異世界!? 神!? なんで!?

藤谷葵

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第2章

第60話:ツンデレ!?

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 猛毒の石を再び取り除き、アイテムボックスへと閉まった。

 これでスラム街の食料事情と、毒事件は解決したと思うのだが、気持ちは晴れない。むしろ気が重い。

 人を殺した自分に、もやもやとするものを感じるので、気分転換に女神の姿で、空高く舞い上がった。
 黒雲を抜けると、太陽が輝いていて、今、私の心を蝕んでいる闇の中の、希望の光に見えた。
 どこに行こうかと辺りを見渡すと、遠くに天界が見えた。

(そうだ。天界の状況を視察しよう。ウィルアステアはあまり当てにならないしな……)

 私は天界へと向かって飛行した。

 天界の大地に着陸する。とりあえず、こっそりとウィルアステアの様子を見に行ってみる。

 太陽の光を反射して光っている城の中に入り、忍び足で玉座へと向かう。

 ドアの隙間から『ウィルアステアのことだから、くつろいでいるんだろうな。驚かせてやるか』
 そう思って覗いたが、玉座には誰も座っていない。

(あれ? てっきりウィルアステアが船を漕いでいるかと思ったんだけどな?)

 私は中に入り、自分で玉座に座り、ため息をつきつつ、天井を見上げる。

(ふぅ~、……みんなを幸せにするって難しいな……)

 しばらくぼんやりとしてから、気持ちを切り替え、えいっと身体を起こす。

(ディルジェアの様子でも見に行くか……)

 私は城から出て、ディルジェアの居住区へと向かった。

 花畑を抜けて、居住区へたどり着くと、自分よりも背の低い小人たちが、忙しそうに働いていた。そのうちの一人が私に気づいて声をかけてくると、その声に反応するかのように、他の人たちも集まってきた。

「エレメリス様、お久しぶりです」
「こんな素敵な住処をありがとうございます」

 みんなが口々に声をかけてきた。とても喜んでくれているようだ。

「ウィルアステアは?」

 私が質問すると、意外な言葉が返ってきた。

「毎日、私たちに色々指示を出して下さってます。おかげで作業効率も上がっています」
「え? あのウィルアステアが?」
「は? あのウィルアステア様ですよね?」

 なんか話が嚙み合っていないのか?
 私が話を聞いていると、神々しい服を着た天使が現れた。ウィルアステアだ。なんか赤面をしている。

「な……なんで、エレメリス様がいらっしゃるんですか!?」

 両手を頬に当てて、恥ずかしそうにしている。なんで?
 私はウィルアステアに寄って行き、声をかける。

「ウィルアステア、久しぶり。仕事一生懸命やっているんだって? 本当なの?」

 ついつい疑問形で聞いてしまう。それに対して、ウィルアステアというと、なんかベクトル違いに喜び気味になった。

「い、いえ、嘘ですわ。私はさっきまで寝ていたのですから」

 そっぽを向いて答えた。うん? ディルジェアとウィルアステアの証言が合わないぞ?
 私は周りにいるディルジェアに、再度聞いてみる。

「このウィルアステアが働いていたんだよね?」
「はい、こちらのウィルアステア様がエレメリス様の為に、色々と奮闘しておりました」

 そこへ、更に赤面したウィルアステアが大声で叫んで会話を阻む。

「わあ~! わあ~!」

 両手を振り回して、とても恥ずかしそうにしている。しまいにはその場にぺたりとへたり込んだ。
 私は何事かと思い、ウィルアステアの肩に、そっと手をかけた。

「えっと……どういうこと?」

 ウィルアステアは、観念したかのように、涙目になり呟いた。

「……エレメリス様には、私が仕事をしなくても仕事ができる天使だと思わせたかったんですよ……」

 その言葉を聞いて、私は目を丸くした。

(なにこれ? ツンデレ天使? 可愛い)

 つまりあれか? 普段ぐ~たらしているように見せかけて、私のいない間はテキパキと仕事をしていたのか?
 う~ん? この場合は、ツンデレというより、天邪鬼に該当するのか?
 でも、私の為に頑張ってくれているのを嬉しく感じる。そこで私はウィルアステアに出した課題を思い出す。

「そうだ! ウィルアステア! 三種の神器ってできた?」

 ウィルアステアは、両手の人差し指を合わせて、俯いて返事をする。

「すみません、神器はまだなんですよ。エレメリス様に納めるような納得のいくものがまだ出来ていなくて、試行錯誤中です」
「そっか~、まあ人間の姿として使うこともないし、急ぐ必要はないと思うから、ゆっくりでいいからね」
「……はい」

 なんかウィルアステアのギャップを垣間見たおかげか、少し心が軽くなった。
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