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第2章
第4話:原因
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私は着替えをせずにそのまま寝転ぶ。視線の先には天井があるのみ。天井の汚れにあちこち視線を移しつつ、考える。
(川の源流ってどこにあるんだろう? 大きい川じゃないから、近いと思うんだけどなぁ~)
私は身体を起こし、部屋に備え付けの一つだけある椅子を、窓際に運んだ。そして、そこに座る。
椅子に座りながら、外の景色を眺める。正確に言うと、家々の明かりである。
退屈に感じつつも観察をする。時間の経過とともに、段々と明かりが消えていく。室内から見える範囲の明かりが消えたら、今度は窓を開けて顔を出す。
きょろきょろと見える範囲で明かりが消えていることを確認する。他の家の明かりはすべて消えたようだ。この宿屋の明かりも確認する。私の他に宿泊客はいない。一階に明かりが灯っている。スーリさんたちがまだ起きているのだろうか? 私は様子を見守る。
やがて、一階の明かりもすべて消えた。
私はひとまず窓を閉める。そして、自分の部屋の明かりも消した。
(あ! 思ったよりも暗い)
目が慣れていないせいか、室内のものが見えなくなった。以前宿泊したときは、暗さを気にする状況がなかったので、計画に想定外のことが起きた。
窓があるから、黒雲さえなければ、月明かりとかで見えただろうけど、それは叶わない。
スキルを作ることにした。スーリさんたちに声が聞こえないように、小声で『暗視スキル』を作成した。
作成をしたものの、室内の見える状況は変わらない。使用することを意識してみると、部屋の明かりが灯っているときと同じ彩りが私の目に映った。どうやら、オン、オフの切り替え式のようだ。
(おお~! これで自由に動けるぞ!)
私は変身魔法で女神の姿になり、再び窓を開ける。
大きいとは言えない普通サイズの窓。そこから飛ぼうと思っている……のだが、落ちそうで怖い。外の暗い景色の怖さも相まって、思わず身震いをする。
今まで飛ぶときは、広い場所からの飛行であった。広さがぎりぎりと思える窓。そして、二階という高さ。鳥の雛が巣立つときは、こんな恐怖体験をしているのだろうか?
そんなことを思いつつ、私は覚悟を決めて、窓から飛び出した。
落下していき、地面はすぐそこ。絶叫マシン並みの恐怖で、悲鳴すら出せない。慌てて私は翼を全力で羽ばたかせた。急上昇して、なんとか地面に激突しないで済んだ。
(ふぅ~)
私は溜息を吐き、更に上昇した。黒雲よりも下くらいまで。
私は北東を目指して、飛んでいく。暗視スキルのおかげで、川はきちんと見えている。上流へと向かう。なぜか馬車の轍らしきものもある。この先に村でもあるのか? そう思っていたが、轍は途切れていた。
しばらく飛ぶと、源流が見えてきた。どうやら湧き水のようだ。そして、湧き水が雨によって川が大きくなっていると思われる。
今も夜空に星を隠すほどの、黒雲で覆われている。この黒雲、雨を降らす黒雲と何が違うのだろうか?
不思議に思いつつも、辺りを見渡し、人がいないことを確認して、源流の近くに着陸した。
女神の姿から人間の姿に戻り、暗視スキルをオンにしたまま、源流を鑑定スキルも併用して調べる。
ところが普通の水である。いや、普通ではない。良い方向で『綺麗な湧き水』と鑑定結果が出ている。
どこから毒が入り込んでいるのか、鑑定スキルを使いつつ、下流に向かう。結構な距離を飛んできたので、骨が折れそうな作業である。
だが、思ったよりも早く原因と思われるものを見つけた。先ほどの轍が途切れていたところである。
「なんだこりゃ!」
おかしな光景に、私は絶句した。
川の中に鑑定スキルの反応があった。『微毒』どころか『猛毒』となっている。街の所の川が『微毒』だったのは、雨で薄まったせいであろう。しかもその『猛毒』の反応は沢山ある。
私はスカートの裾を縛り、川の中にじゃぶじゃぶと入っていく。すると急に具合が悪くなってきた。慌てて川から上がり、地面に四つん這いになる。
(はぁ、はぁ、……猛毒だらけの所に入ったら、具合が悪くなってきた)
私は急いで浄化魔法を使う。すると身体が楽になった。
(う~ん? あの猛毒をどけないとだね。どうしたものだろう?)
悩む。私が以前読んでいたファンタジーには、どんな能力があったっけ?
絶対記憶を得るよりも前のことなので、思い出すのに必死である。絶対記憶も記憶をすることはできるみたいだが、それを引き出せるかどうかはまた別みたいに感じる。
転生前、いや、そこから更に五年以上前に遡り、記憶を辿る。そして、今必要としている記憶に辿り着いた。
(『毒無効スキル』だ!)
閃いたら早速実行する。念のためにステータス画面も確認した。毒無効スキルがちゃんとできていなかったら、死んでしまうかもしれない。
(うん、ちゃんとできているね)
私は確認してほっとした。そして、再び川に向かい、足をそっと入れてみる。しばらくそのままにしてみるが、毒の効果は出てこない。私は安心して、川の中に入っていった。
そして、毒の石らしきものを一つ手に取り眺める。
(これは……ただの石ではなさそうだね。なんか見た目が禍々しい)
私はその禍々しい石を、川から拾いあげて、川辺に積み上げていく。なぜか結構な数がある。なぜだろう?
不思議に思いつつも、黙々と作業を続ける。屈んでいるので、たまに腰をトントンと叩いて疲労を逃す。
全部を拾い上げると、この後をどうするかを考える。
(この猛毒の石。そのままにしておいたら危ないよね……かと言って、どこかに適当に捨てるわけにもいかないし……)
再び、過去の記憶を辿る。今度はすぐに答えが出た。
(アイテムボックスだ!)
私はスキル創造スキルで、アイテムボックスを作った。無限に入り、中では時間が止まる。
猛毒の石を一つ手に取り、試しに入れてみることにする。
アイテムボックスをイメージすると、私の目の前に、黒い丸いものが出てきた。そこにそっと入れてみる。問題なく入った。出すときは? 容量が無限なので、かなり奥深くに入った可能性もある。入れた猛毒の石を頭に思い浮かべながら、再び黒い丸いものに手を突っ込む。
すると、あっさりと取り出せた。広いとか奥が深いとかいう物理的なものではなく、魔法的な不思議なものと考えがしっくりとくる。
検証も終わったので、どんどんと猛毒の石をアイテムボックスに投げ込んでいく。
全ての回収を終えると、地面に寝転んだ。
「疲れた~」
寝転びながら、考える。なんでこんなところに猛毒の石が沢山あるのだろう? 上流の岩が下流に行くほど小さくなるのは、小学校の授業で習ったが、猛毒の石と普通の石を比較すると、普通の石よりも小さい。
考えているところで、朝陽が顔を出してきた。
(まずい! 早く帰らないと!)
私は女神の姿になり、上空を全速力で飛ぶ。この川の源流は街よりも北東にあるので、まだ街は暗いはずである。私は太陽の光に追いかけられながら、宿屋へと向かった。
街の中は少し明るくなっている。明るくなっていると言っても、夜よりはということであって、黒雲のせいで日頃からそんなに明るくはないけど。だが、私の姿を目視できてしまうかもしれない。慌てて宿屋の窓から開け放っていた自室に飛び込んだ。
勢いよく飛び込んだものだから、ドタンと音を立ててしまった。私は慌てて口を塞ぐ。いや、口を塞いでも仕方がない。急ぐべきは女神の姿から人間の姿に戻ること。変身魔法を使い、人間の姿に戻った。
(川の源流ってどこにあるんだろう? 大きい川じゃないから、近いと思うんだけどなぁ~)
私は身体を起こし、部屋に備え付けの一つだけある椅子を、窓際に運んだ。そして、そこに座る。
椅子に座りながら、外の景色を眺める。正確に言うと、家々の明かりである。
退屈に感じつつも観察をする。時間の経過とともに、段々と明かりが消えていく。室内から見える範囲の明かりが消えたら、今度は窓を開けて顔を出す。
きょろきょろと見える範囲で明かりが消えていることを確認する。他の家の明かりはすべて消えたようだ。この宿屋の明かりも確認する。私の他に宿泊客はいない。一階に明かりが灯っている。スーリさんたちがまだ起きているのだろうか? 私は様子を見守る。
やがて、一階の明かりもすべて消えた。
私はひとまず窓を閉める。そして、自分の部屋の明かりも消した。
(あ! 思ったよりも暗い)
目が慣れていないせいか、室内のものが見えなくなった。以前宿泊したときは、暗さを気にする状況がなかったので、計画に想定外のことが起きた。
窓があるから、黒雲さえなければ、月明かりとかで見えただろうけど、それは叶わない。
スキルを作ることにした。スーリさんたちに声が聞こえないように、小声で『暗視スキル』を作成した。
作成をしたものの、室内の見える状況は変わらない。使用することを意識してみると、部屋の明かりが灯っているときと同じ彩りが私の目に映った。どうやら、オン、オフの切り替え式のようだ。
(おお~! これで自由に動けるぞ!)
私は変身魔法で女神の姿になり、再び窓を開ける。
大きいとは言えない普通サイズの窓。そこから飛ぼうと思っている……のだが、落ちそうで怖い。外の暗い景色の怖さも相まって、思わず身震いをする。
今まで飛ぶときは、広い場所からの飛行であった。広さがぎりぎりと思える窓。そして、二階という高さ。鳥の雛が巣立つときは、こんな恐怖体験をしているのだろうか?
そんなことを思いつつ、私は覚悟を決めて、窓から飛び出した。
落下していき、地面はすぐそこ。絶叫マシン並みの恐怖で、悲鳴すら出せない。慌てて私は翼を全力で羽ばたかせた。急上昇して、なんとか地面に激突しないで済んだ。
(ふぅ~)
私は溜息を吐き、更に上昇した。黒雲よりも下くらいまで。
私は北東を目指して、飛んでいく。暗視スキルのおかげで、川はきちんと見えている。上流へと向かう。なぜか馬車の轍らしきものもある。この先に村でもあるのか? そう思っていたが、轍は途切れていた。
しばらく飛ぶと、源流が見えてきた。どうやら湧き水のようだ。そして、湧き水が雨によって川が大きくなっていると思われる。
今も夜空に星を隠すほどの、黒雲で覆われている。この黒雲、雨を降らす黒雲と何が違うのだろうか?
不思議に思いつつも、辺りを見渡し、人がいないことを確認して、源流の近くに着陸した。
女神の姿から人間の姿に戻り、暗視スキルをオンにしたまま、源流を鑑定スキルも併用して調べる。
ところが普通の水である。いや、普通ではない。良い方向で『綺麗な湧き水』と鑑定結果が出ている。
どこから毒が入り込んでいるのか、鑑定スキルを使いつつ、下流に向かう。結構な距離を飛んできたので、骨が折れそうな作業である。
だが、思ったよりも早く原因と思われるものを見つけた。先ほどの轍が途切れていたところである。
「なんだこりゃ!」
おかしな光景に、私は絶句した。
川の中に鑑定スキルの反応があった。『微毒』どころか『猛毒』となっている。街の所の川が『微毒』だったのは、雨で薄まったせいであろう。しかもその『猛毒』の反応は沢山ある。
私はスカートの裾を縛り、川の中にじゃぶじゃぶと入っていく。すると急に具合が悪くなってきた。慌てて川から上がり、地面に四つん這いになる。
(はぁ、はぁ、……猛毒だらけの所に入ったら、具合が悪くなってきた)
私は急いで浄化魔法を使う。すると身体が楽になった。
(う~ん? あの猛毒をどけないとだね。どうしたものだろう?)
悩む。私が以前読んでいたファンタジーには、どんな能力があったっけ?
絶対記憶を得るよりも前のことなので、思い出すのに必死である。絶対記憶も記憶をすることはできるみたいだが、それを引き出せるかどうかはまた別みたいに感じる。
転生前、いや、そこから更に五年以上前に遡り、記憶を辿る。そして、今必要としている記憶に辿り着いた。
(『毒無効スキル』だ!)
閃いたら早速実行する。念のためにステータス画面も確認した。毒無効スキルがちゃんとできていなかったら、死んでしまうかもしれない。
(うん、ちゃんとできているね)
私は確認してほっとした。そして、再び川に向かい、足をそっと入れてみる。しばらくそのままにしてみるが、毒の効果は出てこない。私は安心して、川の中に入っていった。
そして、毒の石らしきものを一つ手に取り眺める。
(これは……ただの石ではなさそうだね。なんか見た目が禍々しい)
私はその禍々しい石を、川から拾いあげて、川辺に積み上げていく。なぜか結構な数がある。なぜだろう?
不思議に思いつつも、黙々と作業を続ける。屈んでいるので、たまに腰をトントンと叩いて疲労を逃す。
全部を拾い上げると、この後をどうするかを考える。
(この猛毒の石。そのままにしておいたら危ないよね……かと言って、どこかに適当に捨てるわけにもいかないし……)
再び、過去の記憶を辿る。今度はすぐに答えが出た。
(アイテムボックスだ!)
私はスキル創造スキルで、アイテムボックスを作った。無限に入り、中では時間が止まる。
猛毒の石を一つ手に取り、試しに入れてみることにする。
アイテムボックスをイメージすると、私の目の前に、黒い丸いものが出てきた。そこにそっと入れてみる。問題なく入った。出すときは? 容量が無限なので、かなり奥深くに入った可能性もある。入れた猛毒の石を頭に思い浮かべながら、再び黒い丸いものに手を突っ込む。
すると、あっさりと取り出せた。広いとか奥が深いとかいう物理的なものではなく、魔法的な不思議なものと考えがしっくりとくる。
検証も終わったので、どんどんと猛毒の石をアイテムボックスに投げ込んでいく。
全ての回収を終えると、地面に寝転んだ。
「疲れた~」
寝転びながら、考える。なんでこんなところに猛毒の石が沢山あるのだろう? 上流の岩が下流に行くほど小さくなるのは、小学校の授業で習ったが、猛毒の石と普通の石を比較すると、普通の石よりも小さい。
考えているところで、朝陽が顔を出してきた。
(まずい! 早く帰らないと!)
私は女神の姿になり、上空を全速力で飛ぶ。この川の源流は街よりも北東にあるので、まだ街は暗いはずである。私は太陽の光に追いかけられながら、宿屋へと向かった。
街の中は少し明るくなっている。明るくなっていると言っても、夜よりはということであって、黒雲のせいで日頃からそんなに明るくはないけど。だが、私の姿を目視できてしまうかもしれない。慌てて宿屋の窓から開け放っていた自室に飛び込んだ。
勢いよく飛び込んだものだから、ドタンと音を立ててしまった。私は慌てて口を塞ぐ。いや、口を塞いでも仕方がない。急ぐべきは女神の姿から人間の姿に戻ること。変身魔法を使い、人間の姿に戻った。
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