朝日に捧ぐセレナーデ 〜天使なSubの育て方〜

沈丁花

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第二部

※お互いが願うこと②※(静留side)

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見ている静留が泣きたくなってしまうほどに優しい笑みを浮かべた東弥の瞳を、静留は彼の左手を両手で握りながらじっと見つめた。

ローションを纏った指の腹がとんとんと優しく入り口に押し当てられ、むず痒さの混じった快楽と彼に自分の蕾を晒していることへの恥ずかしさでおかしくなってしまいそうになる。

「ぁっ…んっ…。」

唇から漏れる声がひどく甘ったるくて恥ずかしいのに、止めることができない。

こんなにも身体が熱いことが、心臓が張り裂けそうなほどにドキドキしていることが、もう東弥には伝わっているのだろうか。

もし伝わっているのならと考えるとさらに恥ずかしくなり、また身体が熱を帯びる。

やがて東弥の手の中で1番細い指が静留の中に侵入し、中を広げていった。

「苦しくない?」

温かく優しい声に、静留は黙って頷く。

初めての時よりも不快感は小さく、少し汗ばんだ大好きな手を握っていれば容易に耐えることができた。

しばらく静留の中を蠢いた後指が抜かれ、今度は人差し指が押し当てられる。

「少し太くなるけど大丈夫?」

もう一度静留が頷けば、東弥は慎重な眼差しでその指を進めた。

__そんなところ、じっとみられたら、はずかしいよ…。

恥ずかしさに目を瞑りたくなる一方で、大切に思ってくれるからこその真剣な眼差しが格好良くてつい目を向けてしまう。

初めて聞いた時は怖いと思ったこの行為も、丁寧な準備を経て彼がどれだけ自分を大切にしてくれているかが分かったから、東弥が相手ならば早く先に進みたいとすら思うようになった。

行為を重ねるたび、もっと彼が好きになる。

だから彼と自分の身体が一番深いところで繋がる瞬間はきっと幸せで満たされているに違いない。

そんなことを考えながら東弥の指を感じていると、ある瞬間に脳内に電流のような強い刺激が走り、静留は反射的に声を上げた。

「いたいっ…!!」

東弥がすぐに指を引き抜き、ついで心配そうに静留の瞳を覗く。

「痛かった?大丈夫?もう痛くない?」

優しい声が降ってくる、その中で静留は混乱していた。






“痛い”ととっさに叫んでいたが、おそらく痛みは伴っていない。

それどころか走った刺激は快楽で、痛いというのはその強さを脳が痛みだと誤変換したからこそ漏れた言葉だったのだろう。

排泄器官としてつくられたその部分に指を受け入れ快楽を得るだなんて恥ずかしい。

東弥の手を離し、おそらく真っ赤になっているであろう自らの顔を両手で覆う。

「…あの、ね、…きもちかったの、…びっくりして、いたいって、いっちゃったの…。」

しかし東弥が心配して苦しむのは嫌だから、羞恥で声を震わせながらも静留はなんとかそう紡いだ。

「本当?無理してない?…ちゃんと顔を見せて。お願い。」

言いながら東弥の手が優しく静留の手を持ち上げる。

「…ほんとう、だよ…?」

東弥に嘘は言わないし、そもそも静留は嘘をつくのが苦手だ。

感情を言葉にすることすら大変なのに、それをさらに偽るなど難しすぎる。

じっと見つめ真実だと訴えれば、やっと彼は口元を綻ばせ、静留の腹部に優しく口づけを落とした。

「ぁっ… 」

粘膜の柔らかいその部分に東弥の温もりが触れたことで、ひどく安心感を覚え静留は甘い息を漏らす。

「お腹、気持ちいい?」

静留が頷くと、今度は彼の大きな手がさするように静留の腹部に触れた。

「んっ…。」

__きもちいい…。

触れた部分が多幸感に満たされ、全身から力が抜け、それとともに下腹部に熱が溜まっていく。

「このままもう一回するから、痛い時は言ってね。」

声とともにふたたび後孔に指が埋め込まれた。

東弥は先ほど強い快楽をもたらした部分まで指を到達させると、さらにそこで第一関節をゆるく曲げ、指の腹でその部分を何度もノックする。

「ゃっ、あぁっ…んっ…。」

感じる部分を執拗に刺激され、静留はひっきりなしに喘ぎを漏らした。

すでに下腹部に溜まっていた熱が暴走し、吐精ではない新しい快楽の逃げ場として静留の身体を痙攣させる。

痙攣しながら大きすぎる快楽に耐えきれず泣いてしまった静留を、東弥は優しく抱きしめ、熱が落ち着くまであやしてくれた。

「よく頑張ったね。後ろで気持ち良くなれるなんてすごいよ。」

たくさんの甘い言葉とともに身体中の至るところに口付けが落ちてきて。

それが唇に落とされた時に静留は意識を手放した。

「大好きだよ、静留。」

遠くで大好きな声が甘く静留の名を呼んだ。
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