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第1章
第8話:森の中
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私は森の中を確認することにした。
だが、空の黒雲のせいで、森がどんよりと暗い感じになっている。ちょっと怖い。
「ね、ねえ、フォルちゃん。森の中を案内してくれない?」
「はい、女神様」
フォルちゃんと二人で、森の中に入っていく。女神の威厳として、『怖いから一緒に来て欲しい』とは言わない。
歩きつつ、ふと思う。
あれ? 湖の周りも木が生えて繋がっているし、ある意味、森の中に湖があるのか? と思ったけど、これからの森の冒険が楽しみなので、些細なことは放っておく。
森の中に入ると、僅かな木漏れ日がある。空がほとんど黒雲に覆われているせいか、本当にわずかではあるが……。
歩いていると、フォルちゃんが話しかけてきた。
「これどうぞ」
私は渡されたものを受け取る。
フォルちゃんが森の中をふわふわと飛び回り、もいできてくれた赤い小さな木の実の房。房から一粒取って、口に放り込んでみる。
「甘くておいしい~」
ほっぺたがとろけおちそうだ。この世界に来て僅かだが、甘いものを食べていない。いや、前世も合わせたら、少なくとも五年くらいは甘味を口にしていない。私はガツガツとその房についていた赤い木の実を食べつくした。
「ふぅ~、美味しかった」
私は食べ終わった房を手に持ち、頭を悩ませる。
(これはその辺にポイって捨てていいのかな? ポイ捨てOK?)
悩んでいたら、フォルちゃんが察してくれたようで、私の手から取り上げて、大きな木の根元に置いて説明してくれた。
「リサイクルです。木々は、黒雲のせいで、光合成をして栄養を得ることができない。だから、せめて土に還して栄養とするんですよ」
なるほど……その理屈は分かった。でも、結局のところ、森にポイ捨てをしていいという認識でいいよね?
私はその件に関してはそういうことにしておいて、自分の心と見つめあう。
(これを孤児院の子たちにも、食べさせてあげたい!)
そう思った私は、フォルちゃんにお願いをする。
「ねえ、フォルちゃん。この木の実を持って帰りたい!」
「わかりました。集めてきますね」
すると、フォルちゃんが次々と持って来てくれる。両手では持ちきれなくなって、どうしようかと迷う。孤児院の子たちやミシアさんにあげる分も考えると、もっと欲しい。
そこで私はスカートの裾を掴んで、受け皿にした。
「フォルちゃん、ここに入れて」
「はい」
次々と集まる木の実。だんだんと重くなってきた。
「フォルちゃん、スト~ップ。もう持てないよ」
クスクスと笑うフォルちゃん。私もその笑顔につられて笑う。
フォルちゃんにお礼を言って、ミシアさんの元に戻った。
道中、ぷるぷると手を震えさせつつ……。
「ただいまぁ~」
私は、孤児院のドアの外から声を上げる。
その声を聴いて、ドアを開けてミシアさんが顔を出した。
「あら? サオリ、今日は帰りが早いわね……ってどうしたの? その沢山の木の実は?」
「昨日話した湖の所にある森で、木の実を取ってきたんだよ。これで信じてくれる?」
「え、ええ、大の大人でも、探せなかった森を見つけたのはわかったわ。湖もあるのね?」
「うん、魚も泳いでいるよ!」
ミシアさんが動揺している。サプライズ的でなんか楽しい。
私はミシアさんが信じてくれたことを嬉しく思った。だが次に出てきた言葉で、嫌な気分になった。
「じゃあ、確認をしたら、村の人達にも話しましょう」
「え~、なんで村の人達に話すの? みんな私がこの村に来たとき、誰も助けてくれなかったのに」
「それはね、みんな心に余裕がなかったからなのよ。私が村のみんなに代わって謝るわ。ごめんなさいね」
ミシアさんは優しすぎる。村人が悪いのに、なんでミシアさんが代わりに、私に謝るのか分からない。
ともかく、働いている子たちがみんなお休みの時に、孤児院のみんなで出かけることになった。
だが、空の黒雲のせいで、森がどんよりと暗い感じになっている。ちょっと怖い。
「ね、ねえ、フォルちゃん。森の中を案内してくれない?」
「はい、女神様」
フォルちゃんと二人で、森の中に入っていく。女神の威厳として、『怖いから一緒に来て欲しい』とは言わない。
歩きつつ、ふと思う。
あれ? 湖の周りも木が生えて繋がっているし、ある意味、森の中に湖があるのか? と思ったけど、これからの森の冒険が楽しみなので、些細なことは放っておく。
森の中に入ると、僅かな木漏れ日がある。空がほとんど黒雲に覆われているせいか、本当にわずかではあるが……。
歩いていると、フォルちゃんが話しかけてきた。
「これどうぞ」
私は渡されたものを受け取る。
フォルちゃんが森の中をふわふわと飛び回り、もいできてくれた赤い小さな木の実の房。房から一粒取って、口に放り込んでみる。
「甘くておいしい~」
ほっぺたがとろけおちそうだ。この世界に来て僅かだが、甘いものを食べていない。いや、前世も合わせたら、少なくとも五年くらいは甘味を口にしていない。私はガツガツとその房についていた赤い木の実を食べつくした。
「ふぅ~、美味しかった」
私は食べ終わった房を手に持ち、頭を悩ませる。
(これはその辺にポイって捨てていいのかな? ポイ捨てOK?)
悩んでいたら、フォルちゃんが察してくれたようで、私の手から取り上げて、大きな木の根元に置いて説明してくれた。
「リサイクルです。木々は、黒雲のせいで、光合成をして栄養を得ることができない。だから、せめて土に還して栄養とするんですよ」
なるほど……その理屈は分かった。でも、結局のところ、森にポイ捨てをしていいという認識でいいよね?
私はその件に関してはそういうことにしておいて、自分の心と見つめあう。
(これを孤児院の子たちにも、食べさせてあげたい!)
そう思った私は、フォルちゃんにお願いをする。
「ねえ、フォルちゃん。この木の実を持って帰りたい!」
「わかりました。集めてきますね」
すると、フォルちゃんが次々と持って来てくれる。両手では持ちきれなくなって、どうしようかと迷う。孤児院の子たちやミシアさんにあげる分も考えると、もっと欲しい。
そこで私はスカートの裾を掴んで、受け皿にした。
「フォルちゃん、ここに入れて」
「はい」
次々と集まる木の実。だんだんと重くなってきた。
「フォルちゃん、スト~ップ。もう持てないよ」
クスクスと笑うフォルちゃん。私もその笑顔につられて笑う。
フォルちゃんにお礼を言って、ミシアさんの元に戻った。
道中、ぷるぷると手を震えさせつつ……。
「ただいまぁ~」
私は、孤児院のドアの外から声を上げる。
その声を聴いて、ドアを開けてミシアさんが顔を出した。
「あら? サオリ、今日は帰りが早いわね……ってどうしたの? その沢山の木の実は?」
「昨日話した湖の所にある森で、木の実を取ってきたんだよ。これで信じてくれる?」
「え、ええ、大の大人でも、探せなかった森を見つけたのはわかったわ。湖もあるのね?」
「うん、魚も泳いでいるよ!」
ミシアさんが動揺している。サプライズ的でなんか楽しい。
私はミシアさんが信じてくれたことを嬉しく思った。だが次に出てきた言葉で、嫌な気分になった。
「じゃあ、確認をしたら、村の人達にも話しましょう」
「え~、なんで村の人達に話すの? みんな私がこの村に来たとき、誰も助けてくれなかったのに」
「それはね、みんな心に余裕がなかったからなのよ。私が村のみんなに代わって謝るわ。ごめんなさいね」
ミシアさんは優しすぎる。村人が悪いのに、なんでミシアさんが代わりに、私に謝るのか分からない。
ともかく、働いている子たちがみんなお休みの時に、孤児院のみんなで出かけることになった。
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