ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太

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お店経営編

第二章 89話『『現』コルネロの英雄達、過去の英雄と戦る5』

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「これがメルナス様に与えられた俺の真の能力……『魔獣化』だぁぁ!!」

 巨大な二足歩行の豚の魔物は叫ぶ。
 二重に重なったような怒号は咆哮となって2人に襲いかかる。

「この風圧……これだけで飛ばされちまいそうだ……!!」

「サイズもかなり巨大だ……!!恐らく、危険度ランクはS……いや、リグザの元の戦闘能力を考えれば更に上だろう」

 巨大な腕が振りかざされる。

 大気を裂き、轟音が鳴り響く。ベルリオは剣を掲げ、寸前でその一撃を受け流した。
 重厚な一撃の余波が地面を抉り、土煙が舞い上がる。リグザの体は肥大化し、肉体の筋が異様なまでに膨れ上がっている。
 力任せの攻撃だが、その一撃一撃に乗せられた圧力は無視できるものではない。

「くっ……これが魔獣化の力か!やっぱりただの化け物じゃねぇ。元人間だから理性まで残ってやがる……!!」

 ベルリオは歯を食いしばり、距離を取ろうとしたが、リグザの長い腕が地面を薙ぎ払う。
 瓦礫が散らばり、飛び散った破片がベルリオの顔を掠める。皮膚に刻まれた切り傷からはわずかな血が滲む。

「ベル!一旦下がれ!このままじゃジリ貧だ!」

 イーリルの冷静な声が響く。彼は魔道銃器を握りしめ、瞬時に判断を下す。

「悪いが、10分。時間をくれないか」

 その提案にベルリオは沈黙して考える。
 イーリルが口にした事だ。何かしらの対抗策があると考えてもいいだろう。
 しかし、彼が返ってくるまで果たして自身だけで凌げるかどうかはまた別問題になってくる。
 ――だが、親友のやりたい事だ。最後まで賭けてみよう。ベルリオは数秒でその思考にまで至る。

「わーった。ここは任せて行って来い!秘策、期待してんぜ」

 ベルリオがそう言うと、イーリルは笑顔で素早く後方へと離脱した。

「ハッ!敵前逃亡か見苦しい!!だが、無力には相応しい判断とも言えるな!!」

 その背中をリグザが視界に捉えるが、ベルリオが再び剣を掲げ、彼の視線を引き戻す。

「お前の相手は俺だ!!豚野郎!!」

 剣を構え、リグザの攻撃に応じるベルリオ。
 肉弾戦の様相を呈するその攻防は、一瞬の油断すら命取りとなるほど激しいものだった。リグザの腕は鋼のように重く、拳の一撃で地面が割れるほどの破壊力を持つ。

「あの無能はお前を見捨てるかもしれんぞ」

「俺のダチを悪く言ってんじゃねぇ。アイツは絶対戻って来る。俺の英雄は……俺を裏切らねぇ……!!あんたと違ってな!!」

「ふっ、この世に英雄などいやしない。どれだけ辛い状況に生まれ落ちようと、最後に自身を救えるのは己だけだ。英雄など馬鹿馬鹿しい。――手が届かなければ、手を差し出した英雄もただの他人だ。話に聞く英雄など愚者と同じだ」

 ベルリオはその猛威を回避しつつ、リグザの動きを見極めようと試みる。
 だが、膨れ上がった筋肉が示すように、リグザの動きは鈍重で単調だ。それでもその圧倒的な力の前では、ベルリオは押され気味である。

任せろたぁ言ったけどよぉ……へへっ、流石にキツイな。俺が死ぬ前には返ってこいよ、イーノ……!!

 焦りと疲労が募る中、それでもベルリオは踏ん張る。剣を振るい、回避し、リグザの攻撃に耐えながら、彼の隙を探り続ける。
 その場には冷たい風が吹き荒れ、リグザの咆哮が響き渡る。彼の膨張した身体はまるで壁のように立ちはだかり、ベルリオの進路を阻む。

 イーリルの不在による不安が募る中、それでもベルリオは逃げない。仲間を信じ、その帰還を待ち続ける覚悟が、彼の瞳に宿っていた。

 ベルリオは汗をぬぐい、剣を握り直す。
 魔獣化したリグザの動きは重厚だが、その一撃には圧倒的な破壊力がある。まともに受けてしまえば、ただでは済まない。
 距離を取って戦うべきだが、魔獣化したリグザの脚力もまた、彼を侮れない存在としている。

距離……取りてぇけどよぉ……!!

 リグザの素早くも思い一撃がベルリオに振り下ろされる。
 それを間一髪で回避したベルリオだったが、着弾した先の地面は抉れ、瓦礫は粉々になっている。

重いだけじゃなくて速ぇから距離取れねぇんだよな……!!

 ベルリオはリグザの巨体に向かって無謀にも突進する。
 彼の肉体は鍛え抜かれており、どんな打撃にも耐えうる強靭さを持っていたが、リグザの力は規格外だった。

「くっ……!重てぇ……!」

 リグザの巨大な腕がベルリオを狙って振り下ろされる。その一撃は地面を砕き、砂埃を巻き上げる。
 ベルリオはそれを受け流して回避し、リグザの腕をすり抜けながらその胴体へと拳を打ち込む。

 肉を殴る鈍い音が響く。しかし、リグザの皮膚は硬く、灰色の肌はほとんど衝撃を吸収してしまう。
 リグザはベルリオの拳を意にも介さず、反撃の蹴りを放つ。ベルリオはその足に捕まり、吹き飛ばされそうになるが、地面に爪を立てて踏みとどまる。

「―――ッ!!」

 ベルリオはその巨体を利用し、リグザの膝関節に蹴りを叩き込む。しかしリグザは全くひるまず、逆にベルリオの頭上から両腕を振り下ろす。
 圧倒的な力と質量に、ベルリオの意識が一瞬遠のきかける。

「くそっ、タフだな……!」

 リグザの猛攻は止まらない。両腕を振り回し、四方八方から打撃を加える。
 ベルリオはその隙を突いて懐に入り込み、肋骨への連撃を放つが、リグザは意に介さない。その目は狂気に染まり、理性を失った獣のように唸り声を上げる。
 だがしっかりと理性が残っているのがまた厄介なところでもあった。

 ベルリオはさらに間合いを詰め、リグザの顎を狙ってアッパーカットを放つ。しかしその拳は頑強な牙に阻まれ、逆に拳に痛みが走る。

「ッ……!固過ぎんだろ……!」

 リグザの反撃。肩口からの肘打ちがベルリオの側頭部を掠め、視界が揺れる。
 次の瞬間、リグザの膝蹴りが腹部に突き刺さる。重い衝撃がベルリオの内臓を圧迫し、口から血反吐が飛び出す。

「―――がぇ!」

 だが、ベルリオはその痛みをも力に変える。腹部に食い込む膝をそのまま捕らえ、力強く跳ね返す。
 リグザの巨体がわずかに揺らぎ、ベルリオは隙を逃さず、喉元への肘打ちを叩き込む。

「これでどうだ……ッ!」

 咆哮を上げるリグザ。しかし、その咆哮は痛みによるものなのか、激昂によるものなのか判別できない。
 リグザの腕が再び振り下ろされ、ベルリオは再度後方へと飛び退く。

 呼吸が荒く、汗が額から滴り落ちる。
 リグザもまた、膨れ上がった筋肉を振り回し続けた疲労が見える。だが、獣と化したその姿は戦意を失う事を知らない。

 ベルリオは拳を握りしめ、改めてリグザの巨体を見据える。その目には決して折れない闘志が宿っていた。
 リグザは再び腕を振り上げ、ベルリオを押しつぶすように振り下ろす。ベルリオはそれを間一髪で避け、リグザの腕を掴む。その勢いを利用してリグザの懐に潜り込むと、膝蹴りを叩き込む。

「これでも効かないのか……!?」

 リグザの表情は揺るがない。
 そのまま腕を振り払ってベルリオを振り飛ばす。壁際まで吹き飛ばされたベルリオは、瓦礫に背中をぶつけながらも、再び立ち上がる。
 リグザはその様子を見て、さらに狂気を帯びた笑みを浮かべる。

「まだ立つか、英雄ベルリオ!貴様も獣の如き執念だな!やはり貴様は俺と同じようだなぁ……!!」

 その声に答えるように、ベルリオは拳を構える。
 彼の呼吸は荒いが、戦意は未だ衰えない。再び二人は激突し、肉と骨がぶつかる音が響き渡る。
 リグザの巨体が揺れ、ベルリオの拳が血を散らしながらリグザの顔面を殴りつける。

 ベルリオは息を切らしながらも、止まることのない鼓動を感じていた。
 自身の拳でリグザの巨体が一瞬止まったかと思うと、再びその瞳に狂気の光が宿る。

「―――」

 リグザは咆哮と共にベルリオに迫る。巨腕を振り回し、周囲の空気が唸りを上げる。ベルリオはその一撃をギリギリで躱しながら、再度リグザの膝関節を狙って蹴りを放つ。
 しかし、リグザはわずかに膝を引いて回避し、反撃の頭突きを繰り出してきた。

「―――ッ!!」

 ベルリオの頭が揺れる。視界がぼやける中でも、彼は怯むことなくリグザの懐に潜り込み、肘を脇腹に叩き込む。
 しかし、リグザの肉体はまるで鋼のように硬く、ベルリオの拳が逆に痛む。

「ぐぅ――!!」

 ベルリオは歯を食いしばり、リグザの腹部に連撃を加える。
 拳、肘、膝、すべての関節を駆使して繰り出される猛攻。
 だが、リグザの防御は崩れない。獣と化した彼の狂気が、痛覚すらも無効にしているかのようだ。

 リグザは再び巨体を生かし、ベルリオを弾き飛ばす。壁に激突し、瓦礫の山に埋もれるベルリオ。しかし彼はすぐに立ち上がり、血まみれの拳を構える。

「しぶといな、ベルリオ。だが、もう限界だろう?」

 リグザの嘲笑にも似た声が響く。しかし、ベルリオの瞳には未だ光が宿っている。彼は血を拭い、拳を握り直す。

「限界なんざ……6年前に始まった戦争の時に、とっくに超えてんだよ!」

 再び二人の肉弾戦が激化する。
 リグザの拳は重く、ベルリオの一撃は鋭い。互いの攻撃が肉を裂き、骨を砕く。リグザの拳がベルリオの肩を叩き、鈍い音が響く。
 ベルリオはその痛みを無視し、リグザの顔面に渾身のストレートを叩き込む。

「――ッラァ!」

 リグザの顔が揺れ、灰色の血が飛び散る。しかし、リグザの眼光は未だ狂気に満ち、ベルリオへの憎悪が燃え盛っている。

「貴様ぁぁぁぁッ!」

 リグザの両腕がベルリオを押しつぶそうとする。圧倒的な力がベルリオを締め上げ、骨が軋む音が聞こえる。しかし、ベルリオはその圧力に抗い、リグザの顎を狙って膝を突き上げる。

 鈍い音が響き、リグザの頭が揺れる。わずかな隙間が生まれ、ベルリオはその隙を見逃さない。
 リグザの腕を振りほどき、再び拳を振り上げる。

「どうやらジリ貧だったのはテメェみてぇだな……!!」

 今まで効いていなかった打撃達が徐々に効き始める。
 ベルリオはリグザの腹部を殴りつけて後退させる。
 だんだんリグザにも疲れと焦りが見え始めた。どうやら長時間の魔獣化はかなり体力と魔力を消耗するらしい。その証拠に――

「お前、その形態だと炎使えねぇんだろ。肉弾戦もさっきよかずっと雑だ。それは……魔力がブレてるせいか?」

 リグザはピクリと顔を動かして反応を示した。
 何も言葉を発さないのは平静を装っているからだろうか。

「俺の鼻、人間と違って特殊なんだ。……獣族だからよ」

「チッ、そういう事か……。まぁ、所詮お前が命懸けで手に入れた情報は所詮その程度だ。もう諦めたらどうだ。片腕が動かなくなりつつあるのを、俺の耳は聞き逃さなかったぞ。……魔獣だからなぁ」

 こりゃ一本取られたな、と言わんばかりの表情でベルリオはリグザの方を見る。
 確かにベルリオの左腕は、戦闘が始まった直後からダメージが溜まり続け、かなりくたびれていた。
 そしてつい先程、よくない音が小さく響き、動かなくなり始めていた。

「フッ……!!油断してるなよ!!」

 リグザの素早い猛攻が再びベルリオに降りかかる。
 今度も受け流しを――そう思っていたベルリオだったが、地面がリグザの攻撃によって抉れ返っており、一歩足を踏み外した。
 すると攻撃そのものは回避できたものの、武器が弾き飛ばされ、二段目の攻撃を腹部に食らって武器とは真逆の方向へと飛ばされてしまった。

「―――ぐっ!!」

 地面に伏せって立ち上がろうとしているベルリオにリグザが近づく。

「武装騎士団の教えに書いてなかったか?敵と無駄に話すなって」

 何とか立ち上がったベルリオは苦しげな表情を作るのを止めていた。そしてどこか清々しさすら感じられる。
 恐らく、武器も無く、腕も折れている。そんな状況になって頼めるのはボロボロになった義手だけ。
 もう死期を察しているのかもしれない。リグザはそう考えていた。

「あぁ、そうだな。確かに書いてあった。――でも、第一条にはこうも書いてあったぜ」

「あ?」

 ベルリオはボロボロになった右腕を間に突き出し、関節部分にあったスイッチを押した。
 すると義手はベルリオの腕から離れ、リグザの体に突き刺さった。しかしそれは致命傷には程遠く、浅く突き刺さっただけだった。

「ハッ、何をするかと思えばこんなもの――」

「大切なものの為に死なずに守れ……それが己の騎士道だと定めた時、死なない覚悟を持てってな……」

 リグザの言葉を遮って、ベルリオは笑って倒れる。
 その表情に一瞬油断したのか、リグザの視線はベルリオに固定されていた。
 
「後は任せたぜ――相棒しんゆう

 刹那、リグザの体が何かによる衝撃で後方へと吹き飛ばされる。
 
「―――ッ!!?」

 赤く、そして黒い血飛沫が舞い、リグザから吹き出す。
 それは、明らかに物理攻撃だが、近距離の代物ではなかった。
 重く、熱く、そして硬い。強く回転した弾丸が、リグザの体を貫いた瞬間だった。

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