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12.彼の気持ちと自分の心
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俺が体育館に着いたのは、京介さんの講演会が始まる三十分ほど前だったが、中はすでに人で満杯だった。
一番前には生徒たちが床に腰を下ろし、その後方のパイプ椅子の保護者席もすべて埋まっている。座り切れなかった保護者たちは、体育館の左右の壁に沿って立っていた。すごい人気だ。
そういえば俺が学生だったころから、京介さんは心理学の教授として有名だったことを思い出した。コメンテーターとしてテレビに出演していたこともあった。彼の甘くも精悍な顔立ちは主婦層に絶大な人気を誇っていると聞いたこともある。人気はいまも健在らしい。
俺は他の教員と立ち話をする気にはなれず、人の輪から離れて一番後方に立った。
ふと体育館の中を見渡すと、一之宮の後姿が目に飛び込んできた。彼は前方の生徒席には座らず、立ち見の保護者に紛れて立っている。
保健室から強引に追い出したとき以来、初めて見る姿だった。毎日のように来ていたのが嘘のように、あれから一之宮は一度も保健室に顔を出さない。
一之宮はきっと怒っているのだと思う。あのとき胸倉つかんで突き飛ばしたのだから当然だ。
俺がぼんやりと後姿を見ていると、ふいに一之宮が振り返った。だが俺の顔を見るなりぱっと視線を逸らす。
……なんだよその態度。
途端に頭にきたが、すぐに悲しくなった。ここ数日、気分が落ち込んでしょうがないのだ。めそめそするような性分ではないはずなのに、一之宮に言われた言葉を思い出すと、気持ちが沈んでいってしまう。
「千草せんせ」
小さな声が聞こえた。顔を上げると、土屋がこちらに歩いてくるところだった。
「あれ? 今日土屋の出勤日じゃないよな?」
「ん。堂島さんの講演聴きに来た。結構同業者も来てんぞ」
その言葉に辺りを見回すと、確かにそれらしい姿がちらほら見えた。そっか、と小声で返し、体育館の壁に並んでもたれ掛かる。
「すごい人気だねえ。さすが堂島さん」
「お前は相変わらず京介さんびいきだよな」
昔土屋に京介さんを紹介したことがあったが、二人はすぐに意気投合していたことを思い出した。専門が同じなので、気が合うのだろう。
ふうとため息が漏れ、土屋がこちらを見た。
「ん? どうした? なんか元気ないじゃん。なんかあった?」
「別に……」
「もしかして元カレに久しぶりに会って、焼け木杭に火が付く的な?」
「そんなんじゃないって」
「それじゃどうしたんだよ。誰かさんと喧嘩したとか?」
誰かさん、という言葉に一之宮の顔を思い出す。
「喧嘩なんてしてない」
苛々して、吐き出すような口調になってしまった。土屋が「おお怖」とひょいと眉毛を上げる。触らぬ神にたたりなしとでも言うように、土屋は講演会の資料を読み始め、俺は不甲斐ない自分に唇を噛み締めた。
無関係な土屋に八つ当たりをしてするなんて最低だ。そうは思っても、憤りは消えなかった。
それもこれも全部、一之宮のせいだと思った。どうしても彼の言葉が心から離れないのだ。これ以上心を掻きまわされるくらいなら、いっそ一之宮になんて会いたくないとさえ思う。
それなのに、いつのまにか俺は引き寄せられるように一之宮の後姿を見つめていた。
大きな背中、真っ黒な固そうな髪の毛。少し見ないうちにまた身長が伸びたように見えるのは気のせいだろうか。
ちゃんと毎日学校には来てるようだけど、あまり友人のいない彼だ。保健室に来るのが彼なりの息抜きだったのかもしれない――。
「なあ千草」
隣から土屋の声が聞こえはっとした。慌てて一之宮に注いでいた視線を引き離したが遅かったらしい。土屋は俺の視線を追って、前方の一之宮をじっと見つめていた。
「な、なんだよ」
「俺が何で一之宮に構うなって言ったかわかる?」
どきりとした。今の今まで、俺が一之宮のことを考えていたのを見透かされた気になる。動揺しながらも、わからないと首を振った。
「それはな、子どもは簡単に好意を持つからだよ。こっちの都合なんてお構いなしにな」
「……何が言いたいんだ?」
意味が分からず土屋の顔を見る。
「あいつ、お前のこと好きなんじゃねえの?」
「え?」
遠いところから降ってきたような言葉に思えた。言葉の意味が頭に入ってこない。
好き……? 一之宮が、俺を?
ぽかんと口を開けることしかできない俺に、土屋は大げさに目を剥いた。
「え? お前まさか気づかなかったなんて言わねえよな? あんなに好き好き光線出てんのに?」
「そんな、わけが……」
言いかけて口を噤んだ。
脳裏に一之宮の熱っぽい瞳が蘇る。そっと俺の目元に触れる熱い指先、紅潮した頬。そうか、あれは……。
言葉が出なかった。
そう言われると確かに、最近の一之宮の態度や目線は、あからさまに好意が含まれていた。どうして今の今まで気が付かなかったのだろう。
だけど納得と同時に、胸に引っかかるものがあった。
「それならどうしてあんなこと……」
このまえ保健室で、一之宮は『堂島さんとよりを戻したほうがいい』と俺に言った。もし一之宮が俺のことを好きだったら、そんなことを言わないだろう。ちっとも自分の得にならない。
……でも、一之宮だったら。
そう思った瞬間、胸がざわめいた。
あの一之宮だ。
最低な父親さえ切り捨てられない優しい人間だ。
いつも自分よりも他人を優先することが身についてしまっている彼だ。
例え自分の得にならなくても、俺のためにそう言うんじゃないか?
「ああ――」
呻きが口から漏れた。顔を両手で覆ってずるずると床に座り込んだ俺を、土屋が驚いたように覗き込んでくる。
「千草? おい千草?」
土屋の問いかけに答えることが出来ない。
胸が引きちぎられそうに痛かった。
あとからあとから、怒りだとかいら立ちだとか哀しみとか切なさだとか、数えきれない感情が襲ってくる。それらのものが嵐のように俺の身体の中で吹き荒れて、最後に残ったものはしんとした寂しさだった。
どうして一之宮はそうなんだ。
欲しいものがあっても遠慮して手を出さないで、人のことばかり考えて。どうして彼は人に与えようとするだけなんだろう。
頭上で土屋が「はあ」と大きなため息をついた。
「お前、ほんとにアイツの気持ちに気が付かなかったのか?」
「……ああ」
俺の返答に土屋は黙り込んだ。そして吐き出すそうに呟く。
「だとしても、お前が出来ることはねえよ」
出来ることはない。そうだろうか。答えない俺に苛立つように、「そうだろ?」と土屋が言葉を重ねる。
「……ああ、そうだな」
顔を上げ、一之宮の背中を見ながら呟いた。
キーンと甲高いマイクの音が響く。
気が付くと、いつのまにか担当の教職員が体育館の前方に立っていた。講演会が始める時間だ。
「ほら、始まんぞ。立って」
「……悪かった」
土屋の手につかまってのろのろと立ち上がる。
大きな拍手がとともに、京介さんがステージの袖から出てきた。
一目で高級とわかるグレイのスーツを身に着け、にこやかな笑顔で拍手に応じている。保護者席から黄色い声が上がった。京介さんが壇上の中央にあるマイクを握り、体育館を見回して口を開く。
話しはじめた京介さんを、皆が一心に見つめていた。
頭が良くて、身のこなしもスマートで、高級な服と時計が誰より似合うような魅力的で完璧な男だ。目の前に現れたら、誰だって目で追ってしまうだろう。
だけど今、俺の目には一之宮の背中しか映らなかった。
どこにでもある制服の白いシャツを身につけて、人の影に隠れるように、まるで自分という存在を消すかのように静かに立っている。
そんな彼を見ていると、胸の奥底から湧き出てくるものがあった。清水が湧く泉のように、見えない『何か』が身体からどんどん溢れていく。
切なくて、寂しくて、でも温かくて、涙が出そうになる。
そうかと思った。
俺は『これ』を一之宮に与えたい。人に与えてばかりいる優しい彼に、注いで注いで、溢れるほどに注いで、出来れば彼の笑顔が見たい。
俺は、一之宮のことが好きなのだ。
一之宮に京介さんとよりを戻した方がいいと言われて頭が真っ白になったのも、すごく頭に来たのも、すべて一之宮のことが好きだから。
俺は目を見開き、じっと一之宮の後姿だけを見つめ続けた。
一番前には生徒たちが床に腰を下ろし、その後方のパイプ椅子の保護者席もすべて埋まっている。座り切れなかった保護者たちは、体育館の左右の壁に沿って立っていた。すごい人気だ。
そういえば俺が学生だったころから、京介さんは心理学の教授として有名だったことを思い出した。コメンテーターとしてテレビに出演していたこともあった。彼の甘くも精悍な顔立ちは主婦層に絶大な人気を誇っていると聞いたこともある。人気はいまも健在らしい。
俺は他の教員と立ち話をする気にはなれず、人の輪から離れて一番後方に立った。
ふと体育館の中を見渡すと、一之宮の後姿が目に飛び込んできた。彼は前方の生徒席には座らず、立ち見の保護者に紛れて立っている。
保健室から強引に追い出したとき以来、初めて見る姿だった。毎日のように来ていたのが嘘のように、あれから一之宮は一度も保健室に顔を出さない。
一之宮はきっと怒っているのだと思う。あのとき胸倉つかんで突き飛ばしたのだから当然だ。
俺がぼんやりと後姿を見ていると、ふいに一之宮が振り返った。だが俺の顔を見るなりぱっと視線を逸らす。
……なんだよその態度。
途端に頭にきたが、すぐに悲しくなった。ここ数日、気分が落ち込んでしょうがないのだ。めそめそするような性分ではないはずなのに、一之宮に言われた言葉を思い出すと、気持ちが沈んでいってしまう。
「千草せんせ」
小さな声が聞こえた。顔を上げると、土屋がこちらに歩いてくるところだった。
「あれ? 今日土屋の出勤日じゃないよな?」
「ん。堂島さんの講演聴きに来た。結構同業者も来てんぞ」
その言葉に辺りを見回すと、確かにそれらしい姿がちらほら見えた。そっか、と小声で返し、体育館の壁に並んでもたれ掛かる。
「すごい人気だねえ。さすが堂島さん」
「お前は相変わらず京介さんびいきだよな」
昔土屋に京介さんを紹介したことがあったが、二人はすぐに意気投合していたことを思い出した。専門が同じなので、気が合うのだろう。
ふうとため息が漏れ、土屋がこちらを見た。
「ん? どうした? なんか元気ないじゃん。なんかあった?」
「別に……」
「もしかして元カレに久しぶりに会って、焼け木杭に火が付く的な?」
「そんなんじゃないって」
「それじゃどうしたんだよ。誰かさんと喧嘩したとか?」
誰かさん、という言葉に一之宮の顔を思い出す。
「喧嘩なんてしてない」
苛々して、吐き出すような口調になってしまった。土屋が「おお怖」とひょいと眉毛を上げる。触らぬ神にたたりなしとでも言うように、土屋は講演会の資料を読み始め、俺は不甲斐ない自分に唇を噛み締めた。
無関係な土屋に八つ当たりをしてするなんて最低だ。そうは思っても、憤りは消えなかった。
それもこれも全部、一之宮のせいだと思った。どうしても彼の言葉が心から離れないのだ。これ以上心を掻きまわされるくらいなら、いっそ一之宮になんて会いたくないとさえ思う。
それなのに、いつのまにか俺は引き寄せられるように一之宮の後姿を見つめていた。
大きな背中、真っ黒な固そうな髪の毛。少し見ないうちにまた身長が伸びたように見えるのは気のせいだろうか。
ちゃんと毎日学校には来てるようだけど、あまり友人のいない彼だ。保健室に来るのが彼なりの息抜きだったのかもしれない――。
「なあ千草」
隣から土屋の声が聞こえはっとした。慌てて一之宮に注いでいた視線を引き離したが遅かったらしい。土屋は俺の視線を追って、前方の一之宮をじっと見つめていた。
「な、なんだよ」
「俺が何で一之宮に構うなって言ったかわかる?」
どきりとした。今の今まで、俺が一之宮のことを考えていたのを見透かされた気になる。動揺しながらも、わからないと首を振った。
「それはな、子どもは簡単に好意を持つからだよ。こっちの都合なんてお構いなしにな」
「……何が言いたいんだ?」
意味が分からず土屋の顔を見る。
「あいつ、お前のこと好きなんじゃねえの?」
「え?」
遠いところから降ってきたような言葉に思えた。言葉の意味が頭に入ってこない。
好き……? 一之宮が、俺を?
ぽかんと口を開けることしかできない俺に、土屋は大げさに目を剥いた。
「え? お前まさか気づかなかったなんて言わねえよな? あんなに好き好き光線出てんのに?」
「そんな、わけが……」
言いかけて口を噤んだ。
脳裏に一之宮の熱っぽい瞳が蘇る。そっと俺の目元に触れる熱い指先、紅潮した頬。そうか、あれは……。
言葉が出なかった。
そう言われると確かに、最近の一之宮の態度や目線は、あからさまに好意が含まれていた。どうして今の今まで気が付かなかったのだろう。
だけど納得と同時に、胸に引っかかるものがあった。
「それならどうしてあんなこと……」
このまえ保健室で、一之宮は『堂島さんとよりを戻したほうがいい』と俺に言った。もし一之宮が俺のことを好きだったら、そんなことを言わないだろう。ちっとも自分の得にならない。
……でも、一之宮だったら。
そう思った瞬間、胸がざわめいた。
あの一之宮だ。
最低な父親さえ切り捨てられない優しい人間だ。
いつも自分よりも他人を優先することが身についてしまっている彼だ。
例え自分の得にならなくても、俺のためにそう言うんじゃないか?
「ああ――」
呻きが口から漏れた。顔を両手で覆ってずるずると床に座り込んだ俺を、土屋が驚いたように覗き込んでくる。
「千草? おい千草?」
土屋の問いかけに答えることが出来ない。
胸が引きちぎられそうに痛かった。
あとからあとから、怒りだとかいら立ちだとか哀しみとか切なさだとか、数えきれない感情が襲ってくる。それらのものが嵐のように俺の身体の中で吹き荒れて、最後に残ったものはしんとした寂しさだった。
どうして一之宮はそうなんだ。
欲しいものがあっても遠慮して手を出さないで、人のことばかり考えて。どうして彼は人に与えようとするだけなんだろう。
頭上で土屋が「はあ」と大きなため息をついた。
「お前、ほんとにアイツの気持ちに気が付かなかったのか?」
「……ああ」
俺の返答に土屋は黙り込んだ。そして吐き出すそうに呟く。
「だとしても、お前が出来ることはねえよ」
出来ることはない。そうだろうか。答えない俺に苛立つように、「そうだろ?」と土屋が言葉を重ねる。
「……ああ、そうだな」
顔を上げ、一之宮の背中を見ながら呟いた。
キーンと甲高いマイクの音が響く。
気が付くと、いつのまにか担当の教職員が体育館の前方に立っていた。講演会が始める時間だ。
「ほら、始まんぞ。立って」
「……悪かった」
土屋の手につかまってのろのろと立ち上がる。
大きな拍手がとともに、京介さんがステージの袖から出てきた。
一目で高級とわかるグレイのスーツを身に着け、にこやかな笑顔で拍手に応じている。保護者席から黄色い声が上がった。京介さんが壇上の中央にあるマイクを握り、体育館を見回して口を開く。
話しはじめた京介さんを、皆が一心に見つめていた。
頭が良くて、身のこなしもスマートで、高級な服と時計が誰より似合うような魅力的で完璧な男だ。目の前に現れたら、誰だって目で追ってしまうだろう。
だけど今、俺の目には一之宮の背中しか映らなかった。
どこにでもある制服の白いシャツを身につけて、人の影に隠れるように、まるで自分という存在を消すかのように静かに立っている。
そんな彼を見ていると、胸の奥底から湧き出てくるものがあった。清水が湧く泉のように、見えない『何か』が身体からどんどん溢れていく。
切なくて、寂しくて、でも温かくて、涙が出そうになる。
そうかと思った。
俺は『これ』を一之宮に与えたい。人に与えてばかりいる優しい彼に、注いで注いで、溢れるほどに注いで、出来れば彼の笑顔が見たい。
俺は、一之宮のことが好きなのだ。
一之宮に京介さんとよりを戻した方がいいと言われて頭が真っ白になったのも、すごく頭に来たのも、すべて一之宮のことが好きだから。
俺は目を見開き、じっと一之宮の後姿だけを見つめ続けた。
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