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5 12月25日
毎年恒例の家族パーティー
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「おかえり、ニコ。今日はお父さん特製オムライスだよ」
玄関を開けると、珍しく父が迎えてくれた。
「ただいま。あれ、お母さんおでかけだっけ?」
「うん。まりあさんと一緒にメイクアップなんとかのなんとかさんって人のイベント会行って、そのまま夕飯食べてくるって」
全然覚える気ないな、お父さんってば。呆れながらも、メイクアップという言葉に今日のことを思い出す。
「え! もしかして、メイクアップアーティストのニジュウゴさん!?」
「うーん、たしかそんな感じだったかな」
うろ覚えな父は笑いながらテーブルに夕飯の準備をしてくれる。
美容師のまりあさんが参加するほどだから、やっぱり有名な方だったんだ。
カバンの中に入っているリップを思い出して、あたしは嬉しくなった。母が帰ってきたら、ニジュウゴさんのリップをみんなとお揃いで買ったことを話したいな。
「お父さんのオムライス久しぶり! 今着替えてくるね」
「うん。喜んでくれて嬉しいよー! クラムチャウダーも付けとくから」
部屋に戻って着替えると、すぐにまた下に降りてきて父と一緒に夕飯を食べた。
なんてことないことが、幸せって感じる。楽しいって感じる。一歩を踏み出すって、怖い気もしたけど、やってみないと分からない。あたしは少しずつ、前に進んで、周りのみんなと関わっていきたい。
「ニコ、クリスマスの日は毎年恒例の家族パーティーしような」
オムライスが美味しくて笑顔になってしまうあたしに父も気分が良くなったのか、そんなことを切り出してきた。
うちのクリスマスの1日は、朝のサンタさんからのプレゼント発見から始まり、開封、クリスマスツリーのあるリビングでのんびり映画鑑賞、昼はショッピングに出かけて、夜はケーキに家族みんなで食べたいものを作ったり買ってきたりしてパーティをすると小さい頃から決まっている。
毎年それが当たり前だったから、また今年も、は間違いじゃない。今までは友達もいなかったし誰かに誘われることだってなかったから、家にいるのが当たり前だった。
日曜日に、椿くんと出かけるって、父にちゃんと話したほうがいいかな。でも、さっき送ったメッセージの返信はまだ見ていない。椿くんから、もしかしたらこの前の話はなかったことにって、言われる可能性だってある。だから、父に話を合わせてしまった。
「う、うん! 楽しみ」
これまでのクリスマスの思い出を懐かしそうに話し出す父。だけど、あたしは上の空で話を聞く。クリスマスは日曜日。あたし、出かけても良いのかな。家族で過ごすクリスマスじゃなくて、いいのかな。
ご飯を食べ終えて部屋に戻ると、机の上のツバくんをそっと手に取った。
「どうしよう、ツバくん」
掛けておいた制服のポケットから、入れっぱなしにしていたスマホを取り出す。
新着メッセージが届いているのを見て、どきっとする。椿くんから、返信が来ている。ドキドキと早くなっていく心臓を落ち着かせるために深呼吸をした。
『じゃあ、俺と一緒にでかけませんか?』
一瞬、頭の中が真っ白になった。
心のどこかで誘われるって分かっていたはずなのに、それでもまだあり得ないと思ってしまう。
「どうしよう……」
とたんに、落ち着かなくなって部屋の中をうろうろ歩き回ってしまうと、スマホが震えるから驚いて立ち止まった。
玄関を開けると、珍しく父が迎えてくれた。
「ただいま。あれ、お母さんおでかけだっけ?」
「うん。まりあさんと一緒にメイクアップなんとかのなんとかさんって人のイベント会行って、そのまま夕飯食べてくるって」
全然覚える気ないな、お父さんってば。呆れながらも、メイクアップという言葉に今日のことを思い出す。
「え! もしかして、メイクアップアーティストのニジュウゴさん!?」
「うーん、たしかそんな感じだったかな」
うろ覚えな父は笑いながらテーブルに夕飯の準備をしてくれる。
美容師のまりあさんが参加するほどだから、やっぱり有名な方だったんだ。
カバンの中に入っているリップを思い出して、あたしは嬉しくなった。母が帰ってきたら、ニジュウゴさんのリップをみんなとお揃いで買ったことを話したいな。
「お父さんのオムライス久しぶり! 今着替えてくるね」
「うん。喜んでくれて嬉しいよー! クラムチャウダーも付けとくから」
部屋に戻って着替えると、すぐにまた下に降りてきて父と一緒に夕飯を食べた。
なんてことないことが、幸せって感じる。楽しいって感じる。一歩を踏み出すって、怖い気もしたけど、やってみないと分からない。あたしは少しずつ、前に進んで、周りのみんなと関わっていきたい。
「ニコ、クリスマスの日は毎年恒例の家族パーティーしような」
オムライスが美味しくて笑顔になってしまうあたしに父も気分が良くなったのか、そんなことを切り出してきた。
うちのクリスマスの1日は、朝のサンタさんからのプレゼント発見から始まり、開封、クリスマスツリーのあるリビングでのんびり映画鑑賞、昼はショッピングに出かけて、夜はケーキに家族みんなで食べたいものを作ったり買ってきたりしてパーティをすると小さい頃から決まっている。
毎年それが当たり前だったから、また今年も、は間違いじゃない。今までは友達もいなかったし誰かに誘われることだってなかったから、家にいるのが当たり前だった。
日曜日に、椿くんと出かけるって、父にちゃんと話したほうがいいかな。でも、さっき送ったメッセージの返信はまだ見ていない。椿くんから、もしかしたらこの前の話はなかったことにって、言われる可能性だってある。だから、父に話を合わせてしまった。
「う、うん! 楽しみ」
これまでのクリスマスの思い出を懐かしそうに話し出す父。だけど、あたしは上の空で話を聞く。クリスマスは日曜日。あたし、出かけても良いのかな。家族で過ごすクリスマスじゃなくて、いいのかな。
ご飯を食べ終えて部屋に戻ると、机の上のツバくんをそっと手に取った。
「どうしよう、ツバくん」
掛けておいた制服のポケットから、入れっぱなしにしていたスマホを取り出す。
新着メッセージが届いているのを見て、どきっとする。椿くんから、返信が来ている。ドキドキと早くなっていく心臓を落ち着かせるために深呼吸をした。
『じゃあ、俺と一緒にでかけませんか?』
一瞬、頭の中が真っ白になった。
心のどこかで誘われるって分かっていたはずなのに、それでもまだあり得ないと思ってしまう。
「どうしよう……」
とたんに、落ち着かなくなって部屋の中をうろうろ歩き回ってしまうと、スマホが震えるから驚いて立ち止まった。
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