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明日の君が笑顔なら 13
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寝室には読書灯だけが灯されていて、シルクリネンのシーツが、ぼんやりと夜の入り口まで誘うように光っている。
北瀬はその上にそっと礼人を横たえると、仰向けになった礼人の上からゆっくりと覆い被さってきた。
いつもより少し荒く熱っぽい吐息が頬を掠め、心臓がどくどくと激しく鼓動を刻む。
どうしていいのかわからずに、礼人は視線を右往左往させた。こんなにも近くに愛しい人の顔を見ていたら、心臓が壊れてしまいそうだ。
そんな礼人を、シトリンの瞳はひどく愛おしげに見つめて。
やがて、そっと触れるだけの、泡雪みたいな口付けが降ってきた。
「あや、…顔真っ赤。かわいい。」
唇を離した北瀬の、たっぷりと優しさを帯びた声が、揶揄うように囁く。
「…だって、恥ずかしい…し、どきどき、します…。」
必死になって返せば、彼はくすぐったそうに笑んで、親指で礼人の唇をそっとなぞった。
「うん、どきどきするね。」
「…莉杜さんは、どきどきしてますか…?」
ちっともそうは見えない表情で言われたから、不安になって、つい尋ねてしまう。
自分だけが変にどきどきして、恥ずかしがって、北瀬に迷惑をかけてはいないだろうか。
もしも温度差で幻滅されたりしたら、どうしようかと、不安になってしまう。
「してるよ。」
かなり面倒なことを言ったのに、北瀬は嫌な顔一つせず礼人の頭を優しく撫でてくれた。
「…どうしたら、あやに伝わるかな?」
そのまま、少し考えるような素振りを見せた後、そっと礼人の右手を掬い上げて彼の寝巻きの中に滑り込ませる。
硬い胸板にそっと手のひらが押し当てられた。
触れた場所から、どく、どく、と手を押し上げられそうなほど強い拍動が伝わってくる。
「…これで、わかった?」
安心させるような声音に、こくりと礼人は頷いた。
よく見ると、こんなにも寒いのに北瀬の額にはうっすら汗が浮かんでいる。
体温も、今の礼人と同じくらい高い。
__…おんなじ、なんだ。
不思議と安心して、少しだけ力が抜けた。
北瀬はその上にそっと礼人を横たえると、仰向けになった礼人の上からゆっくりと覆い被さってきた。
いつもより少し荒く熱っぽい吐息が頬を掠め、心臓がどくどくと激しく鼓動を刻む。
どうしていいのかわからずに、礼人は視線を右往左往させた。こんなにも近くに愛しい人の顔を見ていたら、心臓が壊れてしまいそうだ。
そんな礼人を、シトリンの瞳はひどく愛おしげに見つめて。
やがて、そっと触れるだけの、泡雪みたいな口付けが降ってきた。
「あや、…顔真っ赤。かわいい。」
唇を離した北瀬の、たっぷりと優しさを帯びた声が、揶揄うように囁く。
「…だって、恥ずかしい…し、どきどき、します…。」
必死になって返せば、彼はくすぐったそうに笑んで、親指で礼人の唇をそっとなぞった。
「うん、どきどきするね。」
「…莉杜さんは、どきどきしてますか…?」
ちっともそうは見えない表情で言われたから、不安になって、つい尋ねてしまう。
自分だけが変にどきどきして、恥ずかしがって、北瀬に迷惑をかけてはいないだろうか。
もしも温度差で幻滅されたりしたら、どうしようかと、不安になってしまう。
「してるよ。」
かなり面倒なことを言ったのに、北瀬は嫌な顔一つせず礼人の頭を優しく撫でてくれた。
「…どうしたら、あやに伝わるかな?」
そのまま、少し考えるような素振りを見せた後、そっと礼人の右手を掬い上げて彼の寝巻きの中に滑り込ませる。
硬い胸板にそっと手のひらが押し当てられた。
触れた場所から、どく、どく、と手を押し上げられそうなほど強い拍動が伝わってくる。
「…これで、わかった?」
安心させるような声音に、こくりと礼人は頷いた。
よく見ると、こんなにも寒いのに北瀬の額にはうっすら汗が浮かんでいる。
体温も、今の礼人と同じくらい高い。
__…おんなじ、なんだ。
不思議と安心して、少しだけ力が抜けた。
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