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大魔術師編
狼の天使が伝えるべきこと
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私とポイゾとはお互いに背中を預けて、目の前から迫り来る無数とも思える天使たちを相手に奮戦していたのだが、あの化け物の部下たちの守りが固くてなかなか、猪の姿をした天使たちの元にまで辿り着けない。
いい加減、私もポイゾも疲れてきた。他の仲間たちにも目を向けてみたが、誰も彼も自分自身の戦いに夢中で猪の天使たちにまで手が向いていないらしい。
その間、猪の天使はタンプルに向かって集中的に攻撃を仕掛けてきていた。
恐らく、この場で猪の形をした天使がタンプルにばかり執拗に攻撃を繰り出す理由を知っているのは私とブレードだけだろう。
あのポイゾですらタンプルにばかり攻撃を仕掛けている理由がわからずに、この前の仲違いや自身がタンプルに嫌疑をかけた張本人であるのにも関わらず、タンプルにばかり攻撃を仕掛けていることが気掛かりであったらしい。
隙を見て、天使たちの軍団を掻い潜って援軍に向かおうと機会を窺っていた。
もちろん、周りを天使たちの軍隊で囲まれているので行くのは困難であると知ってのことである。
ポイゾの敵と対峙した時にだけは普段の立場を忘れて、懸命に働く姿勢が私は嫌いではない。
しかし、状況は好転しない。誰もタンプルに援軍に行けない状況であるのが、口惜しい状況である。
私個人の感情を抜きにしても、タンプルは死んでもらっては困る存在なのである。
なぜならば、タンプルが天使のスパイであるのならば、彼を尋問することによって、これまで人類が知らなかった戦争の相手の正体にようやく気がつくことができるからである。
私がこの世界にきたのはタンプルよりも後なのだが、愛着だけならば前に私がいた世界よりも強い。
既に私はこの世界を守るためならば全力を尽くす覚悟である。
そのためタンプルは守られなくてはならないのだ。
その覚悟があるのならば不可能など存在しないはずであるのだが、いくら目の前の天使を切っても切っても溢れてくるので仕方がないといえる。
失策だ。雄叫びを上げて電気の鎧を身にまとい、翼を生やし、電気の武器を纏うことができればいいのだが、こうも四方八方を敵に囲まれている混戦状態では雄叫びを上げて、気合いを入れることもできない。
電気の魔法を纏わせた剣で対処するしかないのだ。
私がやり切れない思いで、タンプルを見つめていると、タンプルが私たちに向かって言った。
「……心配するなよ。お前ら、オレがこんな野郎にやられると思ってんのか!?」
タンプルが大きな声で討伐隊の仲間たちに向かって叫ぶ。
「……今の時点でやられそうになっているだろうが、バカが」
ポイゾが小さな声で毒付く。だが、その声は当然、タンプルには届いていない。
届いたのは私の耳だけである。私がなんとも言えない表情でポイゾを見つめていた時だ。
タンプルが続きの言葉を叫ぶ。
「こんな奴らならオレが始末してやるよッ!任せろッ!オレだってハルみたいとは言わずとも天使の力を使うことができるんだッ!」
「何ィ!」
ポイゾが忌々しげな表情を浮かべて猪の怪物と交戦しているタンプルを睨む。
タンプルはそんなポイゾの期待を悪い意味で裏切らなかったらしい。
彼は私のように雄叫びを上げると、自らの肉体を変化させていくり
人間であったはずの体はモフモフと触り心地の良さそうな白色の高価なタオルのような体毛に覆われ、両手両足には人間ならば絶対に映えないであろう爪が生えていた。
そればかりではない背中からは翼が生え、エンジェリオンだという事を私たちに決定付けた。他にも体全体から突起上の物質が生えていく様が印象的であった。
武器を持っていないのは両手に用いている長剣のように鋭くて凶悪な爪を有しているためだろうか。
狼の怪物へと姿を変えたタンプルは猪の姿を見ると我を忘れたように飛び掛かり、凶悪な爪で猪を左右の方向から攻撃していく。
張り手を飛ばすような気安い感覚で恐ろしい攻撃であるので、あの猪の怪物と同じ立場にあるのならば絶対に変わりたくはない。
そんなことを考えながら私は目の前から振られた天使の剣を受け止め、剣で体ごと弾いた後に空いたその体に強烈な一撃を叩き込む。
蒸発するよりも前に蹴り飛ばし、次の相手と剣を斬り合うという単調な作業に戻っていく。
自分自身の戦いを行う傍らで私はタンプルの戦いを目撃していた。
同じエンジェリオンであったとしても、相手は猪と狼という自然界における捕食者と被捕食者である。
両者が戦えば捕食者の方が有利になるのは当然といえた。
勇猛果敢に爪を振るうタンプルとは対照的に防戦一方の猪の怪物。
運命の女神がどちらに微笑むのかは明白であった。結果はタンプルの勝利であった。勝因はタンプルが猪の怪物の山刀を弾き飛ばし、怪物を爪で正面から叩き斬ったというものであった。
やがて、猪の怪物が蒸発し始めた。その後にタンプルが残った雑魚の掃討戦を始めた。
爪で相手を引き裂くか或いは全身から生えた突起上の物質で相手を貫いて殺すという手法で片付けていったのである。
数が少なくなり、混戦から解放されると、私は雄叫びを上げていつもと同様の強力な武装を手に入れて、雑魚の天使たちを始末していく。
雑魚の天使たちが消えた時、タンプルは怪物の姿から元の人間の姿へと戻っていった。
「……なるほど、きみはやはりエンジェリオンだったんだな?あの時にぼくらを助けたのは潜入するためだったのか?」
疑念が確信に変わったためか、ブレードの目が鋭く光る。
だが、眼光鋭く睨まれてもタンプルは怯まない。正々堂々とした態度で申し開きを受けた。
「そんな……タンプルがエンジェリオンだったなんて」
マリアはその事実に衝撃を受けたのか、膝からそのまま崩れ落ちていく。
「……まさかハルばかりではなく、きみまでも薄汚い天使どもの力を持っていたとはな?きみは今までオレたちに混じって何を考えていたんだ?何を上に報告していた?」
ポイゾが鼻筋に皺を寄せながら尋ねた。
だが、ポイゾは何も答えない。その様子に苛立ったのか、ポイゾはタンプルの頬に向かって思いっきり拳を喰らわせたのである。
そればかりではない。馬乗りになってタンプルを執拗なまでに殴り続けていくのである。
見ていて痛々しい光景であり、ブレードとオットシャックの二人が慌てて引き離しにかかる。
だが、ポイゾは引き離されてもなお、ポイゾはタンプルを殴り付けようとしていたのだからその執念は見上げたものがある。
普段であったのならば応戦するタンプルだが、今日に至っては後ろめたさがあるためか、殴られっぱなしであったというのも印象的であった。
いい加減、私もポイゾも疲れてきた。他の仲間たちにも目を向けてみたが、誰も彼も自分自身の戦いに夢中で猪の天使たちにまで手が向いていないらしい。
その間、猪の天使はタンプルに向かって集中的に攻撃を仕掛けてきていた。
恐らく、この場で猪の形をした天使がタンプルにばかり執拗に攻撃を繰り出す理由を知っているのは私とブレードだけだろう。
あのポイゾですらタンプルにばかり攻撃を仕掛けている理由がわからずに、この前の仲違いや自身がタンプルに嫌疑をかけた張本人であるのにも関わらず、タンプルにばかり攻撃を仕掛けていることが気掛かりであったらしい。
隙を見て、天使たちの軍団を掻い潜って援軍に向かおうと機会を窺っていた。
もちろん、周りを天使たちの軍隊で囲まれているので行くのは困難であると知ってのことである。
ポイゾの敵と対峙した時にだけは普段の立場を忘れて、懸命に働く姿勢が私は嫌いではない。
しかし、状況は好転しない。誰もタンプルに援軍に行けない状況であるのが、口惜しい状況である。
私個人の感情を抜きにしても、タンプルは死んでもらっては困る存在なのである。
なぜならば、タンプルが天使のスパイであるのならば、彼を尋問することによって、これまで人類が知らなかった戦争の相手の正体にようやく気がつくことができるからである。
私がこの世界にきたのはタンプルよりも後なのだが、愛着だけならば前に私がいた世界よりも強い。
既に私はこの世界を守るためならば全力を尽くす覚悟である。
そのためタンプルは守られなくてはならないのだ。
その覚悟があるのならば不可能など存在しないはずであるのだが、いくら目の前の天使を切っても切っても溢れてくるので仕方がないといえる。
失策だ。雄叫びを上げて電気の鎧を身にまとい、翼を生やし、電気の武器を纏うことができればいいのだが、こうも四方八方を敵に囲まれている混戦状態では雄叫びを上げて、気合いを入れることもできない。
電気の魔法を纏わせた剣で対処するしかないのだ。
私がやり切れない思いで、タンプルを見つめていると、タンプルが私たちに向かって言った。
「……心配するなよ。お前ら、オレがこんな野郎にやられると思ってんのか!?」
タンプルが大きな声で討伐隊の仲間たちに向かって叫ぶ。
「……今の時点でやられそうになっているだろうが、バカが」
ポイゾが小さな声で毒付く。だが、その声は当然、タンプルには届いていない。
届いたのは私の耳だけである。私がなんとも言えない表情でポイゾを見つめていた時だ。
タンプルが続きの言葉を叫ぶ。
「こんな奴らならオレが始末してやるよッ!任せろッ!オレだってハルみたいとは言わずとも天使の力を使うことができるんだッ!」
「何ィ!」
ポイゾが忌々しげな表情を浮かべて猪の怪物と交戦しているタンプルを睨む。
タンプルはそんなポイゾの期待を悪い意味で裏切らなかったらしい。
彼は私のように雄叫びを上げると、自らの肉体を変化させていくり
人間であったはずの体はモフモフと触り心地の良さそうな白色の高価なタオルのような体毛に覆われ、両手両足には人間ならば絶対に映えないであろう爪が生えていた。
そればかりではない背中からは翼が生え、エンジェリオンだという事を私たちに決定付けた。他にも体全体から突起上の物質が生えていく様が印象的であった。
武器を持っていないのは両手に用いている長剣のように鋭くて凶悪な爪を有しているためだろうか。
狼の怪物へと姿を変えたタンプルは猪の姿を見ると我を忘れたように飛び掛かり、凶悪な爪で猪を左右の方向から攻撃していく。
張り手を飛ばすような気安い感覚で恐ろしい攻撃であるので、あの猪の怪物と同じ立場にあるのならば絶対に変わりたくはない。
そんなことを考えながら私は目の前から振られた天使の剣を受け止め、剣で体ごと弾いた後に空いたその体に強烈な一撃を叩き込む。
蒸発するよりも前に蹴り飛ばし、次の相手と剣を斬り合うという単調な作業に戻っていく。
自分自身の戦いを行う傍らで私はタンプルの戦いを目撃していた。
同じエンジェリオンであったとしても、相手は猪と狼という自然界における捕食者と被捕食者である。
両者が戦えば捕食者の方が有利になるのは当然といえた。
勇猛果敢に爪を振るうタンプルとは対照的に防戦一方の猪の怪物。
運命の女神がどちらに微笑むのかは明白であった。結果はタンプルの勝利であった。勝因はタンプルが猪の怪物の山刀を弾き飛ばし、怪物を爪で正面から叩き斬ったというものであった。
やがて、猪の怪物が蒸発し始めた。その後にタンプルが残った雑魚の掃討戦を始めた。
爪で相手を引き裂くか或いは全身から生えた突起上の物質で相手を貫いて殺すという手法で片付けていったのである。
数が少なくなり、混戦から解放されると、私は雄叫びを上げていつもと同様の強力な武装を手に入れて、雑魚の天使たちを始末していく。
雑魚の天使たちが消えた時、タンプルは怪物の姿から元の人間の姿へと戻っていった。
「……なるほど、きみはやはりエンジェリオンだったんだな?あの時にぼくらを助けたのは潜入するためだったのか?」
疑念が確信に変わったためか、ブレードの目が鋭く光る。
だが、眼光鋭く睨まれてもタンプルは怯まない。正々堂々とした態度で申し開きを受けた。
「そんな……タンプルがエンジェリオンだったなんて」
マリアはその事実に衝撃を受けたのか、膝からそのまま崩れ落ちていく。
「……まさかハルばかりではなく、きみまでも薄汚い天使どもの力を持っていたとはな?きみは今までオレたちに混じって何を考えていたんだ?何を上に報告していた?」
ポイゾが鼻筋に皺を寄せながら尋ねた。
だが、ポイゾは何も答えない。その様子に苛立ったのか、ポイゾはタンプルの頬に向かって思いっきり拳を喰らわせたのである。
そればかりではない。馬乗りになってタンプルを執拗なまでに殴り続けていくのである。
見ていて痛々しい光景であり、ブレードとオットシャックの二人が慌てて引き離しにかかる。
だが、ポイゾは引き離されてもなお、ポイゾはタンプルを殴り付けようとしていたのだからその執念は見上げたものがある。
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