親父の再婚相手が俺の元カノだった件について

アンジェロ岩井

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どおして、おうちさんがもえてるのぉぉぉぉ

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翌日、小町が書き上げた小説を見せてもらったのだが、それは完璧と言っても良い仕上がりであった。
それを早速、文芸部の部室へと持っていき、添削していく。
これを読んだ桃寺満福さんは何故か、しかめ面をしていた。

彼は何度か唸り声を出した後に、折角、小町が書き上げた小説を彼に突き返す。

「悪いが、添削する箇所が多過ぎる。誤字脱字もそうだが、肝心のテーマを活かせていない!何か、こう、胸にジーンと来ない!人に感動を与えないだろう!」

「ええ!?そ、そんなぁ~わけわかんねー」

と、叫ぶと、頭を抱えて地面の上に倒れ込む。
完全に某有名、長寿マンガのアニメで多くの視聴者に衝撃を与えた寿司をモチーフにしたエンディングの一部である。
俺が細目で、椅子に座りながら、地面の上でのたうち回る小町を見つめていると、桃寺先輩は俺の前に紙を置いて、

「これをお前が添削してみろ、元はお前が提出しないといけない小説なんだろ?」

その問いは的を得ていた。これは俺が始めた物語ではないか、ならば、俺が完結させるのが筋というものだろう。
俺は先輩の問いに対し、黙って首を動かし、小町が書いたそれに目を通していく。
既に桃寺先輩や他の先輩方、或いは他の仲間達の手により、誤字脱字、文法間違いなどと言った基本的なミスは全て修正されており、後は内容だけという事である。

腕を組みながら唸る俺。息詰まれば、少しの間だけ、俺は本を読んだり、スマトーフォンでネットサーフィンをしたりする事を許されたが、それでも帰る事は許されなかった。
それはそうだろう。これは俺のための物語なのだから。

俺は結局、陽が完全に傾くまで、机の上で小説と向き合っていた。
結局、その日は俺たちが集まっているところを見回りの警備員のおじさんに見つかり、強制的に部室から締め出されてしまう。
やむを得ず、続きを思案するのは明日になってしまう。

翌日、俺は授業もそこそこに小説を考えていた。
だが、これだけ考えていても、神は中々に降りてこない。いや、一箇所、一箇所には降りるのだが、中々にオチに辿り着けないのだ。
そこで、なぜか、俺はもし、小説ができなかったらという考えが頭の中に浮かぶ。

なぜ、よくない考えが頭の中に思い浮かんでしまうのだろう。
あぁ、家が燃える。

「ライターさんでメラメラ燃えちゃうよぉぉぉぉぉ!!」

すると、周りから嘲笑する声が聞こえる。俺が慌てて辺りを見渡すと、目の前には炎のように燃え上がった怒りを見せる教師。

「ほぅ、ライターか、どんな夢を見ていたんだ?桐生?」

「あ、ハハ……あの家が燃やされる夢を……」

「ほぅ、おれの授業の時に、そんな夢を見てたのか?」

教師の目は怒りの炎を宿しており、今にも俺を殴りかからんとしていた。
俺はそれを見ても笑う事ができなかった。
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