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売り上げを伸ばしながらクエスト
新薬をまた開発
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「イテテ! 鼎はもうちょい自分に慎重になってだな……あ? 目が回ってんじゃねーよ鼎。早くしないと待たせてるぞ」
「……はぁっ! ──はい!」
アキラさんの呼びかけで意識が戻り、私はダンボールに慌ててポーションを放りこんで渡した。
ポーションを取りに来た人は、一度だけ見たことのある人で1列目のお菓子屋さんの息子さん。
息子さんはダンボールを持って裏路地を戻っていく。
その後ろ姿が見えなくなったのを確認し、私とアキラさんはお昼ご飯を食べに行った。
今思ったことだが、午後の授業を取らず、ゲームをしている私達は最低年数で卒業できるのか心配になってきた。
売れ行きが落ちたくらいから午後の授業を取っていない。
呑気にゲーム内でお昼ご飯を食べるほどの単位を持っているわけでもないのに。
「俺達って卒業できるのか?」
「……多分無理ですよね。最低年数での卒業はさすがに」
……卒業。最低年数。──高速?
私は「卒業」、この単語にひらめいた。
ハンバーグをモグモグと頬張りながら、頭の中でポーションの調合手順を思い出す。
【ディーヴェルクオンライン】には卒業制度があり、5段階に分けられている。
卒業にはプレイヤーレベルが必須となり、プレイヤーレベルが一定の決められただけ上がれば第一段階卒業などと称号と報酬を貰える。
冒険者(プレイヤー)は、自身のレベルを上げて卒業制度による報酬を貰うことで最速中級者へとなることができる。
それだったら、なかなかモンスターを倒したくらいでは上がらないレベルを、手助けする補助ポーションを作ればいいってことだよね。
私はハンバーグを飲み込み、自分なりの考えをアキラさんに相談してみた。
ちなみに、「アグナはやめてゲーム内でもアキラにしろ」と言われてしまったのでアキラさんに直した。
「アキラさん。私、分かっちゃいました」
「何が分かったんだ? ろふでもなひことは、きかないほ?」
「それを飲み込んでから話してくださいよ……。前回作った希望の薬は全回復と攻防値を200ほど上げるものでした、なら次は補助ポーションかと!」
「補助ポーション?」と、アキラさんに首を傾げられてしまった。
スマホゲームでは稀に見ることがある補助アイテムだけれど、RPG系は基本存在しない。
そして、【ディーヴェルクオンライン】にももちろ無い。
……売っていないだけだから。
作る者がいなければ、誕生することはまずない。
だからと言って、調合書が無いわけでもない。
つまり、私が作れば経験値げ欲しい冒険者のみんなが楽になるって、お店はもっと活気に溢れること間違いなし!
「補助ポーション。経験値上げです!」
「それ天才だな! いけるいける。作ろうぜ」
「それには……一つ問題があって、2人で作らないとなんですよ……」
そしてまたしても首を傾げられてしまった。
補助ポーションは協同で作る必要がある特殊ポーション。
つまり、私ともう一人誰か必要で……だからアキラさんに頼みたいところなんだけど……。
「ほー。なら俺でいいだろ?」
「──はい! 是非!」
私は勢い良く机に手をついてアキラさんに顔を近づけてしまった。
自分でしておいてだけれど、なぜ体が急激に高熱を帯びた。
カァー! と、頭から熱が出るのが分かる。
けれど、アキラさんは普段の顔のまま私の頬を抓って──
「落ち着け鼎。とりあえずハンバーグ食べろよ? あと服に付いてる」
「ついてる……ですか?」
「デミ」
「デミ」とは何かと、首を傾げた私を見てアキラさんは服の裾を掴んでお絞りで裾をポンポンと叩きだす。
デミ……デミグラスソースの略だった。
よく見ると、私の服の裾にデミグラスソースがついて染みこんでいた。
アキラさんが拭き取るのをやめると、また私の体が高熱を帯びた。
恥ずかしさで体から何か出てきそうなほどにドクドクと。
「とりあえず帰ったら脱げ。洗濯だなこりゃ」
「は、はい……。すいません……」
「元気だせ。新薬作るんだろ?」
「──はい!」
「またつくぞ! とりあえず落ち着くか落ち込むかどっちかにしろ!」
コツン! と、頭にゲンコツが優しく降りる。
ゲンコツで私は50のダメージを負ってしまい、頭に激痛が走る。
だからレベル1は嫌なんですよ……運営さん……。イタイ……。
お店に戻ると、集団客も引き、少し落ち着いていた。
戻るなりすぐに私とアキラさんは素材屋さんに走った。
「おいジジイ。とりあえずレデバス草を8と、経験値スライムの体液を5瓶だ」
「ジジイ言うやつには売らん!」
「モルさん、お願いします」
「おーおー! 薬師のリミアちゃんね、ほらほら2000ロトだよ持ってき」
モルデルおじさん。
NPCの中で自由行動設定が施されている商人。
だから自由に話ができ、プレイヤー以上の会話知識を持っている。
「……はぁっ! ──はい!」
アキラさんの呼びかけで意識が戻り、私はダンボールに慌ててポーションを放りこんで渡した。
ポーションを取りに来た人は、一度だけ見たことのある人で1列目のお菓子屋さんの息子さん。
息子さんはダンボールを持って裏路地を戻っていく。
その後ろ姿が見えなくなったのを確認し、私とアキラさんはお昼ご飯を食べに行った。
今思ったことだが、午後の授業を取らず、ゲームをしている私達は最低年数で卒業できるのか心配になってきた。
売れ行きが落ちたくらいから午後の授業を取っていない。
呑気にゲーム内でお昼ご飯を食べるほどの単位を持っているわけでもないのに。
「俺達って卒業できるのか?」
「……多分無理ですよね。最低年数での卒業はさすがに」
……卒業。最低年数。──高速?
私は「卒業」、この単語にひらめいた。
ハンバーグをモグモグと頬張りながら、頭の中でポーションの調合手順を思い出す。
【ディーヴェルクオンライン】には卒業制度があり、5段階に分けられている。
卒業にはプレイヤーレベルが必須となり、プレイヤーレベルが一定の決められただけ上がれば第一段階卒業などと称号と報酬を貰える。
冒険者(プレイヤー)は、自身のレベルを上げて卒業制度による報酬を貰うことで最速中級者へとなることができる。
それだったら、なかなかモンスターを倒したくらいでは上がらないレベルを、手助けする補助ポーションを作ればいいってことだよね。
私はハンバーグを飲み込み、自分なりの考えをアキラさんに相談してみた。
ちなみに、「アグナはやめてゲーム内でもアキラにしろ」と言われてしまったのでアキラさんに直した。
「アキラさん。私、分かっちゃいました」
「何が分かったんだ? ろふでもなひことは、きかないほ?」
「それを飲み込んでから話してくださいよ……。前回作った希望の薬は全回復と攻防値を200ほど上げるものでした、なら次は補助ポーションかと!」
「補助ポーション?」と、アキラさんに首を傾げられてしまった。
スマホゲームでは稀に見ることがある補助アイテムだけれど、RPG系は基本存在しない。
そして、【ディーヴェルクオンライン】にももちろ無い。
……売っていないだけだから。
作る者がいなければ、誕生することはまずない。
だからと言って、調合書が無いわけでもない。
つまり、私が作れば経験値げ欲しい冒険者のみんなが楽になるって、お店はもっと活気に溢れること間違いなし!
「補助ポーション。経験値上げです!」
「それ天才だな! いけるいける。作ろうぜ」
「それには……一つ問題があって、2人で作らないとなんですよ……」
そしてまたしても首を傾げられてしまった。
補助ポーションは協同で作る必要がある特殊ポーション。
つまり、私ともう一人誰か必要で……だからアキラさんに頼みたいところなんだけど……。
「ほー。なら俺でいいだろ?」
「──はい! 是非!」
私は勢い良く机に手をついてアキラさんに顔を近づけてしまった。
自分でしておいてだけれど、なぜ体が急激に高熱を帯びた。
カァー! と、頭から熱が出るのが分かる。
けれど、アキラさんは普段の顔のまま私の頬を抓って──
「落ち着け鼎。とりあえずハンバーグ食べろよ? あと服に付いてる」
「ついてる……ですか?」
「デミ」
「デミ」とは何かと、首を傾げた私を見てアキラさんは服の裾を掴んでお絞りで裾をポンポンと叩きだす。
デミ……デミグラスソースの略だった。
よく見ると、私の服の裾にデミグラスソースがついて染みこんでいた。
アキラさんが拭き取るのをやめると、また私の体が高熱を帯びた。
恥ずかしさで体から何か出てきそうなほどにドクドクと。
「とりあえず帰ったら脱げ。洗濯だなこりゃ」
「は、はい……。すいません……」
「元気だせ。新薬作るんだろ?」
「──はい!」
「またつくぞ! とりあえず落ち着くか落ち込むかどっちかにしろ!」
コツン! と、頭にゲンコツが優しく降りる。
ゲンコツで私は50のダメージを負ってしまい、頭に激痛が走る。
だからレベル1は嫌なんですよ……運営さん……。イタイ……。
お店に戻ると、集団客も引き、少し落ち着いていた。
戻るなりすぐに私とアキラさんは素材屋さんに走った。
「おいジジイ。とりあえずレデバス草を8と、経験値スライムの体液を5瓶だ」
「ジジイ言うやつには売らん!」
「モルさん、お願いします」
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