異世界!? 神!? なんで!?

藤谷葵

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第2章

第21話:天界作成

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「アルトリア、なんかいいアイデアない?」

 部下に仕事を丸投げの上司、女神エレメリスとは私のことである。
 当の本人、アルトリアというと、発言していいのか戸惑っているように見える。なにか考えは浮かんでいるのであろう。

「なんか考えがあるなら、話してみて!」
「……では、僭越ながら……空高くに、天界を作ってはいかがでしょうか?」

 天界! リオルタス様のあの花畑みたいなところか? いや、天空の城というのもいいな。
 私は右手に握りこぶしを作り、親指を立てて一言。

「採用!」

 今すぐ、作りに行くことにした。じゃないと、アルトリアの居場所がないからである。私はなかなか社畜な女神だと自分で思う。
 眠たい瞼をこすり、アルトリアに指示する。

「今から作りに行くよ! 最高速度で上昇してね」
「かしこまりました」

 そう言うと、アルトは天使アルトリアの姿になった。
 その姿になったのを見届けてから、私はしゃがみこみ、足をバネのようにして飛び上がる。すぐに最高速度で飛行する。後方に視線を向けて確認をする。アルトリアはなんなくついてきている。最高速度なのに、アルトリアはどこか余裕そうに飛んでいる。神々しさの違いか? いや、私は天使どころか、女神なのだから、私の方が神々しいはずだ。
 そんなことを考えていたら、黒雲を突き抜けた。空には綺麗な満月が浮かんでいる。ひとまずホバーリングをする。

「この辺でいいかな?」

 アルトリアは下を向き、確認しているようだ。
 
「もう少し上空がいいと思います」

 そう提案されて、もう少し上昇した。

「……それで、どうやって、作ればいいの?」
「……とりあえず、足場を作って下さい」

 上司である私が、何も分からずに聞いてばかりなのか、呆れられているように感じる。いや、気のせいだ。
 私は、初級土魔法レベル1を使い、大きな土の塊を作った。……がそれは落下していった。
 当然と言えば、当然のことなのだが、土が空に浮くわけがない。隕石のごとく落下していく、私の天界を呆然と見つめる。
 そこへ、アルトリアが急下降して、先回りをして落下を抑え込む。天使パワー凄いな!?
 アルトリアは、その落下したまだ小さな天界を、再び上空へと運んできた。

「空間魔法で、この座標に固定して下さい」
「……空間魔法、まだ持ってないんだけど……」
「……作ればいいじゃないですか……」

 静寂の中、二人の呟き声だけが響いた。

 アルトリアに指示されて……いや、主従関係は逆転していないはずだ。そう思いつつ、空間魔法を創造した。
 そして、言われたとおりに、その大きな岩の塊を座標固定。アルトリアはそっと手を放す。浮いている!

「では、これを核として、天界を広げましょう」

 そう言うと、アルトリアは、戦闘用土魔法を使い、天界の地面を作成し始めた。

(戦闘用土魔法使えるのなら、核を作るのもやってよ!)

 そう思いつつも、自分も作業に加わる。なんかこの天使に頭が上がる気がしない……。
 そして、天界の地面は大雑把にだが、できあがった。

「エレメリス様、精霊を創造して下さい。大地の精霊と植物の精霊がいいですね」
「アルトリア……あんた自分で出来るんじゃないの?」

 私がジト目で見るも、しれっと言い返す。

「いえ、魔法は使えますが、精霊は作れませんよ? それは偉大な女神様にしか無理です」

 そうか! そうか! わははは! 君にも無理か! そうだよね、私、偉大な女神だもんね!
 そう思っていたが、ふと気づく。単に手のひらの上で転がされているだけの気もしてきた……。
 大地の精霊と、植物の精霊を作る。やはり、私の中のイメージがあるのか、大地の精霊は男の子で、植物の精霊は女の子である。大地の精霊って土の精霊と違うの?
 その疑問を察したのか、ため息を吐きつつ、アルトリアが説明をしてきた。

「大地の精霊は、土の精霊の上位種ですよ」

 上位種がいるのか! でも、イメージできないな~。例えば、植物の精霊は上位種なのか? いや、森の精霊の方が上位種っぽい。そんなことを考えていたら、アルトリアが勝手に作業を進行している。

「大地の精霊の名前は、オメガスで、植物の精霊はルピカ」
「何、勝手に名前つけてるの!」
「……精霊は、名付けたものの配下になります。天使であろうと、精霊であろうと、エレメリス様が全部名付けをしますか? エレメリス様が指示したことしか、やらなくなりますけど」

 ぐぬぬ……そう言われると、ぐうの音も出ない。直属の配下を増やして、いちいち指示に行くよりも、階級的に指示を出していく方が、確かに効率はいいのかもしれない。
 私は正論にがっくりと肩を落とした。だが、ふと思う。アルトリアの行動は? これは自我が精霊よりあるために、私のやることを汲み取ってくれているのか?
 口うるささを感じるが、私にはありがたい出来の良い部下かもしれない。
 次は居住区を作るということだが、あとはアルトリアが作っておくということで、任せることにした。私は下界に戻り、人間の姿になって、自室に行き、眠りについた。
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