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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
初恋ともいうべき感情なのか
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「レキシーさん。申し訳ありません。逃してしまいましたわ」
カーラは夕食の席の上で自身の過失を詫びていく。レキシーはそんなカーラを黙って見つめていた。二人は夕食の席で意見交換を行なっていたのだが、カーラが例の件を話してからというものの、どこか重々しい空気が漂っていたのだ。
カーラは自分で作ったオムレツをつつきながらどうしてこのような空気になってしまったのかを思い返していく。
予想外の口吸いの後でカーラが正気に立ち戻ったのはシュポスがその場を立ち去ってからだった。
完全に沈んだ空を眺めた時カーラはあれから相当な時間が経ったのを実感したのだが、産まれて初めての口吸いを味わったという衝撃もあってか、慌てることもなくゆっくりと起き上がって自宅への道を急いだのだった。自宅ではレキシーが自室で一心不乱に薬の生成に励んでいるところであり、見かねたカーラが有り合わせのものを使って料理を作った。夕食が出来上がった後で二人は食卓を囲みながら先述の通り今日一日の中で何が起きたのかと意見交換していたのだった。
レキシーは宮廷で何があったのかを語り、帰りに国王の身を守るためにギルドに立ち寄って国王の護衛をギルドマスターに依頼したという。ギルドマスターからしてもネオドラビア教などに国王を傷つけられたくないという思いが強く、二つ返事で引き受けた。
だが、二人がどのような思いを抱えているにしろ、掟に照らし合えば個人的な取り引きである。本来であるのならば金銭を要求するものであるが、ギルドマスターの計らいによって厄介な駆除を引き受けるという形で決着が付いた。その駆除は近いうちに彼女一人だけで行う予定だという。
その後はカーラが話す番だ。カーラはシュポスとのデートが上手くいき、楽しい思い出になったことやその後で殺し合いになったこと、その後でシュポスからさまざまな情報を引き出したことを語っていく。
そして最後に自分がシュポスの命を奪うことを躊躇ったことや自分に向かって愛の告白と宣戦布告を告げたことなどを語り、冒頭に述べた謝罪の言葉を告げたのだ。それ以来ずっと重い空気が漂っている。気まずいだけならばいいのだが、この後にレキシーに駆除人失格の烙印を張られ、始末されてしまう可能性もある。
カーラの表情が沈むのは無理もなかった。カーラが黙ってレキシーを見つめていた時だ。
彼女は黙ってカーラが作ったオムレツの最後の一口を口にした。
無言で最後の一口を口に入れたレキシーはカーラが作ったオムレツを心の中で称賛していた。
いい味だ。卵の旨みを味わった後で辛味で味付けされたキャベツが口の中に溶けていくのだ。
レキシーはオムレツを食べ終えると、フォークとナイフを置いて残り一口という状況になっていたパンを平らげる。それから重い表情を浮かべるカーラに向かって一言だけ告げた。
「料理上手くなったね。あんたもうどこに出しても恥ずかしくないよ」
「……ありがとうございます。レキシーさん」
カーラはその言葉を聞いて顔を明るくさせた。レキシーが放った一言は両者の間に流れていた重い空気を取り払ったのであった。
レキシーはオムレツを口にした後でカーラに向かって言った。
「それじゃあね、あたしは陛下の体を騙すための薬を生成する仕事に戻るから悪いけど、ご飯の残りを片付けておいておくれよ」
そのままレキシーはカーラの側を通ってその耳元に向かって少し厳しい声で言った。
「……今回見逃したのはあんたの勝手だけれど、自分の失態は自分の手で拭うんだよ」
「わかりましたわ」
レキシーはそれだけ言い放つと、夕食まで取り掛かっていた薬の生成へと戻っていく。カーラは敢えて何も言わずに
カーラは残ったオムレツを平らげてから夕食の後片付けを行う。
部屋に戻り、カーラは一ヶ月後に配る予定の衣装の作成を行い、十数着ばかりの衣装を縫い終えた後で本を開いて医学の勉強を行おうとしたのだが、なぜか頭の中に内容が入ってこない。
いくら考えてもあの夕陽の時の口吸いのことを思い起こしていくのだ。忘れようとしても忘れられない。
やむを得ずにカーラはベッドの上に横たわったのだが、眠ろうとしても夕焼けの時のことばかりが頭の中に思い浮かんでいくのだった。
カーラは掛け布団を被ってベッドの上でうつ伏せになって恋のことを考えていた。
「……どうしてあの時のことばかり思い返してしまうの……」
カーラは滅多に呟かない独り言まで呟いていたことに気が付いた。
いつまでも思い悩んでいても仕方がないとばかりにベッドから起き上がって部屋を出て、自宅に備え付けられている小さな湯船の中へと向かっていく。
湯船に浸かって疲れを落としても、身支度を整えてもシュポスとの口吸いのことばかりが頭の中に思い浮かんでいく。
その日悩んでいるうちに眠ることができたのは幸いであったと言ってもいいだろう。
翌日になってからも頭がぼんやりとしており、レキシーに叱責されたものである。カーラは謝罪の言葉を述べてから両頬を一気に叩く。
こうして気合いを入れ直したことでカーラは心配して家を訪れたウィリアムにレキシーからの伝言を正確に伝えることができた上にその日の仕事に打ち込んだ。そしてその日の夜は前日の上の空が嘘のように厄介な駆除の下準備に出たレキシーのために夜食を作っている時もお針子としての仕事にも医学書を読むことにも集中できたし、ぐっすりと眠ることもできた。
しかし、カーラの心の奥底には未だに夕陽に照らされる中で人生初の口を吸われた時の自分の姿があったのだ。
カーラはこれではいけないと頭を大きく横に振っていく。だからこそ翌日の仕事にも懸命に打ち込むことができたのだろう。
だが、それも肝心のシュポス本人が来るまでの間であった。
「よっ、カーラはいるかな?」
落ち着いた声でシュポスは言った。カーラはシュポスの姿を見ると、思わず胸が高鳴ってしまう。
それでもなんとか平静を取り繕い、シュポスに向かって抗議の言葉を飛ばしていく。
「シュポスさん、どういうつもりですの?」
「どういうことも何も次のデートのお誘いに来たんだ。いいだろ?」
「……わかりましたわ。来週の休日でよろしければお相手致しますわ」
「決まりねッ!よしッ!これで一週間張り合いができるってもんよ!」
シュポスは手を叩いて喜ぶ姿を見せた。その姿は無邪気な子どものようであった。
シュポスが立ち去ると他の患者たちが冷やかしてくるので、カーラは耳を赤く染めながら顔を背けたのだった。
その姿をヒューゴが物陰から見ているとも知らずに……。
ヒューゴの心の中では先程出ていったシュポスに対する憎悪に満ち溢れていた。
ヒューゴはわざわざ仕事を放置して、シュポスの後を追い掛けていく。ようやくシュポスの元に追い付いた時にはシュポスは大通りの真ん中で気ままにふらついていたのだった。ヒューゴはふらふらとあてもなく歩くシュポスを大きな声で呼び止めたのだった。
シュポスはヒューゴの言葉を聞いて億劫そうに振り返った。
「お前、彼女に何をしたんだ?」
「何をしたって?おれがか?」
「その通りだ。おれはあんなカーラの姿は初めて見たんだッ!あんたが来るまではカーラのあんな姿を見なかったッ!あんたカーラに何をしたんだ?」
ヒューゴは青白く鋭い眼光を放ってシュポスという男を威嚇していた。
だが、シュポスは気にする素振りも見せずにヒューゴを一瞥してから一笑に付した。その姿に気を悪くしたヒューゴはシュポスの元へと近付いていくが、シュポスは臆すどころか小馬鹿にするような笑顔を浮かべながらシュポスの耳元で囁く。
「やめときな、カーラはおれのものなんだ」
「黙れ、カーラはおれのものだ。誰にも渡さない」
ヒューゴにとってそれは胸の内に潜めていた恋心であった。ヒューゴは勇気を出して自身の考えをシュポスに向かって伝えたのだが、シュポスは笑うばかりであった。一通り笑い終わった後でシュポスは真剣な表情でヒューゴに向かい低い声で言った。
「そんなにカーラを思っているんだったらどうしてお前はカーラちゃんに思いを伝えないんだ?」
その言葉を聞いてヒューゴは何も言わずに固まってしまった。図星であったのだ。結局カーラに思いを伝えられないのは自分が臆病だからとしか言いようがない。
その場で固まっているヒューゴを放置して、シュポスは大通りを歩いていく。
石像のように大通りの上で突っ立っているヒューゴを冷たい風が撫でていた。
カーラは夕食の席の上で自身の過失を詫びていく。レキシーはそんなカーラを黙って見つめていた。二人は夕食の席で意見交換を行なっていたのだが、カーラが例の件を話してからというものの、どこか重々しい空気が漂っていたのだ。
カーラは自分で作ったオムレツをつつきながらどうしてこのような空気になってしまったのかを思い返していく。
予想外の口吸いの後でカーラが正気に立ち戻ったのはシュポスがその場を立ち去ってからだった。
完全に沈んだ空を眺めた時カーラはあれから相当な時間が経ったのを実感したのだが、産まれて初めての口吸いを味わったという衝撃もあってか、慌てることもなくゆっくりと起き上がって自宅への道を急いだのだった。自宅ではレキシーが自室で一心不乱に薬の生成に励んでいるところであり、見かねたカーラが有り合わせのものを使って料理を作った。夕食が出来上がった後で二人は食卓を囲みながら先述の通り今日一日の中で何が起きたのかと意見交換していたのだった。
レキシーは宮廷で何があったのかを語り、帰りに国王の身を守るためにギルドに立ち寄って国王の護衛をギルドマスターに依頼したという。ギルドマスターからしてもネオドラビア教などに国王を傷つけられたくないという思いが強く、二つ返事で引き受けた。
だが、二人がどのような思いを抱えているにしろ、掟に照らし合えば個人的な取り引きである。本来であるのならば金銭を要求するものであるが、ギルドマスターの計らいによって厄介な駆除を引き受けるという形で決着が付いた。その駆除は近いうちに彼女一人だけで行う予定だという。
その後はカーラが話す番だ。カーラはシュポスとのデートが上手くいき、楽しい思い出になったことやその後で殺し合いになったこと、その後でシュポスからさまざまな情報を引き出したことを語っていく。
そして最後に自分がシュポスの命を奪うことを躊躇ったことや自分に向かって愛の告白と宣戦布告を告げたことなどを語り、冒頭に述べた謝罪の言葉を告げたのだ。それ以来ずっと重い空気が漂っている。気まずいだけならばいいのだが、この後にレキシーに駆除人失格の烙印を張られ、始末されてしまう可能性もある。
カーラの表情が沈むのは無理もなかった。カーラが黙ってレキシーを見つめていた時だ。
彼女は黙ってカーラが作ったオムレツの最後の一口を口にした。
無言で最後の一口を口に入れたレキシーはカーラが作ったオムレツを心の中で称賛していた。
いい味だ。卵の旨みを味わった後で辛味で味付けされたキャベツが口の中に溶けていくのだ。
レキシーはオムレツを食べ終えると、フォークとナイフを置いて残り一口という状況になっていたパンを平らげる。それから重い表情を浮かべるカーラに向かって一言だけ告げた。
「料理上手くなったね。あんたもうどこに出しても恥ずかしくないよ」
「……ありがとうございます。レキシーさん」
カーラはその言葉を聞いて顔を明るくさせた。レキシーが放った一言は両者の間に流れていた重い空気を取り払ったのであった。
レキシーはオムレツを口にした後でカーラに向かって言った。
「それじゃあね、あたしは陛下の体を騙すための薬を生成する仕事に戻るから悪いけど、ご飯の残りを片付けておいておくれよ」
そのままレキシーはカーラの側を通ってその耳元に向かって少し厳しい声で言った。
「……今回見逃したのはあんたの勝手だけれど、自分の失態は自分の手で拭うんだよ」
「わかりましたわ」
レキシーはそれだけ言い放つと、夕食まで取り掛かっていた薬の生成へと戻っていく。カーラは敢えて何も言わずに
カーラは残ったオムレツを平らげてから夕食の後片付けを行う。
部屋に戻り、カーラは一ヶ月後に配る予定の衣装の作成を行い、十数着ばかりの衣装を縫い終えた後で本を開いて医学の勉強を行おうとしたのだが、なぜか頭の中に内容が入ってこない。
いくら考えてもあの夕陽の時の口吸いのことを思い起こしていくのだ。忘れようとしても忘れられない。
やむを得ずにカーラはベッドの上に横たわったのだが、眠ろうとしても夕焼けの時のことばかりが頭の中に思い浮かんでいくのだった。
カーラは掛け布団を被ってベッドの上でうつ伏せになって恋のことを考えていた。
「……どうしてあの時のことばかり思い返してしまうの……」
カーラは滅多に呟かない独り言まで呟いていたことに気が付いた。
いつまでも思い悩んでいても仕方がないとばかりにベッドから起き上がって部屋を出て、自宅に備え付けられている小さな湯船の中へと向かっていく。
湯船に浸かって疲れを落としても、身支度を整えてもシュポスとの口吸いのことばかりが頭の中に思い浮かんでいく。
その日悩んでいるうちに眠ることができたのは幸いであったと言ってもいいだろう。
翌日になってからも頭がぼんやりとしており、レキシーに叱責されたものである。カーラは謝罪の言葉を述べてから両頬を一気に叩く。
こうして気合いを入れ直したことでカーラは心配して家を訪れたウィリアムにレキシーからの伝言を正確に伝えることができた上にその日の仕事に打ち込んだ。そしてその日の夜は前日の上の空が嘘のように厄介な駆除の下準備に出たレキシーのために夜食を作っている時もお針子としての仕事にも医学書を読むことにも集中できたし、ぐっすりと眠ることもできた。
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カーラはこれではいけないと頭を大きく横に振っていく。だからこそ翌日の仕事にも懸命に打ち込むことができたのだろう。
だが、それも肝心のシュポス本人が来るまでの間であった。
「よっ、カーラはいるかな?」
落ち着いた声でシュポスは言った。カーラはシュポスの姿を見ると、思わず胸が高鳴ってしまう。
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「シュポスさん、どういうつもりですの?」
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シュポスはヒューゴの言葉を聞いて億劫そうに振り返った。
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「何をしたって?おれがか?」
「その通りだ。おれはあんなカーラの姿は初めて見たんだッ!あんたが来るまではカーラのあんな姿を見なかったッ!あんたカーラに何をしたんだ?」
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だが、シュポスは気にする素振りも見せずにヒューゴを一瞥してから一笑に付した。その姿に気を悪くしたヒューゴはシュポスの元へと近付いていくが、シュポスは臆すどころか小馬鹿にするような笑顔を浮かべながらシュポスの耳元で囁く。
「やめときな、カーラはおれのものなんだ」
「黙れ、カーラはおれのものだ。誰にも渡さない」
ヒューゴにとってそれは胸の内に潜めていた恋心であった。ヒューゴは勇気を出して自身の考えをシュポスに向かって伝えたのだが、シュポスは笑うばかりであった。一通り笑い終わった後でシュポスは真剣な表情でヒューゴに向かい低い声で言った。
「そんなにカーラを思っているんだったらどうしてお前はカーラちゃんに思いを伝えないんだ?」
その言葉を聞いてヒューゴは何も言わずに固まってしまった。図星であったのだ。結局カーラに思いを伝えられないのは自分が臆病だからとしか言いようがない。
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