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1章前半コボルト村
18.キィ―! キィ―! キィ―!
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ネオプロンの狩りはいたって順調に、トラブルもなく進んでいた。
いや、魔王様のお話を聞いていなかったという、人生で五本の指に入る、不敬罪も真っ青なトラブルを体験したのだから、多少のことがあっても今の僕にとっては些事なことなのだが。
魔王様の慈愛の元に無罪放免となった今の状況では、コボルトの食糧問題などすらも些細なことだとすら思える。
そもそも、なぜ魔王様が一兵士の任務に同行するのかもよく分からないし、先輩面されておられるのかも理解できていなかった。
魔王様の御考えを推し量ろうなどと考えている時点で不敬である。
だから先ほどから魔王様がなされていることも、よく分かっていないのだった。
いい加減聞いてみるか。
「何をなされておられるのですか」
「……」
しゃがんで、何かに集中されている。
なにやらネオプロンの胴体を使って工作をされているようだった。
太い木の枝を加工し、十字になるように蔓で巻き付けると、そこに胴体を括り付けている。
罠というには芸術性が高すぎるようにも見えるし、芸術作品にしてはやや見る者を選びすぎる気がする。万人受けでないのは確かか。
もしかしてここで火を焚いて食事の準備だろうか?
僕の中で推測が加速する。
そんな道具を作る時間があるなら、移動量を増やして狩りをした方が効率的ではないかと、言ってみたい気もするが、何かお考えがあってのことだ。
今はただ、魔王様の知恵に魅せられるしかない。
しばらく時間のかかりそうな魔王様の工作を待つ間、この時間に出来そうな首の回収に向かった。
首には既に虫がよりつき、獲物の争奪戦を繰り広げていた。
大型動物のクマやヘラジカが人間によって狩られた結果、中型の動物が増えているか思っていたが…どうやらその考えは甘すぎたようだ。
中型の狼やヤギのような動物すら森から姿を消していた。
時折聞こえる鳴き声や足音を聞くに、残っているのはムササビやウサギ、マーモットのような小型の動物ばかり。
しかしどれも可食部は少ないし、コボルトの数を維持するほどの量を確保するのは難しいだろう。
「えげつないことをする…」
人間はとり過ぎてしまった。
故意だろうと事故だろうと、その事実は変らない。
これを知れば魔王様は悲しまれるだろうか。
魔王様は人間が好きだし、僕も人間が大好きだ。人間が嫌いな魔族は少数派だろう。
なにせあんなに弱いのに、体が大きくて数も多く繁殖能力も高いのだ。増えすぎた分を少々狩ったぐらいでも十分に魔族は幸せになれる。
今まではそういう理由で生かしておいたのに……この行動は些か目に余るぞ。
そんなことを思いつつ、虫全てを小さなおにぎりに変えて平らげた。
虫に変身することはないが、単純にお腹が空いていたので、小腹に丁度よかった。
虫おにぎり、と言えば聞こえは最悪だが、普通のおにぎりだ。
「さてと…」
目的のネオプロンの首を持つと、なんとまだ生きていた。
流石に鳴き声は出せないようで、目だけがきょろきょろとしている。
ネオプロンの首もおにぎりに変えて、夜食にすることにした。
腹持ちは良い方だが、如何せん僕は大食いだ。
味はともかくとして量が重要だった。
三頭身のキュートフォルムではあるが、人間の一人や二人では足りない程度には、いつもお腹を空かせている。
ダンジョンの中では弓使いの口元しか食べることが出来なかったし、その後はなにせ、沢山動いた。人間を、欲を言うなら冒険者か美少女が食べたい。
この二種類は方向性こそ違うが、共に高級品だ。
♢♢♢
おにぎりを食べ終わると、一つあることを閃いた。
食べ物を食べるといつもこうだ、体が暖かくなって鼻の通りが良くなる。
おにぎり頭に鼻があるかはおいておくとして、とても思考がクリアになるのだ。
それに天気も素晴らしい、月が雲に隠れている。
今の状態なら、普段出来ないことだって出来るという話。
「食後変化―――ネオプロン」
おにぎり頭がパかッと割れて、中からネオプロンとしての自分が誕生した。
「キィ―! キィ―! キィ―! 」
森の同種に向けて、コチラに来るよう呼び掛けてみる。
すると森の全域から、返事の鳴き声が聞こえてきた。
「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」
森に大量の鳴き声が響き渡り、その後に無数の羽音が森を騒がせた。
想像以上に鳥の真似が上手くいったみたいだ。
全てをおにぎりにしたい気分だけれど、ココで思い出すべきは、今僕が一体誰と森に来ていて、なにをしに来たのかということ。
すぐさまおにぎり小僧に戻って、魔王様の元に向かった。
いや、魔王様のお話を聞いていなかったという、人生で五本の指に入る、不敬罪も真っ青なトラブルを体験したのだから、多少のことがあっても今の僕にとっては些事なことなのだが。
魔王様の慈愛の元に無罪放免となった今の状況では、コボルトの食糧問題などすらも些細なことだとすら思える。
そもそも、なぜ魔王様が一兵士の任務に同行するのかもよく分からないし、先輩面されておられるのかも理解できていなかった。
魔王様の御考えを推し量ろうなどと考えている時点で不敬である。
だから先ほどから魔王様がなされていることも、よく分かっていないのだった。
いい加減聞いてみるか。
「何をなされておられるのですか」
「……」
しゃがんで、何かに集中されている。
なにやらネオプロンの胴体を使って工作をされているようだった。
太い木の枝を加工し、十字になるように蔓で巻き付けると、そこに胴体を括り付けている。
罠というには芸術性が高すぎるようにも見えるし、芸術作品にしてはやや見る者を選びすぎる気がする。万人受けでないのは確かか。
もしかしてここで火を焚いて食事の準備だろうか?
僕の中で推測が加速する。
そんな道具を作る時間があるなら、移動量を増やして狩りをした方が効率的ではないかと、言ってみたい気もするが、何かお考えがあってのことだ。
今はただ、魔王様の知恵に魅せられるしかない。
しばらく時間のかかりそうな魔王様の工作を待つ間、この時間に出来そうな首の回収に向かった。
首には既に虫がよりつき、獲物の争奪戦を繰り広げていた。
大型動物のクマやヘラジカが人間によって狩られた結果、中型の動物が増えているか思っていたが…どうやらその考えは甘すぎたようだ。
中型の狼やヤギのような動物すら森から姿を消していた。
時折聞こえる鳴き声や足音を聞くに、残っているのはムササビやウサギ、マーモットのような小型の動物ばかり。
しかしどれも可食部は少ないし、コボルトの数を維持するほどの量を確保するのは難しいだろう。
「えげつないことをする…」
人間はとり過ぎてしまった。
故意だろうと事故だろうと、その事実は変らない。
これを知れば魔王様は悲しまれるだろうか。
魔王様は人間が好きだし、僕も人間が大好きだ。人間が嫌いな魔族は少数派だろう。
なにせあんなに弱いのに、体が大きくて数も多く繁殖能力も高いのだ。増えすぎた分を少々狩ったぐらいでも十分に魔族は幸せになれる。
今まではそういう理由で生かしておいたのに……この行動は些か目に余るぞ。
そんなことを思いつつ、虫全てを小さなおにぎりに変えて平らげた。
虫に変身することはないが、単純にお腹が空いていたので、小腹に丁度よかった。
虫おにぎり、と言えば聞こえは最悪だが、普通のおにぎりだ。
「さてと…」
目的のネオプロンの首を持つと、なんとまだ生きていた。
流石に鳴き声は出せないようで、目だけがきょろきょろとしている。
ネオプロンの首もおにぎりに変えて、夜食にすることにした。
腹持ちは良い方だが、如何せん僕は大食いだ。
味はともかくとして量が重要だった。
三頭身のキュートフォルムではあるが、人間の一人や二人では足りない程度には、いつもお腹を空かせている。
ダンジョンの中では弓使いの口元しか食べることが出来なかったし、その後はなにせ、沢山動いた。人間を、欲を言うなら冒険者か美少女が食べたい。
この二種類は方向性こそ違うが、共に高級品だ。
♢♢♢
おにぎりを食べ終わると、一つあることを閃いた。
食べ物を食べるといつもこうだ、体が暖かくなって鼻の通りが良くなる。
おにぎり頭に鼻があるかはおいておくとして、とても思考がクリアになるのだ。
それに天気も素晴らしい、月が雲に隠れている。
今の状態なら、普段出来ないことだって出来るという話。
「食後変化―――ネオプロン」
おにぎり頭がパかッと割れて、中からネオプロンとしての自分が誕生した。
「キィ―! キィ―! キィ―! 」
森の同種に向けて、コチラに来るよう呼び掛けてみる。
すると森の全域から、返事の鳴き声が聞こえてきた。
「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」「キィ―! キィ―! キィ―! 」
森に大量の鳴き声が響き渡り、その後に無数の羽音が森を騒がせた。
想像以上に鳥の真似が上手くいったみたいだ。
全てをおにぎりにしたい気分だけれど、ココで思い出すべきは、今僕が一体誰と森に来ていて、なにをしに来たのかということ。
すぐさまおにぎり小僧に戻って、魔王様の元に向かった。
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