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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
良心を失った人間たち
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「しかし、あの薬屋、驚いていたな」
「ヘヘッ、これも先生のお力のおかげです。暴力団とも繋がりのある先生のおかげでワシはあの薬屋を追い落とし、儲けることができ、こうしてあなた様と共に高いレストランで酒を飲めるのですからな」
「フフッ、流石はとある街で一番の薬屋となったアルザスだ。お世辞も上手い」
「いえいえ、お世辞だなどととんでもない。私の店の薬が売れたのは大病院を構えるクレイグソン先生のお力のおかげ……今夜は呑んでくださいな」
アルザスといういかにも小物と言わんばかりの小男に酌をされてレストランのワインを楽しんでいる男こそ城下町でもかなりの規模を誇る大病院の院長を務めるジョージ・クレイグソンであった。
ジョージは大病院の院長であるのにも関わらず、金のある患者しかきちんとした治療を行わない、暴力団と手を結ぶことで自分たちにとって邪魔となる他の病院に嫌がらせを行ったり、自分たちと手を結ばない善良な薬屋に対して制裁を与えるなどの悪行を行っていた。
悪事は暴力団によって巧妙に隠されたのでジョージは思う存分にその権威を振る舞うことができた。自分にとっての敵など存在しない。そんなことを考えながら用意されていた用意された酒を飲み干す。ジョージにとってその酒は勝利の美酒といっても差し支えのないものであった。仲間に引き入れた悪質な薬屋と共に飲む繁栄と成功の象徴。それこそが今自身が手に持っている酒だった。
ジョージが楽しげな顔を浮かべながら酒を煽っていた時だ。不意に妙な味がした。苦い上に舌が溶けるかと錯覚するほどの痛みが湧き起こった。ジョージが酒にケチを付けようとした時だ。不意に胸の奥をナイフか何かでくり抜かれたかのような壮絶な痛みが襲ってきたのであった。胸ばかりではない。今度は頭を鋭利な針か何かで突かれたかのような痛みが襲ってきた。全身が言い表しようのないほどに痛む。
ジョージは堪らなくなって椅子の上から転がり落ちていく。その姿を見た他の人たちが駆け寄っていくが、堪らない痛みに襲われたジョージは心配して集まった人々を跳ね飛ばし、ひたすらに地面の上で悶え苦しんでいたのだ。
人々はパニックを引き起こし、あちらこちらから悲鳴が起こっていく。
ジョージは耳障りな悲鳴に向かって逆に怒鳴り散らしたのであった。
「貴様らうるさいぞォォォ~!!少しは静かにしやがれェェェェ~!!!」
ジョージの叫ぶ声に人々は気落ちさせられ、たじろいでいく。その後でジョージは助けを求めて叫ぶが、誰も駆け付けには来ない。ジョージから何を言われるのかわかったものではなかったからだ。
結果的にジョージへの対処は緊急の医者を呼ぶだけに留まった。ジョージが悶え苦しむ中で呼ばれたのはこの日たまたま近くを通っていたレキシーと呼ばれる診療所を経営する医者であった。
レキシーはジョージの側に立つと、残念そうに頭を横に振った。
「気の毒だけれど、これは助からないねぇ。潜伏期間の長い悪質な病原菌に体を蝕まれていたみたいだからねぇ」
「そうだったんですか……」
従業員が悲しげな表情を浮かべながら言った。
「この人だけじゃないよ、その隣で苦しんでるこのお人も同じ病気だ。気の毒にねぇ」
「ふ、ふざけるなァァァァ~!!」
薬屋の男は悲鳴を上げて平然と偽りの診断を行うレキシーに向かって叫んだが、レキシーはその言葉を無視して薬屋の男と共に誤診を続けていく。その過程で男たちが残ったワインをうっかりを装って地面の上に落としていく。紫色のワインがレストランの絨毯の上を転がっていったが、幸いなこと従業員や客たちはそれどころではないらしい。絨毯の上を染まっていくワインを気にすることもなく黙って二人の様子を見守っていた。
だが、標的であった二人は例外であったようで、自分たちを襲う痛みに苦しめられながら、レキシーがわざと落としたワインを恨めしそうな目で見つめていた。
二人はそのワインに毒が含まれたことを理解したのだろう。両者ともに言葉にならないような悲鳴を上げた。
レキシーはこぼれ落ちたワインを睨むジョージの耳元で口元に微笑を浮かべて問い掛けた。
「どうだい?私の毒の味は……けど、忘れちゃいけないよ。あんたが苦しめた人たちは今の何倍も苦しんだんだよ」
「……そうか、貴様が……」
ジョージは忌々しそうに吐き捨てたが、レキシーはそれを無視して立ち上がって首を横に振ってその場を去っていく。
ジョージは相変わらず大きな声で悲鳴を上げていたが、レキシーはその言葉を無視して表向きは気の毒そうな顔を浮かべて二人の顔を見つめていく。
その後で二人は心底からの恨み節を吐き散らしながら絶命していくが、レキシーはそれに対して同情などしない。
レキシーは二人の脈が止まったのを確認し、慌てて店を訪れた警備隊の面々に二人の死因を話して死体を引き取ってもらう。
必要なやり取りを全て終えると、レキシーはゆっくりとした足取りで同居人が待つ自宅へと戻っていく。
人気のない大通りの上を歩く中でカーラは今回の駆除に至るまでのことを思い返していく。
時間は三日と長くなってしまったが、今回の駆除がスムーズに行えたことを考えると、安いものである。
レキシーが立てた計画は実にあっさりとしたものであった。
店の中に潜入し、従業員に成り済ますと、何食わぬ顔で標的が飲む酒の中に毒を仕込む。しかも酒の中に仕込むのはただの毒ではなかった。あの二人が犯した悪行に似つかわしい長く苦しめるための毒薬である。その後は外に身を潜め、店の従業員が出てきたのを見計らって、姿を現し、先程の二人が病死に見せかけるように証言する。
これがレキシーの計画だった。言うは易しであるが実際に一人で動くのは大変だった。これにカーラやヒューゴといった仲間の姿があれば別だったのだろうが、国王への護衛を付けるという依頼を受諾したギルドマスターが引き換えに出した依頼であったので一人で片をつけなければならなかったのだ。今頃はカーラが自分に対しての夜食を用意している頃だろう。
レキシーが同居人の用意する夜食に思いを馳せていた時だ。背後から声が聞こえた。慌てて振り返ると、そこには駆除人ギルドに連れ込まれた時に見た美男子が夜歩き用のランプを持って立っていた。
「よぉ、あんたがレキシーさんだっけ?さっきの駆除の手際は見事だったな」
「……どこにいたんだい?」
「たまたま夜の街をぶらついていたらよぉ、大きいレストランの方で人が死んだとかいう騒ぎを聞き付けてんだ。そんで顔を覗かせたら毒で死んだとしか思えない死体が転がってんだ。もしかしたら駆除かなぁと思っていたら、検死を行うあんたの姿が見えたからね……」
「……なるほど、あの子だけじゃあなくて、今度はあたしの駆除まで嗅ぎつけられたわけということかい」
「……なぁ、レキシーさん。あんたに聞きたいことがあるんだが、いいかな?」
「……どうせ駄目って言ったら今度は脅して付いて来る気だろ?なら、最初から案内した方がいいよ」
レキシーの先導によってシュポスは近くの路地裏に向かう。路地裏に着くと、シュポスは笑顔を浮かべながらレキシーに向かって問い掛けた。
「おれの仲間が仕入れた情報なんだけどよぉ、レキシーさん、あんた国王の病気を治そうとしているそうじゃねぇか、その薬も今作っている最中なんだろ?」
「そうだよ。それがどうかしたのかい?」
「……おれはこの道でずっと生きてきたし、普段は教会の保護下のもとで生きているから表稼業になんて就いたことがねぇんだから分からないかもしれないけど、おれが気になったのはあんたにしろ、カーラちゃんにしろ、どうして人を殺した手で人を治しているのかということだ」
「……それを言われると返す言葉もないよ。けど、それであたしは罪滅ぼしをしていると考えてるよ」
「罪滅ぼし?」
「うん、妙なことだとは思うけど、人を殺した手で人を救うということで自分が助かるんだ。直接聞いたわけじゃないけど、カーラも同じ思いで表の仕事をしているんじゃあないかな」
「……なるほど、罪滅ぼしねぇ」
シュポスは考え込んでいたが、納得したのか、そのまま手を振ってレキシーの元から去ろうとしたが、立ち去ろうとする直前不意に立ち止まって低い声で言った。
「……あんたら駆除人の気持ちが少しだけおれにも理解できた。けど、おれは遠慮はしねぇ。おれが信じる神のためにおれは敵を殺していくし、そのためにはあんたらとも敵対する。忘れないでくれよ」
「忘れないよ。今度会った時は敵同士だよ」
「……ならいいよ。今更そんなことを話さなくてもわかるからね」
シュポスはレキシーの言葉に対してニヤリと笑うと、そのまま手を振ってその場を立ち去っていく。レキシーはシュポスの背中を黙って見つめていた。
この時既に東の空は白みかけていた。
「ヘヘッ、これも先生のお力のおかげです。暴力団とも繋がりのある先生のおかげでワシはあの薬屋を追い落とし、儲けることができ、こうしてあなた様と共に高いレストランで酒を飲めるのですからな」
「フフッ、流石はとある街で一番の薬屋となったアルザスだ。お世辞も上手い」
「いえいえ、お世辞だなどととんでもない。私の店の薬が売れたのは大病院を構えるクレイグソン先生のお力のおかげ……今夜は呑んでくださいな」
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ジョージは大病院の院長であるのにも関わらず、金のある患者しかきちんとした治療を行わない、暴力団と手を結ぶことで自分たちにとって邪魔となる他の病院に嫌がらせを行ったり、自分たちと手を結ばない善良な薬屋に対して制裁を与えるなどの悪行を行っていた。
悪事は暴力団によって巧妙に隠されたのでジョージは思う存分にその権威を振る舞うことができた。自分にとっての敵など存在しない。そんなことを考えながら用意されていた用意された酒を飲み干す。ジョージにとってその酒は勝利の美酒といっても差し支えのないものであった。仲間に引き入れた悪質な薬屋と共に飲む繁栄と成功の象徴。それこそが今自身が手に持っている酒だった。
ジョージが楽しげな顔を浮かべながら酒を煽っていた時だ。不意に妙な味がした。苦い上に舌が溶けるかと錯覚するほどの痛みが湧き起こった。ジョージが酒にケチを付けようとした時だ。不意に胸の奥をナイフか何かでくり抜かれたかのような壮絶な痛みが襲ってきたのであった。胸ばかりではない。今度は頭を鋭利な針か何かで突かれたかのような痛みが襲ってきた。全身が言い表しようのないほどに痛む。
ジョージは堪らなくなって椅子の上から転がり落ちていく。その姿を見た他の人たちが駆け寄っていくが、堪らない痛みに襲われたジョージは心配して集まった人々を跳ね飛ばし、ひたすらに地面の上で悶え苦しんでいたのだ。
人々はパニックを引き起こし、あちらこちらから悲鳴が起こっていく。
ジョージは耳障りな悲鳴に向かって逆に怒鳴り散らしたのであった。
「貴様らうるさいぞォォォ~!!少しは静かにしやがれェェェェ~!!!」
ジョージの叫ぶ声に人々は気落ちさせられ、たじろいでいく。その後でジョージは助けを求めて叫ぶが、誰も駆け付けには来ない。ジョージから何を言われるのかわかったものではなかったからだ。
結果的にジョージへの対処は緊急の医者を呼ぶだけに留まった。ジョージが悶え苦しむ中で呼ばれたのはこの日たまたま近くを通っていたレキシーと呼ばれる診療所を経営する医者であった。
レキシーはジョージの側に立つと、残念そうに頭を横に振った。
「気の毒だけれど、これは助からないねぇ。潜伏期間の長い悪質な病原菌に体を蝕まれていたみたいだからねぇ」
「そうだったんですか……」
従業員が悲しげな表情を浮かべながら言った。
「この人だけじゃないよ、その隣で苦しんでるこのお人も同じ病気だ。気の毒にねぇ」
「ふ、ふざけるなァァァァ~!!」
薬屋の男は悲鳴を上げて平然と偽りの診断を行うレキシーに向かって叫んだが、レキシーはその言葉を無視して薬屋の男と共に誤診を続けていく。その過程で男たちが残ったワインをうっかりを装って地面の上に落としていく。紫色のワインがレストランの絨毯の上を転がっていったが、幸いなこと従業員や客たちはそれどころではないらしい。絨毯の上を染まっていくワインを気にすることもなく黙って二人の様子を見守っていた。
だが、標的であった二人は例外であったようで、自分たちを襲う痛みに苦しめられながら、レキシーがわざと落としたワインを恨めしそうな目で見つめていた。
二人はそのワインに毒が含まれたことを理解したのだろう。両者ともに言葉にならないような悲鳴を上げた。
レキシーはこぼれ落ちたワインを睨むジョージの耳元で口元に微笑を浮かべて問い掛けた。
「どうだい?私の毒の味は……けど、忘れちゃいけないよ。あんたが苦しめた人たちは今の何倍も苦しんだんだよ」
「……そうか、貴様が……」
ジョージは忌々しそうに吐き捨てたが、レキシーはそれを無視して立ち上がって首を横に振ってその場を去っていく。
ジョージは相変わらず大きな声で悲鳴を上げていたが、レキシーはその言葉を無視して表向きは気の毒そうな顔を浮かべて二人の顔を見つめていく。
その後で二人は心底からの恨み節を吐き散らしながら絶命していくが、レキシーはそれに対して同情などしない。
レキシーは二人の脈が止まったのを確認し、慌てて店を訪れた警備隊の面々に二人の死因を話して死体を引き取ってもらう。
必要なやり取りを全て終えると、レキシーはゆっくりとした足取りで同居人が待つ自宅へと戻っていく。
人気のない大通りの上を歩く中でカーラは今回の駆除に至るまでのことを思い返していく。
時間は三日と長くなってしまったが、今回の駆除がスムーズに行えたことを考えると、安いものである。
レキシーが立てた計画は実にあっさりとしたものであった。
店の中に潜入し、従業員に成り済ますと、何食わぬ顔で標的が飲む酒の中に毒を仕込む。しかも酒の中に仕込むのはただの毒ではなかった。あの二人が犯した悪行に似つかわしい長く苦しめるための毒薬である。その後は外に身を潜め、店の従業員が出てきたのを見計らって、姿を現し、先程の二人が病死に見せかけるように証言する。
これがレキシーの計画だった。言うは易しであるが実際に一人で動くのは大変だった。これにカーラやヒューゴといった仲間の姿があれば別だったのだろうが、国王への護衛を付けるという依頼を受諾したギルドマスターが引き換えに出した依頼であったので一人で片をつけなければならなかったのだ。今頃はカーラが自分に対しての夜食を用意している頃だろう。
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「……なぁ、レキシーさん。あんたに聞きたいことがあるんだが、いいかな?」
「……どうせ駄目って言ったら今度は脅して付いて来る気だろ?なら、最初から案内した方がいいよ」
レキシーの先導によってシュポスは近くの路地裏に向かう。路地裏に着くと、シュポスは笑顔を浮かべながらレキシーに向かって問い掛けた。
「おれの仲間が仕入れた情報なんだけどよぉ、レキシーさん、あんた国王の病気を治そうとしているそうじゃねぇか、その薬も今作っている最中なんだろ?」
「そうだよ。それがどうかしたのかい?」
「……おれはこの道でずっと生きてきたし、普段は教会の保護下のもとで生きているから表稼業になんて就いたことがねぇんだから分からないかもしれないけど、おれが気になったのはあんたにしろ、カーラちゃんにしろ、どうして人を殺した手で人を治しているのかということだ」
「……それを言われると返す言葉もないよ。けど、それであたしは罪滅ぼしをしていると考えてるよ」
「罪滅ぼし?」
「うん、妙なことだとは思うけど、人を殺した手で人を救うということで自分が助かるんだ。直接聞いたわけじゃないけど、カーラも同じ思いで表の仕事をしているんじゃあないかな」
「……なるほど、罪滅ぼしねぇ」
シュポスは考え込んでいたが、納得したのか、そのまま手を振ってレキシーの元から去ろうとしたが、立ち去ろうとする直前不意に立ち止まって低い声で言った。
「……あんたら駆除人の気持ちが少しだけおれにも理解できた。けど、おれは遠慮はしねぇ。おれが信じる神のためにおれは敵を殺していくし、そのためにはあんたらとも敵対する。忘れないでくれよ」
「忘れないよ。今度会った時は敵同士だよ」
「……ならいいよ。今更そんなことを話さなくてもわかるからね」
シュポスはレキシーの言葉に対してニヤリと笑うと、そのまま手を振ってその場を立ち去っていく。レキシーはシュポスの背中を黙って見つめていた。
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