47 / 64
1章後半 デビルサイド編
47.正義マンの大暴走
しおりを挟む
先ほど立ち寄った民家の玄関を跨ぎ、食事をする牛鬼族の背後を取る。
「なんだぁ、また来たのかー? 」
振り返った兵士はセシリーの姿を視界に捉えるとスゥーと冷静な表情に戻った。
「なんだ、人間か。そこでジッとしてろ。動いたら殺すぞ」
一歩、兵士の背後に近寄るように踏み出す。
「動くなって言ったろうが! 」
兵士は片膝をついたまま、体を捻り腰の剣を抜刀した。顔の前に小さく風が吹き、パラッと前髪が落ちる。
それでコチラも間合いを測ることが出来たので、間合いを取って適当に部屋の中に散乱していた長椅子や皿を顔面に投げつけた。
「…ナァ!? 」
直撃した長椅子の足が目に刺さり、うずくまる兵士。
見た目は美少女だが中身は魔族だ。当然投擲速度も魔族スペックのため、油断していた兵士は不意の一撃にうずくまることとなった。
この兵士もまさか、自分の味方に攻撃されるなんて思ってもみなかっただろう。
恨むなら仕事中に仕事以外のことをしていた自分を恨むんだな。
「まずは一体…」
うずくまる兵士に拳を振るい、この民家にもう一つの血だまりを作った。
最後の最後まで握った剣を話すことはなかったが、息の根が止まった後ではそれも難しい。
兵士の長剣と腰に差していた短剣を奪い、僕は民家を出た。
「長剣かぁ……士官学校で使った以来かも」
通りでいくつか教科書通りの動きをすると、意外にも覚えていることに感動する。
「へぇ~、結構いいじゃん」
短刀をくるくる回しながら、セシリーの体でどの程度動けそうかの確認も行う。
「へへっ。問題ないわね」
腰に短刀をさして長剣を手に持ち徘徊していると、通りでまた別の魔族と対面した。
「貴様、冒険者か」
今度は蜥蜴族の兵士だ。抜かれたサーベルには既に人間を切ったのか、血が滴り落ちている。
「あー…違うわ。あなた達の邪魔をする気はないから。とっととこの町占領しちゃって! それじゃあ…」
「待てッ! 貴様も広場へ向かって貰おうか」
「アタシはアタシで人間を食べている魔族がいるから倒してるだけ。貴方は食べてないでしょ? だったらアタシの敵じゃないわ」
「???」
一体僕が何を言っているのか分からないと言った表情だ。
混乱するのも無理はない。姿は人間でも僕は君たちの味方だからな。
「人間を傷つけないように誘導しているんでしょ! だったら、アタシ何にも文句言わないから! ほら、さっさと仕事に戻りなさい! 」
「コイツ頭がおかしいのか…! いや、どうやら立場が分かっていないようだな! 」
そう言って斬りかかってきたので、剣を弾き飛ばして兵士の体を蹴り飛ばした。
「ぐはっ…」
一撃で昏倒させる威力の蹴りに、大きな音が鳴り響いた。
そしてそれにつられて周りに大勢の魔族が集まってきてしまった。
取り囲むようにして迫る盾と剣を持った兵士達。
「だから! 言ってるでしょ! とっととこの町を占領しちゃえばいいじゃない! この町の支配権なんてどーでもいいの! アタシはこの町で降参した人達の味方なんだから! 」
だから早く自分達の仕事に戻って欲しいと、そう伝えたつもりだったが、なぜか聞き入れて貰えず、周りはゲラゲラと笑う魔族が数を増して取り囲むようになった。
困った、このままでは取り囲んでなぶり殺しにされる。
「スタァァァプ! みんなちょっと落ち着きなさいよ! こんな可憐な少女相手にこの大人数はなに!? 全員玉無しってワケ!? 漢気あるなら、アタシとタイマンしなさいよ! 」
キャーキャー、と次いでに叫んでみる。
周りが既に子供の泣き叫ぶ声やら、斬られた痛みで泣き叫ぶ大人が大勢いるため、なんだか一体感が生まれたような気がして楽しかった。
「威勢のいい女じゃねえか。俺様が相手してやるよ」
悪い笑い方をしている魔族の中から、一体の兵士が名乗りを上げた。僕を見て舌なめずりをする、下卑た笑みを浮かべる人狼族の男だ。
クロックドムッシュと同じ種族なのに、品性の問題でこっちは野良犬のように見える。というか、なんだか流れでなぶり殺しを回避できたところを見るに、やはり美少女の凄さがあるように思えた。
古今東西人間だろうと魔族だろうと、美少女は辱めてから嬲り殺しにしたいという欲求がきっとそうさせるんだろう。
ありがとうセシリー、今は君の美顔が命綱だ。
「オンナぁ! 名を名乗れ」
「デビルサイドの冒険者、弓使いのセシリー。アタシが勝ったらアンタら全員この町の人を殺すんじゃないわよ! 」
「クハハハッ…お前、俺に勝つつもりか。いいか野郎ども! 何分持つか賭けの始まりだァ!」
僕と人狼の兵士を取り囲むようにして、試合のリングが出来上がる。ギャラリーは美少女が狼男に嬲り殺しされるのを待ち望む兵士達で賑わいを見せた。
「武器は何を使うんだ。まさかタイマンで弓引く気か? 」
「アンタが出来るなら、お互い拳でいいけど? 」
「そりゃあダメだ。ハンデがねぇと盛り上がらねぇだろ。お前はその剣を使え。俺はこの爪を使う」
そう言って狼男は両手を広げ、爪を三十センチほどの長さまで伸ばして見せた。人狼の爪は細かなギザギザのせいで、当たれば服や皮膚が引っ掛かるようになっているため、ギリギリで避けようとすればかえって危険な作りになっている。
だから傍から見れば、武器を使うコチラが有利な戦いに見えるかも知れないが、武器で有利不利を決めるならこの戦いはイーブンだった。
「アタシがその爪全部折ったら勝ちにしてくれる? 」
「クッハッハッハッハッ、生意気な女だぜ! 良いぜ! 気に入った! 全部折れたら俺の負けだァ。そんだけ言うんだ、ちったー楽しませてくれるんだろうなァ? 」
「さぁどうかしら。アンタよりかは動ける自身あるけどね」
そう言って剣を胸の前で立てるように構えた。
「ほうっ、その構え…お前さん魔族式の剣術が出来るのか」
兵士が驚いたような声で、自分もハッとした。そう言えばみんな同じ学校を出た先輩だから剣の流派は一緒なのだ。参ったな…。魔族だって発覚するようなことがあったら面倒くさいぞ。
「行くわ! 」
余計なことを話す前に黙らせなければならない。
ステップを踏んで距離を縮める。
そしてその勢いのまま、喉元に向かって剣を突き刺した。
「ウォ!? 」
がしかし、兵士は頭を後ろに引っ込めると、爪で剣を弾いた。
一瞬の攻防に、静まり返る魔族の兵士達。
さらに黙らせてやろうと、上段から瞬時にふくらはぎを斬り返す。続いて小手、顎、肩、そして脇腹。
美少女の顔面をボコボコにする予定だった兵士の顔がみるみる青ざめていくのが分かった。
「タイマンは少し可哀想だったわね」
人狼の兵士は力なく膝をついた。
なぜ人間がこれほど俊敏に動けるのか、なぜ味方が負けているのか、魔王軍の兵士達は驚きに目を丸くしている。
そんな彼らの前で、人狼の頭を剣の柄で殴り倒して昏倒させ、長く伸びた爪を剣で叩き折るのはとてもスカッとさせられた。
「ッシャオラァ! どうした! アタシに勝てる奴、出てこいやー! 」
足の止血のために、輪の外へと引きずられ消えていく人狼を見送りながら、鼻息も荒く次の挑戦者を所望する。
オォ、という声が兵士達の中から上がり、ガシャンガシャンと武器と盾を叩いて賞賛の音が響いた。
「次の相手は俺だァ! 」
そう言って次から次へと、魔族が続いたが、タイマンである以上コチラも負けるワケにはいかず、先輩の胸を借りて全員ボコボコにし続けた。
そうしてたった一人の攻防戦が続く中で、遠くの方から兵たちを掻き分けて大きな体がその輪に入って来るのを視界の端に捉えた。
あの姿を見間違うはずはない、大蜘蛛のアラーニ様だ。
「その試合、このアラーニが預からせて貰おう! 」
町が振動するような大声がデビルサイドに響いた。
全身が声の振動でビリビリと震える。声だけで内臓が思いっきりシェイクされたような気持ちの悪さを感じた。
これが四天王アラーニの実力…。
「一体何者がこの騒動を起こしているのだ」
そう言ってジロリと頭にある沢山の眼で、コチラを見る。
「人間か。であればちょうどいい。この町の代表を今から貴女に任命する。俺の言う通りに条約を結んで欲しい。もちろん拒否権はない。分かったかね」
そういって、アラーニは蜘蛛の糸をセシリーの体に巻き付けた。
「うわぁ! 」
「悪いが、このまま引っ張って連れて行く。他の人間達にも良い見せしめになって貰おう。……まったく、こんな湿気た狩りはもう終わりだ。つまらん」
弱い相手を一方的に殺戮していくのは、流石につまらなかったのかアラーニ様の機嫌はすこぶる悪いようだった。
「ウギャーー! 話せー‼ 」
そう言いつつも、コチラとしては願ったりかなったりの状況ではあった。
蜘蛛糸で引きずられながら街中を見て回ったが、生き残りの衛兵や冒険者はいないようで全てが皆殺しになっている代わりに、町の人間は噴水広場に集まり震えている状態に落ち着いていたからである。
何人かは町の人間も死んでいるが、それでも占領戦で流れた血だと思えばかなり少ない量だと思えた。
やはり武器を持たない人間には手を出さないという事前告知と、後は魔王軍の練度が今回の作戦の成功を支えたと言っても過言ではないだろう。
魔王軍の練度ということはつまり魔王様のお力の成果ということだ。魔王様はやはり改めて素晴らしいお方だな。
「なんだぁ、また来たのかー? 」
振り返った兵士はセシリーの姿を視界に捉えるとスゥーと冷静な表情に戻った。
「なんだ、人間か。そこでジッとしてろ。動いたら殺すぞ」
一歩、兵士の背後に近寄るように踏み出す。
「動くなって言ったろうが! 」
兵士は片膝をついたまま、体を捻り腰の剣を抜刀した。顔の前に小さく風が吹き、パラッと前髪が落ちる。
それでコチラも間合いを測ることが出来たので、間合いを取って適当に部屋の中に散乱していた長椅子や皿を顔面に投げつけた。
「…ナァ!? 」
直撃した長椅子の足が目に刺さり、うずくまる兵士。
見た目は美少女だが中身は魔族だ。当然投擲速度も魔族スペックのため、油断していた兵士は不意の一撃にうずくまることとなった。
この兵士もまさか、自分の味方に攻撃されるなんて思ってもみなかっただろう。
恨むなら仕事中に仕事以外のことをしていた自分を恨むんだな。
「まずは一体…」
うずくまる兵士に拳を振るい、この民家にもう一つの血だまりを作った。
最後の最後まで握った剣を話すことはなかったが、息の根が止まった後ではそれも難しい。
兵士の長剣と腰に差していた短剣を奪い、僕は民家を出た。
「長剣かぁ……士官学校で使った以来かも」
通りでいくつか教科書通りの動きをすると、意外にも覚えていることに感動する。
「へぇ~、結構いいじゃん」
短刀をくるくる回しながら、セシリーの体でどの程度動けそうかの確認も行う。
「へへっ。問題ないわね」
腰に短刀をさして長剣を手に持ち徘徊していると、通りでまた別の魔族と対面した。
「貴様、冒険者か」
今度は蜥蜴族の兵士だ。抜かれたサーベルには既に人間を切ったのか、血が滴り落ちている。
「あー…違うわ。あなた達の邪魔をする気はないから。とっととこの町占領しちゃって! それじゃあ…」
「待てッ! 貴様も広場へ向かって貰おうか」
「アタシはアタシで人間を食べている魔族がいるから倒してるだけ。貴方は食べてないでしょ? だったらアタシの敵じゃないわ」
「???」
一体僕が何を言っているのか分からないと言った表情だ。
混乱するのも無理はない。姿は人間でも僕は君たちの味方だからな。
「人間を傷つけないように誘導しているんでしょ! だったら、アタシ何にも文句言わないから! ほら、さっさと仕事に戻りなさい! 」
「コイツ頭がおかしいのか…! いや、どうやら立場が分かっていないようだな! 」
そう言って斬りかかってきたので、剣を弾き飛ばして兵士の体を蹴り飛ばした。
「ぐはっ…」
一撃で昏倒させる威力の蹴りに、大きな音が鳴り響いた。
そしてそれにつられて周りに大勢の魔族が集まってきてしまった。
取り囲むようにして迫る盾と剣を持った兵士達。
「だから! 言ってるでしょ! とっととこの町を占領しちゃえばいいじゃない! この町の支配権なんてどーでもいいの! アタシはこの町で降参した人達の味方なんだから! 」
だから早く自分達の仕事に戻って欲しいと、そう伝えたつもりだったが、なぜか聞き入れて貰えず、周りはゲラゲラと笑う魔族が数を増して取り囲むようになった。
困った、このままでは取り囲んでなぶり殺しにされる。
「スタァァァプ! みんなちょっと落ち着きなさいよ! こんな可憐な少女相手にこの大人数はなに!? 全員玉無しってワケ!? 漢気あるなら、アタシとタイマンしなさいよ! 」
キャーキャー、と次いでに叫んでみる。
周りが既に子供の泣き叫ぶ声やら、斬られた痛みで泣き叫ぶ大人が大勢いるため、なんだか一体感が生まれたような気がして楽しかった。
「威勢のいい女じゃねえか。俺様が相手してやるよ」
悪い笑い方をしている魔族の中から、一体の兵士が名乗りを上げた。僕を見て舌なめずりをする、下卑た笑みを浮かべる人狼族の男だ。
クロックドムッシュと同じ種族なのに、品性の問題でこっちは野良犬のように見える。というか、なんだか流れでなぶり殺しを回避できたところを見るに、やはり美少女の凄さがあるように思えた。
古今東西人間だろうと魔族だろうと、美少女は辱めてから嬲り殺しにしたいという欲求がきっとそうさせるんだろう。
ありがとうセシリー、今は君の美顔が命綱だ。
「オンナぁ! 名を名乗れ」
「デビルサイドの冒険者、弓使いのセシリー。アタシが勝ったらアンタら全員この町の人を殺すんじゃないわよ! 」
「クハハハッ…お前、俺に勝つつもりか。いいか野郎ども! 何分持つか賭けの始まりだァ!」
僕と人狼の兵士を取り囲むようにして、試合のリングが出来上がる。ギャラリーは美少女が狼男に嬲り殺しされるのを待ち望む兵士達で賑わいを見せた。
「武器は何を使うんだ。まさかタイマンで弓引く気か? 」
「アンタが出来るなら、お互い拳でいいけど? 」
「そりゃあダメだ。ハンデがねぇと盛り上がらねぇだろ。お前はその剣を使え。俺はこの爪を使う」
そう言って狼男は両手を広げ、爪を三十センチほどの長さまで伸ばして見せた。人狼の爪は細かなギザギザのせいで、当たれば服や皮膚が引っ掛かるようになっているため、ギリギリで避けようとすればかえって危険な作りになっている。
だから傍から見れば、武器を使うコチラが有利な戦いに見えるかも知れないが、武器で有利不利を決めるならこの戦いはイーブンだった。
「アタシがその爪全部折ったら勝ちにしてくれる? 」
「クッハッハッハッハッ、生意気な女だぜ! 良いぜ! 気に入った! 全部折れたら俺の負けだァ。そんだけ言うんだ、ちったー楽しませてくれるんだろうなァ? 」
「さぁどうかしら。アンタよりかは動ける自身あるけどね」
そう言って剣を胸の前で立てるように構えた。
「ほうっ、その構え…お前さん魔族式の剣術が出来るのか」
兵士が驚いたような声で、自分もハッとした。そう言えばみんな同じ学校を出た先輩だから剣の流派は一緒なのだ。参ったな…。魔族だって発覚するようなことがあったら面倒くさいぞ。
「行くわ! 」
余計なことを話す前に黙らせなければならない。
ステップを踏んで距離を縮める。
そしてその勢いのまま、喉元に向かって剣を突き刺した。
「ウォ!? 」
がしかし、兵士は頭を後ろに引っ込めると、爪で剣を弾いた。
一瞬の攻防に、静まり返る魔族の兵士達。
さらに黙らせてやろうと、上段から瞬時にふくらはぎを斬り返す。続いて小手、顎、肩、そして脇腹。
美少女の顔面をボコボコにする予定だった兵士の顔がみるみる青ざめていくのが分かった。
「タイマンは少し可哀想だったわね」
人狼の兵士は力なく膝をついた。
なぜ人間がこれほど俊敏に動けるのか、なぜ味方が負けているのか、魔王軍の兵士達は驚きに目を丸くしている。
そんな彼らの前で、人狼の頭を剣の柄で殴り倒して昏倒させ、長く伸びた爪を剣で叩き折るのはとてもスカッとさせられた。
「ッシャオラァ! どうした! アタシに勝てる奴、出てこいやー! 」
足の止血のために、輪の外へと引きずられ消えていく人狼を見送りながら、鼻息も荒く次の挑戦者を所望する。
オォ、という声が兵士達の中から上がり、ガシャンガシャンと武器と盾を叩いて賞賛の音が響いた。
「次の相手は俺だァ! 」
そう言って次から次へと、魔族が続いたが、タイマンである以上コチラも負けるワケにはいかず、先輩の胸を借りて全員ボコボコにし続けた。
そうしてたった一人の攻防戦が続く中で、遠くの方から兵たちを掻き分けて大きな体がその輪に入って来るのを視界の端に捉えた。
あの姿を見間違うはずはない、大蜘蛛のアラーニ様だ。
「その試合、このアラーニが預からせて貰おう! 」
町が振動するような大声がデビルサイドに響いた。
全身が声の振動でビリビリと震える。声だけで内臓が思いっきりシェイクされたような気持ちの悪さを感じた。
これが四天王アラーニの実力…。
「一体何者がこの騒動を起こしているのだ」
そう言ってジロリと頭にある沢山の眼で、コチラを見る。
「人間か。であればちょうどいい。この町の代表を今から貴女に任命する。俺の言う通りに条約を結んで欲しい。もちろん拒否権はない。分かったかね」
そういって、アラーニは蜘蛛の糸をセシリーの体に巻き付けた。
「うわぁ! 」
「悪いが、このまま引っ張って連れて行く。他の人間達にも良い見せしめになって貰おう。……まったく、こんな湿気た狩りはもう終わりだ。つまらん」
弱い相手を一方的に殺戮していくのは、流石につまらなかったのかアラーニ様の機嫌はすこぶる悪いようだった。
「ウギャーー! 話せー‼ 」
そう言いつつも、コチラとしては願ったりかなったりの状況ではあった。
蜘蛛糸で引きずられながら街中を見て回ったが、生き残りの衛兵や冒険者はいないようで全てが皆殺しになっている代わりに、町の人間は噴水広場に集まり震えている状態に落ち着いていたからである。
何人かは町の人間も死んでいるが、それでも占領戦で流れた血だと思えばかなり少ない量だと思えた。
やはり武器を持たない人間には手を出さないという事前告知と、後は魔王軍の練度が今回の作戦の成功を支えたと言っても過言ではないだろう。
魔王軍の練度ということはつまり魔王様のお力の成果ということだ。魔王様はやはり改めて素晴らしいお方だな。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる