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第2話
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席に戻ると、先生が来るまでの間、机に突っ伏す。
(終わった~!! まさか、花畑さんがセナ君の推しとは……)
後ろから、つんつんと、千聖に突っつかれる。何事かと思い、顔をあげると、目の前には先生が立っていた。
「春木にしてはめずらしいな? 俺の授業を聞く気はないのか? 廊下で立っていてくれてもいいぞ?」
いつの間にか授業が始まっていた。なんでもっと早く教えてくれなかった、千聖!
私はぶんぶんと首を横に振り、先生に返事を返す。
「い、いえ、授業受けます!!」
先生は、再び授業の内容を口にしつつ、教壇に戻った。
今日の授業は終わり、放課後になった。いつも通り、千聖と一緒に帰る。
だが、いつもと違うことが一つだけある。
「千聖~、どうしよう。花畑さんに嫌われた」
千聖は私の頭を撫でつつ、答える。
「いや、今聞いた話だと、あんたたちの推しが問題なんでしょ? 推しのこと以外なら、また普通に話せるんじゃないかな? 花畑さん優しいし」
「そ……そうかな……?」
そんなところに、花畑さんが一人で下校している。
「お~い! 花畑さん! 一緒に帰ろうよ」
私は千聖のその発言に狼狽える。だが、花畑さんの反応は意外なものだった。
「うん、いいよ」
笑顔で即答してくれた。のだが……。
只今、電車の中。
千聖と花畑さんが会話をしつつある中に、私も入り込もうとすると、物凄い視線で射抜いてくる。
(ちょっと! 千聖! 気づけよ! 花畑さん、全然普通の会話もしてくれないじゃない! それどころか、睨まれているんだけど)
各自の家の最寄り駅に辿り着き、途中の道から花畑さんは別の道へと別れた。
手を振ってみたものの、どうも千聖にしか手を振り返していない角度に見える。
花畑さんの姿を見送った後、私は千聖に呟く。
「めっちゃ怒っているんだけど、どこが普通の話ならしてくれるって?」
「え? そう? 普通に楽しかったけど?」
「それはあんたからしたらでしょうが! 私には呪い殺さんばかりの視線を送っていたわ!」
「あはははは、どんまいどんまい。そのうち、怒りも収まるでしょう」
楽観視している千聖とも別れて、自宅に帰った。そして、二階の自分の部屋に向かう。
「ただいま~」
両親共働きで、一人っ子の私は、誰もいないと分かっていても、私を待つべき物、いや、待つべき人に対して、挨拶をした。
着替えを済ませると、小さなぬいぐるみを手に取って、今日の出来事を話す。
「セナ君……花畑さん、ちょっとひどくない? セナ君のこととは別の話題で話をしようとしたのに、全然私と話をしてくれなかったよ」
そんな中、葛藤する。花畑さんは嫌な感じの人なのだろうか?
いや、入試の時の彼女はそんな感じではないし、クラスメイトたちからも人気はある。
やはり、『同担拒否』が問題なのであろう。
(推しを取るか、恋を取るか……か)
だが、私は首を横に振る。
(いや、セナ君は私の嫁だし、花畑さんがセナ君から退いてくれればいいだけだ)
そんなことを思ったが、あの彼女の様子だと、とても退くとは思えなかった。
(終わった~!! まさか、花畑さんがセナ君の推しとは……)
後ろから、つんつんと、千聖に突っつかれる。何事かと思い、顔をあげると、目の前には先生が立っていた。
「春木にしてはめずらしいな? 俺の授業を聞く気はないのか? 廊下で立っていてくれてもいいぞ?」
いつの間にか授業が始まっていた。なんでもっと早く教えてくれなかった、千聖!
私はぶんぶんと首を横に振り、先生に返事を返す。
「い、いえ、授業受けます!!」
先生は、再び授業の内容を口にしつつ、教壇に戻った。
今日の授業は終わり、放課後になった。いつも通り、千聖と一緒に帰る。
だが、いつもと違うことが一つだけある。
「千聖~、どうしよう。花畑さんに嫌われた」
千聖は私の頭を撫でつつ、答える。
「いや、今聞いた話だと、あんたたちの推しが問題なんでしょ? 推しのこと以外なら、また普通に話せるんじゃないかな? 花畑さん優しいし」
「そ……そうかな……?」
そんなところに、花畑さんが一人で下校している。
「お~い! 花畑さん! 一緒に帰ろうよ」
私は千聖のその発言に狼狽える。だが、花畑さんの反応は意外なものだった。
「うん、いいよ」
笑顔で即答してくれた。のだが……。
只今、電車の中。
千聖と花畑さんが会話をしつつある中に、私も入り込もうとすると、物凄い視線で射抜いてくる。
(ちょっと! 千聖! 気づけよ! 花畑さん、全然普通の会話もしてくれないじゃない! それどころか、睨まれているんだけど)
各自の家の最寄り駅に辿り着き、途中の道から花畑さんは別の道へと別れた。
手を振ってみたものの、どうも千聖にしか手を振り返していない角度に見える。
花畑さんの姿を見送った後、私は千聖に呟く。
「めっちゃ怒っているんだけど、どこが普通の話ならしてくれるって?」
「え? そう? 普通に楽しかったけど?」
「それはあんたからしたらでしょうが! 私には呪い殺さんばかりの視線を送っていたわ!」
「あはははは、どんまいどんまい。そのうち、怒りも収まるでしょう」
楽観視している千聖とも別れて、自宅に帰った。そして、二階の自分の部屋に向かう。
「ただいま~」
両親共働きで、一人っ子の私は、誰もいないと分かっていても、私を待つべき物、いや、待つべき人に対して、挨拶をした。
着替えを済ませると、小さなぬいぐるみを手に取って、今日の出来事を話す。
「セナ君……花畑さん、ちょっとひどくない? セナ君のこととは別の話題で話をしようとしたのに、全然私と話をしてくれなかったよ」
そんな中、葛藤する。花畑さんは嫌な感じの人なのだろうか?
いや、入試の時の彼女はそんな感じではないし、クラスメイトたちからも人気はある。
やはり、『同担拒否』が問題なのであろう。
(推しを取るか、恋を取るか……か)
だが、私は首を横に振る。
(いや、セナ君は私の嫁だし、花畑さんがセナ君から退いてくれればいいだけだ)
そんなことを思ったが、あの彼女の様子だと、とても退くとは思えなかった。
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