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売れ行きが伸びない日々
伸び悩み
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3日間限定イベントの最終戦から、もう1週間が経った。
リリーさん、本名リリーミ・シュテンさんに圧倒された私達はたったの一撃で全滅した。
あの技は強いでは片付けられないほどに対処のしようがなかった。
「妹よ! 今日の客の入りが悪いぞー!」
「うーん。人がね……」
「売れ行き伸びないと金がー!」
お金が……それはみんなの悩みになっているからお姉ちゃんだけの問題じゃないんだけど……。
イベント終了の次の日から、マスターさんに任せていた薬屋【ドラッグ 一番屋】の営業に戻った。
……戻ったまでは良かった。
でもそれは、今まで順調に売り上げを伸ばし続けてきて私達にとってはちょっとした悪夢の始まりだった。
売れ行きが伸びず、全員分の給料を払うのでいっぱいいっぱい。
このままでは、いつ売れ行きが落ちていくか分からない。
だから今、私はカイトさんと何か案を練っている最中だった。
「割引き……。そうじゃなくて何かもっとこう──」
「じゃあ……霧ちゃんに一皮脱いでもらいましょう」
「──ちょっとカイトさん!? なんで私が脱ぐのですか!?」
「落ち着いて霧ちゃん。服じゃないから安心してね?」
霧ちゃんに一皮脱いでもらおうと言うカイトさんは冗談を言うような人ではないことから、これは本気で言っているんだと理解できた。
それなら、もうここは霧ちゃんに一皮脱いでもらうしかない。
「霧ちゃん! お店のためと思って一皮脱いでください!」
「うぅ……。お姉さんに言われては──仕方ないです! やりましょう! 全部脱ぎますよー!」
本当に下着まで全部脱ぎだしそうで不安だけれど、一皮脱いでくれるのは本当にありがたい。
そうと決まればすぐ行動と思い、私が席を勢い良く立ち上がるとカイトさんに手首を捕まれた。
そして、霧ちゃんに「戻っていてください」と言って仕事に返した。
私はキョトンとしながらもカイトさんに椅子に座らされ、一枚の紙を見せられた。
「メイド分かりますか?」
「それはもちろんですよ? 猫耳までは知らなかったですけど……」
「と、言うことで……」
──すいませんがリミアさんにも一皮脱いでもらいます。
「……それはどういう意味でしょうか?」
「メイド服を着て、ニャンニャンしてもらいます」
「あ……はい。それはいいんですけど……」
──それならカイトさんも巻き込みです。
と、言うことになった。
転送で届けてもらったメイド服は、Sサイズ1着、Мサイズ2着の合計3着。
Sサイズは霧ちゃんに、Мサイズは私とカイトさんに。
男の娘のカイトさんがメイド服を着ると、秋葉原のメイド喫茶にいる女の子よりも断然可愛いかった。
霧ちゃんはいかにロリメイド。
そして私は自分のメイド姿を見てもただのコスプレにしか見えなかった。
「お! みんな似合ってるねー!」
「うんうん! 似合ってる似合ってるー!」
「これは一級品ですねー」
カチーシェさん、ルルさん、可憐さんの3人に褒められ、私と霧ちゃんは飛び跳ねて喜んだ。
けれどカイトさんは、もう爆発する寸前のゲームに出てくる爆弾のように赤く頬を膨らませていた。
その表情がまたなんとも言えない──真の可愛いだった。
「似合ってんだから自信持てカイト!」
「無理だよアキラお兄さん! 僕は可愛くなんてないんだから!」
「カイトって僕って言えるだねー!」
「人間は誰でも言えるわってね! アッハハハハ!」
少し涙を浮かべているカイトさんが、犬歯を向きながら反抗している。
照れ隠しの反抗だと理解しているアグナさんは、いたずらで頭を撫でてさらにカイトさんの顔を真っ赤にして見せる。
仲のいい兄弟はやっぱりいいな。私にはお姉ちゃんがいるけれど、そこまでは無いから姉妹ぽくないんだよね。
そんなことを考えていると、私より少し大きめの手が頭をポンポンと叩いてくれた。
後ろを振り向くと、歯を見せて笑う姉がいた。
「──お姉ちゃん!?」
「似合っているんだから自信持てばいいんだぞ妹よ! 本当なら、私の入っている事務所が鼎を欲しがっているほどなのだからな!」
姉は原宿を歩いている際に声をかけられ、そのままハイスピードでモデルになった。
その時姉は満面の笑みで喜んでいた。
でも今私に見せている笑顔は、意味は違うけれどその時以上に嬉しそう……。お姉ちゃんのこんな笑顔を見るのは初めてで嬉しいな。
「なんか今まで姉らしいことをしてあげられなくてすまなかったな!」
「ううん! やる気出てきたよー! やるよー!」
私は思わず、嬉しさでテンションが一気に上がった。
そして、霧ちゃんとカイトさんの手を私は引いてお店の外に飛び出して大声で客寄せを始めた。
「リミアちゃんの姉さん。姉らしいことしてあげれなかったのか?」
「君も私と同じように兄弟なんだったね。なら分かると思うけど、弟や妹をそっちのけでしたいことに没頭することは不可能だろ? 心配になったりする。私はその反対で、いい子すぎる鼎を、安心からか放置気味だったんだ。だから今、こうしてゲームも一緒にできていて嬉しいし、姉としてやれることをやれたらと思っているんだ」
リリーさん、本名リリーミ・シュテンさんに圧倒された私達はたったの一撃で全滅した。
あの技は強いでは片付けられないほどに対処のしようがなかった。
「妹よ! 今日の客の入りが悪いぞー!」
「うーん。人がね……」
「売れ行き伸びないと金がー!」
お金が……それはみんなの悩みになっているからお姉ちゃんだけの問題じゃないんだけど……。
イベント終了の次の日から、マスターさんに任せていた薬屋【ドラッグ 一番屋】の営業に戻った。
……戻ったまでは良かった。
でもそれは、今まで順調に売り上げを伸ばし続けてきて私達にとってはちょっとした悪夢の始まりだった。
売れ行きが伸びず、全員分の給料を払うのでいっぱいいっぱい。
このままでは、いつ売れ行きが落ちていくか分からない。
だから今、私はカイトさんと何か案を練っている最中だった。
「割引き……。そうじゃなくて何かもっとこう──」
「じゃあ……霧ちゃんに一皮脱いでもらいましょう」
「──ちょっとカイトさん!? なんで私が脱ぐのですか!?」
「落ち着いて霧ちゃん。服じゃないから安心してね?」
霧ちゃんに一皮脱いでもらおうと言うカイトさんは冗談を言うような人ではないことから、これは本気で言っているんだと理解できた。
それなら、もうここは霧ちゃんに一皮脱いでもらうしかない。
「霧ちゃん! お店のためと思って一皮脱いでください!」
「うぅ……。お姉さんに言われては──仕方ないです! やりましょう! 全部脱ぎますよー!」
本当に下着まで全部脱ぎだしそうで不安だけれど、一皮脱いでくれるのは本当にありがたい。
そうと決まればすぐ行動と思い、私が席を勢い良く立ち上がるとカイトさんに手首を捕まれた。
そして、霧ちゃんに「戻っていてください」と言って仕事に返した。
私はキョトンとしながらもカイトさんに椅子に座らされ、一枚の紙を見せられた。
「メイド分かりますか?」
「それはもちろんですよ? 猫耳までは知らなかったですけど……」
「と、言うことで……」
──すいませんがリミアさんにも一皮脱いでもらいます。
「……それはどういう意味でしょうか?」
「メイド服を着て、ニャンニャンしてもらいます」
「あ……はい。それはいいんですけど……」
──それならカイトさんも巻き込みです。
と、言うことになった。
転送で届けてもらったメイド服は、Sサイズ1着、Мサイズ2着の合計3着。
Sサイズは霧ちゃんに、Мサイズは私とカイトさんに。
男の娘のカイトさんがメイド服を着ると、秋葉原のメイド喫茶にいる女の子よりも断然可愛いかった。
霧ちゃんはいかにロリメイド。
そして私は自分のメイド姿を見てもただのコスプレにしか見えなかった。
「お! みんな似合ってるねー!」
「うんうん! 似合ってる似合ってるー!」
「これは一級品ですねー」
カチーシェさん、ルルさん、可憐さんの3人に褒められ、私と霧ちゃんは飛び跳ねて喜んだ。
けれどカイトさんは、もう爆発する寸前のゲームに出てくる爆弾のように赤く頬を膨らませていた。
その表情がまたなんとも言えない──真の可愛いだった。
「似合ってんだから自信持てカイト!」
「無理だよアキラお兄さん! 僕は可愛くなんてないんだから!」
「カイトって僕って言えるだねー!」
「人間は誰でも言えるわってね! アッハハハハ!」
少し涙を浮かべているカイトさんが、犬歯を向きながら反抗している。
照れ隠しの反抗だと理解しているアグナさんは、いたずらで頭を撫でてさらにカイトさんの顔を真っ赤にして見せる。
仲のいい兄弟はやっぱりいいな。私にはお姉ちゃんがいるけれど、そこまでは無いから姉妹ぽくないんだよね。
そんなことを考えていると、私より少し大きめの手が頭をポンポンと叩いてくれた。
後ろを振り向くと、歯を見せて笑う姉がいた。
「──お姉ちゃん!?」
「似合っているんだから自信持てばいいんだぞ妹よ! 本当なら、私の入っている事務所が鼎を欲しがっているほどなのだからな!」
姉は原宿を歩いている際に声をかけられ、そのままハイスピードでモデルになった。
その時姉は満面の笑みで喜んでいた。
でも今私に見せている笑顔は、意味は違うけれどその時以上に嬉しそう……。お姉ちゃんのこんな笑顔を見るのは初めてで嬉しいな。
「なんか今まで姉らしいことをしてあげられなくてすまなかったな!」
「ううん! やる気出てきたよー! やるよー!」
私は思わず、嬉しさでテンションが一気に上がった。
そして、霧ちゃんとカイトさんの手を私は引いてお店の外に飛び出して大声で客寄せを始めた。
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