異世界!? 神!? なんで!?

藤谷葵

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第1章

第6話:水の精霊、ウルちゃん

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 翌日も、ミシアさんに断りを入れて湖を作りに行った。
 
「今日こそは湖を完成させて、お魚を泳がせる!」

 私は昨夜の歓迎会で、みんなにお返しをしたいと必死であった。
 湖につき早速、水を注ぐ作業を始める。

「水魔法!」

 陽が真上に来る頃に、やっと湖ができあがった。

「やったぁ~!」

 私は大の字に地面に寝転がった。清々しい達成感を味わう。そしてわくわくしつつ、作業を再開。
 次はいよいよお魚を……あれ?
 スキル創造で、魚の創造スキルを作ろうとしても作れない。じゃあ、生物の創造スキル? そう思い、名称などを変えて色々試すも、どうやら魚どころか生命を誕生させることができないようだ。

(う~ん?)

 私は悩んだ。その結果、精霊創造スキルを作り、精霊がお魚を作ってくれることを期待した。
 不安気にスキルを作成してみたものの、精霊創造スキルは制作できた。試しに水の精霊を作ってみる。可愛い女の子の姿だった。
 その子は湖の上に立っていて、ぱちりと目を開く。

「こんにちは、女神様」

 女神様と言われて、なんか気恥ずかしい反面、自分が偉くなった気分になる。

「こんにちは、え~っと、お名前はなにちゃん?」
「精霊に名前なんてありませんよ」

 名前ないのか……私は名前を付けてあげたくて考える。

「ウル! 貴女の名前はウルちゃん!」

 私がウルちゃんと呼んだ幼女は、嬉しそうに笑顔になる。すると突然ウルちゃんの足元の水が舞い上がり、ウルちゃんの身体を包み込む。顔に飛んで来る水飛沫を手で守る。

「な、なに!? ウルちゃん、どうしたの?」

 しばらくすると、その水はおさまった。ウルちゃんを見ると、幼女から少女という成長をしていた。何がどうなった?

「名前をありがとうございます。女神様」
「ウルちゃんが大きくなった! なにごと?」
「名前をつけて頂いたので、成長したのです。いわゆるネームドという存在になりました」
「ネームド?」

 分からない言葉が出てきた。ファンタジー世界特有の言葉?
 
「はい、精霊や魔物に名前を付けると、ネームドと呼ばれるようになります。ネームドは名前がない精霊や魔物よりも、能力が高くなります」
「おお!」

 私は能力が高くなるということに、目を輝かせた。これならお魚を作ってくれるかもしれない。
 そこで私はお願いしてみた。

「ねえ、ウルちゃん。この湖にお魚とかを住ませたいんだけど。食べたりするために。お魚作れる?」
「作れませんけど、事情は分かりました。では、この湖に魚を住まわせますね」

 そう言うと、ウルちゃんは両手を天にかざした。魚を作れないのにどうやるの?
 疑問に思っていると、モクモクと空の黒い雲が、他の空からやってきた別の黒い雲と湖の上でくっつき、突然の大雨が降り出した。
 私はずぶ濡れになりつつ、何が起きたのかと狼狽える。

「な、なに? 急に大雨?」

 突然私の頭に何かがバチンと当たる。私はその衝撃による痛みを手で抑えつつ、そのまま両手で頭を守り、その場にしゃがみこんだ。
 しゃがんだまま、その頭に当たった物体を見つめる。目の前でお魚がぴちぴちと動いている。
 不可解な出来事に、ウルちゃんに問いかける。
 
「ウルちゃん? ウルちゃん? これなにが起きてるの?」

 ウルちゃんに聞こうにも、声より大雨の音の方が大きくて、ウルちゃんまで届いていないようだ。
 しばらくしたら、大雨はやんだ。
 私はずぶ濡れになりつつ立ち上がる。髪や服からポタポタと水が滴り落ちる。

「あの~、ウルちゃんなにしたの?」
「魚の引っ越しです。よその湖から少し分けて頂きました」

 超常現象に戸惑う。まさか魚が空から降ってくるとは……。

「後の管理は任せて下さい」
「うん、よく分かんないけど、今後はこの湖をよろしくね」

 私はずぶ濡れの身体のまま、くしゃみをしつつ孤児院へと帰って行った。
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