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ムーン・アポカリプス編
ニューロデム脅威論はまやかしか現実か
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私は乗っている馬車がようやく王都の近くに到達した事を知った。長いかこの世界から私はようやく現実に引き戻され、窓から外を眺めて、何気なしに人々の様子を観察していた。その間も煉瓦の上で車輪が弾ける音が聞こえている事から、馬車が宮殿へと進んでいる事を知り、不思議な実感が湧いた。
馬車は宮殿の前に到達し、予め父が門番に伝えていたのだろう。門が開かれており、馬車は門をくぐって中へと進む。
私は庭の中に存在する彫刻品には目も暮れる事なく宮殿の中に入る。
今回は正装用のあの動きにくいドレスは無しらしく今の姿での謁見を許された。
私はお抱えの騎士に連れられて玉座の間へと引き出される。
私が玉座の上に座る父の前で跪こうとした時だ。父がそれを右手で静止した。
そして、玉座の上から言った。
「……ニューロデムの件を聞いたぞ、どういう事だ?何故に奴らは我が国を狙うのだ?それだけを聞かせてもらいたいな」
威厳を持った声。王に似つかわしい荘厳な雰囲気。だが、私はそんなものには動じない。
私は堂々とした声で父の言葉に答えた。
「率直に申し上げます。ニューロデムは今や我が国いや、世界の敵となりつつあります。その証拠に一年以上前の我が国における軍人の暴走の教唆に始まり、会合式でのストロンバーグの一件。それに、港町におけるララミー・ブラザーズの一件、そして少し前の帝国における騒動。裏では全て彼らが糸を引いておりました。それに最近国で流行っているミッドナイト・スペシャルなる粗悪品の拳銃を流失しています。これが我が国に対する敵対行為ではなく何だというのでしょうか!?」
私の言葉に王妃をいや、母を始めとした貴族たちは騒つく。
だが、父は国王はそんな彼女らを放っておいて玉座の上で考え込む素振りを見せていた。だが、考えている時間は王妃にいや、母の声によって妨げられてしまう。
「陛下!この様な小娘の戯言に耳を貸す必要などございませんわ!第一、この女の妄言に耳を傾けて、ニューロデムと事を構えて、国を傾けようとするなど言語道断ですわ!そもそも、彼女の言葉は全て妄言です!あの娘に言わせれば、陽が沈むのも、折角の家畜が病気で死んでしまうのも全てニューロデムのせいになりますわ!陛下、どうかご英断を……」
父は何も言わない。唸り声を上げるだけだ。だが、玉座の間に集まった貴族たちは違った。不安からか、はたまた共和国と事を構えなければならないという焦燥感からか、次々と王妃へと同調する声を挙げていく。
その瞬間に父は大きく息を吸い込み、それから大きな声で彼らを怒鳴り付けた。
王妃も貴族もそして私でさえもその声に震え上がった。あの言葉に体が痺れている様な気がしてならない。
玉座の上の父はそんな事など構う様子も見せずに、ただ単に自分の考えを臣下たちの前で述べていく。
「ニューロデムの奴らは確かに警戒するべきだ。念のために軍備を固めるのも良いだろう。だが、一方で確固たる証拠がないのも事実……ニューロデム脅威論は退けさせてもらおう。儂としては遠くのニューロデムより、近くのニューヨーシャーだ。以上」
私の考えは跳ね除けられてしまった。不味い。このままではクラウン元会長とニューロデム共和国並びに『月の民』が三ヶ国全てに宣戦布告をするのも時間の問題だろう。
それに彼らが宣戦布告の宣言をするのは予想ならば、今年の夏。
つまり、フォー・カントリー・クロスレースの最終日。
この日にニューロデム共和国に集まった要人たちを人質に取り、動揺する各国を各個撃破していく算段に違いない。
あの元生徒会長なら考えかねない手だ。
レースに行くのを中止にしてもらおうか。はたまた、ウィンストン・セイライムのみ不参加にしてもらおうか。
いや、そのどちらも父が受ける筈が無い。先程と同様に警戒に留めるだけに終わってしまうだろう。
なので、私は下がる前に最後の懇願として『フォー・カントリー・クロスレース』への参加を懇願した。
その考えも母は跳ね除けたのだが、父は口元の右端を緩めて、
「良かろう。お前に今年のレースへの参加を認めようではないか。お前は代表選手として港町に集まるが良い。期待しておるぞ、その前にミッドナイト・スペシャルに関する良い情報を持ってお前がやって来るのをな……」
結論がようやく出たらしい。その後に私は父に手を振られて私は追い出されてしまう。
その後に私は当てもなく宮殿を歩き、ここに来る前にまで回顧していたあの事件の事を思い出す。
あの時に私は妹を守り、ガンマンとしての覚悟を得たのと引き換えに大切な人を失ってしまった。
それから、この魔法にしても銃にしてもド外道どもを片付けるためには躊躇せずに使う様になった。
そうする事で犠牲になる人を少しでも減らしたいのだ。
そんな事を考えながら、玉座の間から離れようとした時だ。不意に背後から声を掛けられて私は思わずに驚いてしまう。
慌てて背後を振り向くとそこには妹が瞳をうるわせて私を見つめていた。
「どうしたの?」
「お姉様……私はお姉様と陛下との会話を悪いとは思いながらも、扉の前で聞いておりましたわ」
どうやら、妹にあの会話を聞かれていたらしい。私は何と返そうかと言葉に詰まっていると妹は素早い口調で話を進めていく。
「お姉様!お願いでございます!どうか、ミッドナイト・スペシャルの探索もレースへの参加も辞めてくださいませ!二年前のテロリストなどとはレベルが違います!幾らなんでも一国の脅威から全てのものを守るだなんて、幾らお姉様でも……」
私は黙って妹の額に口付けをしてそれから、妹の頬を優しく撫でながら言った。
「大丈夫よ。私は家族を必ず守るのもの……あなたもパパもママも……」
パパ、ママか。随分と長い間、読んでいなかった呼び名だ。
王家の子女たるものその様な言い方は幼年期を過ぎる頃には矯正されなくてはならない。
徹底した教育のためにその呼び方は取り除かれてしまったが、心の奥底では覚えていたらしい。
私は苦笑して宮殿を去り、夜の街へと繰り出す。
勿論、この大きな王都の裏でなら、あの粗悪品の拳銃を流している人間も突き止められると聞いたからだ。
私がそう考えて裏の街を探していると、裏の街のホテルの中でオレンジ色の光が輝くのが見えた。
私は慌ててその部屋へと向かう。どうやら、この街でもミッドナイト・スペシャルは流通しているらしい。
私は爆破のあった部屋でこの銃の纏め主を追う手掛かりを見つける事にした。
馬車は宮殿の前に到達し、予め父が門番に伝えていたのだろう。門が開かれており、馬車は門をくぐって中へと進む。
私は庭の中に存在する彫刻品には目も暮れる事なく宮殿の中に入る。
今回は正装用のあの動きにくいドレスは無しらしく今の姿での謁見を許された。
私はお抱えの騎士に連れられて玉座の間へと引き出される。
私が玉座の上に座る父の前で跪こうとした時だ。父がそれを右手で静止した。
そして、玉座の上から言った。
「……ニューロデムの件を聞いたぞ、どういう事だ?何故に奴らは我が国を狙うのだ?それだけを聞かせてもらいたいな」
威厳を持った声。王に似つかわしい荘厳な雰囲気。だが、私はそんなものには動じない。
私は堂々とした声で父の言葉に答えた。
「率直に申し上げます。ニューロデムは今や我が国いや、世界の敵となりつつあります。その証拠に一年以上前の我が国における軍人の暴走の教唆に始まり、会合式でのストロンバーグの一件。それに、港町におけるララミー・ブラザーズの一件、そして少し前の帝国における騒動。裏では全て彼らが糸を引いておりました。それに最近国で流行っているミッドナイト・スペシャルなる粗悪品の拳銃を流失しています。これが我が国に対する敵対行為ではなく何だというのでしょうか!?」
私の言葉に王妃をいや、母を始めとした貴族たちは騒つく。
だが、父は国王はそんな彼女らを放っておいて玉座の上で考え込む素振りを見せていた。だが、考えている時間は王妃にいや、母の声によって妨げられてしまう。
「陛下!この様な小娘の戯言に耳を貸す必要などございませんわ!第一、この女の妄言に耳を傾けて、ニューロデムと事を構えて、国を傾けようとするなど言語道断ですわ!そもそも、彼女の言葉は全て妄言です!あの娘に言わせれば、陽が沈むのも、折角の家畜が病気で死んでしまうのも全てニューロデムのせいになりますわ!陛下、どうかご英断を……」
父は何も言わない。唸り声を上げるだけだ。だが、玉座の間に集まった貴族たちは違った。不安からか、はたまた共和国と事を構えなければならないという焦燥感からか、次々と王妃へと同調する声を挙げていく。
その瞬間に父は大きく息を吸い込み、それから大きな声で彼らを怒鳴り付けた。
王妃も貴族もそして私でさえもその声に震え上がった。あの言葉に体が痺れている様な気がしてならない。
玉座の上の父はそんな事など構う様子も見せずに、ただ単に自分の考えを臣下たちの前で述べていく。
「ニューロデムの奴らは確かに警戒するべきだ。念のために軍備を固めるのも良いだろう。だが、一方で確固たる証拠がないのも事実……ニューロデム脅威論は退けさせてもらおう。儂としては遠くのニューロデムより、近くのニューヨーシャーだ。以上」
私の考えは跳ね除けられてしまった。不味い。このままではクラウン元会長とニューロデム共和国並びに『月の民』が三ヶ国全てに宣戦布告をするのも時間の問題だろう。
それに彼らが宣戦布告の宣言をするのは予想ならば、今年の夏。
つまり、フォー・カントリー・クロスレースの最終日。
この日にニューロデム共和国に集まった要人たちを人質に取り、動揺する各国を各個撃破していく算段に違いない。
あの元生徒会長なら考えかねない手だ。
レースに行くのを中止にしてもらおうか。はたまた、ウィンストン・セイライムのみ不参加にしてもらおうか。
いや、そのどちらも父が受ける筈が無い。先程と同様に警戒に留めるだけに終わってしまうだろう。
なので、私は下がる前に最後の懇願として『フォー・カントリー・クロスレース』への参加を懇願した。
その考えも母は跳ね除けたのだが、父は口元の右端を緩めて、
「良かろう。お前に今年のレースへの参加を認めようではないか。お前は代表選手として港町に集まるが良い。期待しておるぞ、その前にミッドナイト・スペシャルに関する良い情報を持ってお前がやって来るのをな……」
結論がようやく出たらしい。その後に私は父に手を振られて私は追い出されてしまう。
その後に私は当てもなく宮殿を歩き、ここに来る前にまで回顧していたあの事件の事を思い出す。
あの時に私は妹を守り、ガンマンとしての覚悟を得たのと引き換えに大切な人を失ってしまった。
それから、この魔法にしても銃にしてもド外道どもを片付けるためには躊躇せずに使う様になった。
そうする事で犠牲になる人を少しでも減らしたいのだ。
そんな事を考えながら、玉座の間から離れようとした時だ。不意に背後から声を掛けられて私は思わずに驚いてしまう。
慌てて背後を振り向くとそこには妹が瞳をうるわせて私を見つめていた。
「どうしたの?」
「お姉様……私はお姉様と陛下との会話を悪いとは思いながらも、扉の前で聞いておりましたわ」
どうやら、妹にあの会話を聞かれていたらしい。私は何と返そうかと言葉に詰まっていると妹は素早い口調で話を進めていく。
「お姉様!お願いでございます!どうか、ミッドナイト・スペシャルの探索もレースへの参加も辞めてくださいませ!二年前のテロリストなどとはレベルが違います!幾らなんでも一国の脅威から全てのものを守るだなんて、幾らお姉様でも……」
私は黙って妹の額に口付けをしてそれから、妹の頬を優しく撫でながら言った。
「大丈夫よ。私は家族を必ず守るのもの……あなたもパパもママも……」
パパ、ママか。随分と長い間、読んでいなかった呼び名だ。
王家の子女たるものその様な言い方は幼年期を過ぎる頃には矯正されなくてはならない。
徹底した教育のためにその呼び方は取り除かれてしまったが、心の奥底では覚えていたらしい。
私は苦笑して宮殿を去り、夜の街へと繰り出す。
勿論、この大きな王都の裏でなら、あの粗悪品の拳銃を流している人間も突き止められると聞いたからだ。
私がそう考えて裏の街を探していると、裏の街のホテルの中でオレンジ色の光が輝くのが見えた。
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