カムトラック

八壁ゆかり

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Track 11: Untitled

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でもずっと前から同じ場所に居る気もする
       ここは湿度が高すぎるんだ(肝心なのは湿度だ)
               見知らぬ場所を恐れる子供と恐れない子供がいるように
      ルーズソックスは捨てても捨てきれない物なの
                 霧海で救済を求める声は決して誰の耳にも届くことはなく
ひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひ
          ひゃくとり虫を笑い物にしないであげて
    でも今は違うわ 鏡なんて恐くない
                   

 食べちゃった。あの子は一人でスゴク辛そうだったから。
 でもオレの中に来れば、他にもいっぱい居て、もう辛くないから。


(なんでオレとあの子はカラダが別々なんだろう?)


 食べちゃった。食べちゃった。あの人はオレの血肉になるたとえ排出されてもあの人を吸収したオレ、生き続けてあの人もオレの中で、これでもう、大丈夫。二度と離れることはないから。
『そうだよ、僕はずっとキミの中に居るよ』
 うん、だからもうさみしくないよ。

   
  死ぬまでここに居たい
みんなでランチを食べに行こう のっぺらぼうな俺
       もしくは昔初めて買ってもらった水鉄砲が血液で一杯になった時の音でも
     私だって好きでプリーツスカートを穿いてるわけじゃないし
            常識としての定則 繊細に集う同腹
じりじりじりじりじりじりじりじりじりじりじりじりじりじりじりじりじりじりじりじ
               おひさまが上から見下ろしてたから
                     だからこの世界を守らなきゃって

 でもオレは色んな人に恋をする。
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