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1 5月25日
ファーストコンタクト
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外に出ると、ふわりと揺れるスカートを指で摘んでみる。
なんだか、お姫様にでもなった気分だ。
歩き出すと、サイズがピッタリでもヒールは慣れなくて歩きづらい。ふらふらしながら、なんとか前に進む。
見上げた空はまさに快晴。
だけど、足元がおぼつかなくてすぐに下を向く。周りがよく見えていないあたしの耳に、キキィッと、自転車のブレーキ音が聞こえてとっさに顔を上げた。
「ちゃんと前見ろよ! ひかれてぇのか! ったく」
大きな声で怒鳴られて、去っていく自転車を呆然と見つめた。
驚いた拍子に、右足のヒールが横にズレて足が傾いた。そのまま、落ちるようにゆっくりその場に座り込んでしまって、動けなくなる。
ドクドクと早いままの心臓。
何が起きたのか理解するのに時間がかかる。
足首が、ジンジンと痛い。
やっぱり、あたしはお姫様になんかなれるはずがない。
「大丈夫ですか?」
込み上げてくる涙を必死に堪えて俯いていると、優しい言葉が落ちてきた。
「今、自転車にひかれてなかったです? 救急車呼びますか?」
「え、あ」
救急車!? そんな大事ではないからと、驚いて顔を上げた。
背が高くて手足の長い男の子がスマホを見ている。横顔だけしか見えないのに、立ち姿だけでカッコいい。
しかし、心配そうに彼がこちらを向いた瞬間、ものすごく見覚えのある顔だと気がついた。
「つ!?」
思わず出かかった名前に、慌てて口元に手を当てた。
「だ、大丈夫……です。ただ、びっくりして」
「腰抜かしただけ、とか?」
あたしはまた俯いて、何度もうなずいた。
足は痛いけど、なれないヒールのせいで、自転車にひかれたわけじゃない。
どうか、あたしにかまわずにもう行ってください。心の中で願っても、なかなか彼は目の前から動かない。
「あ、あの、あたしのことは、お気になさらずに……」
どうか、行ってください!
もう一度ギュッと目を瞑って彼が去るのを待つ。それなのに、目の前に後ろ向きでしゃがみ込むから、不思議に思った。
「はい、乗って」
「……え?」
「足、痛いんでしょう? さっきからずっとさすってる。気にしないでって言われても、俺は気になるから。それに、ここ思いっきり歩道の真ん中だし、退けないと邪魔になるでしょ?」
自分の身に起きたことしか考えられなくなっていたあたしは、彼の言葉でようやく周りが見えた。確かに、あたしが座り込んでいるのは歩道の真ん中。歩いていく人がこちらをジロジロと見ている。「ほら早く」と急かされて、あたしは申し訳なく思いながらも彼の背中に体を預けた。
ふわりと持ち上げられて、すぐそばの公園のベンチまで運んでくれた。
なんだか、お姫様にでもなった気分だ。
歩き出すと、サイズがピッタリでもヒールは慣れなくて歩きづらい。ふらふらしながら、なんとか前に進む。
見上げた空はまさに快晴。
だけど、足元がおぼつかなくてすぐに下を向く。周りがよく見えていないあたしの耳に、キキィッと、自転車のブレーキ音が聞こえてとっさに顔を上げた。
「ちゃんと前見ろよ! ひかれてぇのか! ったく」
大きな声で怒鳴られて、去っていく自転車を呆然と見つめた。
驚いた拍子に、右足のヒールが横にズレて足が傾いた。そのまま、落ちるようにゆっくりその場に座り込んでしまって、動けなくなる。
ドクドクと早いままの心臓。
何が起きたのか理解するのに時間がかかる。
足首が、ジンジンと痛い。
やっぱり、あたしはお姫様になんかなれるはずがない。
「大丈夫ですか?」
込み上げてくる涙を必死に堪えて俯いていると、優しい言葉が落ちてきた。
「今、自転車にひかれてなかったです? 救急車呼びますか?」
「え、あ」
救急車!? そんな大事ではないからと、驚いて顔を上げた。
背が高くて手足の長い男の子がスマホを見ている。横顔だけしか見えないのに、立ち姿だけでカッコいい。
しかし、心配そうに彼がこちらを向いた瞬間、ものすごく見覚えのある顔だと気がついた。
「つ!?」
思わず出かかった名前に、慌てて口元に手を当てた。
「だ、大丈夫……です。ただ、びっくりして」
「腰抜かしただけ、とか?」
あたしはまた俯いて、何度もうなずいた。
足は痛いけど、なれないヒールのせいで、自転車にひかれたわけじゃない。
どうか、あたしにかまわずにもう行ってください。心の中で願っても、なかなか彼は目の前から動かない。
「あ、あの、あたしのことは、お気になさらずに……」
どうか、行ってください!
もう一度ギュッと目を瞑って彼が去るのを待つ。それなのに、目の前に後ろ向きでしゃがみ込むから、不思議に思った。
「はい、乗って」
「……え?」
「足、痛いんでしょう? さっきからずっとさすってる。気にしないでって言われても、俺は気になるから。それに、ここ思いっきり歩道の真ん中だし、退けないと邪魔になるでしょ?」
自分の身に起きたことしか考えられなくなっていたあたしは、彼の言葉でようやく周りが見えた。確かに、あたしが座り込んでいるのは歩道の真ん中。歩いていく人がこちらをジロジロと見ている。「ほら早く」と急かされて、あたしは申し訳なく思いながらも彼の背中に体を預けた。
ふわりと持ち上げられて、すぐそばの公園のベンチまで運んでくれた。
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