最終的に六発撃てばーー」
「知ってるよッ!あんたをこれで撃ち殺して、あたしもこれで死ぬんだッ!」
一年前に見たかつての自信に満ちた面影は彼女の顔には無い。残されたのは追い詰められ絶望した焦燥感を帯びた必死の顔。
彼女は柵を超えた屋敷の庭の前で拳銃を震わせながら私を待っていた。
ならば、私もその彼女の心意気に答えなければならない。
私は拳銃を構えて庭へと出て行き、彼女と対峙していく。
メアリー・クラウンは私が出てくるなり、涙を溢れさせて叫ぶ。
「あ、あ、あ、あんたと姉はあたしの大切なものを全部奪いやがったッ!お姉ちゃんも憎いけど、一番憎いのはあんただよッ!あんたがあそこまで追い込まなけりゃあ、姉は潰れなかったよッ!」
「……それは気の毒の話だわ。でも、私が追い詰めたってどういう事なの?」
「黙れよッ!あんたが〈杖無し〉の分際で不相応の活躍を見せるから、姉ちゃんは危機感を募らせてたんだ……いつか、あの〈杖無し〉が自分の地位を乗っ取るんじゃあないかとねッ!」
「……それはあの人から直接聞いた事なの?」
「違うッ!あたしがそう考えたんだッ!エリートだったお姉ちゃんがあそこまで堕落するのは全部、あんたへのコンプレックスのせいだとねッ!」
彼女はこれ以上話す気もないらしく、無言で両手で拳銃を構えて私を狙うものの、私は無言で彼女が両手に握っていた拳銃を撃ち落とす。
そして、まだ銃口から白い煙が出ている拳銃を握って彼女の元へとやって来て、彼女の足元の拳銃を蹴り飛ばす。
地面の上で拳銃が転がっていく。信じられないと言わんばかりに両目を開くメアリー。
だが、私はそんな彼女の事情などに考慮する事なく無言で彼女の頭に向かって銃口を突き付ける。
「……これで分かったでしょ?それに、あなたが持っていた拳銃は危険なものだわ。捨てなさい。そんな覚悟で掛かってきても、私を殺せないわよ」
その一言で彼女は私に鋭い視線を私に向けて、
「うるさいッ!何が、何が、何が『私を殺せないわよ』だよッ!あんたがいや、あんたのような〈杖無し〉が昔からあたしは大嫌いだったんだッ!平気でこの学院に入ってきて、落ちこぼれの落第生のくせにのうのうとこの学院で生徒として過ごしてやがるッ!それがあたしは気に入らないんだッ!」
彼女はそう言って私に殴り掛かろうとしたのだが、私はそんな彼女の拳を容易に止めてそのまま彼女を押し返す。
彼女はそのまま下唇を噛み締め、私を睨んでいたのだが、直ぐに背中を向けてそのまま走り去っていく。
私は彼女を追いかける事もせずに、彼女の持っていた『ミッドナイト・スペシャル』を地面から拾い上げる。
彼女がこの拳銃をどうして手に入れたのかは知らないが、問題はこれをこの街で売っている人間がいるという事だ。
私はミッドナイト・スペシャルを握ってそのまま街の方へと歩いていく。
だが、私はやっぱり思い直してそのまま自宅へと戻っていく。
そして二階の武器置き場にミッドナイト・スペシャルという綴りを書いた紙を貼り付けた場所にその拳銃を置いてそのまま部屋を出ていく。
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私の背後からピーターが追い縋ってきて、私に一枚の紙を手渡す。
「これは?」
「……国王陛下からの御命令です。直ぐに王都に出立せよという……」
どうやら、父は妹からドラッグスとその事を聞いたのだろう。
それで、詳しい事情を聞きに私を城へと向かわせたいのだろう。
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