記憶喪失の僕は、初めて会ったはずの大学の先輩が気になってたまりません！

明日の君が笑顔な14

力が抜けると同時に、右手が解放される。

そのまま今度は強く唇を押し当てられて、驚いて開いた唇の隙間から熱い舌が深く侵入してきた。

「ん、ふっ…んっ… 」

くちゅ、くちゅ、と淫猥な水音を響かせながら、角度を変えて何度もなんども口付けられる。

重なるたび、どろどろにとろかすように中をかき回されるから、合間合間におかしな声が漏れ出て抑えられない。

付き合い始めた日から何度も口づけを交わしたはずなのに、その行為がこんなにも卑猥なものだということは今初めて知った。

「りと、さんっ…、口っ、…あつ、い…。」

たまらず途切れ途切れに訴えれば、やっと唇が解放される。

「ごめん。あやの口の中、気持ちよくて。…苦しかった？」

「…苦しくはない、です。でも、おかしく、なりそう…。」

「一緒におかしくなればいいよ。たくさん触れ合って、あやの全部を知りたい。」

低い声で囁きながら、安心させるように頭を撫でられる。

この手に撫でられる瞬間が好きだ、と思う。北瀬の手に頭を撫でられると、とても安心して幸せな感覚に陥る。

「…続き、してもいい？」

上目遣いで尋ねられた声にこくりと頷くと、今度は北瀬の唇が首筋に触れ、鎖骨、胸…、と次第に下の方へと下がっていった。

不思議と、彼の唇が触れた瞬間から、その跡がたしかな熱を持って疼き出す。

「んっ…ぅっ… 」

そのくすぐったいようなもどかしいような感覚に耐えられず、礼人は何度も身を捩った。

特に何か性的な快楽をもたらす部分ではないはずなのに、どこもかしこも熱い。

自分の身体の目まぐるしい変化についていけず、ただ北瀬にされるがままになってしまう。

だから、自分がトランクス一枚になっていることなんて、北瀬に尋ねられるまで全く気が付かなかった。

「あや、下も・脱がせていい？」

いつの間に、下着以外全てを脱がされていたのだろうか。