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第1章
第5話:使命
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翌朝、目が覚めると既にミシアさんは窓の方に向かって何やらお祈りをしていた。どうやら私を起こさないようにそっと起きたらしい。ぐ~すかと寝ていた自分が恥ずかしい。
視線を辺りに向けると、ドタドタと走り回る、小さな子供たちの姿しか見当たらない。大きい子たちはどうしたのだろう?
とりあえず、状況を少しでも知りたいので、ミシアさんのお祈りが終わるのを、椅子に座って待つことにした。
しばらくすると、ミシアさんのお祈りが終わったので聞いてみる。
「昨日はもっと子供の人数多くなかった? どこに行ったの?」
私の質問に、ミシアさんは申し訳なさそうな表情で答える。
「ああ、村の人達のお手伝いをして、その対価に食べ物を少しだけ分けて頂いているのよ。本当なら私も参加したいのだけど、小さい子たちの面倒を見ないといけないしね。あの子たちには苦労をかけてしまっているわ」
かなり村の食料事情は悪いようだ。村人も満足に食べれていないようであり、村人よりも弱者な孤児たちは、さらに食べるものに困っているのだろう。
ふと視界に昨日、私に物乞いをした少女がいた。
(ここの孤児の子だったのか……)
貴重な食料を与えるどころか、私がもらうことになってしまった。悪いことをした気分になる。
私は思案する。早く湖を完成させなければ、育ち盛りの子供たちがあの栄養のない食事でいいわけがない。
私は手をテーブルに置くと、勢いよく椅子から立ち上がる。そしてミシアさんに一言。
「ミシアさん、私ちょっと出かけてきます」
私が勢いよく飛び跳ねるように立ち上がったため、ミシアさんが何事かと驚いている。
「え? ええ、危ない所には行かないようにね」
「うん」
そして私は昨日の湖へ向かった。
「水魔法!」
威勢よく言ってみたものの、水道から水が出るがの如し。途中であくびをしつつもひたすら湖作成予定地に水を張った。
ずっとやり続けるのは、魔力的には平気になったが、気分的には疲れてくる。時折休憩を挟んだ。
そんな休憩の時、地面に寝転んで空を見上げると、そこには青空が広がっていた……なんてことはなく、黒い雲に覆われていて、陽の当たるところは一部分しかなかった。
(そういえば、昨日もこんな空だったな? たまたまかな?)
ぼんやりとそんなことをたまに考えつつも、湖予定地にひたすら水を注いでいった。
今日の進捗としては、全体の三分の二くらいだろうか? 昨日は半分いったのに? なぜ?
疑問を抱えつつ、村に帰るために歩きながら考える。
(あ! くぼみの形のせいか!)
くぼみなので、下の面積は小さいが、上に行くほど面積は大きくなる。当然、必要となる水の量も増えてくる。
(明日にはできるかな……)
『この世界の人々を幸せにする』
そんな目標を掲げつつも、現時点では誰一人も幸せにできていない。気持ちが焦る。
(早くこの世界のみんなを幸せにしなきゃ!)
村の敷地に入り、孤児院に戻る。ドアを開ける腕が重い。今日も何も成果がなく、ご飯を頂くことになる。
『働かざるもの食うべからず』というけど、私の働きは果たして食べ物を頂くだけの事をしているのかと疑問に思えてくる。
暗い表情で室内に入る。
「ただいまぁ~」
「「「おかえり」」」
みんなが笑顔で出迎えてくれた。その反応に、私は思わずきょとんとした。なにごと?
室内を見渡すと、狭いハイテーブルには、昨日のパンとほとんど具のないスープが木の食器によそわれている。
「どうしたの?」
「歓迎会ですよ。ご馳走を用意してあげることができませんでしたが」
私に微笑みつつミシアさんが答える。温かいものが私の目から頬へと流れていく。
それを袖で拭い、笑顔で答える。
「ありがとう」
心が温かい。私が幸せにしてあげないといけないのに、私が幸せにされている。胸がチクンと痛む。なんて自分は無力なんだろうと……。
神様が人手が足りないというのが、分かった気がする。一人の人間を幸せにすることも大変である。まして、大勢の人を幸せにすることなんて夢物語のようなものである。私が前世で不幸だったのは、たまたま運が悪くて仕方がなかったのかもしれない。
視線を辺りに向けると、ドタドタと走り回る、小さな子供たちの姿しか見当たらない。大きい子たちはどうしたのだろう?
とりあえず、状況を少しでも知りたいので、ミシアさんのお祈りが終わるのを、椅子に座って待つことにした。
しばらくすると、ミシアさんのお祈りが終わったので聞いてみる。
「昨日はもっと子供の人数多くなかった? どこに行ったの?」
私の質問に、ミシアさんは申し訳なさそうな表情で答える。
「ああ、村の人達のお手伝いをして、その対価に食べ物を少しだけ分けて頂いているのよ。本当なら私も参加したいのだけど、小さい子たちの面倒を見ないといけないしね。あの子たちには苦労をかけてしまっているわ」
かなり村の食料事情は悪いようだ。村人も満足に食べれていないようであり、村人よりも弱者な孤児たちは、さらに食べるものに困っているのだろう。
ふと視界に昨日、私に物乞いをした少女がいた。
(ここの孤児の子だったのか……)
貴重な食料を与えるどころか、私がもらうことになってしまった。悪いことをした気分になる。
私は思案する。早く湖を完成させなければ、育ち盛りの子供たちがあの栄養のない食事でいいわけがない。
私は手をテーブルに置くと、勢いよく椅子から立ち上がる。そしてミシアさんに一言。
「ミシアさん、私ちょっと出かけてきます」
私が勢いよく飛び跳ねるように立ち上がったため、ミシアさんが何事かと驚いている。
「え? ええ、危ない所には行かないようにね」
「うん」
そして私は昨日の湖へ向かった。
「水魔法!」
威勢よく言ってみたものの、水道から水が出るがの如し。途中であくびをしつつもひたすら湖作成予定地に水を張った。
ずっとやり続けるのは、魔力的には平気になったが、気分的には疲れてくる。時折休憩を挟んだ。
そんな休憩の時、地面に寝転んで空を見上げると、そこには青空が広がっていた……なんてことはなく、黒い雲に覆われていて、陽の当たるところは一部分しかなかった。
(そういえば、昨日もこんな空だったな? たまたまかな?)
ぼんやりとそんなことをたまに考えつつも、湖予定地にひたすら水を注いでいった。
今日の進捗としては、全体の三分の二くらいだろうか? 昨日は半分いったのに? なぜ?
疑問を抱えつつ、村に帰るために歩きながら考える。
(あ! くぼみの形のせいか!)
くぼみなので、下の面積は小さいが、上に行くほど面積は大きくなる。当然、必要となる水の量も増えてくる。
(明日にはできるかな……)
『この世界の人々を幸せにする』
そんな目標を掲げつつも、現時点では誰一人も幸せにできていない。気持ちが焦る。
(早くこの世界のみんなを幸せにしなきゃ!)
村の敷地に入り、孤児院に戻る。ドアを開ける腕が重い。今日も何も成果がなく、ご飯を頂くことになる。
『働かざるもの食うべからず』というけど、私の働きは果たして食べ物を頂くだけの事をしているのかと疑問に思えてくる。
暗い表情で室内に入る。
「ただいまぁ~」
「「「おかえり」」」
みんなが笑顔で出迎えてくれた。その反応に、私は思わずきょとんとした。なにごと?
室内を見渡すと、狭いハイテーブルには、昨日のパンとほとんど具のないスープが木の食器によそわれている。
「どうしたの?」
「歓迎会ですよ。ご馳走を用意してあげることができませんでしたが」
私に微笑みつつミシアさんが答える。温かいものが私の目から頬へと流れていく。
それを袖で拭い、笑顔で答える。
「ありがとう」
心が温かい。私が幸せにしてあげないといけないのに、私が幸せにされている。胸がチクンと痛む。なんて自分は無力なんだろうと……。
神様が人手が足りないというのが、分かった気がする。一人の人間を幸せにすることも大変である。まして、大勢の人を幸せにすることなんて夢物語のようなものである。私が前世で不幸だったのは、たまたま運が悪くて仕方がなかったのかもしれない。
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